NO NAME

Words: Shin

TVを点ければ ニュースキャスターが
悲観的なコメントをいつものように伝えてる

ほんの10秒も経たないうちに
笑顔で明るいニュースを伝えてる

また通信障害が起きているようで
画面は砂嵐だ

外を見ると人々が何もないように
楽しそうに歩いている

海を越えれば人は苦しんでもがいている
空は赤く 雲は黒く 町は煙に包まれる

鳥が気持ち良さそうに飛んでいる
でもそう見えるだけだ

道を行き交う自動車の排気ガスで
空は灰色で息苦しい

「早くこの場所を抜けたい」
その一心で飛んでいるのだろうか?

空に浮かぶ白い雲の連なり
たくさん集まれば闇を作る

闇から水滴が落ちてきて雨になる
シャワーみたいな雨が滝になり
地上の人々を苦しめる

プールで泳ぐのは得意なんだけど
濁流の中泳ぐのは息が続かない

そして風がやってきて何もかもを
吹き倒していく

いつのまにか隣の家も流され
僕の方に迫ってくる

今は恐怖も怯えも感じない
感じられる力がない

いつの間にか失っているんじゃないか?
向かう力を感じる力を

何もかもに立ち向かっていける勇気を

自然の力は強大だけど
僕らの勇気も強いはず

一人で立ち上がる力が生まれなければ
みんなで力をあわせればいい

一人の力は小さいかもしれないけれど
みんなで合わせればそうでもない

何事も感じる力 意欲が必要かな?
助け合う力が必要かな?

みんながそう思い合えば
争いなんかなくなるのにな

何のためにみんな戦う?
自分が幸せになるため?
他人はいいの?

家族を守るために戦う戦士たち
戦わなければ守れない

脅威に曝す人々がいるから
戦わなければならない

誰のために戦っている?
守るべきもののためなんだろうけど
結局何を守っているのだろう

僕らも戦う
武器や暴力を使わずに戦う

楽器と声で戦うのさ
この強い気持ちがみんなに届くといいな
みんなに届けていくよ

何にもならないとは思わない
きっと何かの役に立つさ

こんなありふれた詩だけど
いつまでも歌い続けたい
いつも歌っていたい

To Y.G

 

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