胃拡張な双子?

とってもふてぶてしいタヌキ猫たぬきのよーだが猫である。モノスゴクでかい。どのくらいデカイかというと、うちのるぅ(2.5kg)とまゆ(3.5kg)を足したよりデカイ。…うちのが小さすぎるような気もするが…

これが、ウチのコ用の猫の戸から出入りしては、ウチのコたちのご飯をさらえて行く。どんなに大盛りにしていっても、一粒残らず食べてしまうのである。それまで、るぅは他の猫の侵入を絶対許さず、勇猛果敢に追い払っていたのだが、こいつはデカすぎて、まゆと二匹がかりでも歯が立たない。と言うか、タヌキ(と、私は呼んでいた)の方で意に介さない。ある時までは人間も恐れなかった。

ベランダから塀に飛び下りたところ。恨めしげな目で見ないでほしい初めの頃は毛づやもよく、人にも慣れているので、飼い猫だと思っていたのだが、どうやら捨てられたらしい。どんどん毛並みがぼさぼさになっていく。時々、うちのベランダで雨宿りをしている。一度、かかえあげてみたら、これには恐怖を覚えたらしく、以後は私を見ると逃げるようになった。ベランダにいるぐらいは構わないんだけど、私と目があうとベランダから降りてしまうので、ちょっとかわいそうだった。太っていても身は軽い。ちなみに女の子である。両方かどうかは分からないけど。

そう、こいつが二匹いるのだ。写真を見れば一目瞭然だが、顔の模様がちがう。しかし、その他の外見はそっくりなので、かなり長いあいだ気がつかなかった。二匹いるのを見たときは仰天しましたわ、ホンマ。元来、猫とみれば何でも好きなので、ご飯もウチのコたちのを半分食べる、というのならあげてもよかったんだけど、とにかくあるだけ全部たべていくから、始末に悪い。普通、そんなに入らないと思うんだけど、もともと胃拡張気味なのか、野良になったので「食べられる時に食べられるだけ食べる」という戦中戦後の子供みたいな習性になってしまったのか。

ある日、私が帰宅すると、今しも猫の戸から出ようとするところだった。そのまま飛び出してしまえばいいのに、そこが畜生の浅ましさ(笑)家の中へ引っ込んでしまった。面白いので(こらこら)猫の戸を閉めてやったら、パニックを起こしている。

猫の戸に血がついてる、血が2階へ駆け上がり、ベランダのサッシに飛びついている。何度もやるのだが、閉まっているのだから顔面をガラスにぶつけるだけである。なぜか上のほうなら逃げられるとでも思ったのか、高いところへ頭突きを繰り返す。あの巨体でこれほどのジャンプ力があるのかと驚く。あきれていると私の脇をすり抜けて階下へ降り、再び猫の戸に頭をぶちあてる。開かない。ぶちあてる。

私も階下に降りた。ノラはふりむいて私を見た。

顔が血に汚れていた。その形相は恐ろしく、また痛ましかった。私は彼女が気の毒になり、戸を開けてやった。もちろん、その前に写真を撮ってからね(笑)

それ以降、あまりウチへ来なくなってしまった。外で見かけても、すぐに逃げてしまう。

ちょっと、寂しい。


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