夏がやってまいりました。
今年で3年目になる"'bout JAZZ in SUMMER"ですが、
気軽に楽しいアルバムを紹介していきたいと思います。
まいどの事ながら7月〜8月の限定企画であります。↓このコーナーは下に行くほど新しくなっています。ややこしい事ですみません。↓
TARDES CARLIOCAS | |
LINDA / ANA MARTINS (RIP CURL RECORDINGS) | |
ANA MARTINS(VO),PAULO ARAGAO(G), MARCOS ALVES(G),CARLOS CHAVES(G), SERGIO VALDEOS(G),TATSUJI DEGUCHI(VIB) |
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ジョイスの娘、アナマルチンスのアルバムが今年もでました。 もーたまらなく可愛らしいヴォーカルで気持ち良さ125%(前年比)。 どの曲も素朴でキュートな魅力が良く出ていますが ここで取り上げたのはお母さんの曲。 黄昏時のカリオカ達を描いた穏やかなメロディです。 ジョイス自身も「TARDES CARLIOCAS/(FEMININA)」と云うアルバムで 唄っている様です。聴きくらべてみたいですね。 |
TAXI DRIVER | |
LIVE AT THE MOJO CLUB / JOYCE (VERVE) | |
JOYCE(VO,G),TUTTY MERENO(DS,PERC), SIZAO MACHADO(B),TECO CARDOSO(AS) |
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ジョイスは高い音楽性を持ったヴォーカリスト&コンポーザーです。 このアルバムはハンブルグにあるモジョクラブでのライヴ録音で いつも以上に熱いジョイスを聴く事ができます。 しかもこの"TAXI DRIVER"と云う曲は彼女らしくないベタなブルース! しかもラップまで披露しています。 かなりジャジーなカラーを持ったアルバムです。 |
AQUARELA DO BRAZIL | |
A CAPELA DO BRAZIL / TRIO ESPERANCA (PHILIPS) | |
EVA(VO),MARIZA(VO),REGINA(VO) | |
ボサノヴァのアカペラグループと云うとクアルテートエンシーはじめ 幾つかのユニットがありますが、このトリオエスペランサは ハーモニーや声質の美しさでトップクラスと云えるでしょう。 やはり3姉妹と云う事で声質の馴染み具合が抜群なのです。 アルバム一枚全て3人のアカペラと云う訳ではなく、 バンドやゲストが入って変化をつけている辺りが 更にアルバムの完成度を高めている様に思います。 なんせそのゲストが凄い。 イヴァンリンス、ジルベルトジル、カエタノヴェローゾ、ジャヴァンetc.…。 アルバムの中には"ワタシ(サッポロ'76)"なんて日本語の曲も…。 |
CORCOVADO〜RIO〜VOCE〜SAMBA DO AVIAO | |
DEDICADO A SYLVINHA TELLES / CLAUDIA TELLES (PHILIPS) | |
CLAUDIA TELLES(VO),RAIMUNDO
NICIOLLI(PF), JORGE HELDER(BAIXO),WILSON DAS NEVES(BATERIA), ZE MENEZES(VAIOLAO) |
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シルヴィアテリスは1950年代から60年代に活躍したシンガーです。 クラウディアテリスはその娘であまり日本では知られていないですが かなりベテランのシンガーなのだそうです。 そんな彼女が母親の残したレパートリーを取り上げたアルバムがコレ。 母親のシルヴィアも囁かずエモーショナルに唄う人でしたが クラウディアもかなり力強く感情を出して唄うタイプの人ですね。 ここでは名曲4曲のメドレーを。 微妙な緩急を付けながらドラマティックに歌い上げています。 尚、このアルバム、日本盤で買ったのですが、 本命曲である筈の"DINDI"が版権の関係でカットされています。 これって極悪なんじゃないかなー(-。-;) だって"DINDI"ってジョビンがシルヴィアテリスの為に書いた名曲だもんねぇ。 皆様はできれば輸入盤でお買い求め下さいませ。 |
A RA | |
BOM DIA / CAS MENINAS (EWE) | |
MONICA VASCONCELOS(VO),INGRID
LAUBROCK(AS), IFA TOLENTINO(G),CHRIS WELL(ESCOLINHA DE SAMBA) |
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フレンチボッサならぬブリティッシュボッサ(?)、 要はイギリスはロンドン発のボサノヴァグループです。 ヴォーカルのモニカはブラジル出身の女性ですので ちゃんとポルトガル語で唄っています。 可愛らしい中にスマートなおとなの落ち着きのある唄声で…、 思いっきり好みです。 サックスも女性でこちらはドイツ人。 なかなかジャズ寄りのソロを吹くなぁと思っていたら ソロアルバムも出している人なのでした。 ここで取り上げた" A RA"と云う曲は"O SAPO"と異名同曲です。 ジョアンドナートが作った曲でカエルの鳴き声を模したユニークな名曲。 |
THE FROG | |
FROGGIE / 五島良子 (SONY) | |
YOSHIKO GOSHIMA(VO),DON GRUSIN(KEY), CARLOS VEGA(DS),ABE LABORIEL(B), CARLOS RIOS(G),ALEX ACUNA(PERC), ARMOND SABAL-LECO(PICCOLO BASS), CHUCK FINDLEY(TP),BILL REICHENBECH(TB), GARY HERBIG(TS),TOLLACK OLLESTAD(VO) |
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五島良子の95年のアルバムの中で唄われている"THE
FROG"も 上で取り上げた"O SAPO"の異名同曲です。 彼女のファニーヴォイスでカエルの鳴きまねをされると なんだかふりむけばカエルって感じで実に良いですね(意味不明)。 かなりラテンフュージョンタッチのアレンジに仕上っています。 |
BATUCADA | |
O SAMBA E MEU PRAZER / ANGELA SUAREZ (VICTOR) | |
ANGELA SUAREZ(VO),JOTA MORAES(KEY), CLAUDIO JORGE(G),ADRIANO GIFFONI(B), PIRULITO(PERC),KAZUO YOSHIDA(DS) |
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アンジェラスアレスはあまり有名な人ではありませんが、 その曲は日本でも大変親しまれています。 と云うのも彼女は小野リサととても交友が深く、 彼女のオリジナル曲をリサが何曲か取り上げているからです。 なんせ小野リサのデビューアルバムのタイトル曲"CATUPIRY"も アンジェラスアレスの曲ですからね。 彼女の唄い方は声質も節回しもやや重くソウルフルなので ボサノヴァよりもサンバが似合う気がします。 と云う訳でここでは楽しく明るいこの曲をセレクトしてみました。 尚、アルバムには1曲だけ小野リサが参加しています。 |
SWING TIME IN HONOLULU〜NO CEU AZUL DE HONOLULU | |
B0SSA HULA NOVA / 小野リサ (東芝EMI) | |
LISA ONO(VO),STEVE SACKS(ARR,FL), MARIO ADNET(VO),PAULO CESAR(PF), HIROSHI FUKUMURA(TB),KAZUHIKO OBATA(G), TORU KASE(B),SATOSHHI SHIKAWA(DS), WILMA DE OLIVEIRA(FINGER SNAP) |
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2001年の小野リサのアルバムはなんとハワイアン+ボサ。 一日中ごろごろしてたくなる2大音楽の融合です(笑)。 なんだか毎年あの手この手状態になってるのがやや気になりますが、 やはり聴いて見ると幸せ度256%(前年比)なアルバムなのでした。 アルバムのトップを飾るこの曲、いきなり4ビートジャズでハードに始まり 「あれ?CDかけ間違えたかな?」と思わせます。 そこからボサビートに持っていくところが実に気持ち良い。 こころなしか小野リサの節回しがラップっぽく聴こえるのは私だけ? エリントンナンバーもこうして唄われるとメロディの親しみ易さが 前面に出てきてイイカンジであります。 |
LOOK TO THE SKY | |
FIREFLY / EMILY REMILER (CONCORD) | |
EMILY REMILER(G),HANK JONES(PF), BOB MAIZE(B),JAKE HANNA(DS) |
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ジャケットの写真の愛らしさに惹かれて買いました(笑)。 これはエミリーレムラーのデビューアルバムで、 彼女がまだオーソドックスなジャズギタースタイルだった頃の作品です。 まだ少し不安定な感じを受けます。 全体としては4ビート主体なのですが、1曲だけジョビンの曲を演ってたので 一応紹介します。 ジャケット見せたかっただけと云う話もあったりして…(爆)。 でも、こんな綺麗なおねーちゃんが弾いてるのかぁと思うと 快適度も数段アップするのは事実でしょう。 |
MOCHA SPICE | |
CATWALK / EMILY REMILER (CONCORD) | |
EMILY REMILER(G),EDDIE GOMEZ(B), BOB MOSES(DS) |
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エミリーレムラーをもう一枚。 こちらは1985年のアルバムで上のモノよりも数段出来が良いです。 全曲オリジナルで曲によりトランペットを加えた編成で個性を発揮しています。 彼女はデビューこそオーソドックスでしたが、 次第にモーダルなスタイルへと変化していきます。 こう見えて、放浪生活、麻薬など、その頃のヒッピー思想に影響を受け、 結局1990年には麻薬が原因でなくなっております。 そんな話はさておき…、アルバムのトップを飾る曲がとても心地よい曲なので 取り上げて見ました。 |
SEU TONICO NA LADEIRA | |
BRAZILIAN BREATH / DANIELA SPIELMANN (AOSIS RECORDS) | |
DANIELA SPIELMANN(SS),LEANDRO
BRAGA(PF), JORGE HELDER(B),MARCIO BAHIA(DS), MARCO PEREIRA(G) |
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女性ミュージシャンのアルバムをもう一枚。 今度はダニエラスピエルマンと云うブラジル生まれのソプラノサックス奏者。 この人のソプラノはクラリネットの様に鳴ります。 決して力強くはありませんが、表情豊かで躍動的。 高い音楽センスを感じさせるアレンジも魅力的です。 洗練れたブラジリアンフュージョンと云った風合いが強いなかで、 ヴォーカルを加えた数曲が実に人間的でホッとします。 |
MEDETACAO | |
QUARTETO JOBIM MORELENBAUM / (EMARCY) | |
PAULA MORELENBAUM(VO),JAQUES
MORELENBAUM(CELLO), DANIEL JOBIM(PF,VO),PAULO JOBIM(G,VO) |
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ジョビンの作品集はホントに沢山出ていますが、 ジョビンの魅力をストレートに表現したモノもあれば、 オリジナルの解釈を加えてうまくいったモノ、 こねくり回しすぎて魅力を失ったモノなど様々です。 ここで挙げたこのアルバムは正にストレートな表現で ジョビンに捧げられた演奏と云えるでしょう そりゃそうです。パウロはトム(アントニオカルロスジョビン)の息子、 ダニエルは孫にあたる訳ですから。 また一方のモレレンバウン夫妻にしてもここでは実に献身的に ジョビンの音楽に自己表現を投影している様に思います。 旦那のジャキスは古くから活躍しているセロ奏者で ジョビン、ジスモンチ、カエタノヴェローゾらと活動しているベテラン。 このセロの豊かな音がこのユニットの表現力をより深いモノにしています。 |
SAMBA DO SOHO | |
BOSSA CARIOCA / 小野リサ (東芝EMI) | |
LISA ONO(VO),PAULO
JOBIM(G), DANIEL JOBIM(PF,VO),JORGE HELDER(B), MARCOS FEIJAO(DS),DANILO CAYMMI(FL), PAULO GUIMARAES(FL),VITTOR SANTOS(TB), PEDRO AMORIM(CAVAQUINHO) |
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話の流れでこのページ2回目の小野リサです。 これは1998年に出たアルバムで私の最も好きな作品です。 彼女の魅力もさることながら、やはりパウロとダニエルの参加が大きい。 ジョビンの曲集ではありませんが半分くらいがトムの曲です。 ここで取り上げた曲はパウロの曲で、 ソーホーの町並みを歩きながらその魅力を描いた実に愛らしいサンバです。 |
INSENSATEZ | |
ROSA PASSOS CANTA ANTONIO CARLOS JOBIM / (LUMIAR) | |
ROSA PASSOS(VO),JOAO
LYRA(G), MARCO BRITO(PF),JORGE HELDER(B), WILSON DAS NEVES(DS) |
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ホーザパッソスのアントニオカルロスジョビン集です。 他にも昨年取り上げたアリバホーゾ集やドリヴァルカイミ集など 最近の彼女の作品は優れたモノばかりです。 特にこの"INSENSATEZ"はハスキーな声で 静かに悲しみを湛えたように唄うのが印象的。 余韻の中にサウダージが漂います。 |
ONE NOTE SAMBA | |
A TRIBUTE TO ANTONIO CARLOS JOBIM / VARIOUS ARTISTS (QUATTRO) | |
□RAY WONDER HENRIK ANDERSSON(VO,G),LUDVIG BOSS(G,PF,ORG), TOFT STADE(B),PER HELIN(DS) |
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ジョビンに捧ぐ系アルバムの中でもヘロヘロのアルバム。 とにかくボサノヴァと程遠いロック、ポップス連中で作ったコンピモノです。 ジョビンの曲を演奏していると云うより素材にして 全く別物にしてしまっていると云うあまりいただけないアルバム。 しかしそのギャップを楽しむと云う趣向ならなかなか楽しめるかも? ま、'bout 変なボサノヴァって訳です(笑)。 特にこのレイワンダーなるスウェーデンのバンドの演奏は笑えます。 ボサノヴァの味わいも全くぶち壊して古臭いロックビートで演ってます。 この辺りのスタイルについては全然知らないのでライナーを引用しますと 「キンクスとモノクロームセットを足して2で割ったようなおかしなポップ」 と云う事です。 ちなみにこのアルバム、ピチカートファイヴが参加して "おいしい水"を取り上げています。 |
SAUDADE DA BAHIA | |
BOSSANOVA 2001 / RAMON LEAL & BEATRICE BINOTTI (ZAIN RECORDS) | |
BEATRICE BINOTTI(VO),JUAN
SAN MARTIN(B), RAMON LEAL(G,VO),JOSE MARIA CORCHETE(VO) |
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ボサノヴァの魅力は自然体の穏やかな表情の裏に 高い音楽性を秘めているところにある…なんて、良く考えていたんですが、 ヌルイ雰囲気に浸れたらそれでいーや、って単純なモノかもしれません。 このアルバムを聴いてたらそんな気がしてくるのですね。 ヴォーカルの声がさりげなく可愛くて、ギターが控え目に爪弾く。 ベースが全音符でルート音だけを弾き続けている(笑)。 演奏のレベルだとか音楽性だとかどーでもよくて、結果的に気持ち良い。 癒し系なんて云うニーズが生み出した現代のボサノヴァって感じですね。 昨年の「BOSSANOVA 2001」に引き続き、 今年も「CLUBE DANCHAVE」ってアルバムが出ていますが、 ボーカルのお姉ちゃんの出番が減ってしまったのがちょっと残念。 |