祇園御霊会99 山鉾曳き初め

1999年 8月 3日 追加



 1999年7月13日、祇園祭を見に行ってきました。昨日から始まった曳き初めです。多分、山鉾巡行の当日はじっくりと見れないと思うので今日見てきました。

 実は、動く山鉾を見たのはこの日がはじめてです。さすが釘を使わず縄で作っただけのことはあります。前後に長い船鉾なんかは船体を左右にきしませながらゆっくりと進んでいきます。


岩戸山の曳き初め
 山や鉾の曳き初めは山や鉾のある通りを南北に移動するだけです。狭い通りでどうやって方向を変えるのでしょうか?それは、方向を変えないのです。
 小型の山をのぞいて曳山や鉾は前後同じような構造があります。特に、まだ見送りがついていないので前後の区別もつきにくいです。前に立つ音頭取りの二入が後ろに移動して、曳き綱を伸ばせばそれで方向は変わります。
 近所の子供たちに曳かれて右に、左にゆれながら、屋台の上から祇園囃子を奏しながら進んでいきます。
 山鉾の動きは壇尻に無い雅な動きです。あれだけの巨大なものなのに、とても雅です。
 引き終わった後は、子供たちはお菓子やジュースをもらっていました。町の祭ならではの風景です。

 四条通りの長刀鉾、函谷鉾、月鉾、郭巨山、四条傘鉾、烏丸通の孟宗山以外の山鉾はすべて細い通りにあります。
 まだ曳初めだというのにあちこちで道路は通行止め。車は渋滞です。でも、それに文句を言うのは「不粋」ですね。
 迷惑する人もいるでしょうが、祇園祭の経済効果は大きいでしょう。でも、2回あった巡行が1回になったからやっぱり阻害してるのでしょうか。

 ところで、今日思った疑問。
 八坂神社と山鉾町が離れていること。八坂神社は四条東大路、山鉾町は四条烏丸周辺。
 簡単に位置関係を書くと、八坂神社(東大路)―鴨川―河原町通―八坂神社御旅所―長刀鉾―烏丸通―各山鉾町確かに、御神輿は山鉾町を回っていきますが、なんか離れていますね。
 このあたりの関係はどうなんでしょうか。気になるところです。

 そして思ったこと。
 多くの人は祇園祭(祇園御霊会)と山鉾巡行を一緒に考えているようですが、山鉾って神輿とちがって神社の神様の乗り物ではありません。それに八坂さんの前まで行きませんし。
 本当に、山鉾巡行は祇園祭なんでしょうか?どうも、下京の町衆が祇園祭をのっとったような気がします。
 普通ならあれだけ有名な寺社になればそうとう強大な力を持ってるはずですが、京都なら、あながち祭が町衆に牛耳られることもあるのかもしれません。真相はわかりませんが。

祇園祭フィールドワークもどき


    水龍〈shuilong〉