VOCAL SELECTION for CHARLIE CHAN-san

ジャズヴォーカルに関しては、とっても素直なセレクトになりました。
と云うのも私のジャズの聴き始めはヴォーカルが中心だったからなんです。
その頃沢山のスタンダードを覚えた事がよかったと思います。
だから今回のセレクトに関しては、名盤中の名盤で入手し易いものを選びました。
更に、できるだけスタンダードナンバーをセレクトしたつもりです。

ただそれだけではあんまり面白くないので、後半、やや私の趣味に走ってます(笑)。
でも基本的には、聴いて楽しめるアルバムばっかりです。ご安心下さい。


vocal01.jpg (22959 バイト) WHAT A LITTLE MOONLIGHT CAN DO
LADY DAY / BILLIE HOLIDAY (COLUMBIA)
BILLIE HOLIDAY(VO),ROY ELDRIDGE(TP),BENNY GOODMAN(CL),
BEN WEBSTAR(TS),TEDDY WILSON(PF),JOHN TRUEHEART(G),
JOHN KIRBY(B),COZY COLE(DS)
BY FRIENDS のコーナーでブギさんに薦めてもらったアルバム。
彼女の魅力を私は今一つ理解できていないと思ってましたが、
これを聴いてかなり考え方が変わりました。
とっても情感豊かに歌詞を大事に唄う彼女の歌唱は、
彼女の不幸な人生の話などとは、切り離して聴くべきなのでしょう。
それにしてもバックバンドのメンバーの豪華な顔ぶれ!

 

vocal02.jpg (21509 バイト) MANHATTAN
NIGHT IN MANHATTAN / LEE WILEY (COLUMBIA)
LEE WILLEY(VO),BOBBY HUCKETT(TP),JOE BUSHKIN(PF),
AND OTHERS
BBS であのまりあさんに薦めてもらったアルバム。
恥ずかしながらそれまでリーワイリーを聴いた事がありませんでした。
くつろぎの中に浸れる洗練されたスマートなスイングジャズです。

 

vocal03.jpg (20840 バイト) ANGEL EYES
DUET / JUNE CHRISTY & STAN KENTON (CAPITOL)
JUNE CHRISTY(VO),STAN KENTON(PF)
ジューンクリスティーと彼女の育ての親スタンケントンのデュオ。
彼女のハスキーな声とマットデニスの名曲"ANGEL EYES"が
見事に調和を見せています。
スタンケントンオーケストラの時とは違った静かなムードが素敵です。

 

vocal04.jpg (24906 バイト) I'VE GOT YOU UNDER MY SKIN
BLACK COFFEE / PEGGY LEE (DECCA)
PEGGY LEE(VO),PETE CANDOLI(TP),JIMMY ROWLES(PF),
MAX WAYNE(B),ED SHAUGHNESSY(DS)
ペギーリーの名盤。表題作"BLACK COFFE"を選びたいところだが、
これについては、私はクリスコナーのものが好きなので、
ここは、スインギーにコールポーターの名曲を。
サビの部分の節回しにチト難ありですが、なかなかの力唄。

 

vocal05.jpg (23739 バイト) LULLABY OF BIRDLAND
SINGS LULLABY OF BIRDLAND / CHRIS CONNOR (BETHLEHEM)
CHRIS CONNOR(VO),ELLIS LARKINS(PF),
EVERETTBERKSDALE(G),BEVERLY PEER(B)
そないに大口開けんかて(笑)。ジャケ写でもインパクトのある名盤。
彼女の代表作は、他にも沢山あってセレクトに困りますが、
やっぱりこの"バードランドの子守唄"を聴いておくべきでしょう。
余談ですがこの曲、"LOVE ME OR LEAVE ME"って曲のコードに
ジョージシアリングがメロディを付け直したものです。
スインギーな演奏が多く、とても寝てられません(笑)。
クリスコナーのハスキーヴォイスが気持ち良いです。

 

vocal06.jpg (28036 バイト) YOU'RE THE TOP
THIS IS ANITA / ANITA O'DAY (VERVE)
ANITA O'DAY(VO),BUDDY BREGMAN AND HIS ORCHESTRA
アニタオデイは、アルバムによって出来不出来が激しい。
極端な話をしてしまえば、このアルバムと、
「ANITA SINGS THE MOST / (VERVE)」、
そして映画「真夏の夜のジャズ」で充分なのかもしれません。
しかしそこでの彼女は、真のジャズシンガーと呼ぶにふさわしいでしょう。
この"YOU'RE THE TOP"は、コールポーターの名曲。
恋人を色んなモノに喩えて、「あなたが最高」っておのろけソングです(笑)。
アニタは、三番の歌詞を変えてジャズメンの名前を次々に出し、
YOU'RE THE BOP!と小粋に締めくくります。

 

vocal07.jpg (23555 バイト) IF YOU GO AWAY
JUST FRIENDS / HELEN MERRIL (EMERCY)
HELEN MERRILL(VO),STAN GETZ(TS),TORRIE ZITO(PF)
ヘレンメリルと云えば、「WITH CLIFFORD BROWN」なんですが、
ご本人が嫌いなアルバムらしいのでセレクトから外してみました(笑)。
そこで一気に新しくなって1989年録音のこのアルバムを。
スタンゲッツとの見事なコラボレーションが聴ける後期の名盤。
特にこの"IF YOU GO AWAY"の胸締め付けられる空気は凄い。
ゲッツは、イントロのみを吹ききり後をヘレンメリルに渡します。
彼女の語り掛ける様な唄い方は、実にエモーショナルです。

 

vocal08.jpg (21518 バイト) I GET A KICK OUT OF YOU
FOR THOSE IN LOVE / DINAH WASHINGTON (EMERCY)
DINAH WASHINGTON(VO),CLARK TERRY(TP),
JIMMY CLEVELAND(TB),PAUL QUINCHETTE(TS),
CECIL PAYNE(BS),WYNTON KELLY(P),
BARRY GALBRAITH(G),KEETER BETTS(B),
JIMMY COBB(DS),QUINCY JONES(ARR)
ダイナワシントンの独特の歌声に嵌まると抜けられなくなります。
ブルースの女王(淡谷のり子ではない(>_<;)として
エマーシーの花形女性ヴォーカリストであった彼女のアルバムには、
常に凄いメンバーのジャズメンが参加しています。
これも大きな聴き所の一つでしょう。
ここでは、コールポーターの洗練された曲を唄っていますが、
彼女が唄うとどう云う訳かどんな曲でもアーシーになるんですね(笑)。
それはそうと、コールポーターの選曲が多いなぁ、私。

 

vocal09.jpg (31080 バイト) I'VE GOTTA BE ME
LIVE AT CARNEGIE HALL / ELLA FITZGERALD (CBS)
ELLA FITZGERALD(VO),TOMMY FLANAGAN(PF),
JOE PASS(G),KETTER BETTS(B),FREDDIE WAITS(DS)
白内障で活動休止していたエラフィッツジェラルドの復帰ライブ。
この曲は、LPでは、一枚目のA面最初に収められていました。
CD化されて順番が入れ替わっちゃうと拍子抜けするなぁ(笑)。
しかも輸入盤買ったらジャケ写も変な色だしぃ・・・(笑)。
そんな話は、さておき、ここでのエラのスインギーな歌唱は、
往年の「IN BERLIN」「AT THE OPERA HOUSE」に迫る迫力です。
アルバム全体が彼女の足跡を追う形のプログラムになっていて、
彼女を支えたジャズメン達が次から次へと出演します。
彼女の凄さを再認識させるアルバムです。
しかも、エラは、この後もパブロから優れた作品を次から次へと
生み出していきます。何と云うヴァイタリティ!

 

vocal10.jpg (17966 バイト) AUTUMN LEAVES
CRAZY AND MIXED UP / SARAH VAUGHAN (PABLO)
SARAH VAUGHAN(VO),JOE PASS(G),ROLAND HANNA(PF),
ANDY SIMPKINS(B),HAROLD JONES(DS)
黒人女性ジャズシンガーの御三家は、エラ・サラ・カーメンです。
これは、普遍の真理ですが(笑)、私はこの中でサラだけが
どうも体質に合いません。
だからと云ってお薦めに入れない訳にも行かないので、
定石通りこのアルバムを挙げておきます。
全編スキャットでテーマを一度も唄わないまま終わります。
リーコニッツみたいでカッコいいぞ(笑)。
ジョーパスのぐいぐいとドライブするギターが気持ち良いです。
サラのスキャットって声質のせいもあってモタって聴こえますが、
実に音程が正確で聴き易いですね。

 

vocal11.jpg (14365 バイト) AS TIME GOES BY
AS TIME GOES BY / CARMEN McRAE (VICTOR)
CARMEN McRAE(VO,PF)
御三家最後は、カーメンマクレエ。
他の二人と比べて速いテンポの曲とかは、苦手です。
そのかわりバラッドの歌唱には、優れた表現力を持っています。
このアルバムは、全曲弾き語りによる日本でのライヴを収めたもの。
誰もが知ってる"AS TIME GOES BY"をヴァースから丹念に唄います。

 

vocal12.jpg (17830 バイト) BUT NOT FOR ME
CHET BAKER SINGS /CHET BAKER (PACIFIC)
※ジャケ写は CHET BAKER VOCAL COLLECTION / (DISC PORT)
CHET BAKER(VO,TP),RUSS FREEMAN(PF),
CARSON SMITH(B),BOB NEEL(DS)
チェットベイカーをトランペッターとしてよりも
ヴォーカルとして評価する人も多い様です。
彼の空中を漂うようなヴォイスは、不思議な魅力に溢れています。
死ぬまでトランペットを吹き、歌も唄い続けたチェットですが、
やはり初期のパシフィック時代が最も輝いていたと思います。

 

vocal13.jpg (17671 バイト) THESE FOOLISH THINGS
THE VOICE THIS IS! /JOHNNY HARTMAN (IMPULSE!)
JOHNNY HARTMAN(VO),HANK JONES(PF),
BARRY GALBRATH(G),RICHARD DAVIS(B),
OSIE JOHNSON(DS)
甘い男性ヴォーカルと云えば、ジョニーハートマンに尽きます。
コルトレーンとのアルバムがあまりにも有名ですが、
彼の魅力は、他のアルバムでも変わらず聴く事ができます。
この"THESE FOOLISH THINGS"って曲は、
「そんな日常の何でもない馬鹿げた事から貴方の事を思い出す。」
ってバラッドです。
ジョニーハートマンのしっとりとした歌唱が想い出に浸る如く
静かな時間を感じさせてくれます。

 

vocal14.jpg (26833 バイト) MOOD INDIGO
LITTLE GIRL BLUE / NINA SIMONE (BETHLEHEM)
NINA SIMONE(VO,PF),JIMMY BOND(B),AL HEATH
太くアーシーなニーナシモンのヴォーカル。
それに加えてスイング感のない叩き付けるような男性的なピアノ。
この二つが弾き語りと云うスタイルの中で結合して、
彼女の魅力が生み出されます。
他の誰とも似ていないスタイル。取り上げるレパートリーも独特。
テーマの演唱もブルージーに崩されて唄われる事が多いです。
あらゆる面で彼女しか表現し得ない音楽です

 

vocal15.jpg (22114 バイト) TRY A LITTLE TENDERNESS
BALLAD & BURTON / ANN BURTON (ARTONE)
ANN BURTON(VO),LOUIS VAN DYKE(PF),
RUDY BRINK(TS),JACQUES SCHOLS(B),
JOHN ENGELS(DS)
アンバートンとルイスヴァンダイクの名盤中の名盤。
歌詞を大切に唄う彼女のスタイルは、この世を去るまで
貫かれた信念でした。どのアルバムも素晴らしいです。
同じくヴァンダイクとの共作「BLUE BURTON / (ARTONE)」も
聴いておく必要があるでしょう。
普通そっちの方が評価が上なんですが、
先に買ったのがこっちだったもんですから(ありがち(^^;)。

 

vocal16.jpg (18471 バイト) SPRING CAN REALLY HANG YOU UP THE MOST
WHERE IS LOVE? / IRENE KRAL (CHOICE)
※ジャケ写は CANDID での再発盤のもの
IRENE KRAL(VO),ALAN BROADBENT(PF)
アイリーンクラールとアランブロードベントのデュオアルバム。
全編バラッドの作品としては、先に挙げたアンバートンと
双璧をなす名盤。・・・但し、私個人の意見(笑)。
ブロードベントの愛しむようなピアノに応えるように
アイリーンクラールの歌は、繊細に表情を変える。

 

vocal17.jpg (20708 バイト) I HEAR MUSIC
BLOSSOM DEARIE / BLOSSOM DEARIE (VERVE)
BLOSSOM DEARIE(VO,PF),RAY BROWN(B),
HERB ELLIS(G),JO JONES(DS)
ジャケットの眼鏡が可愛いからこれが代表作(爆)。
   
   

 

vocal18.jpg (23761 バイト) I'LL TAKE TALLULAH
GETTING SENTIMENTAL OVER TOMMY DORSEY / JO STAFFORD (REPRISE)
JO STAFFORD(VO) with ORCHESTRA ARRENGED by BILLY MAY
ジョースタッフォードが師であるトミードーシーの偲んで
制作されたアルバムです。
トランペットヴォイスと賞された彼女の表現力のある歌声を
オーケストラバックで聴いてみて下さい。
堂々とした熱唱に思わず惚れ込んでしまう事でしょう。
名盤「JO+JAZZ / (CBS)」も必聴。

 

vocal19.jpg (23159 バイト) FLY ME TO THE MOON
LIVE AT THE CONCORD JAZZ FESTIVAL-1979
                                                  / RAY BROWN (CONCORD)
ERNESTINE ANDERSON(VO),MONTY ALEXANDER(PF),
RAY BROWN(B),JEFF HAMILTON(DS)
密かにアーネスティンアンダーソンの最高傑作は、
このアルバムではないかと思っています。
彼女は、B面にだけ入っていますが、
A面はA面でレイブラウントリオによる白熱の演奏が展開されてます。
そして、その熱気を引き摺ってアーネスティンを迎えます。
いきなりこの"FLY ME TO THE MOON"で、
モンティアレキサンダーが煽る煽る!(笑)
いきなりアイドリングもなしに疾走を余儀なくされた
彼女の運命や如何に!(笑)

vocal20.jpg (21936 バイト) STORMY MONDAY
LIVE! / LOU RAWLS (CAPITOL)
LOU RAWLS(VO),JAMES BOND(B),
EARL PALMER(DS),TOMMY STRODE(PF),
HERB ELLIS(G)
ここから先のセレクトに関しては、個人的な趣味に突入します(笑)。
ルーロウルズと云えば、アメリカでの名声は大した物で
ジャズシンガーと云うよりバーサイタルなポップスシンガーです。
しかし、やっぱりこの声の渋さを引き立たせてくれるのは、
やっぱりブルースでしょう。
キャピタルでの一作目のスタジオ録音「STORMY MONDAY 」も
レスマッキャン(PF)との相性が抜群で素晴らしいアルバムですが、
このライヴ盤も負けてません。
馬鹿ノリの観客を目の前にして、これまたノリまくるルーロウルズ。
たまりません。

 

vocal21.jpg (22077 バイト) SING ME SOFTLY OF THE BLUES
HI-FLY / KARIN KROG & ARCHIE SHEPP (BAYBRIDGE)
KARIN KROG(VO),ARCHIE SHEPP(TS),
JON BALKE(PF),ARILD ANDERSON(B),
BREAVER HARRIS(DS)
カーリンクロッグには、テナーとの共演アルバムが多いです。
これは、どうやら彼女の好みによるものらしいんですが、
確かに彼女の声は、テナーと良く合います。
いかついアーチーシェップを手名づける様に唄う彼女の絡みが絶妙。
"ブルースをそっと歌って"の邦題でも知られるカーラブレイの名曲を
深みのある演奏に仕上げています。

 

vocal22.jpg (19797 バイト) COMME A LA RADIO
COMME A LA RADIO / BRIGITTE FONTAINE (SARAVAH)
BRIGITTE FONTAINE(VO),
ART ENSEMBLE OF CHICAGO
LESTER BOWIE(TP),ROSCOE MITCHELL(REEDS),
JOSEPH JARMAN(REEDS),MALACHI FAVORS(B)
前衛的なシャンソン歌手ブリジットフォンテーヌがAECと共演した事で
ジャズファンの間にも語り継がれる存在となりました。
この"ラジオのように"で見せる語りの様な唱法は、
シャンソンでは定石でもジャズでは新鮮に聴こえます。
AECもインスピレーション先行の演奏スタイルを持つユニットだけに
この顔合わせは、お互いを刺激して予想以上のものを生み出しました。
手元の資料を調べたんですが、アルバムのパーソネルが不完全です。
演奏を聴く限り、パーカッションが確かに入ってるんですが、
この後メンバーになるドンモイエなのかどうかわかりませんでした。

 

vocal23.jpg (21099 バイト) MY SHINING HOURWE'LL BE TOGETHER AGAIN
LOST AND FOUND / SHEILA JORDAN (MUSE)
SHEILA JORDAN(VO),KENNY BARRON(PF),
HARVIE SWARTZ(B),BEN RILEY(DS)
シーラジョーダンの魅力は、老いても衰えない美しい声にあります。
失礼な話ですが、このジャケ写から、この声は想像できません(爆)。
逆に若い頃の「PORTRAIT OF SHEILA / (BLUE NOTE)」よりも
歳をとってからの方が瑞々しく感じる程です。
ここでは、ケニーバロンのキラキラとしたサポートも聴き所です。
但し、彼女は、音程が不安定。なかなか気持ち悪いもんです(笑)。
これまた音程が不安定なマークマーフィとデュエットしたアルバム
「ONE FOR JUNIOR / (MUSE)」は、聴いててのた打ち回ります(笑)。
あ。悪口じゃなくて、そこが味なんです!(汗)

 

vocal24.jpg (22522 バイト) TEA FOR TWO
RENDEZVOUS
  / JACKY TERRASSON & CASSANDRA WILSON (BLUE NOTE)
CASSANDRA WILLSON(VO),JACKY TERRASSON(PF),
LONNIE PLAXICO(B),MINO CINELU(PERC)
80年代以降のジャズシンガーを彼女抜きに語れません。
あらゆる面において完成された自分の世界を表現できる歌手です。
彼女の場合、ヴォーカルの位置づけが他の歌手と明らかに違います。
ユニットの中の一つの楽器として捉えるのが正解でしょう。
地底から響いてくる様な声で"二人でお茶を"って云われても
思わず「とって食われるんじゃないか。」と思ってしまいますが(笑)。
ヴァースをラストに持ってくる辺り、ニクイ演出です。

 

vocal25.jpg (28050 バイト) HOW HIGH THE MOON
DEAR ELLA / DEE DEE BRIDGEWATER (VERVE)
DEE DEE BRIDGEWATER(VO),CECIL BRIDGEWATER(TP),
SLIDE HAMPTON(TB),ANTONIO HART(AS),
MILT JACKSON(VIB),LOU LEVY(PF),RAY BROWN(B),
GRADY TATE(DS)
カサンドラウイルソンとは、対極の様な超正統派のジャズシンガー。
最近になって一層本流のジャズ的な活躍が目立ってきました。
個人的には、「どこがいいんだろう?」と思ってたんですが、
このアルバムを聴いてわかりました。
エラ・サラ・カーメンがみんな他界してしまった今、
こういう正統派の実力のある歌手が絶対に必要なんですね。
バックのメンバーも、新進気鋭の若手と
エラと演奏を共にしてきた超大物古株のミックス。
こう云った形でジャズのスピリッツをリレーしていく事も
大切なのだなぁと感じた次第であります。
エラの大ヒット曲"A-TISKET,A-TASKET"を引用したり、
オハコを奪う熱いスキャットを聴かせてくれたり、
実に楽しい構成です。

 

vocal26.jpg (18253 バイト) STRANGER ON EARTH
BACK TO EARTH / LISA EKDAHL (VICTOR)
LISA EKDAHL(VO),PETER NORDAHL(PF),
PATRIK BOMAN(B),RONNIE GORDINER(DS)
可愛いから許す(笑)。
  
  

 

vocal27.jpg (19950 バイト) SEE YOU LATER
JOANNE GRAUER INTRODUCING LORRAINE FEATHER / (MPS)
LORRAINE FEATHER(VO),JOANNE GRAUER(KEY),
COLIN BAILEY(DS),DOUG LENIER(B),
ERNIE WATTS(TS),PAULINHO DA COSTA(PERC)
このロレインフェザーと云う女性、名前からもわかるように、
ジャズの大物プロデューサー、レナードフェザーの娘です。
どうせ親の七光りで出したアルバムだろうと聴いてみたら、
実に気持ち良い歌声ではありませんか。しかもなかなか巧い。
いかにも70年代な曲調がダサかっこいいです(笑)。
ま。ジャズと云うよりもラテンポップみたいな感じですが。
アーニーワッツのテナーの絡みが演奏に疾走感を与えてます。

 

vocal28.jpg (26939 バイト) MOON RIVER
RIGHT ON MY WAY HOME / BOB DROUGH (BLUE NOTE)
BOB DROUGH(VO,PF),CHRISTIAN McBRIDE(B),
BILLY HART(DS),JOE LOVANO(TS)
ボブドローのどこかふざけた様な弾き語りが大好きです。
年齢を重ねていくにつれエラソーな唄い方になっていく歌手が多い中、
彼は、いつまでも飄々としたスタイルのままです。
こんな楽しい"ムーンリヴァー"を他に聴いた事ありません。
バックのメンバーも凄い顔ぶれです。

 

vocal29.jpg (17872 バイト) JUNP FOR JOY
MIDNIGHT MOOD / MARK MURPHY (MPS)
MARK MURPHY(VO),JIMMY DEUCHER(TP),
AKE PERSSON(TB),DEREK HUMBLE(AS),
RONNY SCOTT(TS),SAHIB SHIHAB(BS),
FRANCY BOLAND(PF),JIMMY WOODE(B),
KENNY CLARKE(DS)
マークマーフィーもワンアンドオンリーなスタイルの歌手です。
ハリのある声と嫌味のない唄い方が魅力です。
アドリブのスキャットも好きで、羽目を外すくらい演っちゃいます。
但し、彼は、音程が不安定。なかなか気持ち悪いもんです(笑)。
これまた音程が不安定なシーラジョーダンとデュエットしたアルバム
「ONE FOR JUNIOR / (MUSE)」は、聴いててのた打ち回ります(笑)。
あ。悪口じゃなくて、そこが味なん・・・って、あれ?

 

vocal30.jpg (23105 バイト) LISTEN TO MONK (RHYTHM-A-NING)
FREDDIE FREELOADER / JON HENDRICKS AND FRIENDS (DENON)
JON HENDRICKS(VO),AL JARREAU(VO),
GEORGE BENSON(VO),TOMMY FLANAGAN(PF),
GEORGE MRAZ(B),JIMMY COBB(DS)
ジャズヴォーカルの大御所ジョンヘンドリックスと
その影響を受けた仲間達で作られた贅沢なアルバムです。
ここでもアルジャロウ、ジョージベンソン、ジョンヘンドリックスと云う
超豪華な顔ぶれでスキャットバトルが展開されます。
ソロの順番は、上記の通りです。
聴き比べるとアルジャロウのフレージングが頭一つ分素晴らしい(笑)。

 

vocal31.jpg (26304 バイト) TWISTED
THE HOTTEST NEW GROUP IN JAZZ
                              / LAMBERT,HENDRICKS,&ROSS! ()
DAVE LAMBERT(VO),JON HENDRICKS(VO),
ANNIE ROSS(VO),
with IKE ISAACS TRIO featuring HARRY EDISON
ヴォーカリーズと云う手法があります。
ジャズマンの名アドリブに歌詞をつけて唄うと云ったものです。
このLH&Rは、そのヴォーカリーズで一世を風靡したグループです。
マンハッタントランスファーなどは、この影響を大きく受けてます。
このユニットの魅力は、言葉に着せ替えられたアドリブラインの
ユーモラスさとそれを引き立てる音程の不安定さです(笑)。
あとアニーロスの可愛さと足の綺麗さも・・・(爆)。
この"TWISTED"は、ワーデルグレイの名アドリブのヴォーカリーズ。
逆にこちらの方が有名になって、他のミュージシャンも取り上げてます。
なお、アニーロス単体を聴くなら間違いなく、
「SING A SONG WITH MULLIGAN / ANNIE ROSS (PACIFIC)」。

 

vocal32.jpg (28773 バイト) SCRAPPLE FROM THE APPLE
THE MANY FACE OF BIRD / VARIOUS ARTISTS (NEC)
BOBBY McFERRIN(VO),JAMES MOODY(AS),
BUD SHANK(AS),RICHIE COLE(AS),
LOU LEVY(PF),MONTY BUDWIG(B),
JOHN GUERIN(DS)
スキャットシンギングは、ボビーマクファーリンによって極まりました。
彼のワイドレンジな声域と圧倒的なテクニック、そして数々の芸(笑)。
ここでは、アルト3本と壮絶なチェイスを繰り広げます。
ソロオーダーは、上記の順番です。
この様な素晴らしい演奏を聴くにつけ、
「マクファーリンさん。モーツアルトはもう良いから帰って来て。」
と思ってしまうのは、私だけではありますまい(溜息)。

 

vocal34.jpg (28571 バイト) NEW BORN BLUE
NEW BORN BLUE / GINA HARKELL (33 RECORDS)
GINA HARKELL(VO),TONY COE(TS),
STEVE LODDER(PF),ANDY CLEYNDERT(B),
JOHN PIPER(DS)
最後は、誰も知らない様なアルバムをひとつ。
でも聡先生は、知ってる筈です、この曲。
かつてうちのバンドに私が持ち込んだ事あるのです。
英語の歌詞は、さっぱりわからないけど、
このメロディラインに胸が締め付けられる感動を覚えて
演奏しようと思ったんですね。
全然こんな感じにはならなかったけど・・・(笑)。

 

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