[ホームページまで戻る] <--[ VIDEOGRAPHY 表紙] <--アルバム一覧 [60's] [70's] [80's] [90's]

LIVE AT THE FILLMORE EAST

LIVE AT THE FILLMORE EAST
ユニバーサル・ビクター
MVVE-3[VHS]
フィルモア・イーストのライヴCD発売に合わせて発表されたこの作品は、タイトルこそCDと同じ『LIVE AT THE FILLMORE EAST』となっているけど、フィルモアの演奏シーンよりも、関係者の証言やインタヴューをメインにしたストーリーものの内容になっています。

以前発売された、『メイキング・オブ・エレクトリック・レディランド』のバンド・オヴ・ジプシーズ版と考えても良いと思います。

収められている演奏シーンは、客席から撮ったと思われるモノクロ映像がほとんどですが、ファンとしてはオフィシャルで見ることができるようになっただけでも、ありがたいものです。
始めて公開されるカラー映像は "Fire" 1曲だけですが、他のはどうなってるのでしょうか。


インタヴュー
最初の15分ほどはフィルモアに至るまでのジミの活動が駆け足で紹介されています。
関係者の証言や映像を中心に簡単にまとめられていて、インタヴューでは、懐かしい顔を見ることができます。
出てくる演奏シーンはどれもほんのさわりだけで、ちょっとしか見ることが出来なくて残念ですが、これは構成上しかたがないのでしょうね。でも見たいね。

フー・ノウズ (Who Knows) 〜インタヴュー
ようやくフィルモアでの映像が登場します。この曲は既発売の『BAND OF GYPSYS』に収録されていたものと同じ演奏です。モノクロ映像だし、画質も期待してたほどではなく、残念だったけどそれが逆に貴重な映像という印象を受けました。

ファイア (Fire)
初めて見るカラー版フィルモア映像に感動。
バンド・オヴ・ジプシーズでの "Fire" は初めて聞きました。エクスペリエンスではサビのヴォーカルはノエル・レディングだけど、ここではバディ・マイルスが歌っているのが新鮮です。あと、イントロのドコドコ・ドラムが何かヘン。
せっかくのカラー映像も途中でカットされてインタヴューになってしまうのが残念。

インタヴュー
ここで再び「ディック・キャヴェット・ショー」での演奏シーンが出てきます。髪を切ったばかりのジミが"Hear My Train A' Comin"を渋くキメています。(これもほんのサワリだけなのが残念)ちょっと気になったのですが、バックは誰が演奏しているのでしょうか。
エディ・クレイマーのインタヴューでは、スタジオでミキサーを操作しながら "Message To Love"のコーラス部分だけを聞かせてくれます。
また、ミッチ・ミッチェルのインタヴューではバディのものまね(ドラムをプレイする姿)をするところがあって、おもしろい。

チェンジズ (Changes) 〜インタヴュー
続いてバディが登場。彼がこの曲に合わせて実際にドラムを演奏していて、その姿に感動。そしてそのままフィルモアのステージ映像へとシンクロしてゆきます。
画質はモノクロであまりよくないけど、バディが熱唱する姿を見ることができます。熱くなっているバディとは対称的にバッキングに徹するジミの姿が印象的。

インタヴュー
エディ・クレイマーが再びミキシングルームから。今度は"Ezy Ryder"のヴォーカル・パートやギター・パートだけを聞かせてくれます。ジミがスタジオでふざけている声なども聞かせてくれたりして、ファンにとっては嬉しいサービスです。
ミキサー卓の前でジミの曲を聴きながら話すエディ・クレイマー、実に生き生きとしていていい顔をしていますね。本当に好きなのが分かります。

パワー・オブ・ソウル (Power Of Soul)
インタヴューを受けているビリー・コックスが実際にベースを持ち出してきて、"Power Of Soul"のリフを弾く場面から、そのままフィルモアのステージ映像へとタイム・トリップ。
この曲は今回発売のCDに収録されているものと同じ演奏です。

マシーン・ガン (Machine Gun)〜インタヴュー
この映像は以前「(A Film About) Jimi Hendrix」という映画で一部が発表されていたので、見たことがある方もおられると思います。
今回のCDに収録されているテイクとは違うのですが、目を閉じたままひたすらギター・ソロに没頭する姿は神がかりでもあり、感動的です。
所々戦争のシーンが挿入されているけど、ファンとしては演奏だけを集中して見たいところです。

レニー・クラヴィッツのインタヴューにおいて「”マシン・ガン”を聞くとぐったりして疲れるから耐えられない。誰が聞いても一週間は寝込むね。」という言葉がとても印象に残っています。
たびたびインタヴューに登場するゲットー・ブラザーズですが、この2人、当時から少なくとも30年は経っているから結構なトシのはずだけど、20代といっても通用するようにも見えますね。あと、マイルス・デイヴィスの物まねをするところがおもしろい。

フォクシー・レディ (Foxy Lady) 〜インタヴュー
アルバム『BAND OF GYPSYS』(9曲ヴァージョン)に収録されていたものと同じテイクです。イントロあたりで、フィルモア・ライヴのジャケットと同じショットが出てくるのですが、「これや、これ」と思わず巻き戻して見てしまいました。
ギター・ソロの盛りあがり方がすごい。特にギターのハイポジションでのプレイが強力。見ていて思わず力が入ります。また、チューニングに気を取られて、うまく歌に入れなかった場面も。

ステッピング・ストーン (Stepping Stone) 〜インタヴュー
アルバムに収録されているものと同じ演奏です。ここではインタヴューなども途中に挿入されることなく、ジミの縦横無尽なギター・プレイをじっくりと見ることが出来ます。

インタヴュー
バディ・マイルスが「バンドをやめさせられた」と言葉につまって話すあたり、見ていて少しかわいそうでした。

最後に、フィルモア以降の1970年代のジミについても少し触れられていて、ワイト島での映像 ("Freedom") も少し出てきますが、あくまでもオマケという感じ。


参考:冒頭に出てくる主な映像について

Purple Haze November 25, 1967 (Blackpool, England)
プロモ・フィルム「エクスペリエンス」 (See My Music Talking) として発表されていたものから。
参考ヴィデオ:『エクスペリエンス』(1995)、『スーパーライヴ』(1990)

Voodoo Child (Slight Return) January 9, 1969 (Stockholm, Sweden)
1969年1月のヨーロッパ・ツアーからスウェーデンでのステージ。この日は2回ステージが行われていて、これは1回目からのものです。
参考ヴィデオ:「サイケデリックロックの軌跡」 (1991)

The Wind Cries Mary May 24, 1967 (Stockholm, Sweden)
これもスウェーデンでのステージ。こちらはテレビ収録のもので、珍しい仕様のストラトを弾いています。
参考ヴィデオ「ロック映像年鑑1967.Vol2」 (1989)

Voodoo Child (Slight Return) August 18, 1969 (Woodstock)
ウッドストックのステージから、メンバー紹介のシーン。「初めてのギグだったんだ。サンズ&レインボウズでもバンド・オヴ・ジプシーズでも好きなように呼んでくれよ」と言っているあたり、バンドに対するジミの気持ちが表れていると思います。
参考ヴィデオ:『ライブ・アット・ウッドストック』(1999)

Izabella September 9, 1969 (Dick Cavett Show)
米ABCのテレビ番組「ディック・キャヴェット・ショー」に出演したときの映像です。
(「ディック・キャヴェット・ショー」のやりとりは字幕なしでは見たことがあったのですが、字幕が付いていたので、会話の内容がはじめてわかりました)
ウッドストック後、間もない時の映像ですが、この時点ですでに他の2人のメンバー(ラリー・リー、ジェリー・ヴェレッツ)は外されていたのか、パーカッションのジュマ・サルタンしかいません。白いSGを弾くジミの姿が珍しい。
2000.1.28改訂

[ホームページまで戻る] <--[ VIDEOGRAPHY 表紙] <--アルバム一覧 [60's] [70's] [80's] [90's]