・第二章
出会い
ある日の夜道。
僕はいつも通り、家路の途についていた。
ふと見覚えのある姿が目の前を横切っていった。僕は目で追いながら、あの光景を思い出していた。
また、あの時のように激しい雨が突然降り出した。
その女性はすぐさままた、同じようにビルの入り口のひさしのところに駆け込んでいった。僕はとっさに同じ場所へ駆け込んだのだった。
ふと目があった。彼女も僕のことを覚えていたらしく、声をかけてきた。
「またお会いしますね。それにしても突然こんな雨が降るなんて・・・」
とちょっと微笑みながら、その女性はしゃべりかけてきた。
車輪が転がり始めた。
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