母娘ながら、るぅとまゆは随分と対照的な猫である。
日がな一日寝ているるぅ、やたら跳びまわるまゆ。食べても食べても太らないるぅ、生後半年にして「肥満体質」の烙印を押されたまゆ。飼い主がナニをしていようと我関せずのるぅ、近所のヒトと立ち話をしていたり、電話で喋っていたりすると抗議にくるまゆ。口は開いても、ほとんど声のでないるぅ、やたら大声のまゆ。
そう、るぅは無口で、まゆはやかましいのである。よく喋るうえに、声がでかい。猫だからかわいいけど、人間だったらうるさくて仕方がないぞ。おまけに何を訴えたいのか、大抵わからないし。
猫なので、どちらも話しかけても返事をしてくれないことがよくある。しかし、まゆは顔はこちらを向かなくても、声で返事はしなくても、ちゃんと私の呼びかけに反応している。しっぽが返事をするのだ。寝ている時でも、呼べばしっぽの先がぴくぴく動く。しつこく呼ぶと、返事をしない時には、しっぽの振れが大きくなる。そして、いかにも不機嫌そうな顔になる。
今は呼ばれたくないんだってば!
面白いのでわざとしつこく呼んでみたりする困った飼い主である(笑)
しかし、るぅはしっぽまで無口…と言うか、無表情と言うか。
まゆは、外であそぶ時、しっぽをピンと立てて、溌剌と動く。家の中でも、しっぽは立っていることが多い。るぅは外でも恐竜のように背中のラインのつづきにしっぽがある。家の中ではしっぽはだらりと下がっている。気に入らないことがあるとき、獲物をみつけたとき、まゆのしっぽは大きく振られる。るぅのしっぽが振れるところは見たことがない。
しかし、外見の活動性とは裏腹に、まゆは気が小さく、るぅは強情で我が強い。まゆは飼い主にいやなことをされても、しばらくは辛抱するが、るぅは我慢しない。おかげで爪を切るのが一苦労だ。
そして、そんなに似ていないるぅとまゆなのに、しっぽだけは同じデザインである。一度、二本ならべて写真を撮りたいのだが、なかなかそういう機会がめぐってこないのであった。