記事タイトル:柾目使用の最大の理由について 


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お名前 Name: aya−yu   
始めまして。
 調べたりしたわけではなく、全くの私見で「違ってるよ」という投稿が
後であるかもしれませんがご容赦下さい。

 ヴァイオリンにメイプルが使われたのは、振動の熱消耗率が高く、Q値
が低いことと関連があるように思います。ギターは「はじき」ますが、ヴ
ァイオリンは「こすり」ます。その出音方法の違いの為ヴァイオリンの
場合、必要以上の板の残振動を嫌うような気がします。逆に「はじく」ギ
ターの場合は、「残響」が全くなければ「ポン、ポン」という貧弱な音に
なってしまいます。
 ヴァイオリンが中高音でメロディを奏でるのに対して、ギターは伴奏を
受け持つことも多く低音まで欲しい、というのも理由になるような気がし
ます。メイプル材は比較的、中音がよく鳴り、ローズ系は低音まで、よく
響きます。
そうした材の出す音色の特性によって、自然と使い分けがされてきたよう
な気がします。

 板目のハカランダ、クラックの入ったものは、とても多いですね。作り
方にもよるのでしょうが、もともとクラックの入りやすい材ですから、ギ
ターの板に使うほど薄く板目に製材するのは本当は厳しいことなのかもし
れません。音色的には柾目も板目も変わりはないようです。
ただ、トップに直接弦を張るギターの場合、もともとヴァイオリンのよう
に何百年も長持ちするものではないようですが・・。
[2002/10/20 10:41:36]

お名前 Name: rabio   
ハープさん、質問さん、こんばんわ。ラビオともうします。

えーと、バイオリンにメイプルですが、イタリアにローズウッドが生えてなかった、あ
るいはあっても楽器に使用するクオリティーに生育しなかったってところじゃないです
かねー。バイオリンの製法が確立したのはギターより遙か昔ですしギターにしても19
世紀半ばにトーレスがガットギターの基本的製法を確立するまではけっこう裏・側板に
メイプルを使っていたみたいだし・・・。この時代に貿易的側面からヨーロッパにブラ
ジル材が入りやすくなったなんてのはどうですかね?
あと、狂いの問題ですが木材のくるいは材種よりも原木の太さと木取りのやりかたが大
きく左右します。たとえば割とおとなしいとされているラワン材でも60センチ位の直
径の細丸太で板目挽きをしたら乾燥後、雨といのようにそります。
ですのでメイプルもそれなり径の太い丸太からきちんと柾目挽きをすれば収縮はします
があばれることは少ないと思います。
杢に関しては、共鳴箱を作る以上一本の丸太のなかでも一番硬い部分を使うでしょう。
ということは木全体の重量を受けている根に近い部分ということになりますし、またそ
こがメイプルにとってタイガーやバーズアイ等の根杢の出る部分でもあるわけです。

次に、ハカランダですがたしか20年以上前に丸太の禁輸措置がとられてブラジル製材
の盤挽きしか輸出できなくなったと思います。何インチの厚みかわかりませんがズバ挽
き(丸太を2つ割にしてはじから厚みを決めて盤をとる)だと言う話は聞きました。
たしかにハカランダを家具用材として考えれば板目が多く出るズバ挽きでいいわけで(
ローズ等を家具として使う場合はほとんど板目で使います。仮にムクで作った場合、も
ともとそれなりの厚みがあるので波をうったりクラックがでても削り直しがききます。
だけどどうでしょ?楽器と家具は同じ考え方じゃ作れないような気が・・・。
[2002/09/18 23:12:01]

お名前 Name: 質問   
素人の質問ですが、なぜにバイオリンはバーズアイやトラ目などの模様の
メイプルを多用していたのですか?メイプル自体狂いが大きい材と聞きます。
メイプルでしか出せない音色なのならば、メイプルの使用は仕方ないと考えます。
しかし、変化の大きい上記の木目が多用されたのはなぜなのですか?
数百年の使用を見越して作成されたというよりも、見た目の美しさに思えるのですが。

現在も、メイプルのギターなどは木目によって値段が変わりますよね。
ど素人の質問で申し訳無いですけれども、教えて下さい。
[2002/09/18 00:07:11]

お名前 Name: ハープ   
柾目と板目の最大の差は、それぞれの経年変化
にあると考えます。
私の1860年のマーチンの21は板目バック
です。140年経った現在、バックは大きく波の
様になり、当然に大きなクラックが発生しています。
その点、柾目は形状の経年変化に圧倒的に強い性質
を持っている傾向にあります。
柾目と板目の長期100年以上のスパンの形状変化に目を向けて
ください。
例えばバイオリンは200年、300年と何世代も普通に
使われます。その為には経年変化に対して材を吟味しなければ
なりません。
単に音質や、もちろん見た目だけでは材の選択は出来ません。
楽器を単に、音色や美しさだけでは作れないと思います。
最大のキーポイントはマーチンと言えども現代楽器です。
だからこそ古典楽器に目を向けたら、いくら材が不足していると
言えども、制作者の基本的姿勢が見えて来るようです。
[2002/09/17 04:39:00]

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