The Art Of Herbie Nichols / (BLUE
NOTE) |
HERBIE NICHOLS |
 |
Harbie
NIchols:Piano
Al Mckibbon:Bass(1-12)
Teddy Kotick:Bass(13-14)
Art Blakey:Drums(1-6)
Max Roach:Drums(7-14)
|
1.The Third World
2.Step Tempest
3.Blue Chopsticks
4.Cro-Magnon Night
5.2300 Skidoo
6.Shuffle Montgomery
7.The Gig |
8.Hangover Triangle
9.Lady Sings The Blues
10.House Party Starting
11.Sunday Stroll
12.Terpsichore
13.Riff Primitif
14.The Spinning Song |
Love, Gloom, Cash, Love /
(Bethlehem) |
HERBIE NICHOLS |
 |
Harbie
NIchols:Piano
George Duvivier:Bass
Danny Richmond:Drums |
1.Too Close For Comfort
2.Every Cloud
3.Argumentative
4.Love, Gloom, Cash, Love
5.Portrait Of Ucha |
6.Beyond Recall
7.All The Way
8.45゜Angle
9.Infatuation Eyes
10.S'crazy Pad |
「コンポーザー兼ピアニスト」
「古典的な要素と前衛的な要素が混在した曲と演奏」
「テーマからあまり離れないアドリブ」
・・・なんていうと、まるでモンクのことを言ってるみたいだけど、
このことはここで紹介するハービー・ニコルズにもそっくりあてはまります。
モンクとは年も近いし(ニコルズの方が2歳年上)、
実際に交友関係もあったようです。
作品の方も非常に個性的で、最初はちょっととっつきにくかったり
面食らったりすることもありますが、慣れるとやみつきになるところが
モンクと共通していると言えるでしょうか。
ただ、曲の印象はモンクとは異なります。
例えばごく形式的な話としては、12小節のブルース形式の曲が
一つもないということがあります。
感覚的にはとってもブルージーなんですけどね。
あと、演奏はモンク的な味のあるヘタウマ感覚とは違い、
もう少し「達者」というか「ウマい」感じと言えばいいでしょうか。
とはいえ、一般的なスタイルとはかなり異質なものであることに
変わりありません。
さて、ハービー・ニコルズといえば、
どのレコードガイドにも
「優れた才能を持ち合わせながら、
なんら注目を浴びることなく不遇のままに終わった」
といったことが書かれています。
個人的にはちょっとそのことが強調され過ぎ
(特に作品評価の面で)じゃないかと思いますが、
自分の作品を演奏したりレコードに吹き込んだりする機会に
ごくわずかしか恵まれなかったことは確かで、
生前に発表されたリーダー作は
ブルーノート盤3枚(うち2枚は10インチLP)、
ベツレヘム盤1枚の計4枚しかありません。
死後発表されたものとしては、ブルーノート時代のコンプリート盤、
日本編集の未発表作品・アウトテイク集などがありますが、
ここではブルーノートのベスト盤
"The Art Of Herbie Nichols"を推薦しておきます。
ブルーノート盤3枚と未発表作品からバランスよく選曲された
オリジナル作品14曲が収められており、
ハービー・ニコルズの特異な個性の魅力を知るには
手頃な一品だと思います。
ビリー・ホリディが詞をつけた"Lady Sings The blues"や
植草甚一がお気に入りだったという"House Party Starting"など
比較的有名な曲もしっかり入っています。
もう1枚買うとしたら、"Love, Gloom, Cash, Love"かな。
他人の曲を3曲もやっていたり、
ブロックコードを多用したちょっと古風なバラードが目に付いたり、
唯一のピアノソロ作品があったりと、
ブルーノート盤とはちょっと違った感じの作品です。
もっとも、こちらの方がより一般的かなという気もしますが。
|