住まい/予算オーバー 注文住宅の設計プロセス

 穴倉空間工房
 
 
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どうして予算はオーバーする?
今回のように、予定金額を大きく越えてしまうということは稀なケースといえるかもしれませんが、大なり小なり予算オーバーということはよくあると思います。

まず、一般的な要因としては・・・。
住まい手と設計者の住まいに対するこだわりとか思い入れ、そういったものが打ち合わせしていく過程で育まれ、結実したものが価格に反映されたということが考えられます。

これは、住まいを考えていく上である程度許されて良いこと、または必要なことと言っても良いのかもしれません。

むしろ、このような過程を経て、さらにもう一度基本に戻って本当に必要なものを抽出するという作業を通してこそ、本当に求める住まいをつくることができるのだと思います。

もう一つの予算オーバーの要因は、多分に業界の体質に起因しています。
工務店の立場で考えた場合、付き合いのない設計事務所への警戒感が少なからずあるようです。

「工事を進めていく上でどんなことを要求されるかわからない」
という警戒感から価格設定を高めに(安全側に)見込んでおこうという考えが生まれてしまうのです。

ここで、この警戒心の背景にあるものについても、考えておく必要があります。

自分のエゴばかりを通そうとする設計者、設計図書の不備を工務店に押しつけようとする設計者、現場監理に足を運ばない設計者等・・・。

不幸にしてこういった設計者に当たってしまった場合、工務店にかかる負担はかなり大きいものになりそうです。

これら一部(であると思いますが・・・)のよくない設計者のイメージがその背景にあることも、残念ながら否定できないと思うのです。

この点については、私たち設計者も深く自戒する必要があると思います。

さて、これまでの経緯のなかで、一つお話しておきたい出来事があります。
それは、工務店からの見積書を私(池田)がチェック、査定している最中の事でした。


 この工務店はオーナーの住む地元の業者で、オーナーとも親しいということもあったのでしょう。

見積金額が高く出ていることを懸念してか、直接オーナーに電話を入れ、高くなっている理由を説明したいと言ってきたそうです。

が、オーナーはこれには取り合わず、
「一切を設計者に任せている。」
という姿勢を崩しませんでした。

この時のオーナーの対応がその後の私たち(施主と設計者)の信頼関係に大きく影響したことは言うまでもありません。

住まいをつくるという行為が、単に技術だけの問題ではないことの現れとして見ることができるのではないでしょうか。

竣工まで
 これ以後、工事請負契約、建築確認申請および公庫設計審査を経て、着工。
天候不順による防水工事の遅れなどがありましたが、翌3月引き渡しを完了しました。

工事監理について
以上のように、基本計画から工事着工までのプロセスを中心に設計監理業務の内容をご紹介してきましたが、着工から完成に至るまでの工事監理も基本計画・設計と同様、とても重要な業務です。

地盤・材料・製品の様々な検査とその立ち会い、工務店から提出される施工図面のチェックと承認、職人との打合せ、具体的な仕様の選定と決定および施工方法の確認、増減工事のチェック、工程管理、役所検査、引き渡しに至るまで、設計の意図が、最後まで的確に、かつ十二分に反映されるように、最大限の努力を重ねていきます。

ちなみに、この住宅の場合、現場での打合せだけでも40〜50回を優に越えています。

オーナーとの出会いから1年半、竣工という節目を迎えて、ひとたび旅装を解くことにはなりますが、住まいというものを通じての両者の二人三脚の旅は、これからも続いていくものと思っています。

 
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