KINTAさんのコメント
シリアルナンバー#425024の1980年製HD-28です。
知人から1991年ごろ購入しましたが、ほとんど弾かれた形跡がなく、弦のテンションが高く鳴りもイマイチで、演奏性に問題がありました。 そのため『ギター工房』今村氏にオーバーホールをしていただき、弾きやすさも音も格段に良くなりました。 その後、この年代特有のピックガードのはがれによって表板に小さな割れができたため、『The Guitar Workshop』の川瀬氏にリペアをしていただきました。その際、すべりが悪くピッチに悪影響を及ぼしていたミカルタ材ナットも、プラスティック材に交換しました。 弾き込むほどに、恐ろしい音に変わっています。特に低音の鳴りは「ドンシャリ」をはるかに超えて「ドワ〜ンシャリ」です。 ライブで使用するためにピエゾタイプのピックアップを取り付けましたが、この低音のおかげでハウリングを起こし、役に立ちません。いずれは外すつもりです。 恐らく、この豊かな低音に由来すると思うのですが、薄めのフラットピックが弦に当たった瞬間に発する、コンプレッサーをかけたような「ペケ」という音がたまらなく好きです。 画像では分かりにくいかもしれませんが、茶けた表板に浮かび上がる木目や、バインディングの細かい工作の美しさは、いつまでも見ていても飽きることがありません。 マーチンのドレッドノートは弾くのに少し体力が必要ですね。「よし、今から弾くぞ!」みたいな気合がないと、誰でもいつでもどこでも最高の音が出せるというシロモノではないようです。だからこいつとは、真剣勝負で向き合えるのだと思います。 |
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