ミュンヘンには、スイスのバーゼルを経由して2001年7月16日に訪れました。ドイツには17.8年前にフランクフルトとハイデルベルクを訪ねましたが、ミュンヘンは初めてです。市内の教会などを見て回ったのちに最初に訪れたのが、ここアルテピナコテークです。フーゴ・ファン・クレーヴに再開し、中心になるモデルがいつも同じなのに興味を引かれたり、右翼の4人の女性の描き方にアジア的なものを感じたりしました。
ドイツ絵画を見てみましょう。まずはデューラーの自画像ですがなんと自信に溢れた表情なのでしょう。キリストになぞらえて描いたとも言われるものですが、若い時から自分の才能に絶対的とも言える自信を持っていられたと言うことでしょうから、なんともうらやましい限りです。それから、アルトドルファーの「アレクサンドロス大王の戦い」の天空から俯瞰したような構図や、おびただしい数の兵士が大変な緻密さで描かれていることに驚くと共に、体力仕事だと感じました。このち密さ加減は実作を見ないと分からないと思います。ヨーロッパの絵画を見ていると、日本人とは体質的に違うものを感じることがたびたびあります。
さてこの美術館で見のがせないのは、ルーベンスとレンブラントではないでしょうか。ルーベンスは各国の美術館にありますが、ルーベンスは巨大工房を持っていたために弟子の手が多く入ったものも多く、作品の質にはかなりの違いがあります。ルーブルのマリー・ド・メディシスの生涯の大作群は弟子の仕事が多いと思われ、あまり感動しませんでしたが、ここの「ライオン狩り」や「最後の審判」を見ると、その偉大さに圧倒されます。ちなみにこの「ライオン狩り」の馬上の騎士と「聖ゲオルギウスと悪魔」の騎士は同じデッサンから描かれたのか、全く同じ姿をしています。レンブラントも多数あり、「キリストの降下」や「イサクの犠牲」などの秀作があります。
また、レオナルドやラファエロもあります。下にレオナルドの聖母子像を掲載しますが、この絵のちりめん皺が出来た経緯が気になります。
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