'bout JAZZ

M

 

MARTIAL SOLAL

MARTIAL SOLAL  TOOTS THIELEMANS / (ERATO)
solar01.jpg (28419 バイト) MARTIAL SOLAL(PF)
TOOTS THIELEMANS(HCA)
1.YOU STEPPED OUT OF A DREAM
2.SOLAR
3.LOVER MAN
4.WALTZ FOR SONNY
5.ERATO BLUES
6.DON'T BLAME ME
7.WHAT IS THIS THING CALLED LOVE
8.INVITATION
9.VALSE A 3 TEMPS
10.I CAN'T GET STARTED
11.THE END OF A LOVE AFFAIR

ヨーロッパを代表する2人によるデュオアルバムです。
ソラールの知的で先鋭的なスタイルがいかんなく発揮された作品で、
全編に渡って青白い炎の様な演奏が繰り広げられます。
シールマンスもソラールの資質に共鳴するかの様に
テンションの高いフレーズを返す・・・。
2人のワンアンドオンリーが織り成す硬質なインタープレイは、
リスナーをくたくたにさせるくらい密度の高い対話です。
中でも"恋とは何でしょう"の演奏が素晴らしく、
途中、興奮を抑え切れずシールマンスが声を上げる瞬間もあります。

 

SUITE FOR TRIO / (MPS)
solal02.jpg (7638 バイト) MARTIAL SOLAL(PF)
NIELS HENNING ORTED-PEDERSEN(B),
DANIEL HUMAIR(DS)
A-1.COMMIG YESTERDAY
  2.NO DELAY
  3.SUITE FOR TRIO
B-1.'S WONDERFUL
  2.CHEROKEE
  3.HERE'S THAT RAINY DAY

マーシャルソラールが'77年に録音したアルバムです。
いかにもMPSって感じのシャリシャリした音質でやや神経に障る(笑)。
でもそれがこの演奏の凄みを良い意味で増幅してる様な気もします。

ソラールを中心に全員の尖がったプレイが火花を散らしています。
その音のぶつかりあいたるや、対話なんて生易しいものではありません。
喩えて云うなら有識者同志が難しい議論を闘わせている様なイメージ。
殆ど「朝まで生テレビ」状態と云った方がいいかもしれません(笑)。
聴き手はただ黙って、繰り広げられる議論の激しさに
打ちのめされるが如き快感に浸るのです。

A面のソラールのオリジナル曲も面白いのですが、
B面のスタンダード3曲の方が聴き応えあります。
ただし原曲の骨格だけを残した演奏なので気を抜くと
何て曲を演ってるのか気がつかないかもしれません(笑)。

B面1曲目の"'S WONDERFUL"を聴いてみてもBメロのアタリで、
何となく"'S WONDERFUL"だなとわかる程度です。
その代わりアドリブの中でテーマを明確に引用してたりします(爆)。
アドリブの絡み合いの激しさはホントにえぐい。
ベースソロになったらピアノやドラムがトーンを落とすなんて事一切なし。

2曲目の"CHEROKEE"に至っては最後まで"CHEROKEE"だと気付かない(笑)。
ペデルセンのいかついソロを経てソラールが弾きまくります。
時々リズムセクションから放り出されて完全ソロに突入する構成も秀逸。

3曲目の"HERE'S THAT RAINY DAY"にも面食らわされます。
オープニングでペデルセンのベースがカデンツァを演奏した後、8ビートに突入!
更にアドリブパートは急速調の4ビートに!
普通この曲はバラッドで演奏するもんなんですけどねー(笑)。

とにかく一度聴いたらかなりのエネルギーを消耗してしまうアルバムです。

 

MICHIEL BORSTLAP

THE SEXTET LIVE! / (CHALLANGE)
bstlap01.jpg (6204 バイト) MICHEL BORSTLAP(PF),BENJAMIN HERMAN(AS,C MELODY SAX),
YURI HONING(B),ANTON DRUKKER(B),JOOST LIJBAART(DS)
DISC-1
1.GIJS
2.B.A.M.
3.MONK'S MOOD
4.CURVE IN A DAY OF A FOOL
DISC-2
1.JUST IN TOWN
2.IN WHICH POOH GOES VISITING
  AND GETS INTO A TIGHT PLACE
3.DECEMBER DANCE
4.DAY OFF
5.BASIN STREET BLUES

ミッチェルボーストラップって読むのでしょうか?全然知らない人です(笑)。
ちょっと阿部寛に似たカッコええ兄ちゃんなんで、オシャレ系のサウンドかと思ったら
凄く意欲的で硬派なジャズでした。失礼しました。
これは、1995年に出された2枚組のライヴ丸ごとアルバムです。
9曲中7曲がオリジナル作品でそのどれもがイマジネーションを掻き立てられる
魅力的なモノばかりです。
ピアニストとしてよりもコンポーザー&アレンジャーとしての才能がある人だと思います。
聴き終わった後で彼のピアノプレイってあんまり印象に残ってなかったりして〜(笑)。
アルバムのライナーをジョンテイラーが書いていて、彼の印象を熱く語っています。
今、どう云う活動をしているのでしょう?ご存知の方がいらっしゃいましたら教えて下さい。

【追記】
この人はオランダのピアニストなのだそうです。
で、名前の読み方は「ミケルボルストラップ」が正解みたい。
ウェザーリポートにトリビュートしたアルバム
bstlap02.jpg (3982 バイト)「BODY ACOUSTIC/(EMERCY)」ってのを見つけました。
個性のキツイWRの音楽をあくまでも素材として使い切ってるのが立派。
特に誰もが期待してる筈の"BIRDLAND"は、
意表と突いてなんとトランペットとピアノのデュオ仕立て!
でもって、このアルバムのライナーに書いてある情報によると
彼は、96年のセロニアスモンクコンペティションで
最優秀作曲賞を得たとの事。
やっぱりプレイヤーよりもコンポーザーとして認められてたんですね。
1+1.jpg (2546 バイト)その受賞曲"MEMORY OF ENCHANTMENT"は、
ハービーハンコックとウェインショーターによる
「1+1/(VERVE)」でも演奏されてるって。
どれどれ…。あ、ほんとだ。ちゃんとミケルボルストラップって書いてる。
このアルバム眠たくなるので聴いてなかったや(爆)。

 

RESIDENCE / (VIA JAZZ)
bstlap03.jpg (4804 バイト) MICHEL BORSTLAP(PF),ANTON DRUKKER(B),
JOOST LIJBAART(DS)
1.SONG FOR B.
2.IN YOUR OWN SWEET WAY
3.RESIDENCE
4.I LOVE YOU
5.DAMASCUS
6.DREAM OF THE ELDERS
7.COLUMBO
8.MEMORY OF ENCHANTMENT

このアルバム、1996年の録音ですからミケルボルストラップが
セロニアスモンクコンペティションで最優秀作曲賞を受賞した年の作品です。
当然受賞曲である"MEMORY OF ENCHANTMENT"が収録されております。
ピアノトリオと云うフォーマットでの演奏を聴いて、彼が作曲者としてだけでなく、
プレイヤーとしても魅力ある人だと云う事がわかりました。
ハービーハンコックやエヴァンスやキースジャレットあたりの影響が色濃く出てて
ちょっと聴きには音楽学校上がりの優等生的プレイにも聴こえますが、
ソロパートでのインプロヴィゼーションはダイナミックで聴き応え十分です。
例えばデイヴブルーベックの名曲"IN YOUR OWN SWEET WAY"などは
耽美的なルバートなカデンツァから始まり次第にヒートアップしていく中、
決してメカニカルなスケールだけに陥る事なく歌心のあるアドリブを聴かせてくれます。
この辺りコンポーザーとしての資質が活かされている様に感じます。
"MEMORY OF ENCHANTMENT"の様に繊細で美しいプレイから
"COLUMBO"の様にハードに疾走する曲まで表現力はかなりのモノです。
まだまだ成熟する余裕が残されているだけに更に期待が膨らみます。

 

LIVELINE / (EMERCY)
bstlap04.jpg (7112 バイト) MICHEL BORSTLAP(PF,FENDER RHODES,SYNTH),
JIMMY HASLIP(B),ERIC VLOEMANS(TP),
JEROEN DE RIJK(PERC),HANS EIJKENAAR(DS),
PAUL POUWER(SOUND)
1.WINDOM
2.LIVELINE
3.CENTURION
4.BRADSHAW
5.FOOTPRINTS
6.WINDOM(RADIO-EDIT)

ミケルボルストラップの2000年のライヴ録音です。
ジミーハスリップ&ミケルボルストラップのエレクトリックバンドと云う名義ですが、
エレクトリック、エレクトリックな感じはあまりしません。
アコースティックな香りが立ち込めたエレクトリックって感じです。ってわかりにくい?(笑)
うーんと、エレクトリックな音がアコースティックの表現力のきめの細かさを殺さず、
タイトに絡みあっている感じ…、って余計にわかりにくい??(笑)
要は、テーマもアドリブもリズムもセンスもアイデアもルックスも…、全てがカッコイイのです。
表題曲の"LIVELINE"のボルストラップのアコースティックピアノのソロの凄みは特筆モノ。
それに烈しく纏わりつくベース、ドラム、パーカッションが更に演奏に躍動感を与えています。
個人的にショーターの"FOOTPRINTS"がお気に入り。
エリックヴレーマンスのアドリブの途中からテンポが上がり一気に白熱。
きっとその場の呼吸でそう云う展開になったのでしょう。ライヴらしいスリリングな演奏です。

bstlap05.jpg (3453 バイト)同じく2000年録音のライヴアルバムで
「GRAMERCY PARK/(EMERCY)」と云うアルバムもありました。
これはソロ、トリオ、打ち込みモノの3枚組CD。
打ち込みモノの良し悪しは私にはよくわかりませんが
ソロ、トリオでのストイックな演奏は実に彼らしいです。
いきなりショパンを弾いたりするのはご愛嬌。
こちらもお薦め。…ちょっと高いけど(笑)。

MICHEL PETRUCCIANI

ESTATE / (RIVIERA)
michel01.jpg (20628 バイト) MICHEL PETRUCCIANI(PF),
FURIO DE CASTRI(B),
ALDO ROMANO(DS)
A-1.PASOLINI
  2.VERY EARLY
  3.ESTATE
B-1.MAYBE YES
  2.I JUST SAY HELLO
  3.TONE POEM
  4.SAMBA DES PROPHETES

彼の持ち味である瑞々しさと、晩年のプレイにはない荒々しさを併せ持った
ミッシェルペトルチアーニの初期の名盤です。
一曲として気を抜く事ができない内容の濃さです。
この頃のペトルチアーニはタッチが重く、音の一粒一粒が際立っています。
ですから演奏全体に不思議な不透明感が漂よっているって感じでしょうか。
A面の1曲目の様な明るく爽やかな曲であっても、決して軽く流れてしまわない。
音楽に挑んでいる様な演奏スタイルです。
表題曲の"ESTATE"にしてみてもアルドロマーノのブラッシュワークが、
流れに澱みを与えていて実に面白い解釈だと思います。
B面の1曲目は、ドラムをフィーチャーしたナンバー。
短いながらもドラムに張り合うようなパーカッシヴなピアノを聴けます。
なんだか全部の曲について話したいくらいです(笑)。
今ならディスクユニオンからCDが発売されていて簡単に入手できます。

michel02.jpg (8623 バイト)あと初期のペトルチアーニと云えば、ソロデビュー作である
「MICHEL PETRUCCIANI / (OWL)」を忘れる事はできません。
彼の存在感を決定付ける"HOMMAGE A ENELRAM ATSENIG"の
耽美でいて力強い演奏は、何度聴いても震えます。
このアルバムも今であれば簡単に入手できる筈です。
ミュージシャンの死は悲しいですが、再認識のきっかけになるのですね。

その後ブルーノートで制作されたアルバムは、
どれをとってみても素晴らしい出来のものばかりです。
荒々しさは抑制されて、美しさに磨きがかかっています。
瑞々しく耽美的な
「PIANISM / (BLUE NOTE)」(左)、
楽しさが表面に出た
「MUSIC/ (BLUE NOTE)」(右)では、
なんとシンセを弾いてます。


MICHEL PORTAL

DOCKINGS /(LABEL BLEU)
portal01.jpg (25556 バイト) MICHEL PORTAL(B-CL),BANDNEON,AS),MARKUS STOCKHAUSEN(TP),
BOJAN ZULFIKARPASIC(PF),BRUNO CHEVILLON(B),
STEVE SWALLOW(EL-B),JOEY BARON(DS)
1.BAROUF
2.DOLPHY
3.LION'S DREAM
4.MUTINERIE
5.NEXT
6.SOLITUDES
7.EMBROUILLE
8.K.O.
9.TOURNIOLE
10.IDA LUPINO
11.ILLUSION IN B FLAT

ミッシェルポルタルの1997年録音のアルバムです。
パリ音楽院を卒業、ブーレーズやシュトックハウゼン等と現代音楽を探求。
こう書くと、いかにも難解な音楽をする人の様に思われてしまいそうですが、
彼のジャズアルバムは、やや実験的な風合いが強いとはいえ、
明解でわかりやすいと思います。
フレージング等があまりジャズ的ではない事もあって
彼の音楽は、一聴してわかる独特の響きを持っています。

このアルバムは、メンバー的にも充実しており、
今迄以上にドラマティックなポルタルの音楽が表現されてます。
コードの動きのない曲や単純なリフの反復の上に
アドリブをぶつけていくのも彼の特徴的な演奏ですが、
"K.O."の様にメロディアスでジャズ寄りな演奏も実にスリリング。

ちなみにトランペットのマルクスシュトックハウゼンは、
あのシュトックハウゼンの息子。親子二代との付き合いですね(笑)。
マイルスを彷彿とさせるテンションの高い演奏が素晴らしい。

portal02.jpg (13497 バイト)「DOCKINGS」から10年前に録音されたライブアルバム
「MEN'S LAND/(LABEL BLEU)」が、私にとって初ポルタルでした(笑)。
一曲目のディジョネットの"AHMAD THE TERRIBLE"にクラクラ。
明るい響きの中に厳しいアプローチが介在してると云った感じ。
うーん、わかりにくい表現ですか・・・。
ディジョネットやデイブリーブマンとの共演ですが、
明らかに音楽的な主導権は、ポルタルにあります。

etc03.jpg (10716 バイト)あと、リーダーではありませんが、フランソワテュスクの
「1965,FREE JAZZ / (ADDA?)」も素晴らしいアルバムです。
フランスのフリージャズの先駆的演奏と云う位置づけながら、
破壊的なフリージャズとは性格を異にしており、
実にコンストラクティヴな音楽が展開されています。
ただ不思議なのは、ものの本によると1966年に録音された
「FREE JAZZ」と云うアルバムがあるのですが、
メンバーも曲も同じで、この1965の方には、追加トラックもある。
ただのジャケ違いなのでしょうか?
ライナーノーツがフランス語で書かれているので、
その辺のところがさっぱりわかりません(笑)。

 

MIKE SMITH

UNIT 7 / (DELMARK)
smith01.jpg (19416 バイト) MIKE SMITH(AS),RON FRIEDMAN(TP),
JODIE CHRISTIAN(PF),SID JACOBS(G),
JOHN EHITFIELD(B),ROBERT SHY(DS),
ALEJO PROVEDA(PERC)
1.UNIT 7
2.HI FLY
3.LA LUZ DE LA LUNA
4.WORK SONG
5.JEANINE
6.PISCES
7.DAT DERE
8.A LITTLE TASTE

マイクスミスってアルト奏者は、一言で云えば、キャノンボールそっくり(笑)。
でもキャノンボール以上に美しい音色で流麗なフレージングを繰り出します。
但し、あまりアーシーさはないので、爽やかにファンキーなのですね(笑)。

このアルバムは、モロにキャノンボールアダレイにトリビュートされています。
演奏している曲目もマイクスミスのオリジナル曲"LA LUZ DE LA LUNA"以外は、
キャノンボールが愛奏していた曲ばかりです。
cannon01.jpg (10132 バイト)特にタイトル曲の"UNIT 7"は、最高にスインギーに仕上がっています。
本家本元の演奏に迫る出色の出来です。
「JAZZ WORKSHOP REVISITED / CANNONBALL ADDERLEY (RIVERSIDE)」
と聴き比べて見ても面白いと思います。
(尚、ジャケ写は、LANDMARKからリイシューされた時のモノです。)

smith02.jpg (11367 バイト)彼については詳しくありませんが、
デルマークから数枚のアルバムが出ている様です。
これでもかと云うくらいキャノンボールフレーズ連発の
"ROSEBUD"が爆笑ものの
「THE TRAVELER / (DELMARK)」
併せてお薦め致します。ここでは、彼のソプラノも聴く事が出来ます。

 

MIKE WOFFORD

FUNKALLERO / (TREND)
mike01.jpg (14878 バイト) PAUL SUNDFOR(AS,SS),MIKE WOFFORD(PF),
ANDY SIMPKINS(B),SHERMAN FERGUSON(DS)
1.STAR TRAVELER       
2.SKIPPY          3.NEPTUNE          
4.U'N'I           
5.ISFAHAN
6.FUNKALLERO
7.BLUE SERGE
8.BLACK FOREST BLUES
9.NO MORE

やっぱりマイクウォーフォードは、変なピアニストです。
エヴァンス系と云われる事もあるようですが、耽美的な演奏は、
何でもエヴァンスと云われてしまう傾向にあるので無視します(爆)。

モンクの曲を取り上げる事も多く、また、あまり知られていない曲に
スポットライトを当てるのも好きなようです。
私は、まずこの渋い選曲の妙に「やられたっ。」なのです(笑)。

ここでは、かなり個性的なアルトサックスをフロントに添えて、
普段以上に面白い演奏を聴かせてくれています。
ドラムも結構派手に叩く叩く・・・。

エヴァンスとゲッツで吹き込まれたファンカレロもかなり変態的な
アプローチでウネウネと演ってくれています。

エヴァンス系だと思ってこれを聴いた人は、怒るだろうなぁ(笑)。

 

MIKE WOFFORD PLAYS GERALD WILSON "GERALD'S PEOPLE" / (DISCOVERY)
mike02.jpg (7491 バイト) MIKE WOFFORD(PF),RUFUS REID(B),
CARL BURNETT(DS),RICHIE GAJATE GARCIA(PERC)
1.YOU BETTER BELIEVE IT
2.TRIPLE CHASE
3.LATINO
4.GERALD'S PEOPLE
5.LOVELIN
6.ARAM
7.TERI
8.NANCY JO
9.EL PRESIDENTE
10.JERI
11.BLIES FOR YNA YNA
12.PACO/MOODY BLUE

マイクウォーフォード・プレイズ・ジェラルドウィルソンって云われても、
そのジェラルドウィルソンって人を知りませんでしたので、
モノの本で調べてみたところ、トランペッター兼ビッグバンドリーダーでした。
何でもウエストコーストでビッグバンドを持った唯一の黒人だとか。
それにしてもなんと魅力的な曲を書く人なんでしょうか。
メロディラインがとてもスムーズな流れで展開してるんですけど、
要所要所にピクッと来るフレーズが散りばめられていて、程よい刺激が。
ウエストコースト系と云うより、もろハードバップだと思います。
こういった玄人好みの渋いコンポーザーを取り上げるところが、
やっぱりウォーフォードだなぁと思う次第です。
彼のピアノには音の広がりがあって、ガシガシ弾いてもうるさくない。
ノリもかなり黒っぽいスイング感があって心地よいです。
どうしてこの人をエヴァンス系と云うんだろうなぁ。
○○系と型に嵌め過ぎるのは日本人の悪い癖ですね。
そんな事は気にせずにもっと沢山の人に聴いてもらいたいピアニストの一人です。

 

N

O

OSCAR PETERSON

NIGERIAN MARKETPLACE / (PABLO)
oscar01.jpg (21146 バイト) OSCAR PETERSON(PF),
NIELS HENNING ORSTED-PEDERSEN(B),
TERRY CLARK(DS)
A-1.NIGERIAN MARKETPLACE
  2.AU PRIVAVE
  3.NANCY WITH THE LAUGHING FACE

B-1.MISTY〜WALTZ FOR DABBY
  2.CAKEWALK
  3.YOU LOOK GOOD TO ME

oscar02.jpg (8979 バイト)誰がなんと云おうとオスカーピーターソンの最高傑作は、
「THE WAY I REALLY PLAY / (MPS)」だと思っています。
ただピーターソンのゴリゴリのピアノは、脂っこい料理の様なもので
ずっと聴いてると「もーえーわ。」って事になります。
そこでお薦めしたいのがこの「NIGERIAN MARKETPLACE」です。
しかも1曲目だけ!(笑)
ペデルセンのベースから始まる「らしくない」曲。
しかしこれは、れっきとしたピーターソンのオリジナル曲なのです。
彼のアフリカ組曲の中の1曲なのだそうですが、ミスティックで変化に富んだ曲調。
跳ねないビートで進んできたのに、ピーターソンのアドリブパートになると
やっぱりスイングしてしまうのは、ご愛嬌。
8ビートでどうしてこんなスイングするのか不思議なんですが。むむむ。
更にいつもの手癖フレーズが連発し始めて‥‥、わー、いつもと一緒だ〜(笑)。
それにしてもペデルセンのベースは凄いです。
ここまで弾いたらウッドベースじゃないぞ。
2曲目のパーカーの"AU PRIVAVE"では、テーマをユニゾっちゃってるしー(爆)。

うーん、やっぱりピーターソンは、グイグイとスイングしなきゃ意味ないね‥‥。
って事で方向転換。このアルバムもゴキゲンなライヴ作品としてお薦めします(笑)。