IN FROM THE STORM / 1995
| BMG BVCP-895 |
Producer : Eddie Kramer
ヘンドリックス没後25周年になる1995年に発表された、トリビュート・アルバムです。
CDオビのコピーには 「ジミの遺志を受け継ぐ究極のトリビュート。ジミの遺志を受け継ぐ分子として、様々なジャンルで活躍するスーパー・スターたちが集結!!超豪華、夢の顔合わせによる究極のトリビュート・アルバム!!
」とあります。
どのトラックにもバックにはオーケストラ(ロンドン・メトロポリタン・オーケストラ)の演奏が入っており、このアルバムより2年ほど前に発売された、同じトリビュートものの『STONE FREE』 "A Tribute To Jimi Hendrix" とは、やや志向が違っています。
アーティストは新旧、ジャンルを超えての参加で、プロデューサーのエディ・クレイマーなど、まとめるのが大変だったのではないでしょうか。
参加メンバーにノエル・レディングやバディ・マイルス、ビリー・コックスの名前はあったのですが、ミッチ・ミッチェルの参加がなかったのはなぜ?
オリジナルを知っていれば知っているほど、おもしろく聞くことができると思いますが、逆に原曲を知らずに後から聴くというのも(出来たら)いいかも知れないですね。
個人的にはオーケストラなしでの演奏を聞きたかったところですが、参加ミュージシャンの豪華さだけでも満足です。アルバムラスト、思い入れたっぷりに歌うブライアン・メイの "One Rainy Wish" が感動的でした。この曲でドラムをプレイしているコージーに合掌。
- ...And The Gods Made Love
vo:Doug Pinnick(King's X)
perc:Tony Williams, Richie Garcia
アルバム、エレクトリック・レディランドの一曲目。ほぼ完全コピーで始まります。
- Have You Ever Been(To Electric Ladyland)
vo: Buddy Miles, Doug Pinnick(King's X)
g: Steve Lukather
b: Stanley Clarke
d: Tony Williams
一曲目の途中からストリングが入ってきて、この曲 に続き、バディ・マイルスがソウルフルに歌います。リード・ギターはスティーヴ・ルカサー、ベースはスタンリー・クラーク。
- Rainy Day, Dream Away
vo: Taj Mahal
g: Robben Ford
b: Stanley Clarke
d: Tony Williams
k: Mike Finnegan
ts: Everett Harp
conga: Richie Garcia
渋い声を聴かせているのは、タジ・マハール。オリジナルでは、ジミが(鼻?)息を”ウッ”と吸う音が入っているのですが、ここでもその通りに真似をしていて、思わずニヤリとしてしまいました。
ロベン・フォードのギターがいい音しています。オルガンはオリジナル・レコーディングにも参加していたマイク・フィニガンが再び弾いています。
- The Wind Cries Mary
vo: Sting
g: John McLaughlin, Dominic Miller
b: Sting
d: Vinnie Colaiuta
スティングがベースを弾きながら歌っています。実に味わい深い。ジョン・マクラフリンのリード・ギターが凄い。凄いんだけど、曲から浮いている感じがします。
- Spanish Castle Magic
vo: Sass Jordan
g: Carlos Santana
b: Stanley Clarke
d: Tony Williams
サンタナのギターにスタンリー・クラークのベース、トニー・ウィリアムスのドラムスという、オールスター・ゲームのようなメンツでの演奏です。
リード・ヴォーカルのサス・ジョーダンって初めて聞く名前だけど、カナダ出身でストーンズやフェイセズに影響を受けているヴォーカリストらしい。1990年代始め頃、ソロ・アルバムも発表しているようです。
- Little Wing
harp: Toots Thielemans
violins, violas, celli, oboe, clarinet, horns: London Metropolitan Orchestra principals
オーケストラのみをバックにトゥーツ・シールマンスのハーモニカが哀愁のあるメロディーを奏でています。実にいい感じですね。このアルバムの中では、一番まともです。原曲の良さをあらためて実感しました。
- In From The Storm
vo: Corey Glover
g: Eric Schenkman (Spin Doctors)
b: Billy Cox
d: Dave Abbruzzese
ヴォーカルはコリー・グローヴァー(リヴィング・カラー)、ギターはエリック・シェンクマン(スピン・ドクターズ)そして、ベースはビリー・コックスです。
メイン・リフをオーケストラにてやっているけど、ちょっと無理があるような感じがしました。
- Drifting
vo: Corey Glover
g: Steve Vai, Hiram Bullock
b: Billy Cox
d: Tony Beard
これはオーケストラがとてもしっくりハマっていて、GOOD。ヴォーカルのコリー・グローヴァーもいい感じ。
スティーヴ・ヴァイのギターも曲に合っていて、ジミの雰囲気を良く出しています。ちなみに、この曲もベースはビリー・コックスです。
- Bold As Love
vo: Paul Rodgers
g: Steve Vai
b: Bob Daisley
d: Tony Williams
1993年のトリビュート・アルバムにも登場していた、ポール・ロジャースが歌います。この人何を歌っても上手ですね。
リード・ギターはスティーヴ・ヴァイ。ここではオリジナルに忠実に弾いています。ベースはボブ・ディズリー(リッチー・ブラックモアと一緒にやっていたっけ)。ドラムはトニー・ウィリアムス。
最後は "Third Stone From The Sun" のフレーズで終わります。
- The Burning Of The Midnight Lamp
vo: Doug Pinnick(King's X)
g: Eric Schenkman (Spin Doctors)
b: Noel Redding
d: Dave Abbruzzese
ダグ・ピニック(キングスX)のヴォーカルにエリック・シェンクマン(スピン・ドクターズ)のギター、そしてベースはなんとノエル・レディング!
オーケストラによるメインリフは原曲のイメージが強いだけに、なんか拍子抜けしてしまいました。
- Purple Haze
vo: Buddy Miles
g: D.D., Michael Hill, Steve Lukather
b: Bootsy Collins
d: Dennis Chambers
バディ・マイルスが歌います。ベースにブーツィー・コリンズ、バーニー・ウォレルのキーボードという、P-FUNK軍がバックです。これは、個人的に気に入っています。
スティーヴ・ルカサーが弾くリード・ギターの後は何故か「フォクシー、レイディー」と連呼しながらのエンディング。
- One Rainy Wish
vo: Brian May
g: Brian May
b: Neil Murray
d: Cozy Powell
クイーンのブライアン・メイがギターを弾きながら歌います。ブライアン・メイのリード・ヴォーカルは初めて聞きました。気合入っています。エンディングにかけて、ブライアンによる歌詞が追加されています。
ベースはニール・マーレイ。そして、ドラムはなんとコージー・パウエルです。オーケストラなしのトリオの演奏で聴きたかったな。これも原曲の良さを実感しました。
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