<ヒメギンポ オス婚姻色>
串本でヒメギンポを見るのは初めてです。
ビーチエントリーするのは少ないし、ましてや本当に浅い場所(水深2〜3メートル)では、視界が悪いことがほとんどなのでなかなか粘っていようと思わないのですが、今回はさすがに秋めいてきた早朝ダイブ、なんとエントリーしたとたんに透視度10メートル以上と田子ビーチとしては、最高な状態で感動しました。
見えさえすれば岸ギリギリと言うのは実に複雑でおもしろい地形なんです。
そこでいつもよりユックリとあちこち見て回っていると、岩の裏側にすごく鮮やかなオレンジ色の魚発見。
小さくて動きもかわいいけど、この水深での観察はなかなかに苦労がかかります。
体は浮き上がり障害物は多く、体をひねって逆さま向きにと言うのは・・・。
しかし、婚姻色のオレンジ色(写真ではちょっとくすんでしまっていますが。)は水中では異色とも言えるほど目立っていて本当にすばらしい。ぜひ一度見てちょうだい。
<タコクラゲ>
エキジット寸前に仲間がタコクラゲを撮影しているところに遭遇。
4匹中の1匹をおすそわけ・・・と言ってもフィルムも3枚ほどしか無かったけど。
さて、最近よく見られるようになったタコクラゲですが、クラゲの中では活発に動き回る方で撮影していると、結構動きの早さに驚きビントを合わせるのにも苦労します。
クラゲの傘の下に出ている足状の物はつい、触手と思ってしまいがちなのですが、実は傘の周囲から生えている細い物が触手と呼ばれる物らしいので、タコクラゲには無いのだそうです。
足のような物はフサフサな部分までが口腕その先が付属器と呼ばれる部分。
よくクラゲを絵に描くとき単純に足のように描いてしまうのは、口腕の部分と言うことになり、絵に描くクラゲの代表であるミズクラゲにはタコクラゲの様な付属器というのが無いことになります。
口腕と言うのは何となくエサを口に運ぶ物なんだろうと想像出来ますが、では付属器って必要なもの?
泳ぎ上手なタコクラゲには、体を安定させるための凧のシッポの様なものなのでしょうか、そういえばミズクラゲなんかは波に負けてクルクル回っていたりするもんなあ。
<シチセンチョウチョウウオ>
実は今回の目的はこの魚。
先週、台風の影響でうねりがはいり、視界が悪く、さらに何故かワイドを持って入った3拍子そろった最悪状態の中、名物ハマサンゴのところで、こいつを発見。
そのときは自分の最悪状態に何故かすぐにあきらめモードで、あまり何とも思わなかったんですが、帰ってきてから残念さがこみ上げてきてしょうがなかったので、グラスワールドリクエストで潜りに来たのでした。
前回初めて見た魚なのでいるかどうかは心配で、エントリーしてすぐに直行、姿が見えないのでちょっとあきらめかけたのですが、ショップの人が2,3日前にいることを確認してくれていたので、粘ることに・・・。
サンゴの表面をついばむような動作をしていたので周囲のサンゴも気にしながらウロウロ、しばらくして他のダイバーがいなくなり、一人になったところで発見、やっぱりハマサンゴそのものについていた様子、たくさんの排気音がすると驚いてハマサンゴの傘の中に隠れてしまうようです。(その後もダイバーがたくさん来るとかくれてましたから。)
ひとりになってしまうと、向こうも興味があるようで近くまで寄ってきてくれてとてもフレンドリー、んでもってかなりひいきめなんでしょうが、他のチョウチョウウオより、一段とかわいい!!
チョウチョウウオの新たな奴なんて、そうそう、見られる物でもないので今イチオシっす、ぜひ見ておくべきでは。
<ハナゴイ 幼魚>
グラスワールドのハマサンゴのところには、こんな奴もいます。
鮮やかな赤紫色で20匹くらいの群をなしているハナゴイの幼魚達。
今年は数も大きさも安定していて、あまり逃げないので被写体としては最適なんでは無いでしょうか。
成魚は実際には見たこと無いんですが、幼魚の頃は鼻の先も丸くて成魚とは似ていません。
しかし、体色の紫色は実に鮮やかで美しく、なんか作り物みたいな感じさえします。
誰がハナゴイなんて名前を付けたか知りませんが紛らわしくてイヤ、何故なんとかハナダイにしないのだ。
個人的な意見ですが、他にもそう思っている人・・いるのでは?
串本の自分たちが潜っているポイントでは、ここでしか見たこと無いのですが、どこかで成魚の群も見られるようになるでしょうか?
期待しましょう!!
<マンジュウヒトデ>
ヒトデ好きな誰かさんに教えてもらったマンジュウヒトデ。
ヒトデとは、思えないような丸い形をしていて、表面の模様と見た目の質感は何となく絨毯の表面を連想させる出来で実にヘンテコな奴です。
さわってみると意外と表面がトゲトゲ、ゴツゴツしてて堅い感じ。
当然ヒトデよりも、ヤドリエビの方に興味があるので、探してみましたがこの個体には付いていないようでした、残念。
このヒトデもここ数年で増えてきた奴のひとりで、今ではこの場所ではコンスタントに見られる様ですが、岩の上の方に付いているのは、トサカなんかを食べているのでしょうか?
こんな丸い体で、潮通しの良い岩場にいると波やうねりで飛ばされそうだと思うけど、平気そうな顔しているのは、よっぽど力に自信があるんですね。まあ、転がり落ちないようお祈りしたします。