Release : Apr 1997
Producers : Jimi Hendrix / Eddie Kramer / Mitch Mitchell / John Jansen
Engineers : Eddie Kramer / Tony Bongiovi / Jack Adams / Bob Hughes
Remaster : Eddie Kramer / George Marino
●アルバムについて
ELECTRIC LADYLAND に続く4枚目のスタジオ録音アルバムは、2枚組として計画されていましたが、その完成を目前にしてジミが亡くなってしまったので、ジミの死後である1971年、それに変わるものとして THE CRY OF LOVE が急遽リリースされました。
そして、収録予定から外された曲は、その後 RAINBOW BRIDGE や WAR HEROES によって発表されてきました。
そして、死後27年を過ぎた1997年、ジミの遺族のもとに音源の権利が戻ってきて、これまでに発表されていた曲がまとめられ、ジミが考えていたものに一番近い形としてめでたくリリースされました。(アメリカでは2枚組のアナログ盤もリリースされています)
これに近い形で 1995年に VOODOO SOUP というアルバムがリリースされていました。これはアラン・ダグラスの下でほとんどの曲がリミックスされているようで、曲によってはイメージが少し変わっているものもあります。長年聞いてきたファンとしては、元の音をいじって欲しくないところですが、これはこれで興味深いものがあります。
曲目としては、 THE CRY OF LOVE の全曲、 RAINBOW BRIDGE から4曲、 WAR HEROES から3曲が収録されています。
未発表曲はありませんが、ジミが一番信頼していたエンジニアのエディ・クレイマーによってリマスターがされています。今までジミの音源の管理をしていたアラン・ダグラスは今回から関係していないようです。
●各曲のコメント
曲名にはオリジナル収録アルバム別に色を付けています。
THE CRY OF LOVE / RAINBOW BRIDGE / WAR HEROES
- 1.Freedom
- Electric Lady Studios, June 25, 1970
Bass: Billy Cox
Drums: Mitch Mitchell
Chorus: The Ghetto Fighters (Arthur & Albert Allen)
Percussion: Juma Sultan
自分の自由を束縛するたとえとして、当時のガール・フレンドであったディーヴォン・ウィルスンのことについて歌っているそうです。
ドラムのクレジットにはミッチ・ミッチェルとあるのですが、彼のドラミングにしては、重心の低いリズムで、バディがプレイしているようにも感じます。ジミの方は全体的にカチッとまとまったギターを弾いていて、エフェクターの使用も少なく、初期のサイケデリックな雰囲気は全く感じられません。エンディングが変拍子風でスリリング。
= THE CRY OF LOVE / CORNERSOTNES / VOODOO SOUP / EXPERIENCE HENDRIX
- 2.Izabella
- Record Plant, January 17, 1970
Bass: Billy Cox
Drums: Mitch Mitchell
Chorus: The Ghetto Fighters (Arthur & Albert Allen)
ウッドストックでの演奏で有名な曲。細かいリフにのせて、ソウルフルに歌っています。イザベラとはガールフレンドのモニカ・ダンネマンのことらしいです。最初は1969年8月にバディ・マイルスのドラムで録音されていて、1970年になってからミッチのドラムがオーヴァー・ダビングされているそうです。でも、ここで聞かれるドラム・パターンはバディのような気もします。
= WAR HEROES
- 3.Night Bird Flying
- Electric Lady Studios, June 16, 1970
Bass: Billy Cox
Drums: Mitch Mitchell
Percussion: Juma Sultan
カウベルの音が印象的なミドルテンポ・ナンバー。歌詞の内容からすると"Night Bird" とは母・ルシールのことかも知れません。"Angel" の歌詞に "Fly on my sweet Angel...." というところがあるのですが、共通のものを感じます。
= THE CRY OF LOVE / THE SINGLES ALBUM / VOODOO SOUP / EXPERIENCE HENDRIX
- 4.Angel
- Electric Lady Studios, July 23, 1970
Bass: Billy Cox
Drums: Mitch Mitchell
ロマンチックな歌詞と曲が "Little Wing" と対をなしていて、とても美しいバラード。母親ルシールの夢を見たことを元に書かれていると言われています。
パーカッション(ドラム)の部分はジミの死後にミッチ・ミッチェルがオーバーダビングしています。最後の "Fly on my sweet angel. Forever I will be by your side" という歌詞が象徴的です。
= THE CRY OF LOVE / THE SINGLES ALBUM / CORNERSOTNES / THE ULTIMATE EXPERIENCE / VOODOO SOUP / EXPERIENCE HENDRIX / VOODOO CHILD
- 5.Room Full Of Mirrors
- Record Plant, November 17, 1969
Bass: Billy Cox
Drums: Buddy Miles
Percussion: Juma Sultan
スライド・バーを使ったギターが曲全体で聞かれます。哀愁を帯びたメロディのせいかもしれませんが、ジミのヴォーカルが苦しそうに聞こえます。クラプトンの「レイラ」を思い出しました。
ビリー・コックスのファズがかかったようなベースが実にドライヴしていて、なかなか印象的です。フレットレス・ベースのようなフレーズも聞かれます。
1969年末、「バンド・オヴ・ジプシーズ」のスタジオ・セッション時の録音。
= RAINBOW BRIDGE / CORNERSOTNES / VOODOO SOUP
- 6.Dolly Dagger
- Electric Lady Studios, July 1, 1970
Bass: Billy Cox
Drums: Mitch Mitchell
Chorus: The Ghetto Fighters (Arthur & Albert Allen)
当時のガール・フレンドだったディーヴォン・ウィルスンのことを歌っているナンバー。
ギター・ソロはユニ・ヴァイブを使って、アンプのトレモロをオンにしたときのようなフニャフニャした音がしています。また、エンディングのフェイドアウトするところをよく聞くと、スペンサー・デイヴィス・グループの「ギミー・サム・ラヴィン」のベース・ラインと同じフレーズを弾いているのが面白い。
= RAINBOW BRIDGE / EXPERIENCE HENDRIX / VOODOO CHILD
- 7.Ezy Ryder
- Record Plant, December 18, 1969
Bass: Billy Cox
Drums: Buddy Miles
Chorus: Steve Winwood,Chris Wood
Percussion: Juma Sultan
パーカッションの音の中からフェイド・インしてくるイントロ・リフが決まっています。ウッドストックで演奏していたジューマ・サルタンとジェリー・ヴェレッツのパーカッションがフューチャーされています。また、コーラスにはトラフィックのスティーヴ・ウィンウッドとクリス・ウッドが参加しています。
70年型ハード・ロックの原型をなすような曲です。映画「イージー・ライダー」から影響を受けて作られたのでしょうか。
= THE CRY OF LOVE / CORNERSOTNES / VOODOO SOUP
- 8.Drifting
- Electric Lady Studios, June 25, 1970
Bass: Billy Cox
Drums: Mitch Mitchell
Vibraphone: Buzzy Linhart
逆回転ギターの音や、レスリーを通したようなふわふわしたギターの音がとても心地良い。そして、後からオーヴァー・ダビングされたにバズィ・リンハートのヴィブラフォンの音が
曲をいっそう印象的なものに仕上げています。ジミがまだ子供のときに亡くなった、母親の影を求めて漂う(Drifting)、という内容になるのでしょうか。とても美しいバラード曲です。
= THE CRY OF LOVE / CORNERSOTNES / VOODOO SOUP
- 9.Beginnings
- Electric Lady Studios, July 1, 1970
Bass: Billy Cox
Drums: Mitch Mitchell
Percussion: Juma Sultan
ウッドストックでは "Jam Back At The House" という曲名で演奏されていた、ミッチ・ミッチェル作のインストゥルメンタル曲。変拍子風のリフから始まり、途中、何回かテンポが変わったりするメリハリの効いた構成です。
曲のクレジットがミッチ・ミッチェルとなっていますが、イントロ部のリフで曲を引っ張って行くようなところは、ジミが考えたような気もします。
MIDNIGHT LIGHTNING にもスタジオ・テイクが収録されていますが、これはジミ以外のパートを差し替えたものです。
= WAR HEROES
- 10.Stepping Stone
- Record Plant, January 7, 1970
Bass: Billy Cox
Drums: Mitch Mitchell
Chorus: The Ghetto Fighters (Arthur & Albert Allen)
オリジナル(シングル・リリース)は、バディ・マイルスのドラムによるアップテンポなナンバーでしたが、ここではジミの死後、ミッチ・ミッチェルのドラムに差し替えられたヴァージョンが収録されています。
オリジナル・シングル・ヴァージョンは KISS THE SKY や CORNERSOTNES などのコンピレーション盤に収録されています。また、 VOODOO SOUP にもこの曲が収録されていますが、これは更にドラムが差し替えられていて、元・ナックのドラマーがダビングされています。
= WAR HEROES / KISS THE SKY / CORNERSOTNES / VOODOO SOUP
- 11.My Friend
- Sound Center, March 13, 1968
Guitar: Ken Pine
Drums: Jimmy Myers
Piano: Stephen Stills
Harp: Paul Caruso
話し声やグラスの音のSEが入っていて、パブやクラブで演奏しているような感じの曲。
エレクトリック12弦ギターの音が聞こえますが、これはケン・パインというファッグスのギタリストが弾いています。ハーモニカをプレイしているのはジミの友人であるポール・カルーソです。スティーヴン・スティルスが最初のところでちょっとだけピアノを弾いています。ジミは、ボブ・ディランを意識しているような歌い方です。
この曲だけが、他の曲と録音時期が離れていて、 ELECTRIC LADYLAND のレコーディングに入る直前の録音。記録によると、この曲がレコーディングされた日は、ジム・モリスンとのセッションで有名な「ザ・シーン」でのセッションがあった日と同じになるから、そのセッションの後に録音されたのでしょうか。
= THE CRY OF LOVE
- 12.Straight Ahead
- Electric Lady Studios, June 17, 1970
Bass: Billy Cox
Drums: Mitch Mitchell
ワウ・ワウをつかったオブリガードが印象的なナンバー。ジミのメモ書きなどを見ると、彼はこの曲をアルバム・タイトルにすることも考えていたようです。
オリジナル収録の THE CRY OF LOVE では、この曲の歌詞だけがジャケット裏に印刷されていました。
ジミはこの曲について「人権とか魂の解放について歌ったものなんだ。髪が長かろうが短かろうが、大人たちと若い連中は連帯するんだ。その絆は深まっていく。というような内容の歌だ」と語っていました。
= THE CRY OF LOVE
- 13.Hey Baby
- Electric Lady Studios, July 1, 1970
Bass: Billy Cox
Drums: Mitch Mitchell
Percussion: Juma Sultan
晩年を代表するバラード曲です。1970年のツアーでよく演奏されていました。
イントロから2分半ほど演奏のみが続き、歌い出す前に "Is the microphone on?"と聞いているのがそのまま入っているのが面白い。(これはミックスの時、わざと残したらしい)
= RAINBOW BRIDGE / VOODOO CHILD
- 14.Earth Blues
- Record Plant, December 19, 1969
Bass: Billy Cox
Drums: Mitch Mitchell
Percussion: Juma Sultan
Chorus: The Ronetts
黒っぽい雰囲気漂う曲。そして、宗教の影響を感じる内容になっています。コーラスをつけているのは、「ビー・マイ・ベイビー」で有名なロネッツです。
1969年末、ニューヨークのレコード・プラントで、「バンド・オヴ・ジプシーズ」のリハーサル・セッションの時にレコーディングされていますが、これはミッチ・ミッチェルのドラムに差し替えられているようです。
= RAINBOW BRIDGE
- 15.Astro Man
- Electric Lady Studios, June 25, 1970
Bass: Billy Cox
Drums: Mitch Mitchell
Percussion: Juma Sultan
イントロのジミのファルセットが気持ち良くないですが、Bメロに入る箇所、ギター・リフが折り重なるように入ってきて、ギターの音がたくさんきこえて来るところがスリリング。
この曲の初期のヴァージョンは "Pass It On"(パス・イット・オン)と呼ばれていました。また、ジミが同時期に考えていた組曲、「ブラック・ゴールド」の中の曲だとも言われています。
= THE CRY OF LOVE
- 16.In From The Storm
- Electric Lady Studios, July 22, 1970
Bass: Billy Cox
Drums: Mitch Mitchell
Chorus: Emmeretta Marks
イントロが70年代初期のブリティッシュ・ハード・ロックを思わせます。コーラスにはジミの知り合いだったR&Bシンガーのエメレッタ・マークスが参加しています。
= THE CRY OF LOVE / CORNERSOTNES / VOODOO SOUP
- 17.Belly Button Window
- Electric Lady Studios, August 22, 1970
生前最後のスタジオ録音とされる作品。ジミ一人によるブルース弾き語りです。母親のお腹にいる赤ん坊が、生むのか、下ろすのかと母親に迫っているという、ユーモラスな内容の曲です。"Belly Button" とはへそのこと。
= THE CRY OF LOVE / VOODOO SOUP
●オリジナル収録盤
THE CRY OF LOVE
アルバムについて
1970年1月のバンド・オヴ・ジプシーズ崩壊後、エレクトリック・レディ・スタジオの建設資金を稼がなければならなかったジミは、1970年春頃からハードなアメリカ・ツアーをこなしていました。そして、ツアー・スケジュールの合間に、スタジオに入っては新曲のレコーディングに精を出していました。
ジミには、次のスタジオ・アルバムを、"FIRST RAYS OF THE NEW RISING SUN"("STRAIGHT AHEAD", "FREEDOM" とも言っていたようです)というタイトルのアルバムとして発表する考えがありました。
しかし、完成を見る前に亡くなってしまったため、それまでに録音されていたテープが、エレクトリック・レディ・スタジオに残されました。そこで、エディ・クレイマーやミッチ・ミッチェルらの手によって、それらのテープが仕上げられ、この THE CRY OF LOVE というアルバムとして発表されました。
ジミは2枚組として考えていたようですが、レコード会社の意向により1枚もののアルバムとしてリリースされました。これはジミの死後、最初に発表されたスタジオ未発表録音集ということになります。
また、アルバムタイトル名は、その最後のアメリカツアーの名前「クライ・オヴ・ラヴ・ツアー」から取られています。
全体の印象
全体的にスタジオ・エフェクトの使用を控えめにして、ナチュラルな感じの仕上がりになっています。また、派手なアーミングやフィード・バックは控えめにして、どちらかというと歌を聞かせる曲が多くなっています。
- Freedom ↑
- Drifting ↑
- Ezy Ryder ↑
- Night Bird Flying ↑
- My Friend ↑
- Straight Ahead ↑
- Astro Man ↑
- Angel ↑
- In From The Storm ↑
- Belly Button Window ↑
※全て FIRST RAYS OF THE NEW RISING SUN に収録されています。
RAINBOW BRIDGE
アルバムについて
THE CRY OF LOVE の選曲から外されたものをベースに編集された、死後2枚目に当たるアルバム。
"Dolly Dagger" "Room Full Of Mirrors" "Izabella" "Hey Baby(The Land Of The New Rising Sun)"などは、初期の段階でこのアルバムに収録されることが決まっていたそうです。
そして、アルバムの残りを埋めるトラックとして、ワーナー・ブラザーズが保管していた、マルチ・トラック・テープの山から掘り起こされてたものが使われました。
古いものでは1968年10月、エクスペリエンス時代に録音されている"Look Over Yonder"までさかのぼっていたりします。
全体の印象
前作の THE CRY OF LOVE に比べると、寄せ集め的なものを感じますが、"Star Spangled Banner" のスタジオ多重録音版や、バークレーでの "Hear My Train A Comin'" のライヴ・テイクなど、貴重なテイクが収録されています。
ジャケットには "ORIGINAL MOTION PICTURE SOUND TRACK" と書いてあって、一応、映画「レインボー・ブリッジ」のサントラ盤ということなのですが、映画に挿入されているライヴ演奏のテイクは1曲も入っていません。そして、映画とは違う演奏のバークレーでの "Hear My Train A Comin'" が入っていたりして、なんかいい加減さを感じます。
このアルバムのCDは発売されていないようですが(見たことがないので未確認です)、ブートレグCDは出ているみたいで、"Izabella" "Stepping Stone" "Little Drummer Boy/Silent Night"がボーナス・トラックとして追加されているものがあるようです。
side A
- 1.Dolly Dagger
- FIRST RAYS OF THE NEW RISING SUN に収録 ↑
- 2.Earth Blues
- FIRST RAYS OF THE NEW RISING SUN に収録 ↑
- 3.Pali Gap
- Electric Lady Studios, July 1, 1970
Bass: Billy Cox
Drums: Mitch Mitchell
Percussion: Juma Sultan
ジミのギターをたっぷり聞くことができるインストゥルメンタル曲。ギター・ソロでの細かなピッキングのフレーズが珍しい。
曲名のPali Gapとはハワイの火山の女神のことらしいのですが、レコーディングしたときは曲名が付いていなくて、ジミの死後、マネジャーのマイク・ジェフリーが、映画の撮影地であるハワイに関係したタイトルということで付けたものです。
1997年に発売された SOUTH SATURN DELTA に収録されています。VOODOO SOUP にも収録されていますが、別ミックスになっています。
- 4.Room Full Of Mirrors
- FIRST RAYS OF THE NEW RISING SUN に収録 ↑
- 5.Star Spangled Banner
- Record Plant, March 18, 1969
ジミがギターだけの多重録音で作った曲。テープの回転数を操作して音を重ねたり、オクタヴィアを使ったりしていて、なんか実験的な感じがします。1990年にリリースされた CORNERSOTNES というコンピレーション盤でCD化されています。
side B
- 1.Look Over Yonder
- TTG Studios, Hollywood, October 22, 1968
Bass: Noel Redding
Drums: Mitch Mitchell
ジミがロンドンに渡る前、ジミー・ジェームス・アンド・ザ・ブルー・フレームスとして、ニューヨークでライブをやっていた頃のレパートリーだったものです。そのときは "Mr.Bad Luck" という曲名で演奏していました。
エクスペリエンス時代の録音で、アップテンポなハード・ロックになっています。1997年に発売された SOUTH SATURN DELTA に収録されました。
- 2.Hear My Train A Comin'
- Berkeley Community Theatre, May 30, 1970
Bass: Billy Cox
Drums: Mitch Mitchell
「RAINBOW BRIDGE」の映画では、この曲を演奏するシーンが見られるのですが、1弦のチューニングが狂っていたり、ミス・ピックがあったりで、あまり良いテイクではありませんでした。それに、2分位やったかと思うと、メドレーで次の "Voodoo Child (Slight Return) " の演奏に入ったりしていたこともあって、ここではその代わりにこのバークレーでのライヴが収録されています。
1999年、リマスター盤がリリースされた :BLUES に収録されています。
- 3.Hey Baby
- FIRST RAYS OF THE NEW RISING SUN に収録 ↑
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WAR HEROES
アルバムについて
1972年、未発表曲を含むスタジオ録音盤として発表されました。
THE CRY OF LOVE と RAINBOW BRIDGE にて主な未発表スタジオ録音アイテムを出し尽くした感じでしたので、むりやり作ったという感じです。
5曲目 "Stepping Stone" と最後の "Izabella" は1970年にシングル盤のカップリングで発売されていました。他は、スタジオ・テイクとしては未発表曲です。
"Highway Chile","Tax Free","Midnight" の3曲がノエル・レディングのベース。他の曲はバンド・オヴ・ジプシーズ(ドラムがミッチ・ミッチェル)の演奏です。
- 1.Bleeding Heart
- Record Plant, March 24, 1970
Bass: Billy Cox
Drums: Mitch Mitchell
ライヴで演奏されていた(THE LAST EXPERIENCE や THE JIMI HENDRIX CONCERTS に収録)、スローなブルーズ曲とは違い、アップテンポなアレンジになっていて、別の曲のように感じます。
これより前にレコーディングされたオリジナル(?)・テイクが :BLUES に収録されています。
- 2.Highway Chile
- ARE YOU EXPERIENCED や SMASH HITS 収録と同じものです。
- 3.Tax Free
- Record Plant, May 1, 1968
Bass: ??
Drums: Mitch Mitchell
スウェーデンのデュオ、ハンソン&カールソンというグループによって書かれたもので、リフが印象的なインストゥルメンタル曲。ELECTRIC LADYLAND のレコーディング・セッション時に録音されています。
オルガンの音が入っていますが、ギターのようなフレーズなので、もしかしたらレスリー・スピーカーを使っているのかもしれません。
SOUTH SATURN DELTA に収録されています。
- 4.Peter Gunn / Catastrophe
- Electric Lady Studios, June, 1970
Bass: Billy Cox
Drums: Mitch Mitchell
このリフは聞いたことがある人も多いと思います。ヴェンチャースの物まねみたいなギターの音で弾いているのが珍しい。後半はスタジオのお遊びという感じで、楽しい雰囲気が伝わってきます。
- 5.Stepping Stone
- FIRST RAYS OF THE NEW RISING SUN に収録 ↑
- 6.Midnight
- Olmstead Sound Studios, April 4, 1969
Bass: Noel Redding
Drums: Mitch Mitchell
ヘヴィなリフから始まるインスト曲。後半はギターにユニヴァイブのようなエフェクトがかけられています。VOODOO SOUP、SOUTH SATURN DELTA にも収録されています。また、この曲のリズム隊差し替えヴァージョンが MIDNIGHT LIGHTNING に "Trashman" として収録されています。
- 7.3 Little Bears
- Record Plant, May 2, 1968
Bass: Noel Redding
Drums: Mitch Mitchell
ジミにしては珍しい、ブルーズ色の少ないカリブ調(?)の曲。しかし、曲間に挟まれるギター・ソロがブルージーで、思わず聞きほれてしまいます。ジミはほとんどメロディなしの語り口調で歌っています。
また、エンディングにかけてのギター・ソロ部分では、珍しいジミの”ギャ〜”という雄叫びが聞かれます。そして、いきなりテープをストップさせたかのようなエンディング。
- 8.Beginning
- FIRST RAYS OF THE NEW RISING SUNに収録 ↑
- 9.Izabella
- FIRST RAYS OF THE NEW RISING SUN に収録 ↑
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