信州の五日間

5月9日(金) 休暇第一日目

朝御飯はイチゴとヨーグルトと冷や奴。冷蔵庫に残していくわけにいかないから、めちゃくちゃでも仕方がない。6時56分のバスで小浜を出る。
11時まえに明石の家に到着。昨夜からの激しい雨はカケラもなく、よいお天気である。ただし風は強く、やや肌寒い。
二日早いが両親と母の日の食事会。去年は花を贈ったのだが、この時期は需要に供給が追いつかないと見えて、少々品質に難があったらしい。
午後になると、相変わらず風は強いものの、気温のほうは上昇していく。明石川の川原には遊歩道ができて、ポピーやマーガレットなどとりどりの花が野生の花畑を模して植えられ、目を楽しませてくれる。
大阪へ移動し、「ネゴシエーター」を鑑賞。昼に食べすぎてあまり食欲がないので夜はサンドイッチとアイスレモンティ。夜中に腹が減るだろうと、京都へ移動したところでローソンでおにぎりとお茶を購入。夜汽車に乗るべく京都駅へ。 ここで明日のオフの参加者の一人、水色のプラットホームさん(自分にこういうニックネームをつける人は珍しい)につかまる。同じ列車に乗ることは分かっていたので、半ば予想はしていたが。

急行ちくま(夜)急行ちくま(夜)

私は自由席、彼は指定券を買っているということだった。しかしせっかくだからちょっとおしゃべりしましょうと、並んで自由席へ。列車は9時37分発射。 ずどーんっ(ちがう)。
10時10分になると、照明が暗くなる。良い子は寝る時間というわけだ。水色のプラットホームさん(略してプーさん)も指定席のほうへ移動する。

私は滅多にしない早起きをしたので、わりとすんなり睡眠状態へ。

5月10日(土) 休暇第二日目

しかし年寄りは眠りが浅い。
ふっと目を覚ますと12時過ぎ、隣の席が埋まっていた。見まわすといつの間 にか満員になっている。ふーん、とかおもいながら再びうとうとし、次に目をさますと車内は空いていた。
時計は午前2時、そしてここから眠れない。外は雨である。ううむ、かなんなぁ。
午前4時過ぎ、列車は松本へ。ここで通路をへだてて斜め後ろの席にいた年配のご婦人が二人、目を覚ましてべちゃべちゃとしゃべりはじめる。やかましいのでにらみつける。幸い、迷惑行為は慎むべきであるという認識を視線に汲み取っていただけたようである。
窓外が明るくなってくる。雨もやんでいる。朝日がきれいだ。気分がよくなってきた。
5時、車内の照明が明るくなる。良い子は起床する時間らしい。条件反射のよ うに愛用の携帯ワープロOasyas-Pocket2(略してオアポケ)を取り出してしまう橘がそこにいた。
まもなく夜行急行ちくまは終着の長野へと到着する。

急行ちくま(朝)急行ちくま(朝)

さすがに信州、長野駅に降り立つとけっこう寒い。
おなかもすいたが、6時まえでは開いている店はない。しかし、バス停にラー メンの屋台(つーかバン)があって、リュックをしょった(私もしょってるけど )若者たちがベンチに座って食べている。朝からラーメンではもたれそうな気がするが、寒さと空腹の要請に従って一杯600円なりの醤油ラーメンを食す。麺 はまあまあだったけど、スープは辛かった。
長野の駅前は大きなビルが立ち並び、人通りが出てくればさぞにぎやかだろう 。いまはしずかだけど… などとおもいつつ、約2kmを歩いて善光寺へ。
でかい。

善光寺商売をするなとは言わんが…

仁王門のうちがわにならぶ宿坊には、○○ご一行様という立て看がずらずら。 今は7年に一度だかのご開帳をやっているそうだ。そのせいなのか、いつものこ となのか、参拝ツアーの団体が団体で歩いている。引率がほとんどお坊さんだったりする。紫衣をつけた、やけに美々しいお坊さんが行列を従えて歩いていたり 、ご開帳記念テレカやお守りの自販機があったり。みやげ物屋があいている。仏具屋もあいている。何だか全然ありがたみとか感じないのはひねくれているせい かあまりにも人が多すぎるせいか、それとも信仰心がないせいか?
どうも気分がよくない。てけてけと駅方向へもどってきたら、長野ステーショ ンホテルという名前のちっちゃいちっちゃいビジネスホテルの入口に500円で入浴できると書いてある。
お風呂に入りたかったのぉぉぉぉ。 
ホテルがちっちゃいだけに、風呂もちっちゃい。が、先客もすぐに出ていって貸切り状態だったので気分もよくなる。駅のなかのセルフサービスの店でコーヒーも飲んだし、待ち合わせの時間までけっこうあるが、ま、のんびりしていよう 。  

とか言いつつ、特急しなのに乗ってみよーとか思い立ってしまう。 
特急しなのホームの自販機をながめていると、パラダイストロピカルティーという黄色い缶が目についた。無糖無着色のリキッドティーですって、リキッドでないティーってあるのかい?(笑) ま、味は悪くない。しかし、UCCではないか。しまたー、ボイコットしてたのになー。
特急しなのは九州のやたらと自己主張の激しい列車群にくらべると、おとなしくてあまり個性的ではないが、新しくてきれいで乗り心地はいい。先頭車両の最前席に座ると運転手の肩ごしに見晴らしもなかなか。 
「まぁ〜〜つもとぉ〜〜〜」という、昔なつかしいノリのアナウンスが女声でながれる松本駅。うーん、こういうのは渋めの男声にお願いしたいなぁ。などと しょうもないことを考えながら改札にむかう… 

帽子!

どんくさい橘はしなのの席に愛用のハンチングをおいてきてしまったのだった 。あわてて駅の案内所へ駆け込んで訴えるが、帽子は名古屋駅まで行ってしまう由。車掌に連絡はするが、見つかったとしても名古屋駅で受け取るか、着払いで送ってもらうしかないそうだ。それは仕方がないが、松本駅の案内所の荒木(仮名)という係員はめちゃくちゃ感じがわるい。つい、おのれのドジは棚に上げてむかっぱらを立てる橘であった。  
とりあえず帽子がないのは困る。駅ビルのなかのブティックでキャップを購入する。ここのお姉さんは愛想がよくて商売上手なので気を良くする。本屋などひやかした後、ふたたび特急しなのへ。

この列車にはまさ子さんが乗ってくるはずなのである。が、車内は土曜日のこ ととて、けっこう混んでいる。ま、集合地の塩尻までは10分足らず、無理にさがすことはないか、と適当に座る。ななめまえの席にお母さんに抱かれた赤ちゃんがいる。こっちを見ているので、にっこり笑って手を振ってみた。嬉しそうに応えてくれる。機嫌のいい赤ちゃんって可愛い〜〜。赤ちゃんとボディランゲージでコミュニケーションしながら、ふと見ると、その前の席にまさ子さんが座っていたりするのであった。

こういう偶然って楽しい。

塩尻駅

12時14分、まさ子さんと一緒に特急しなのを降車、塩尻駅の改札まえにはすでにHANYAさんと灰色の公衆電話…もとい、水色のプラットホームさんをのぞいたメンバーがそろっている。水色のプラットホームさんはいつのまにやら急行ちくまを降り、単独行動中である。いつものことだが、やっぱり珍しい人だと思う(笑) 今回は初めてお会いする方が多いので、やや緊張(うそです) 。

参加者は、のにさん、無頼さん、太郎さん、カファさんと奥様の紅葉さん( なんとお呼びしましょうか?という橘の質問で急遽、命名されました。最初は紅 葉饅頭とおっしゃったんですけど、饅頭って…)ものすごく可愛い印象の方でした。いいなぁぁぁぁ。

さて、食事といっても塩尻駅前はなにもない。サービスエリアなら、名物とかも食べられますよ、ということなので3台の車は諏訪インターへ向かう。諏訪バスレストランはちょうど時分どきで満員。2か所にわかれて…というのを、む りやり6人席に7人座ってしまう。一番端っこに座った太郎さんには気の毒をしてしまいました。食べおわってまわりを見ると空席がいっぱい。そういうタイミ ングだったのね。

外に出ると、お天気がよくて諏訪湖のながめもいとどうるわしき。さあ、日ごろのおこないのいい人はだれだろう。ふたたび車上の人となり、しばらくする と水色のプラットホームさんから私の携帯に「今からバスに乗ります」という連絡が入る。ここはまだ圏内だったのね。

2時ごろ白樺湖に到着。今夜の宿である白樺湖水源荘の部屋に荷物をおきにいき、 電話をチェック、電話にショック。引っこ抜けんぞ、これは。ロビーにグレ電の姿なく、そのうえ携帯は圏外。 あーあ(笑) HANYAさんは連絡ができなくてやきもきするやろねーとか言っても、だれも疑問にもおもわなかったのが笑える。留守電のことを全員が失念していたのであった。

水色のプラットホームさんも無事に到着。
というわけで、とりあえず高いところにはのぼることになっているSIG「北から南から」のオフ、リフトで展望植物園へ。風が気持ちいい。鳥のさえずりも聞こえるが、なんの鳥かはわからない。翌日HANYAさんに聞いたら、シジュウカラでしょうということでした。かえりは歩いて下りたけど、リフトにしておけばよかったかも しれない。歩きにくい道でした。ハーブ館をぬけて、湖に沿って歩いていって、 ふと気づくと水色のプラットホームさんがいない。しばらく待ったけど来そうにないので、探しにいくとすぐに見つかった。しかしグレ電を探していたという言葉に一同唖然。いいけど、一言ことわっていってくれ。

ま、これでとりあえず臨時OLT に信州組全員欠席という事態だけは免れたわけである。持つべきものは執念か?(笑)

歩き回るより、おしゃべりしましょうということで、湖岸の阿漕なサービスエリア(とは言わんか)で腰をおろす。桜ソフトクリームというのを試してみたけど、名物として登録するには役者不足のようである。紅葉さんはくじ引きをしてテディベアを入手。とっても嬉しそうでした。

4時半ごろ、太郎さんとカファさんご夫妻が離脱。サインをもらいそこねたことに気づき地団駄をふんだけど、あとのまつりであった。また信州までいかなくっちゃ。

湖岸を逆戻りしながら、ふと見ると酒屋さんがある。まさ子さんと二人で二次会用のおつまみを仕入れに入ると、信州限定ポポロンなるものを発見、さっそく購入。おいしかったので、翌日おみやげに買う人が二人。私もほしかったけど 、ポポロンを持って旅行はできないので断念残念。さすが山のうえ、ポテチの袋がぱんぱんにふくらんでいる。すごいっ。
出てきたところでコンクリートの杭を壊して、そのまま逃亡するアベックの車を目撃。こらこら(笑)

時間もよしということで水源荘にチェックイン。しばらくして橘は「大」浴場へ。どこが大浴場なんだ、どこが。しかしお湯は気持ちいい。えらく混んでい たのでちょっとびっくり。土曜日だなぁ。

HANYAさんが来るまで、一杯どうですか?と隣からお誘いがある。いく と卓上には梅酒にワインに純米吟醸酒。ううむ。いれていただいた梅酒はあまくなくてぐー。7時すぎ、HANYAさん登場。さあ、宴会じゃ。

それにしても、間仕切りのむこうの宴会が気になる。カラオケで盛り上がってるんだよね〜。聞くと、カラオケは2時間6000円です、ということ。始め た時間がおそかったので、2時間は無理だね、といったんはあきらめたのだけど 、「1時間3000円でご利用できます」と言われてしまっては仕方がない(? )

でも実際には1時間半やってたりして、でも翌日の勘定ではきっちり3000円だったりして、なかなか太っ腹な宿である。

9時に宴会終了、水色のプラットホームさんはシンクパッドを持って、いそいそとグレ電のあるホテルへ遠征。のこるメンバーは入浴のあとふたたび集合、 ページワン大会に突入。
「正直者は勝てない」というHANYAさんの言葉は正鵠を射ているようである。私はたいていビリかブービーなんだもの〜(単に頭がわるいだけという話もある)
やがてもどってきた水色のプラットホームさんも加わって、白樺湖畔の夜はにぎやかに更けてゆくのでありました(近所迷惑だったような気がする…)

5月11日(日) 休暇三日目

前日にチェックしておいた「野鳥観察会」に参加すべく、6時半にロビーに降りる。

すでに説明が始まっていたので焦る。おもったより参加者が多い。しか し北南のグループからの参加者はHANYAさんと私の二人だけなのね… HANYAさんは野鳥を見るべく、双眼鏡をふたつも下げていたけど、水源荘のおじ さんの説明は鳥より植物のほうに主眼をおいていたようである。
それでもなかなか有意義な時間の過ごし方であった。

朝食を摂り、荷物をまとめてチェックアウト。わたしどもの自家製のお味噌 です、おみやげにどうぞ、と人数分のお味噌をいただく。面白い宿だ。
荷物をメンバーの車に預けて(水源荘は駐車無料なので、そのままおかせてもらうこ とにする)湖岸を歩きはじめる。白樺湖は周囲多分5kmぐらい。ぶらぶら歩い て一周するのにちょうどいいぐらいの大きさだね。
アルファロメオ愛好会のオフ?(笑)ぺちゃくちゃとしゃべりながら歩いていると、いやに目立つ車が集団で走ってくる。
「アルファロメオの愛好会のオフでしょう」と、無頼さん。
オフって(笑)
「何台いました?」
「29台まで数えましたが」
さすが、車好き。

さて、本日のメインとなるはずの白鳥型遊覧船である。
が、10人以上あつまらないと船は出せない、と係のおじさんは冷たい。なんとかあと7人あつまり、さあ出せ(強盗じゃないって)と要請すると、ホントに いやいやというかんじで遊覧船が出航する。でも乗ってるあいだは楽しかった。 風の寒さにメゲてる人もいたけど。解説がなかなか文学的だったし(ただし鳥の声は邪魔。そういうのは本物に任せるべきだ)。

白鳥型遊覧船

湖を一周してもとの場所にもどったところで、お茶にしましょうと水源荘のちかくのカフェレストランへ。
コーヒーを飲みながら(水色のプラットホームさんだけは高原のアイスミルクだったけど)オフらしい話に花を咲かせ、ころあいを見て昼食を注文する。
ここのメニューはユニークである(ウェイターはボケである)。
体育会系食い倒れスペシャルってなに?
これに果敢に挑戦するHAN YAさん。しかしほんと、すごいボリュームだった。

おなかがくちくなったところで、時間もちょうど1時、ここでオフは解散と なる。皆様どうもお疲れさまでした。
と、ほてほてバス停に向かって歩きだしたが、無頼さんが水色のプラットホームさんと私を上諏訪まで送ってくださるということなので喜んであまえさせていただく。
途中、北澤美術館へ入ってガレとドームの作品を鑑賞、ショップで一輪挿しを壊しかけたが間一髪、無頼さんに受け止めていただく。危ない(笑)
ついでに隣の温泉植物園へ。温室大好き。虫はきらいだけど、まあチョウチョなら…と放蝶温室へ。アオムシはおらへんやろね。
温室から出て、上諏訪駅へ。ここで、ホントにホントの解散。ずっと車に乗 せていただいてありがとうございました>無頼さん

恐怖の居酒屋メニュー(上諏訪にて)

午後3時、オフメンバーと別れたあと、今宵の宿「諏訪湖インあるが」へチ ェックイン。
ごく小さなホテルである。エプロンをつけたおばさんがフロントにいるあた り(笑)
しかし、電話は引っこ抜けないんだ。べつにそういう宿を選ってるわけじゃないんだが。
部屋にあったお茶菓子が、名前は諏訪湖になってたけど水源荘のとそっくり だったのが笑える。
ロビーの煙草の自販機のとなりにエプソンのPCがあるのでスイッチを入れてみたけど、パスワードを請求されてしまったので、お客用というわけではなさそうである。なんでロビーにおいてあるんだろう?(笑)

んで、外で夕食を摂って9時すぎにもどってみると、フロントのカウンター のうえに私の部屋のキーが乗っかっていたりする。
ここのお風呂は小さいながら檜風呂。それも古代檜とか書いてある。
なんじゃそら、と思ったら「樹齢千年以上の檜が落雷などの自然災害で倒木 となって百年も経っている檜」とやらで、ヒノキチオールを大量に含んでいるそうな。それはいいけど、お湯が熱すぎるぞ。私は皮膚がよわくて熱いお風呂には入 れないのである。火傷するのだ。

仕方がないので水をいっぱい出して、かかり湯 をしつこくして身体を温めてから、殆ど瞬間的に入るというのを繰り返す。温泉 の入り方とちゃうな。せっかく風呂桶も椅子も檜で、風情のあるお風呂なのに。 それでも充分にあたたまって足の疲れも取れ、心地よく眠りつく。やっぱ温泉は温泉だ。

上諏訪市内の神社

5月12日(月)休暇四日目

しかし、朝風呂に入ろうとしたら昨日より更に熱い。
これは訴えねばなるまいと外にでて入口の湯温の表示をみてぶっとぶ。48 °だあ。江戸っ子でも入れんぞ(多分)。
おじさんに言ったらすぐに下げてくれた。昨夜も言えばよかったんだね。いやぁ、おかげで朝っぱらからゆーっくり浸かってしまった。
さて、そいじゃ観光に出掛けよう。
しかしいい天気で日差しがまぶしい。雨女返上やなぁ。美術館巡りをする予定だったが、あまりにいいお天気なので湖岸を散歩することにする。
そのまえに高島城。お庭がものすごくきれいだ。視界内に全域がすっぽり収 まるくらいの小さなお庭なんだが池のなかに藤棚がしつらえられていたり、また 、手入れも行き届いていて実に気持ちのいい空間である。天守閣は復元モノかな? なかは資料館になっている。入場150円

そのあと、湖に沿って延々とつづく「さざなみロード」を歩く。足元の柔ら かいジョギング用の道路である。なんか溶けかけたアスファルトの上を歩いているようで落ちつかないんだけど、足首を傷めることのないようになってるんだ ろうな。あちこちにベンチもあるし、レンゲツツジがずーっと植えられているし 、湖岸には葦がしげって水鳥の声が聞こえているし、散歩やジョギングにはいたれりつくせりである。ちなみに水飲み場はあったけど、自販機は一台もありませんでした。

とうとうルネ・ラリック美術館まで歩いてしまう。北澤美術館はガレとドーム、こっちはルネ・ラリックだけの作品を収めてある。ガラス工芸は大好きなうえに北澤にくらべると展示品が格段に多く、また現代ガラス作品(こちらは無料 )やミュージアムショップ、ガラス工房などもあり、2時間以上も滞在してしま う。やぁ、面白かった面白かった。しかしガラス工房というのはめちゃ暑いし、粉塵が空中に満ちている感じで、およそ健康によろしくない仕事場のようである 。好きでないとおられないだろうな。

ふたたび元きた道をもどる。水鳥は姿の見えるものもあるが、たいていは声 だけしか聞こえない。鴨とアヒルと白鳥しか知らない身には声を聞いたって、どれが何かなど分かりようもないが、それでも5種類ぐらいの声がしていたようで ある。

市街地までもどってくると既に4時半、ほかの美術館へまわるのは無理。と いうことで片倉館へいく。
片倉館 なにかというと公衆浴場である。女工さんのために作られたものだそうで、 おっそろしく風雅な建物だ。ちかごろ流行りのクアハウスにそっくりの造りのも のがあるが、こっちは年季が入っているだけに風格が漂う。こんな公衆浴場(さ すがに銭湯とかお風呂屋さんとか湯屋という表現は合いそうにない)が近所にあ ったらいいなぁ。午後7時までというのはちとネックだが、300円は安い。

花梨たっぷりつかって、今度は花梨並木なる道を歩く。
ちょうど花が咲いていて、とってもきれい。…なんだけど、道路が工事中ではねー。湖岸にある石彫公園は芝生の上に彫刻が点在している。あたかも夕日が湖水を染める刻限、金波銀波に浮かび上がる彫刻群はなかなか美しい。

夕まぐれのまちをウロウロと徘徊し(怪しいものではありません)宿に帰る 。
どうも明日は天気が悪そうな気配である。日頃の善行もネタがつきたか(笑 )

夕暮れの石彫公園

5月13日(火)休暇五日目

(ただいま岡谷駅、列車は4分間の停車中)

諏訪湖インあるがを8時すぎにチェックアウト。
朝食をもとめて左右を見まわすが、どうも上諏訪では適当な店を見つけられな い(昨日は駅の喫茶店でモーニングサービスをとった)。曇り空でやや肌寒いが 、まあいいや、とセブンイレブンでおにぎりとお茶を購入し、湖岸に腰をおろして食す。コンビニはいっぱいあるんだよねー。
朝もはよから白鳥型(こっちのは親子になっている)の遊覧船が動いている。 団体さんでもいたのかな。

(ただいま川岸駅)  

サンリツ服部美術館へ入る。800円。常設展は茶道具を中心にした陶器類、 企画展はフランスの風景画。あまり好みの絵はなかった。陶器のほうはよかったけど、見た感じ「あ、ええなぁ、こういうのん好きやなぁ」という「よかった」 なので、どこがどうよかったの?などと突っ込まれたらだまりこむよりほかはな い(笑)

(ただいま辰野駅。停車は3分。なんとなくお湯くさい駅だ)  

つづいて間欠泉センターへ。510円。どうやら消費税分を上乗せしたらしく 0のうえに1と書いた紙をはりつけてある。一時間に一遍の間隔で吹き上げてい るという間欠泉は外から見えていた。けっこう派手である。 
2階にはオルゴールが展示してある。フォッサマグナの説明のとなりにオルゴールというのが楽しいぞ。どうやら地場産業らしい。1階は温水プール。水着は持ってきているけど、幼稚園前の子供をつれたお母さんがたのなかへ、ひとりで入っていってぱちゃぱちゃやるのは気づつなさそうなのでやめておく。

(ただいま宮木駅)  
市立美術館
片倉館のとなりの市立美術館へ。入口に「信濃路で初めて開かれた美術館」と 書いてある。信州の人って「○○初」とかいうのが好きなのかな? あちこちでその手の表示を見るが。210円。これも消費税分を上乗せしているようだ。

(ただいま新伊那町。3分停車)  

なかの展示は郷土の作家を中心とした絵画に書に彫刻に、考古学資料。とんでもない展示の仕方をしてある。中学の文化祭だってもうちょっとマシな見せ方を するぞ、おい。ただ並べただけという感じである。土器の棚のまえにででんと彫刻がおいてあったりするんだもん。しかし、好みの作品がたくさんあって(おも に絵画)うれしい。

(ただいま羽場駅。はばっていうからどんな字をあてるのかとおもった)  

やけに揺れが激しくなってきたぞ。打ちにくいじゃないか。

(ただいま沢駅)  

上諏訪駅から昨日打った分を送信。改札をとおって駅露天風呂へ。お湯はかなりぬるめ。私でそう感じるのだから江戸っ子だと相当ものたりなくおもうだろう (なんかやけに江戸っ子にこだわってるな>私)
駅露天風呂(向かいホームより)駅露天風呂(内部)駅露天風呂(看板)駅露天風呂(入り口)

用もないのに茅野へ行ったり、松本へ行ったり。ひまな奴である。松本駅では 自販機でワインを売っている。300円かぁ。十六茶を買う。売店で安曇野釜飯 820円を買う。天竜峡行き快速みすずに乗る。ただいまその車内である。

(ただいま伊那松島駅。何分停車してるんだ? アナウンスを聞き損ねた。し かし3分は経過している)  

安曇野釜飯は山菜ときのこがメインのようである。味付けが濃すぎる。

(ただいま…どこだろ)  

飯田線というのは駅と駅の間隔がばかげて短い。で、あっちで3分こっちで3分と止まる。あたりの風景はいーまは町中(つってもまーそのー)かと思うと、 田園風景、か、山〜〜〜山〜〜〜。ううう、つい眠ってしまった。あ、あやめが咲いてる…  というわけで、天竜峡である。松本から4時間(笑)

雨が降ってきちゃった。ちっ。  
天竜峡は駅前にISDN電話の姿ナシ。宿のロビーにもなし、部屋の電話は通信不可。すでに期待してなかったけどね(笑)
携帯は一応圏内である。電波の状態はよくなさそうだが。やっぱ携帯で通信で きるオプションをつけるべきだろうか。

今夜の宿は「温泉宿舎・天竜峡」という。えらいネーミングだね。中身もかな りのものだ。なにしろものすごい坂の上にある。ま、山のなかだから当然だけど 。部屋は和室でバス・トイレなし、洗面所なし。入口はいまどき木の引き戸で鍵 がかからないタイプ。いやぁ懐かしいわ。昔はめずらしくなかったんだ、この手の宿は。いつ建てたんだろ。見たところはそんなに古いようには思えないんだけど。

公共の宿にしては従業員の教育はいきとどいている。部屋からのながめはいい 。つっても吊り橋と木の間隠れにすこし水が見えるぐらいで、あとは雑木林。渓谷美とかがおがめるわけではない。しかし緑は目に快い。

緑陰に吊り橋(見えんか…)

お風呂はきれいで広くて(百人風呂とまではいかないが)窓のそとは木立で、 お湯はぬるめで24時間入浴可。食事は並、量は男の人にはものたりないかも。 一本つけてもらったお酒は不味かった。自販機は110円。…なのはいいけど、 屋外にあるんだもん、雨がざかざか降っていては買いにいけない。

ちょっと少なめの夕食

夜中の12時に二回目のお風呂にいったら、宿のおねいちゃんがつかっていた 。早々に出ていってしまう。わるいことをしたかも。

5月14日(水)休暇第六日目

雨。  
去年、人吉で球磨川下りの船に乗ろうとしたら強風で運行せず、今日は天竜下りのつもりが大雨である。なんかよっぽど川下りに縁がないような。弁天様にきらわれるようなことをしたんだろうか(カラオケが下手だからかも知れない) 
飯田線
仕方がないので、川下りの時間分もういっぺんゆっくり朝風呂につかり、再び飯田線に乗る。今度は普通だ。ところで今年は飯田線開通60周年らしい。駅にりっぱな冊子があって沿線の紹介やらイベントの紹介やらが載っている。スタンプラリーもあるぞ(笑)

しかし、やっぱり不便だよ、このあたりって。モデルコースに電車○分〜車○分〜電車○分〜車○分とか書いてある。電車に乗ってるあいだ、車はどーすんだ (笑)

ただいま飯田駅。25分の停車。おもわず弁当と五平餅を買いにいってしまう(ISDN電話をさがすべきだったろうか?)。焼きたての五平餅は歯触りがよい。しかし味噌がやや辛い。関西人やからなぁ、私は。  

なんと、飯田線では普通電車のなかで弁当の販売がある。さっき飯田駅で買っ たんだよ〜。しかしワゴンじゃなくてエプロンおばさんがプラスチックのカゴに弁当、ビニール袋に缶飲料を入れて歩いてる。なんかすごい。おお、高遠じゃ。  

信州伊那路弁当はご飯はおいしい。玉子焼きは甘い。わさび漬がつんつん来る 。

ただいま松本駅。そろそろおうちへ帰ろう。あ、そのまえに土産を買わねば。


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