資料24(池田大作信徒除名処分に関わる通知書)


通 知 書


東京都新宿区信濃町32番地 創価学会本部
日蓮正宗大願寺信徒  池 田 大 作
昭和3年1月2日生
 
 今般、貴殿の最近の各種会合における発言を調査したところ、左記理由によって、貴殿を本宗宗規第229条及び第230条に基づき、信徒除名処分に付すべきが相当と判断する。
 よって、貴殿に対し弁疏の機会を与えるので、本通知書到着後30日以内に到達するよう、当職宛て弁疏の書面を提出せられたい。
 
   平成4年7月4日
東京都杉並区西荻北2丁目29番12号
日蓮正宗佛乗寺
東京第二布教区宗務支院長  高 橋 信 興(印)
池 田 大 作 殿



理  由


第一  該当事実

貴殿は、日蓮正宗大願寺信徒であり、平成3年11月28日付をもって本宗より破門に処された創価学会及びSGI(創価学会インタナショナル)の最高指導責任者であるが、



  1. 平成4年2月29日付聖教新聞紙上で、同月27日沖縄池田平和会館における、第1回アジア総会・平和音楽祭、第51回本部幹部会、第2回沖縄県総会のスピーチとして、

    現在、日顕宗は、世界中の、あらゆる仏子を苦しめ迫害している。ゆえに我らは、大聖人の仰せのごとく、断固として、これらの魔軍と戦わねばならない。

    と本宗を「日顕宗」「魔軍」等と極言して宗綱に違反し、異説を主張して他の信仰を妨害し、法主上人を誹謗した。さらに、

    インドである方が言われていた。“総本山に参詣しなければ功徳がない”という宗門の主張は、道理からいっても、まったく意味をなさない−。…仏法に照らしてはもちろん、世法の常識に照らしても、まことに滑稽な、笑い話のような主張である。すべて黒い意図による己義であり邪義である。(大拍手)

    と述べ、信仰の中心道場たる総本山を外護すべき檀信徒としての義務に違背し、宗内を乱し、総本山の維持保存を妨害した。



  2. 平成4年3月30日付聖教新聞紙上で、同月29日創価大学記念講堂における、四・二記念合唱祭、第二東京総会のスピーチとして、

    大聖人に反逆する『極悪』の日顕宗とは戦う以外にない。

    と本宗を「『極悪』の日顕宗」などと極言して宗綱に違反し、異説を主張して他の信仰を妨害し、法主上人を誹謗した。



  3. 平成4年4月28日付聖教新聞紙上で、同月26日中部池田記念講堂における、第53回本部幹部会、第8回中部総会のスピーチとして、

    日顕宗の寺院は天魔の住処、魔窟になってしまった。私どもの供養した寺院である。天魔は追放せねばならない。(大拍手)

    と本宗を「日顕宗」などと極言して宗綱に違反し、異説を主張して他の信仰を妨害し、法主上人を誹謗し、かつ本宗僧侶を「天魔」と悪罵し、侮辱した。



  4. 平成4年4月30日付聖教新聞紙上で、同月28日中部文化会館における、四・二八立宗の日記念勤行会のスピーチとして、

    『貧欲の奴隷』になってしまえば、もはや真の『人間』ではないのである。その好例が日顕宗の僧である。(大拍手)

    と本宗を「日顕宗」などと極言して宗綱に違反し、異説を主張して他の信仰を妨害し、法主上人及び本宗僧侶を「貧欲の奴隷」「日顕宗の僧」等と誹謗中傷し、侮辱した。



  5. 平成4年5月5日付聖教新聞紙上で、同月3日創価大学記念講堂における、五・三記念勤行会のスピーチとして、戸田二代会長の発言を紹介し、

    学会員は、四味三教の極位(=法華以前の教えにおける最高の位の者)や、諸宗の元祖より、百千万億借勝れた大菩薩であると、御聖訓のうえから、断言されている(大拍手)。……近年、出現した大聖人違背・大聖人利用の日顕宗の“元祖”などは、比較にもならない。(爆笑・大拍手)

    と述べ、本宗を「日顕宗」などと極言して宗綱に違反し、異説を主張して他の信仰を妨害し、法主上人を「大聖人違背・大聖人利用の“元祖”」などと誹謗した。



  6. 平成4年5月22日付聖教新聞紙上で、同月20日関西戸田記念講堂における、第14回関西総会、第54回本部幹部会のスピーチとして、

    • 現在、私どもの前には、日向以上の『大聖人否定』の邪僧が出現している。釈尊に師敵対した提婆達多の『化身』のような極悪の法主であり、“提婆の宗”−『提婆宗』となってしまった。日興上人のお心を継ぐ私どもは、断じて戦わねばならない。悪人を追放せねばならない。

    • 日興上人の身延離山から、ちようど700年−。今、私どもも日興上人の護法の精神の通り、勇敢に極悪の“不法の法主”と戦っている。

    • 法主を筆頭に一宗あげて悪行乱行の限りを尽くす日顕宗−これほど法を下げ、大聖人を辱めている輩はない。

    • 私どもも、日顕宗の極悪を永遠に許さない。忘れてもならない。歴史の上に、『真実』を残さねばならない。だからこそ、庶民の怒りを込めて、悪行を公にし、すべてを記録しておくのである。後世の教訓のために、民衆が二度とたぶらかされないために。

    • 一番大切なのは広宣流布である。その広布を推進する学会を信頼し、たたえられた日淳上人。反対に学会の壊滅を狙い、広布の前進を阻む日顕。『正師と邪師』『善師と悪師』『大善と極悪』−全く対極の存在である。

    • 今また、『邪曲なる宗教』と化した日顕宗を『排除』するために、正邪を糺す戦いをしているのも学会である。

    等と、本宗を「提婆宗」「日顕宗」等と極言して宗綱に遠反し、異説を主張して他の信仰を妨害し、法主上人を「日向以上の『大聖人否定』の邪僧」「提婆達多の『化身』のような極悪の法主」「極悪の“不法の法主”」「邪師」「悪師」「極悪」等と誹謗した。さらに、

    謗法の現宗門には、大聖人からの成仏の血脈は完全に切れている。堕地獄の宗門となってしまった。これに従う人々も、御書に照らし、同罪である。

    と述べ、本宗相伝の血脈義を否定し、しかも「堕地獄の宗門」と悪罵して、本宗僧俗を誹謗中傷し、侮辱した。



  7. 平成4年6月4日付聖教新聞紙上で、同月2日創価国際友好会館における、第32回全国婦人部幹部会、第55回本部幹部会のスピーチとして、

    今回の問題でも、日顕宗がいかにおどし、騒ごうとも、創価学会は賢明であったがゆえに、微動だにしない。

    と本宗を「日顕宗」と極言して宗綱に違反し、異説を主張して他の信仰を妨害し、法主上人を誹謗した。



以上、貴殿は、多数の本宗信徒を対象として、本宗宗綱に違反し、異説を主張して他の信仰を妨害し、宗制宗規に違背して宗内を乱し、総本山の維持保存を妨害し、法主上人及び本宗僧侶を誹謗または侮辱したものである。





第二  該当規定

第一の1より7の事実について、

1の事実は、日蓮正宗宗規第229条第1号「宗綱に違反し、異説を主張して、他の信仰を妨害したとき」、第2号「宗制宗規または宗門の公式決定に違背し、宗内を乱したとき」、第4号「総本山の維持保存を妨害し、或は『山法山規』を乱したとき」、第五号「言論、文書等をもって、管長を批判し、または誹毀、讒謗したとき」に、
2の事実は、日蓮正宗宗規第229条第1号、第5号に、
3の事実は、日蓮正宗宗規第229条第1号、第5号、第10号「本宗僧侶並びに寺族に対し、横暴の文書、図画並びに言動を為し、或は侮辱したとき」に、
4の事実は、日蓮正宗宗規第229条第1号、第5号、第10号に、
5の事実は、日蓮正宗宗規第229条第1号、第5号に、
6の事実は、日蓮正宗宗規第229条第1号、第5号、第10号に、
7の事実は、日蓮正宗宗規第229条第1号、第5号に、

それぞれ該当する。




第三  証 拠

「第一 該当事実」掲記の各聖教新聞。




第四  情 状

  1. 貴殿は、本宗より破門に処された創価学会及びSGIの最高指導責任者である。昭和54年4月、会長を退き名誉会長となったが、今なお破門された創価学会及びSGIにおいて絶対的な立場にあり、貴殿の言動が同会会員(本宗信徒)に、重大な影響を与える地位にあることは明白である。



  2. そもそも本宗は、宗祖日蓮大聖人を末法本因下種の本仏と仰ぎ、宗祖大聖人の出世の本懐たる三大秘法総在の本門戒壇の大御本尊を信仰の主体とし、またそれに墓づ<化儀・化法の一切を、宗祖大聖人以来の唯授一人の血脈相承によって正しく相伝するとともに、血脈付法の法主上人の指南に基づいて信行に励み広宣流布に邁進してきた、700年の歴史と伝統を持つ大聖人正系の宗教団体である。したがって本宗信徒たる者は、すべからく右を信仰の基本としなければならない。しかるに、本門戒壇の大御本尊のまします総本山を誹謗中傷したり、唯授一人の血脈を無視した「大聖人直結」を主張したり、法主上人の指南に背いて誹毀讒謗し、多数の信徒を誑惑するならは、それは本宗信仰の根幹に背反する異端・異流義となり、無間大坑に堕する不信大謗法の大逆行為となるのである。



  3. 貴殿は、「学会が主、宗門が従」との本末転倒の思想を元とした、創価学会の昭和五二年路線といわれる逸脱の原因が、最高指導責任者たる貴殿白身の慢心に墓づく指導にあったことを率直に認め、深く反省懺悔し、昭和54年4月26日、総講頭を辞任した。特に、創価学会が一連の教義逸脱を反省確認した、昭和53年6月30日付聖教新聞紙上の「教学上の基本間題について(「六・三〇」)」に対して、貴殿は、昭和55年4月2日付同紙上における「恩師の二十三回忌に思う」と題する所感で、「絶対に踏み違えてはならない重要な規範」であり、「この徹底を怠ってはならない」と明確に述べた。

    しかるに、貴殿自身、平成2年11月28日の第35回本部幹部会において、法主上人及び本宗僧侶に対して誹謗し、また昭和五二年路線の反省誓約を破棄した。その上、現在では、「六・三〇」の規範に違背した発言を盛んに行ない、例えば本宗相伝の唯授一人の血脈義を無視した「大聖人直結」を高言するなど、自身、その反省誓約を率先して破棄している。しかも、聖教新聞・創価新報等に掲載された諸種の本宗誹謗の記事に関して、貴殿は、最高指導責任者であるにもかかわらず、何らの是正も行なわなかったばかりか、平成4年1月17日付聖教新聞紙上で、同月15日創価国際友好会館における、全国青年部幹部会、東京の新宿・港合同総会のスピーチとして、


    • 御書の通り、法華経の通りに実践する。経文の上から、道理の上から、『正義』を堂々と主張する−それは慢心でも何でもない。それを妬んで、“破門”などする者こそ、大慢心であり、大増上慢なのである。それは、“御書と経文を否定した”ことになるからだ。

    • 大聖人の御遺命通り、広宣流布へ向かって、自行化他にわたって題目を唱えている−それが創価学会員である。御書と経文に照らして『地涌の菩薩』に決まっているのである。この『地涌の出現』を切り捨てるということは、地涌の菩薩の『上首』(最高指導者)であられる御本仏・日蓮大聖人への大反逆である。宗門は大聖人に矢を放ったのである。仏法上、これ以上の極重罪はない(大拍手)。

    と述べ、本宗が、宗開両祖以来、七百年伝統の法義・信仰を厳護するために行なった創価学会破門処分に反抗し、本宗に対して「大慢心」「大増上慢」「御書と経文を否定した」「御本仏・日蓮大聖人への大反逆」「大聖人に矢を放った」「極重罪」等と誹謗するなど、自身、ますます増長の度を加えている。



  4. 貴殿の本宗の法義・信仰への違背は、現在に至るまで、右第一の該当事実の1から7以外にも、法偏重の謬った本尊義をはじめ、化儀に対する軽視・蔑視、たび重なる法主上人及び本宗僧俗を中傷する発言等、枚挙にいとまがない。

    あまつさえ、本門戒壇を軽視・蔑視した発言、また正本堂の意義付けに関する発言に対しては、教義に関する正否の裁定権を有する法主上人が、平成3年3月9日付書面等によって宗内僧俗に教示され、厳しく指摘されたが、貴殿には、現在に至るまで何らの反省懺悔の姿が見られない。

    さらに、平成4年5月5日付聖教新聞紙上で、同月3日創価大学記念講堂における五・三記念勤行会のスピーチでは、

    今の宗門は正反対の姿に堕落してしまった。“金欲”と“信徒蔑視”に凝り固まった、極悪の教団と化してしまった。悲しいことであるが、極悪とは、断じて戦う以外にない。皆さまは、『正邪』を鋭く見破り、強くまた強く、邪悪と戦い抜いていただきたい(大拍手)。

    などと誹謗して、自身、多くの信徒を煽動し、著しく混乱させている。



  5. 本宗発展にかかる貴殿の過去における責献がいかに顕著であったとしても、創価学会及びSGIの破門に至る貴殿の指導責任はもとより、破門以降における貴殿の一片の反省懺悔すら見られない無慚無愧の右該当事実及びその情状を勘案した場合、この際、信仰の筋目の上からその非違を正さなければ、さらに多くの檀信徒は惑わされ、本宗伝統の清浄な宗風がますます汚され、宗祖日蓮大聖人の御遺命たる広宣流布の進展が著しく妨げられることになる。




右により、貴殿に対しては、信徒除名処分を相当と判断して、本通知に及ぶ。

 以上