・第三章
希望
いつしか彼女となんとなく一緒の電車で通うようになった。
別に約束したわけでもなく、自分でもはじめは全然気がつくことがなかった。
突然、電車が急ブレーキをかけた。まるで映画かドラマの中のシーンを見ているようであった。
自分にもこんな事が起こるとは一時も思ったことはなかった。
彼女が僕の胸にふと飛び込んできた。
ふと、くちびるが重なった。
その時間は一瞬止まっていた。
それに反して僕の鼓動は激しくなっていた。
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