昭和53年11月7日
於大講堂大広間
創価学会創立48周年記念代表幹部会(通称“お詫び登山”)
創価学会会長 池田大作
一言、ごあいさつをさせていただきます。
本日、本門大講堂におきまして、ここにもったいなくも、御法主日達上人猊下のご臨席を賜り、また法務ご多繋のなか、全国より御尊師方のご出席をいただき、創価学会の記念代表幹部会を有意義に開催できましたことに対し、一同を代表しまして、衷心より御礼申し上げます。ありがとうございました。(拍手)
戒壇の大御本尊根本に広布に挺身 未法の御本仏日蓮大聖人の仏法の正統の流れは、いうまでもなく、わが日蓮正宗であります。法水潟瓶・唯我与我の代々の御法主上人猊下御一人にのみ、受け継がれておられるのであります。
私どもは、その清流の日蓮正宗の信徒として、今までも正法正義の広宣流布の一翼を担わせていただきました。また、随力弘通の日々を送らせていただき、最大の名誉と福運を自負しているものであります。
私達は、今日よりはまた、ふたたび日達上人猊下が、熱原法難七百年記念法要のみぎり、御説法くだされた御聖訓、すなわち「とにかくに死は一定なり(中略)かりにも法華経のゆへに命をすてよ、つゆ(露)を大海にあつらへ・ちり(塵)を大地にうづむとをもへ」(御書全集156ページ)の御金言を胸に、弘安2年10月12日、末法総与の本門戒壇の大御本尊を根本として、御宗門を外護し、広布大願に、さらに挺身していく決意でありますけれども、皆さんいかがでしょうか。(拍手)
眼前の昭和56年には、値い難き宗祖第七百遠忌を迎えます。一眼の亀が浮木にあうがごとき最大に意義深さ時を迎え、私達は、信心の姿勢を引き締め、御本仏日蓮大聖人より、御法主上人猊下より、称賛される精進をしていきたいのであります。
先程来、理事長、副会長から、僧俗和合の路線の確認、その他の問題について、いろいろと話がありましたが、これは総務会議、県長会議、各部最高会議の全員一致による決定であり、また私の決意であります。この方針に従って、私どもは、一段と広宣流布と正法外護のご奉公に励む所存でございますので、御宗門の先生方、くれぐれも凡下なわれわれを、厳しくも温かく、今後ともご指導くださいますよう心より御願い申し上げます。よろしくお願い申し上げます。(拍手) 会員、幹部の皆さまも、この一点を深くご了解をいただき、その指導徹底をなにとぞお願いいたします。なお、これまで、いろいろな問題について行き過ぎがあり、宗内をお騒がせし、また、その収拾にあたっても、不本意ながら十分な手を尽くせなかったことは、総講頭の立場にある身として、この席で、深くおわびいたします。
万代にわたる僧俗和合へ第一歩 再建以来、創価学会は、広宣流布、折伏の挺身にすべてをかけてまいりました。他を顧みるいとまもなく一直線に進んでまいりました。その結果、今日の大発展と一つの完成をみることがでさえました。これひとえに大御本尊のお力であり、日達上人猊下のご威徳のたまものであります。そしてまた、御宗門の御僧侶の先生方のご支援のたまものであります。ここに深甚の敬意を表します。
また、その過程にあっては、幾多の大難にもあいましたが、そのつど、御宗門におかせられましては、つねに学会を守りに守ってくださいました。そのご恩を私どもは、永久に忘れず、一段と御宗門へのご奉公を尽くしてまいる決意でございます。
ともあれ、激動の時代の変遷と相まって、広宣流布の過程にあっては、たしかに幾多の試行錯誤もありました。また、これからもあると思います。われわれは凡夫幼稚の身であり、誤り多き人間の集いであります。
今は、この場で多くを語るよりも、猊下のご指南を賜り、また宗内の皆さま並びに社会とも真摯に対話させていたださながら、厳たる正しい方向を作り上げる決心であります。それが、私どものとるべき大道であると思い定めております。当面、大いなる発展よりも、内部の整備と信心を深めることに力を注ぎ、ことに正宗の伝統教義の基本をふまえて進んでまいりたいと思っております。これが、万年への宗門と学会、すなわち、僧俗和合の大なる基礎の第一歩となれば、と私は思っております。
正宗の伝統ふまえ広布大願を ともかく、昭和26年、戸田前会長が当時、申し上げた「本山を守護し、諸難を会長の一身に受ける覚悟である」との原点を、私は、ふたたび深く胸に刻んで、広宣流布という大願に、いっそうの信力・行力を奮い起こして前進していく覚悟であります。
広宣流布は、万年への遠征であります。これからが、21世紀へ向けての本舞台と展望いたします。どうか同志の皆さんは、美しき信心と信心とのスクラムを組んで、広々とした大海のような境涯で進んでいっていただきたいのであります。そして、現実に人生の四苦に悩める人を、常楽我浄の幸福の道へと転換するために、きょうもあすも粘り強く、民衆のなかに入り、人間のために、社会のために、そして、広くは世界のために、一閻浮提の正法の光を、さん然と輝かせていく新たなる前進を、開始しようではありませんか。(拍手)
謹んで、御法主日達上人猊下のますますのご健勝と、正法護持の御尊師方のご繁栄を、心よりお祈り申し上げます。また、全会員の皆さま方が、安心して一生成仏への仏道修行の道を信心強盛に進まれんことを念顔しまして、私のあいさつとさせていたださます。ありがとうございました。(拍手)