創価学会会長 秋谷栄之助殿1月30日付の「宗門『お尋ね』文書事件についての見解」と題する創価学会からの書面を読み、今さらながらに学会首脳の傲慢にして無慚極まりない姿勢に深い悲しみを覚えるものであります。平成3年2月9日そもそも今回の問題は、池田名誉会長の、御法上人および正宗僧侶に対する蔑視と52年路線に対する無反省に起因するものであります。特に第35回本部幹部会における問題発言について、昨年12月16日、宗務院より「お尋ね」を送付したところ、これに対し学会は一切回答しなかったばかりか、逆に捏造した内容を含む9項目の「お伺い」をもって返答に代えたのであります。この時点で、名誉会長と学会首脳の驕慢不遜な態度が露呈されたのでありますが、宗務院はこれに対して反省懺悔の機会を与えたのであります。
しかし、1月1日付の回答書においても反省する姿勢は全く見られず、かえって問題の本質を故意にすり替え、ごまかしの弁解に終始していたのであります。
そこで宗務院は、さらに反省懺悔の機会を与えるため、1月12日付で問題点を指摘した文書を学会に送付しました。これは、当方の反訳ミスの部分を訂正した上で、御法主上人およぴ正宗僧侶に対する軽視、52年路線に対する無反省、といった本質的問題に対するすり替えやごまかしを指摘して、学会に猛省を求めたものであります。
ところが、聖教新聞1月25日号の記事や1月16日および17日付の抗議書は、反省はおろか、指摘された本質的問題には全く触れないばかりか、宗門が反訳ミスを認め撤回した部分を誇大に取り上げて、あたかも宗門が「お尋ね」文書を全面的に撤回したかの如く宣伝しておりますが、これまた卑劣極まるすり替えであります。しかのみならず、宗務当局に今回の問題の責任を転嫁するという、完全に居直った態度に転じたのであります。
このような書面に対して答える必要は毛頭ありませんので、宗門がこれを黙殺していたところ、学会はこれを奇貨として、今回の1月30日付書面において「今回、宗務院からの回答がなかったことは、学会側の右両書面の指摘がすべて真実であり、宗門がこれに対し全く反論し得ないことを公に認めたものと断ぜざるを得ません」とし、これをもって「学会の主張の正当性とその正義が厳然と証明された」などと詭弁を弄して、欺瞞に満ちた悪辣な宣伝をしております。しかしながら、池田名誉会長並びに学会書の首脳が己の姿勢を真摯に見つめ直して反省懺悔しない限り、今回の問題は解決しないと認識すべきであります。
そこで宗務院としては、今一度、反省懺悔の機会を与えるべく、この一文を送るものであります。宿世の福徳によって人間と生まれ、大白法にめぐり逢いながら、無残な驕慢心を起こし、多くの会員を巻き添えにして一生を終えたならば、阿鼻大坑に堕ちることは疑いありません。文底下種の仏法の一切の義を正しく御所持あそばされている御法主上人に随順し奉ることが、成仏への直道であります。全学会員を正信に導くためにも、池田名誉会長並びに学会首脳は、虚心坦懐にその誤りを認め、深く反省懺悔すべきであります。
以上
日蓮正宗総監 藤本日潤