寺院参詣の意義について


法華経普賢菩薩勧発品第二十八(法華経605ページ)に、「此の人は久しからずして、当に道場に詣(けい)して、諸の魔衆を破して、阿耨多羅三藐三菩提を得」とあり、分かり易く述べますと、「御本尊様を受持する人は、直ちに寺院に参詣して、己心の魔をはじめ、三障四魔を打ち破って、即身成仏の功徳を得る」という事です。

総じて言えば、御本尊様を御安置している処は一往、道場と言う事が出来ますが、再往別して言えば、寺院こそ「根本道場」でありますから、この道場に常に参詣する事こそ、信心の目的たる成仏に到る、最も重要な行為である事を自覚すべきです。


寺院参詣のすすめ十箇条 (参詣とはお寺にて勤行唱題の修行をなすを言う)


一、辺りを過ぎて参詣すべし、
但し寄り道を要せず。
寺院の近くを通ったら参詣すべきであります。しかし、わざわざ遠回りしてでも参詣しろとまでは言いません。
二、暇をつくり参詣すべし、
但し無理を要せず。
暇(いとま)をみて参詣すべきであります。暇はないのではありません。自らがつくるものです。しかし無理をする必要はありません。
三、思いたてば参詣すべし、
但し家業を欠くを要せず。
思い立ったらすぐ参詣すべきであります。しかし、自分の仕事をほったらかしにしてまで来ることはありません。
四、迷いあらば参詣すべし、
但し望外を望むべからず。
心配事や願い事があったら参詣すべきであります。しかし、出来もしない事や、自分勝手で欲深い願いはいけません。
五、憂いきわまったら参詣すべし、
但し総てを任すべし。
どうしていいか迷っている時に参詣すべきです。その時こそ御題目をしっかり唱えて御仏智に身を任すべきです。
六、志立たば参詣すべし、
但し仏天の加護を信ずべし。
決断すべき事があったら参詣すべきです。そして実行に移したら、御本尊様と諸天の加護を心から信じ努力すべきです。
七、喜びありて参詣すべし、
但しこれ信心のお蔭なり。
嬉しい事があったら真っ先に参詣し、御本尊様のお蔭ですと御報告申し上げるべきです。寺院は悲しい時だけ来る所ではありません。
八、忌日命日に参詣すべし、
但し自発の心をもってなり。
両親先祖等の命日には自分からすすんで参詣すべきです。人から言われて義務的に来るのはいけません。
九、招かれて参詣すべし、
これ願ってもなき好機なり。
寺院からの案内や、知人の誘いがあったら参詣すべきてす。この時こそ、行学増進の願ってもない機会と喜ぶべきです。
十、正法を求めて参詣すべし、
これ檀信徒たる務めと心得べし。
正法を求めて自らも参詣し他の人も導く、これが折伏です。寺院こそ下種三宝の住する処です。ここに参詣し、御護りする事が檀信徒の務めであります。
以上