さて、つつがなく成長する仔猫のまゆであるが、そろそろ離乳食を与えねばなるまい。
って、まあ母親がいるんだから飼い主が握りこぶしを作る必要はないのだが、母猫も飼い主も赤ちゃん猫は初めてなのだ。「かわいい猫の育て方」を片手に、しょーもないことに一喜一憂するのもむべなるかな、なのである。
近所のホームセンターで粉末の離乳食を買ってきた。一回分ずつ、お湯で溶いて与えろと書いてある。だんだんお湯の量を減らして硬めにしていくらしい。指示どおりの分量を皿に入れてやると、喜んでなめはじめるのは、母猫のるぅである。
おいおい。と思ったが、缶には「出産後の栄養補給にも最適」とあるから、まあいいか。仲良く食べる姿もかわいいものだ。
しかし、まゆはおっぱいからも離れないのである。
相当大きくなっているのに相変わらずだ。るぅも別にいやがりもせず、吸い付かせている。人間でも小学校へ上がっても、おっぱいから卒業できない子供もいるとか聞く。いややで、そんなん。そのうち、まゆは離乳食に飽きてしまった。彼女のひどい偏食はこの時点から始まっている。
飼い主は一所懸命になるが、離乳食は全部るぅが食べてしまって、仔猫をむりやりおっぱいから引き離しても、全然効果ナシである。
この缶はるぅの「栄養補給」にまわして、別の離乳食を買ってこようか。そんなことを考えていたある日、私は信じられないものを見た。
てとてとと歩いていたまゆが、るぅのご飯皿に顔をつっこみ、ドライフードをばりばりと食べているのである! い…いつのまにっ!
結論:案ずるより生むがやすし
でもなんか、くやしい(笑)