今回はフリソデエビのお話。
朝、ショップでの待機中、住崎にフリソデエビがいるとの情報で、場所を教えてもらう。
今まで狭い穴の奥の方だったり、わかりにくくて撮りにくい場所だったりと、いい思いをしたことがないので、そんなに絶対見たい!と言うこともないのだが、ENしてみると潮の流れも好都合みたいなので、まあ行ってみる事にした。
本根に到着したときには誰もいなかったけれど、「さて、探してみるか。」とウロウロし始めて間もなく他団体ダイバーご一行さんが到着、「ちょうどいいか、探す手間が省けるし・・・。」と多少浮上して待つことにしたとき「あ、目印発見。」
まあ、こんなもんだと周囲を徘徊して帰ってきてみると、丁度最後の一人が戻っていくところでした。
「よし、これで誰にも迷惑かけずにじっくり見られる。」と覗いてみると、意外と見やすい場所、しかし、思ったとおり奥のほうで二匹ならんで、こちらを見ているポジションです、「しょうがないか?」とあきらめかけながらも、ライトに対する反応を見てみます。
以前はこういう暗い場所にいる奴らは明かりを照らすとすぐにでも逃げていくものだと思っていたが最近そうとばかり限らないことに気が付いたので試してみることにしてます。
フリソデ達は最初少しビックリするようですが、平気のようなので照らしたまま少し撮影していると、突然動き出し、反転してこちらに寄ってきました、「なんだ?なんだあ〜?」とビックリしていると、フリソデの後ろの穴からなんとサビウツボが出現!
フリソデは平気でも穴の中で寝ていたサビウツボは照らされたくなかったようす、怒って出てきたサビウツボに対してフリソデ達も応戦、一緒の穴に住んでいるんだからもちろん顔見知りのはずなんですが、大騒ぎ。
その後の”思わずやっちゃったー!”みたいなサビウツポの顔が、印象的でした。
2枚貝なのに、とてもそうは見えないこの子達は大変変わった奴ら。
うっすらと透明感ただよう体に明らかに小さすぎるだろうと思われる貝殻部分、そして体から伸びる多数の触手の様なもの。
「う〜ん、あやしすぎる・・・。」これで巨大だったりしたら、なんかSFにでも出てきそうな物体である。(まあ、小さいんだけどね。)
昼間はサンゴの瓦礫のしたなどに隠れていておもてには出てこないので夜行性?(まあ、貝が夜出歩いて、どないやねんって話なのでちょっと違うのかもしれませんが。)と思われるその行動は、岩をどかされて姿が現れると、パフパフ、パフパフと泳ぎ回ること。
ホタテの泳ぐ映像はたぶんみんな見たことがあると思いますが方法は同じ、ただし貝殻は小さい、体の肉は厚い、さらに余分な肉や触手ははみ出しているので完全に閉じられないせいなのか、よく動く割に距離は移動していないっぷりが、なんか微笑をさそいます。
そして、大慌てで泳ぐその目的は「早く、暗い岩の下に潜り込みてーー!!」ってこと・・・、ん、待てよ、この子はいったいどうやって明るさがわかるんだ?
ホタテみたいな目があるようにも見えないが・・・、でも同じ2枚貝だしなあ・・・変な奴。
そして、なんとなく感情の様なものを感じるその動き方、大慌てで泳いだ後、潜り込むところが見つからないと「はぁ〜〜、つかれたぁ〜〜。」なんて感じでしばらく休んでたり、入り込めそうな穴を見つけると半分くらい入ったところで「完全に入り込めるかなぁ〜〜?」なんて考えているようだったりと、動きに表情を感じる不思議な生物。
まさに、”目は口ほどに物を言い。”って奴・・・・、ちょっと違う?
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一本目に味を占めて再び、フリソデポイントへ。
やっぱりここのフリソデ達は良く動きまわるので写しやすくて楽しいです。
大方、今回のペアみたいに極端に大きさが違うのでオスメス明らかですが、個体差もあるそうでよく見ると模様も違っている。
この写真は真ん中がメス、右端がオスですが、わかりやすい場所であるハサミの模様がオスの場合内側の大きな斑紋がつながった様になっていて一目瞭然ですね。
斑紋の色も個体差があり、一般的にはアフリカの方のものが青味が濃くなるようなのですが、決まっているわけではないそうなので、そのうち青いのも見られるかもね。
反対に赤みの濃い”ワインレッドなフリソデエビ”っていうのもいるのですが、こちらはハワイから東方に分布、エレガンス種として種別されていたりして、しっかり分布が分かれているので、こちらは見るのは無理っぽい。
けど、色彩が違っているだけで生態的な違いは見られないらしく、種を分けること自体が問題視されているらしいよ。
でも、やっぱりペットショップでは、ダントツに高い価格で取引されている美しいエビ・・・、たしかに美しいけど、自ら会いに行くこの子達の方が価値があると思うけどねえ〜。