土用とて、うな重などうっかり食してしまったのだが、うなぎといえば思い出すのが犬山城。
むかしむかしのそのむかし、のもひとつ昔の40年前。
家族旅行で訪れた犬山城。遅い昼ごはんを食べようと入った食堂は「アレもできません、コレもできません」と注文をことごとく退ける。
ここで父が切れ、店を出ると隣の鰻屋へ移動し、うな重を注文。
さてしかし。待てど暮らせと鰻はこない。
おそろしく古い店で、天井はなく、壁も柱も梁も煤で真っ黒。調理場ではおばあさんが一人、鰻を焼いている。
そう、その店は注文を聞いてから活きた鰻を捌いて炭火で焼いて供するという店だったのである。(後ほど、結構有名な店であったことが判明した)
今なら「本格的な店にあたったなぁ、ラッキー」と思うところだが、当時の私は小学生。目玉焼きの乗ったハンバーグが食べたかったのに!
鰻はおいしかった。
味を覚えているわけではないが、おいしいと思いながら食べたことは覚えている。だが、安くはなかっただろうし、絶対に小学生にはもったいなかったと思う。
小学生にはハンバーグでいいのよっ。
2006/07/22