Page-KAZU's anthology

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星降る夜を君に
 
 

 全く何で俺がこんな目にあわなくちゃならないんだ。一時間前までは洒落たバーで静かに酒を飲んでいたのに・・・。全てがあの女に合ってから狂っちまった。今じゃ、泥まみれの傷づだらけ。おまけに俺を始末しようとしている奴に追われ放し・・・。
 俺はあらためて自分の持っている武器を確認した。RS/T25レーザーガン。通称タブルドラゴンが残り一分ちょっとと弾八発、高振動ナイフが一本。煙草が三本、ついでにライター一個。金も少しはある。
 しかし、たよりない。
 だが、やるしかない。
 まぁ、何とかなるさ・・・。
 俺は煙草をくわえ火をつけながらそう思った。
 
 

 俺はいつものようにマリアに一言言ってからバーに出かけた。バーに着くとやはりいつもと同じ様に客はいなかった。俺は黙っていすに座った。既にそこは俺の指定席になっていた。
「いつものを」
「あいよ。ところでよ、たまにはマリアもつれて来いよ」
 店のマスターは手に持ったグラスで遊んでいた。
「あいつは酒に強いからな・・・いくら金があっても足らない。それに比べ・・」
「それに比べだと?・・・・あぁ、オマエは弱いからな。女の一人も酔わせられない・・・とマリアが嘆いてたぞ。このあいだ来た時に・・・」
 あのおしゃべり女め・・・俺はマスターの一言に顔から火が出るような思いをしながら、そう心の中で毒づく。
 静かに出されたグラスを口に運ぶ。確かに俺は酒に弱いが、別に飲めない訳ではない。それに、あいつ・・・つまりマリアは自分の婚約者を探していて、探偵である俺の所に、住み込みの押しかけ助手として働いている。だから俺が、女を酔わせるかどうかなんて関係ないはずだ。マリアにとって・・・。
  俺はそんな事を思いながら、チビチビとグラスの中のものを味わっていた。
「そう言やぁ、景気の方はどうだ。うまくいってるか?」
「余計なお世話だ。ここんところ仕事が多くて忙しいんだよ」
「そうか・・・でも忙しいのはおまえじゃなく、マリアだろ?」
 そう、マスターの言うとおり、忙しいのはマリアの方だ。俺は暇。つまり、仕事が無い。なぜか最近マリアを指名してくる依頼が多い。それもかなりの依頼料が入る。そして俺にたまにくる依頼と来たら・・・居なくなった猫を探してくれだとか、トイレを直してくれだとか、そんなのばっかだ。つまり俺は街の便利屋になったわけだ。これだならまだいい・・・一応仕事だからな。しかしこれだけではなく俺に直接イタズラ電話がかかって来る。しかも近所の餓鬼からだ・・・マリアがいちいち俺の所に持って来る。
「おまえ、マリアに雇ってもらったらどうだ?その方がきっと金回りがいいぞ。どうだ、そうしたらここの付けだって払える」
「うるさいっ!俺はちゃんとマリアに給料払ってんだっ!金には困ってねーよ。在りもしねー付けまででっち上げやがって・・・」
 まったくここのマスターは何を言い出すかと思えば・・・マリアに雇ってもらえだと、そんな事は俺のプライドが許さない。
「マスターこそ俺の所でバイトしないか?どうせ客なんか俺しか来ないだろ。給料はちゃんと出すぜ」
 俺は空になったグラスをおき、皮肉のこもった笑みを浮かべた。
「おまえこそ、余計なお世話だ。でもマリアが雇ってくれるなら考えてもいいがな」
 空になったグラスにお変わりを注ぎながらマスターは鼻で笑いながらそう言った。
 俺達がしばらく雑談をしていると、カランッと店のドアが開いた。そこには黒いスーツを着た女が一人立っていた。かなりの美女だ。妖しいくらい色っぽさを発している。俺の好みだったりもする。黒い髪、黒い瞳が何とも言えない。
「いらっしゃい、何にします?」
 マスターが注文を執り、女が俺の隣の席に座る。
「そうね、何か暖まるものを・・・それと仕事を一つお願いしたいわ」
 女は微笑んで、マスターのさし出したブランデーを受け取った。
  女はブランデーの入ったグラスを静かに口に運び、さっきからじっと観ている俺に微笑んで見せた。
「私の顔に何か着いてます?」
「いいえ、そうではなく・・・いい女だなっと思っただけで、それで少し見とれてしまいました」
  俺も彼女に微笑んでそう応えた。
「少しだけ?残念ね。どうせなら朝まで見とれていてくれてもかまわないのに」
  彼女はグラスをゆっくりと回し、口に運ぶ。そして、大人の笑みを浮かべていた。
  俺は一瞬、背筋に何かしびれるような悪寒を感じながら、
「それならベットの中で。どうかな?」
と、俺は彼女を誘ってみた。
「そうね、貴方なら場所なんて関係無いわ。でも今はだめよ。今夜、私の仕事が終わってからね?」
  彼女の返事に俺はただ、OKと応えた。
「ところで、仕事とは何だい?お嬢さん?何かを頼みたいとさっき言っていた様だけど・・・私の仕事はれっきとしたバーテンでね、何かを頼まれるような事は何もしてないよ」
 マスターは、区切りのいい所で話しかけて来た。もちろん往年の笑みをばっちり浮かべながら。そして、たまに俺に向けるまなざしは、いかにもマリアに言い付けるぞと語っている様に見えた。事実そうなんであろうが。そして、俺はただ苦笑するばかりだった。しかし、俺としてもこんないい女のお誘いを断るわけにもいかず・・・ただ少し妙な気がしただけだった。
「あら、おかしいわね?私はここのマスターに頼めばそろわない物は何も無いと聞いて来たんだけど」
 わざとらしく困った振りをして彼女は細く微笑む。その微笑みは全てお見通しと言わんばかりだった。
 マスターの負けだな、俺はグラスの中の残りを飲み干しそう思った。
 ため息一つ、マスターが口を開いた。
「何が必要だ。物によってはしばらくかかるぞ」
  マスターの顔は既に裏の顔になっていた。
「そうね、腕が良くって、信じられる人間を一人・・・それも一時間以内に」
「難しい注文だな。普段なら断っちまうんだが・・・お嬢さん、アンタは運がいい・・・」
 マスターは俺の方を横目で見ながら、とっておきのが居るよと言った。俺もそれを聞き、久しぶりだと心の中で笑った。
 
 

 俺の側に黒いスーツを着た男が三人うずくまっていた。
「あんたも結構ひどい女だな。危険手当ぐらいつけてやてんだろうな」
と俺は飲みかけていた物を一気に喉に流しこむ。
「そうね。少しわね。でも簡単なテストだったでしょ?」
 余裕の笑みを浮かべ彼女は言った。さぁ、ビジネスの話しでもしましょうと・・・。その微笑みは十分に危険な香りを発していた。
 俺の仕事については、殺風景なバーの隅で簡単な説明を受けていた。それにしても、簡単すぎる。ただ決められた場所、決められた時間、決められた物を持って行き、決められた物を受け取ってくればいいのである。それで、報酬はと言うとまた、このご時世に家が十軒建ってしまうくらいの金額と、
「一晩、私を自由にしていいわ。好きなだけ・・・」
である。これが、ほんの二、三十分前に簡単なテストの一言で、人に恐いお兄さん達に襲わせたのと同一人物とは思えないし、何分話しがうますぎる。きっと何かあるに違いない。
  しかし、俺は店の中を見回す。壊れたイス、銃弾で、穴だらけのテーブル、割れた酒瓶。ざっと見回しても酷いありさまだ。しかもマスターいわく、弁償は俺がしなくてはならないらしい。何故か・・・何故、と俺は悪態着いたが始まらない。
 そう言う理由で、俺はここに居るわけだ。まぁ、さっさと仕事を終わらせて帰ろう。
  あたりは静かさは、既に地球の半分が闇に包まれている事を俺に伝えていた。そして、それは人の作り出した光がこの街を照らしだし、また別の世界が目を覚ました証拠だった。

 
 

 倉庫街。人気が無い無人管理のその地にそれは低い唸りを挙げて突然現れた。いかにも高級車と言った物が俺の目の前に静かに止まる。ただそれは既に車と呼ぶにはふさわしくないのかもしれない。なぜならタイヤが無い。つまり宙に浮く。理屈は良く解らないが。マリアの車とは大違いだ。
 ここで俺への弁護のために一つ言っておくと、ここまで乗って来たマリアの車は目の前にある化け物とは違い本当の「車」だ。タイヤがちゃんと四つ付いている。ただしガソリンエンジンではなくモーターで動くのだが。確かミニ何とかと言った二十世紀車のレプリカだったと思う。
 そして沈黙を打ち破るかのように目の前の車のドアが開き、中から一人の男が降りてくる。前身黒ずくめ。いかにもと言った格好をした怖いおじさんが俺の正面に立つ。
「パスワードを言え」
 無機質を感じさせる声でその男はしゃべる。
 ・・・チリッ・・・
「そんな物ねーよっ」
「パスワード確認。では受け取れ」
 ・・・チリリッ・・・
 男が持っていたケースが突然開く。そこに見えたのは・・・超小型ミサイルっ!?やばい。さっきから首の後ろがチリチリしてたのはこの為か。俺はマリアの車を飛び越えその影に隠れる。
 バッコンッ・・・
 鈍い音が俺とマリアの車を襲う。そして次の瞬間、俺は立ち上がり銃を抜いていた。俺の銃声が響きわたると共に俺の瞳に獣が宿る。懐から銃を抜き撃ち終わるまで0.05秒。昔の日本でもっとも有名なガンマンの一人と同タイム。腕は向こうの方が上だが・・・。
 そんな事を考えている内に男の頭が吹き飛んだ。
 だがその男は動いていた。男の腕が妙に膨らんだかと思うと服の袖を破り、銃口が現れる。それを俺の方に突き付けた瞬間と俺がその場から飛び退いたのは同時だった。
 まるで嵐のような銃声が辺りに響き、飛び退いた俺の後を銃弾が猟犬のように追ってくる。
「くそっ!マリアに叱られるのは俺なんだぞ!」
 悪態付きながら俺は近くの倉庫に飛び込んだ。
 頭を吹き飛ばしても生きてやがる。あれはアンドロイドか何かだな、しかも戦闘用の。全く天に唾を吐きかけてやりたい気分だぜ。俺の悪態も天には届かないらしい。奴の足音が近づいてくるのが聞こえる。
「勝負は一瞬だな」
 奴が俺の頭を吹き飛ばすか、それより速く俺が奴の動力部を撃ち抜くか・・・。しかしどうやってそれを行うかだ。奴は機械。俺なんかよりよほど正確で早く反応するだろう。そのまま俺は移動しながら考えはじめ、ふと俺は気付く。奴の頭は吹き飛ばした。つまりセンサー類のほとんどは潰したはずだ。だとすれば・・・やってみる価値はあるか。俺は倉庫の持ち主に心からの謝罪をしつつ、火を放った。
 
 

 炎の向こうに奴がいる。
 奴は炎の熱のせいで俺を見失っている。つまり奴は俺の体温を目標にしていたようだ。どうやら俺の予測は当たったらしく、
「ビンゴ!」
とそう言うと同時に俺は奴の動力部のある胸部にコーティングされた鉛玉をぶち込んでやった。糸が切れたマリオネットのように奴が動かなくなったことを確認すると、そのまま外に出て、奴が始めに落としたケースを拾い、トボトボとマスターの店まで歩くことに。
「マリアの奴、車壊したって言ったら、やっぱり怒るよな」
 だが俺の足取りはどこか軽かった。

 
 

 マスターの店に着くとそこには意外な人物・・・というわけでもないが客が一人増えていた。
「大地、どこ行ってたのってどうしたのよ?・・・その格好は?」
 金髪、碧眼のまだ幼さを何処かに残した美女であるマリアが俺の名を呼び、不思議そうに、いや心配そうに蒼い瞳で見ている。もちろん俺をだ。だが俺はそんなマリアを無視し、依頼主の女の横に座ると、
「依頼終了だ」
 そう低く呟くと同時に女に銃を突き付ける。だが女は何も動じずに、
「一晩好きにしていいって約束だったものね。引き金を引くなり好きにして」
 マスターは何も言わずただグラスを磨いている。俺も何も言わず引き金を引こうとすると、
「だ、大地!?何をする気なの?やめてよ」
 そう俺の腕にマリアはしがみつく。そのまま女の方を向くと、
「どう言うことなの?香澄さん。答えなさい」
「判りましたお嬢様」
 渋々、マリアに返事をする香澄と呼ばれた女。それよりもマリアだ。この女と知り合い!?しかもお嬢様だと・・・何者だマリアは。
 そして香澄が全てを話し始めた。
「・・・つまりだ、マリアはいい所のお嬢さんで婚約者もいる。まぁ、それは俺も知っていることだ。そしてそのお嬢様が俺みたいな訳も判らない馬の骨とほぼ同棲状態。そんな事が相手に知られればその婚約は破棄。そこで俺を消してそんな事実は無かったと闇に葬るって訳か。いっとくがな、俺はマリアに手なんぞ出してないからな」
 そんな事で俺は命をねらわれたのか・・・今日は厄日だ、全く。マスターは自業自得だと言いたげな顔をしている。
「香澄さん。お父様は今どこに?」
「たぶんご自宅の方かと」
 マリアはそれを聞くとマスターにナンバーを告げると回線を開いてもらった。マリアはかなり怒っているように見える。
 そして電話と呼ぶにはもう相応しくないが未だに電話と呼ばれているディスプレーの向こうに五十絡みの男が映っていた。
「おぉ、マリア元気にしてたかい?父さんはおまえが心配で心配で」
「お父様。何故こんな事をしたのですか?」
 マリアが男を睨んでいる。俺はその男を知っていた。マイケル・ハワード。ハワード財団の総帥。世界で二番目に大きい企業の持ち主である。そして確か俺の両親の良き友人であった男のはずだが・・・俺もよくは知らない。直接会ったのは幼い頃の二、三回だけだからだ。そしてそのマイケルをお父様と呼ぶマリアはハワード財閥の令嬢と言うことである。
「何故って大事な一人娘を傷物にされる前に・・・そもそもおまえが家出なんてするから・・・」
「お父様」
 ぴしゃりとマリアが言う。
「私は天様に言われてこの街にきたのです。この街に彼がいると聞いて」
「天君に?本当なのか!?マリア」
「はい。そして彼を見つけました」
 そのとき俺の首筋はチリチリと危険を知らしていた。俺はこの場からとにかく逃げたかった。だがマリアの腕を放してくれず逃げられないまま・・・
「本当に大地君が見つかったのか!?」
「はい」
「今どこに?」
「ここに、ここに捕まえてますわお父様」
 マリアはそう言って俺の腕をつかみ、父親に微笑んだ。
 そしてきっかり三分後・・・もう一つのディスプレーに俺のくそ厄介な柵の一人・・・天が映っていた。
「たぁかぁしぃぃぃ。これは一体どう言うことだっ!」
 俺はまるで地の底でうごめく亡者のような声を持って天を睨み付ける。だが天は平然とした顔で、
「どう言うことだと言われてもな・・・弟の幸せのために実の兄が協力するのはいけないのか?大地。それに天と呼び捨てとは・・・兄さんは悲しいぞ。そんな子に育てた覚えはない」
 しれっとした顔をしながら目の前の兄貴はいかにも俺が悪者のように物を語る。そう、この男こそハワード財団と対をなす世界でもっともでかい企業を持つ、久遠グールプ総帥・久遠天である。そして非常に認めたくない事実なのだが前々から言っているように俺の実の兄である。
「それじゃ兄貴。いつの間に俺に婚約者なんて出来てたんだよ!?」
「何を言ってる。おまえがそう言ったんだろ?マリア君に」
「お、俺がぁ?」
「憶えてないのか?あれは確かおまえが小学校に入ったその年・・・マイケルおじさんの家に父さん達と遊びに行ったときのことだ。あのときは私から見ても実に微笑ましい光景だったよ、大地」
 俺は灰色の脳細胞を総動員してほぼ二十年前のことを思い出そうと努力する。思考時間三十秒・・・俺の頭はショートしていた。
 そんな俺を無視し、兄貴とマリアの親父は俺とマリアの式の予定とか、果てには子供は男か女か、何人がいいか、そんな事までディスプレーの向こうで話している。で、俺はと言うと・・・マリアと見つめ合っていた。
「なぁ、マリア。人違いじゃないのか?俺のこと」
「そんな事無いわ、大地。私があなたを間違えるなんて事はあり得ない」
「すまない憶えていなくて・・・」
「いいのよ。私だって憶えているなんて、そんなに期待してなかったから」
「でも本当に俺がそんな事・・・つまり結婚しようなんて言ったのか?」
 マリアは俺の言葉に黙って頷く。しかし俺には全く・・・
「ヒントをもう一つあげるわ、大地」
  そう俺に向かって微笑むマリアはどこか嬉しそうだった。
「あの日は七夕だったわ。私が一年で一番好きな行事・・・でもこの人が眠らない街では星なんて見えなかったわ・・・そして私は泣いていた。星が見たいと、何で星が見えないのって。その時、誰かが言ったわ」
「何て言ったのさ?」
「あのお星様達はずっと恋人同士だったんだ。でもね街にいる恋人達はまだ成り立てでみんなに見られるのが恥ずかしいんだよ。そしてお星様達にもね。だから自分達を街の明かりで隠してしまうんだよ。そして私にもいつかお星様よりずっといい人が・・・」
 マリアが言うよりも早く俺は続きを言った。
「いい人が現れて君を幸せにしてくれる。一年に一度だけじゃなく、ずっと・・・」
 俺はその時のことを思いだしていた。あの時まるで洋風の人形のような女の子が泣いていた。俺はどうして泣いているのか判らず理由を聞く。そしてこの子の願いを叶えてやりたいと思っていたが無理だと知っていた。そして今のようなことを口にした。本当はもっとちぐはぐしていてまともな言葉じゃなかったにも関わらずマリアは憶えていた。
「そして私はその人に聞いたの?私の恋人になって・・・と」
「それで答えは・・・YES。お嫁さんにしてあげる・・・だったな」
 俺の言葉にマリアは嬉しそうに頷き、俺の胸に飛び込んでくる。確かにあの時は俺は妹か弟が欲しくて、それでちょうどあの時のマリアが妹のように見えたから俺は慰めるためにそんな事を言ったと何となく憶えている。けれど今は・・・
 
 

 そして・・・。
 満天の星空を見上げながら欠伸を噛み殺す。こんな星空を見るために夜中叩き起こされるんだったら寝溜めしておけば良かった。
「今日があの日からちょうど一年目・・・答をくれるわよね?大地」
 マリアは俺の腕に自分の腕を絡めたまま星空を見上げていた。
 もちろん今日までいろいろな事件があった。その中でマリアがどれだけ俺にとって大切な存在なのか再確認されられたのも事実。
 だから・・・
 俺は・・・
 ただ・・・
 黙ってマリアの唇を俺の唇で塞いで見せた。それが俺の答。
「もうっ」
 マリアが頬を赤く染めながら照れ隠しに怒っている。
「そんなに照れるなよ。こっちまで恥ずかしくなってくる」
「何言ってるのよ。そんな感性もう無いくせに」
「ひでーな。俺だって照れるぐらいはするさ」
「どうかしら?」
 そう言って今度はマリアから俺にキスをする。そして二人そろって再び星空を見上げると、
「あ、流れ星・・・それもたくさん・・・」
 まさに星が降っていた。
「気に入った?これが見せたくて、ここまで来たんだ。今だけはこの星空は君の物さ」
「ありがとう大地」
 俺とマリアはそのまま朝日に包まれるまで星空を眺めていた。

END

 後書き。
 たぶんここのページでお目にかかるのは初めてのKAZUです。この話は高校一年の頃から書いていた物を(途中までの未完成)引っぱり出し、リメイクし、ようやく完成した物です。実はこの話設定的にはまだまだ色々と話はあるのですが今はこれだけにしておきます。もし書く機会があるとすれば就職してから自分のホームページを持ってからでしょう。もしこの作品を読んでほかの私の作品を読まれたいと言った方はBLEAD PROJECTと言う所でお世話になっていますので見に来てください。エヴァ関係の小説を書いています。ではでは。
 1998/1/12         KAZU 


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Ende