メインで使用していたものは、フェンダー・ジャズ・ベースでしたが、ここではそれ以外に使用していたベースを取り上げてみました。
エクスペリエンスでデビュー直後は、まだ自分のベースを持ってなく、いろいろなタイプのベースを使っていたようです。後にメインで使用することになるジャズベースは67年2月から使い始めています。
6弦ベースや8弦ベースなどを使っていますが、これは彼が元々ギタリストであったから?
●ダンエレクトロ・ロングホーン6弦ベース
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DANELECTRO LONG HORN BASS 4623 |
ジミー・ペイジなどの使用で有名なダンエレクトロ社ですが、このボディ・シェイプを持つものは、ロング・ホーン・シリーズと言われていて、他に4弦ベース、6弦ギター、31フレットまであるギター(ギターリン:ギターとマンドリンをあわせた造語)などもありました。
ユニークなボディ・シェイプは古代ローマの堅琴がルーツらしいです。一度見たら忘れられない形をしています。
最初に発売されたのは1958年で60年代後半まで作られていたようです。
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66年、デビュー直後の フランス・ツアーにて。 by Jean-Pierre Leloir |
クリームのジャック・ブルースやザ・フーのジョン・エントウィッスルも使用していました。ザ・フー「マイ・ジェネレーション」の途中のベース・ソロはこれで弾いていたらしいです。
●ギブソン・EB-2ベース
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GIBSON EB-2 (これは1959年製。ペグがバンジョー・タイプのペグになっています) |
ギターのES-335とお揃いの形をしたセミ・アコースティックタイプのベース。1958年に発売され、初期型にはバンジョー・タイプのペグがついていました。ピックアップはハムバッキング・タイプのものがフロントに1個だけ付いています。2ピックアップ・タイプは1966年にEB-2Dとして発売されています。
同じEBシリーズでもEB-0やEB-3はSGシェイプをしたソリッド・ボディのベースとなっています。(クリームのジャック・ブルースが使っていたタイプ)
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1966年12.13英国TV 「レディ・ステディ・ゴー」より by Pictorial Press Ltd. |
このショットでノエルが弾いているものは、当時のプロデューサー、チャス・チャンドラー(アニマルズのベーシスト)から借りていたもの。
●フェンダー・ムスタング・ベース
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FENDER MUSTANG BASS (これはサンバーストタイプ1972年製) |
1960年代から70年代にかけて作られていたショートスケールのベースです。
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1967年10月23日、ロンドン オリンピック・スタジオにて。 by Bruce Fleming |
このショットは67年10月、セカンド・アルバム『AXIS : BOLD AS LOVE』のレコーディング・セッション時のものです。
●フェンダー6弦ベース
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FENDER BASS6 (サンバーストタイプ196?年製) |
1960年代に作られていた6弦ベース。ギターより1オクターブ下の音が出ます。同じ時期に発売されていたジャガーやジャズマスターと共通のデザインとなっています。
クリームのジャック・ブルースも使用していました。
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1966年11月、ミュンヘンの ビッグ・アップルにて。 by Ulrich Handl |
エクスペリエンスがデビューした直後の1966年11月、短期の西ドイツ・ツアーにて使用していたようです。
●ハグストローム8弦ベース
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HAGSTROM F-800 |
ハグストロームはスウェーデンの会社で、この8弦ベースが同社を代表するモデルとなっていました。
ノエルは "Spanish Castle Magic"(『AXIS : BOLD AS LOVE』) のレコーディングにて使用しています。
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1967年10月10日、パリ・テレビのスタジオにて "Dim Dam Dom"用の収録時 by Jean-Pierre Leloir |
このショットは、1967年10月、"The Burning Of The Midnight Lamp" のプロモーション・フィルム撮影時のものです。
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