るぅを実家に連れて行ったら、一目散にものかげにかくれてしまった。その上、である。
「猫が外へ行ってもた!」と母が叫んだ。
見ると、さっきまでうずくまっていた物陰にいない。そして台所の窓が開いていた。さあ、大変だ。
私は外にでて彼女の名前を呼びながら近所に駐車中の車のしたをのぞいて歩いた。猫はなぜか車の下が大好きだ。
「るぅー」
「にゃー」
「るぅー」
「にゃー」
声はすれども姿は見えず。どこにおるねん、あんたはっ。と、母が私を呼んだ。
「…家の中で返事をしてる」
るぅは二階の物置の隅の道具箱の下にいた。もーっ、人さわがせな!
しかし、返事をする猫でよかったわ。(必ずするとは限らないけど)