14フレット・ネック・ジョイント
ネックとボディが14フレットの位置で接合されているモデル。
現在では、この方法がポピュラーになっているが、1929年迄は、マーチンギターのほ
とんどが12フレットの位置で接合されたモデルであった。
1929年10月に、ジョージア州アトランタのプロバンジョープレイヤーのペリー・ベ
クテルが、マーチン社を訪問し、14フレットで接合されたモデルの製作を提案した。多
くのバンジョープレイヤーは、サキソフォンの台頭により、1920年代の後半には、ギ
ターに持ち替える方策を探していた。ところが、従来の12フレット・ネックジョイント
では、音域が狭く、表現の自由度が制限された。そこで、このような提案が行われたので
ある
マーチン社は早速そのモデルの製作に着手し、スタイル28にてサンプルのギターを完成
させた。ペリー・ベクテルはそれをとても気に入った。マーチン社はこの14フレット・
ネック・ジョイントモデルを「オーケストラ・モデル」として、ラインナップに加えた。
1934年には、ドレッドノート・モデルにも14フレット・ネック・ジョイントを採用
した。このモデルが、現在のD−28であり、今日のアコースティック・ギターの標準と
なっている。
なお、オーケストラ・モデル(OM)とは、発売当時、14フレット・ネック・ジョイン
トのモデルすべての事を言い、1935年および1941年のマーチン社のカタログで
は、D−28を、オーケストラ・モデルの中に位置づけており、現在の「OM」の使い方
とは多少異なっている。
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