Page-駐在 第三話          
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 ガルバリア 小劇場
もう一度 Come back
第3話 大雪だよ駐在さん



 
 駐在所・・・・・・・・・・
 冬です 今年も冬がやって来ました
 駐在所には石炭ストーブが赤々と部屋を暖めています
 外は一面の銀世界 道路も真っ白
『除雪車がないものですから』
 駐在さんはスノーモービルにまたがり外回りに出掛けた 私服で・・・
『なにせ制服ごときでは寒さが防ぎ切れないのであった』
「うぉおー 顔が凍る」
 叫びながら交差点を曲がる駐在さんであった

 保安所・・・・・・・・・・
「ふぁあーーっ」
 ミリアンが大きな欠伸を響かせた
「眠そうだな ミリアン」
 所長の声がミリアンの耳にはいる
「いっ いえそんな事は・・・」
「じゃあ 今日は帰っていいぞ 明日は忙しくなる」
「そうですか じゃあー お先に」
 所長はテレビの天気予報を聞きながらミリアンが帰って行くのを見ていた

 翌日の朝 駐在所・・・・・・・・・・
 寒い 駐在さんは朝食をとりながら思った
 それもそのはず 駐在さんが一階に降りて戸を開けようとすると 外に積もりに積もった雪のせいでびくともしないのだ
『よく 戸のガラスが割れなかったな』
 仕方なく石炭ストーブに火を入れる駐在さん 石炭だけに火がつくのは時間が掛かるのであって・・・
『火がつくと今度はなかなか消えないのである』

 保安所・・・・・・・・・・
「はい 保安所」
と 受話器をとる保安官はしばし相手の言葉を聞き受話器を置いた
「所長 村外れのユウロスさんの家が雪で完全に埋まったそうです」
「ようし 駐在に連絡入れとけ」
「はい」

 駐在所・・・・・・・・・・
 ジリリリリンと 留守録付きダイヤル式の電話が鳴る
「はい駐在所」
 受話器をとる駐在さん
「 ・・・ 了解」
 駐在さんは受話器を置き 車庫に入る車庫の壁にかかっている火炎放射機をもって戸の前に
『火炎放射機を駐在が いや持ってるか? 普通』
 何とかして戸を開けた駐在さんは火炎放射機を構えfire
 どんどん解ける雪の壁 あっと言う間に炎の塊は雪を突き崩した
「よーし」
 駐在さんはスノーモービルで村外れのユウロスの家に火炎放射機を持って急いだ
『家 燃えねぇーーーか?』

 ユウロスの家・・・・・・・・・・
『の はずなのだか』
 雪が山の様に積もり 家の原型をとどめることもなく覆い尽くしていた
「たしか 鉄筋コンクリートものだったな」
 言いながら 駐在さんは火炎放射機を構えた
「fire」
 火炎が積もり積もった雪を溶かす
『火炎放射機で溶かすのはこつがあるんですが・・・』
 どんどん解ける雪は・・・
「おおう」
 露出したコンクリート壁がちょっと焦げた・・・
 見る見るうちに鉄筋コンクリートの家が姿を現す
 しばらくして駐在さんは火炎放射機のトリガーから指を離し 火炎放射をやめた ところどころ焦げてはいるもののすっかり鉄筋コンクリートの家は姿を現していた
「しかし 軽航空機が着陸できる滑走路があるというのもいいよなぁー」
 などとこの家についての感想を述べているころ

 ユウロスの家の中・・・・・・・・・・
「はぁーーーーーっ 今日は友人に誘われてギルシアーズ学会の定期報告を見に行くのに・・・」
 ユウロスは家の2階のリフトデッキにたたずんでいた
「マスター 少し落ち着いては如何ですか?」
 ラディは空のティーカップ2つと紅茶の入ったティーポットを持ち お尻でもって戸を押し開けてリフトデッキに入って来た
「ラディ 服を汚すなよ」
「ええ まあ マスターこそ 紅茶をこぼさないでね」
 ぴんぽぉーん
と 玄関のチャイム?が鳴る
「お客さんかな?」
「多分 駐在さんだと・・・」
「でっ 出て来てくれる?」国家権力は嫌いだぁー
「はい はい」
 ラディはリフトデッキを出て玄関へ

 ユウロスの家の玄関・・・・・・・・・・
「はぁーい」
 ラディは玄関の戸を開けた
「どうも 雪溶かしましたので でわっ」
 駐在さんは足早にスノーモービルに乗りユウロスの家をあとにした
「さてと そろそろ 時間ね」
 ラディは玄関を閉めリフトデッキへの階段を昇るのであった

 リフトデッキ・・・・・・・・・・
「ラディ いくぞ」
 飛行機の操縦席に乗るユウロスはラディに告げた
「はい マスター」
 急いで しかしゆっくりと落ち着いて乗り込むラディ
「いいですよ マスター」
「了解」
 ユウロスはエンジンをスタートさせる
「ハッチオープン リフトアップ カタパルトシフトロック」
 飛行機はゆっくりとカタパルトデッキに持ち上がる
「エンジン出力98% ・・・ fire」
 リフトがカタパルトデッキに持ち上がった瞬間 飛行機は飛び出した

 駐在さんの乗る走行中のスノーモービル・・・・・・・・・・
 ユウロスの家を背に雪を蹴り走るスノーモービル
 突然 駐在さんの遥か頭上を1機の飛行機が飛んで行く
「おおう」見上げる駐在さん

 保安所・・・・・・・・・・
 保安官はベルの鳴る電話の受話器を取る
「はい もしもし保安所 ・・・ ええ ・はい・・・・・ 分かりましたすぐ行きます」
 電話を取った保安官はメモをしながら心臓の鼓動を聞きいた
「所長っ ルィナス山の至るところで雪崩が・・・」
所長「よし付近の住民の非難させよう 行くぞ」
保安官達「はい」

 駐在所・・・・・・・・・・
 駐在さんは駐在所の戸を開け 赤々と石炭ストーブが灯っている部屋の外向きのデスクに着いた
「ふぅーーーっ」
 ため息に似た吐息を一つ 彼は眠りに着いた

 2時間後・・・・・・・・・・
「ああーーーっ やっと終わった」
と ミリアンはスノーブーツでジャーベット状の雪を踏みながら駐在所の前を通って・・・
 突然ミリアンは駐在所の窓越しに駐在さんを見た 彼はグーグーと寝ている
「ふふっ」
 ミリアンはその辺りの雪を拾いそーっと駐在所の戸を開け駐在さんの背中に・・・

 翌日・・・・・・・・・・
 駐在所には本日休業という立て札が立ち 無論彼は保安所のミリアンに戦いを挑みに行った・・
 ということにしておこう

 END
 


 
     CAST/コメントor備考
ユウロス・ノジール/ガルバリア本編の主人公だと思うのだが・・・ まあ あえて説明は要るまい
ラディ/UAL34の機動端末UNIT 早い話が脳みそが別の位置にあるアンドロイド
 


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