資料D(創価学会から宗務院への返書)
平成2年12月26日付書面を拝見致しました。宗務院からの12月16日付文書の内容につきましては、その根拠とされているテープの出所が不明確であるのみならず、私どもが懸念していたとおり、その引用自体がきわめて不正確であり、明らかに意味を取り違えたものとしか思えない部分が少なからずございます。さらに、根拠のない伝聞に基づいて億測を加えたうえ、あろうことか「池田教」とか「私的な法門」などと決めつけた部分まで見られます。従いまして、私どもと致しましては、このような書面を前提にしたままで、文書によっては責任ある回答をすることはできないと考え、かつまた、ことがらの性質に鑑みれば、何よりも真筆な胸襟を開いた話し含いこそ重要であると思われますので、その旨のお願いを申し上げたわけでございます。
とともに、互いにわだかまりを残したままでは、僧俗和合の実をあげることはできませんので、9項目にわたるお伺いをさせていただき、あわせて話し合いの場でご教示いただきたいと申し上げたのでございます。それに対して、私どもの「お伺い」を「詰問状」であるとか、「回答を示される意志が全くない」とか、「無慙無慨という他ありません」などと一方的に決めつけられ、その旨通知するというのは、あまりにも独断的かつ理不尽きわまりないものであります。私どもと致しましては、何故、ご宗門がこのように頑なに話し合いを拒絶されるのか、全く理解に苦しむものであります。
また、池田名誉会長不在の場では話し合いはできないとのことでありますが、ことは創価学会の弘教活動それ自体の問題であり、執行部として責任をもって対処してまいる所存でございます。
従いまして、私どもは、あくまでも話し合いによって、池田名誉会長のスピーチの真意と広宣流布・宗門外護にかける真情をご理解いただきたいことを、重ねてお願い致します。その際には、スピーチのテープを再生し互いに確認しあいながら、すべてをありのままに明らかにしたいと存じます。ご宗門におかれましては、どうか、私どもの心情をお汲み取りいただき、よろしくご再考いただきたいことをお願い申し上げる次第でございます。
平成2年12月28日
創価学会会長 秋谷栄之助日蓮正宗総監 藤本日潤殿