しんしろ新ちゃんの第3回『新城エアーレース』レポート

1998年4月25日・26日愛知県の新城スカイパークにて、新城パラグライダー協会主催により、第三回新城エアーレースが行われました。

第1日目前日の天気予報通り、雨、山が見えない。選手も来ない。キャンセル多発。来た選手は十三名。選手一同「山が何処にあるんだ?」と言うぐらい霧で山が隠れていました。

開会式は小雨のため青年の家の体育館で。

予定通り開会式が行われ、選手一同飛ぶべくして霧の中へ出発。ところが選手一同テイクオフに揃った所で、霧がなくなり新城の町が見え始める。でも風は弱いフォロー、機体は立ち上がりそうにない、おまけに地面はびしょびしょ。みんな弁当を食べピクニックに変更、でも選手の気持ちは飛びたいような、機体を濡らしたくないような。昼食後一時風が止み、飛べる状態になり、みんなが期待するなか、ダミーが騙され機体を広げる。広げたとたん、またフォローみんなの期待の中、フォローの止んだすきにダミー発射。

ダミー。前の山が新城山

思った通りぶっ飛びそれもフォローで早い。あの機体はランディングでどうなった事か?「いやー今日はパラが飛んでいるのが見れるとは思わなかった。」この後また小雨が、フォローも止まず今日は予定通りキャンセル。今日の楽しみの懇親会へ。

坪内氏、モーターパラでパフォーマンスをする。

すんなり懇親会と思いきや、CPCの坪内氏によるモーターパラショウが始まり、会場の桜淵では人垣ができてしまう。後の大会でも連続スタ沈でなにかと盛り上げてくれた、粋なおじさんである。

桜淵で懇親会

この天気のため余裕を持って始まった懇親会は新城PG協会の加藤、牛の加藤と異名をとるほどのバーベキューのプロフェッショナルが、少ない予算で素晴らしい料理をご馳走してくれた。この大会一番の功労者である。

明日の天気予報は晴れ気圧配置も良さそうな気がする。でも普通は雨が降った後は北西のフォローだ。

二日目の競技説明、晴天だが強風。

二日目朝から快晴、強風。なんで?やっぱり不安適中。北西のびゅーびゅー風。こんなの飛べるわけないぞ、と思いつつもテイクオフへ。東の空を見ると北西の風が集まって、積乱雲ができそうである。一応タスクは西へ3キロAパイロンを見て、戻って通常ランディングのBパイロンを見て、最後は3.5キロ先のCランディングへ、まあ飛べたらAパイロンが難しいかなという感じである。シークレットパイロンでパイロット取り立ての人も楽しめそうな大会だ。今日のピクニックは眺めが最高で、南は浜名湖、西は渥美半島がはっきり見え最高のピクニックだ、東の富士山は先ほどの雲で見えない。かなり風の強い状況がうかがわれる。仕方なく早目の昼食になる。昼食後も快調に北西風が吹き、地元の人も今日も駄目だと思う中、コンペティター川口竜太が何か良いものでも見つけたかのように風が変わると予言?どうも先ほどの雲の形が東風に押され形が変わってきていると言うのだ。確かに形が変わってきているが、さっぱり理解できない。「まあ1・2時間で変わるでしょう。」と言う言葉に聞いていたフライヤーは期待をもたせる。1時間ぐらい経つと今まで吹いていた冷たい北西風が止み暖かいブローが入り始める。予言?的中まだ風が西っぽいがダミーをすかさず発射、2連発。

新城を一番楽しんだ村松和美選手のテイクオフ。

芝で綺麗なテイクオフ。

みんな気になっていた前山の新城山の様子もここでなんとなく分かった気がする、でも風が強めなため、上手く越さないと谷にはまるような気がしたのは私だけでしょうか。ダミーはあまり上がらない、風が強くサーマルも流されて乗り切れないようだ、一機はあまり上げずにCランディングへ飛んでいってしまう。新城山で飛んでいれば何時間でも飛べそうな感じである。時間も昼を回っていたためゲートオープン。一番手は村松和美選手、名前は女の子でもとても和美ちゃんとは呼べそうにない男だ。

晴天だったのが、だんだん東風に押され雲が来る。

次々に出ていく予定が2番手の選手がテイクオフ前で墜落、痛そう。このトラブル処理のため一時中断スタッフが不慣れなためか、なかなか処理できない。時間がかかる中、和美ちゃんは新城山をただひたすら飛ぶ。一時間ぐらい経っただろうか再度ゲートオープン。和美ちゃんはまだ新城山を飛ぶ。だが、だんだん風が南へ振り、南東へ一見出やすくなったように見えるが風は強めである。でも川口の予言?的中、とうとう東風になってしまった。どんどん勇気ある選手がテイクオフする中、感が冴える川口もテイクオフ。本命通りのつまらない大会になってしまうのか。その後今度は本当の女性の土井晴子もテイクオフ。つづいて坪内氏テイクオフ、ところがテイクオフをぶん取り連続スタ沈、スタ沈している間に地元フライヤーになりつつある鈴木信吾が同じ機体で、華麗にテイクオフ。さすが鈴木!!スタッフも応援する中、木の中へ?おいおい。何とかすり抜けずぶずぶ落ちてく、まあ何とかしてくれるだろう。条件的には+300ぐらいなのだろうか?風が強めで機体が東方向をを向いたままあまり動かない。だが川口、土井、新城山の好きな和美ちゃん、含め何人かはAパイロンをとり行く、何とか復活した鈴木もAパイロンの途中の尾根へはまりに行く、結局川口、土井のマッチレースに。なんと最後は下降競争。二人とも翼端を折るが川口のオメガ4は落ちない。土井はあきらかに落ちる。慌てて川口はスパイラルに入れるが結局ランディングは一緒。川口をやっつけてくれて嬉しいが、男として女性に負けて悔しい。だが川口が負けを認めるほど素晴らしい飛びだった。

左、川口。中央今大会の功労者牛の加藤。右二冠の土井

上級パイロットには面白い条件になりタスクが短いような感じで、パイロット取り立ての人には雲の吸い上げが恐い状態になってしまいました。あまり良くない天気予報で集まってくれた20名中8名が飛べませんでした。成績は土井が優勝、女子優勝の2冠に輝き、2位にはパラリーマンになった川口、3位は今田盛、特別賞に今田雅子がなり、今田は夫婦で荒稼ぎしていった。4位ははまりにはまった鈴木がめげづに入り、5位はパイロンの色を間違えるおおぼけをかました大間氏、和美ちゃんは一人三時間近く飛び、減点だらけの六位に終わった。

楽しみの賞金、賞品、参加賞で、僕は新城市のキャラクターの可愛い新城新ちゃんTシャツなどをもらった。年会券が遠距離の人に行かず、これから会費を払おうとする、鈴木、川口にいってしまったのはスタッフも誤算だったろう。参加費5000円のわりに、豪華な賞金、賞品、参加賞が出てみんな笑顔の記念撮影となった。

みんなで記念撮影。

途中スタッフの不手際などがあったが、「選手たちに楽しんで帰ってもらいたい。」「大会を成功させたい。」と言う気持ちがスタッフ一人一人に感じられた、今回天気予報も悪く20人という少ない選手で行われたが、次回の大会では必ず天気も味方になってくれるだろう。

 

レポーター しんしろ新ちゃん

 


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