記事タイトル:D45はなぜ消えた? 


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お名前 Name: 家具屋   
David Grismanの秀逸企画「Tone Poem 供廚Cシリーズのサウンドが収められていますね。
こちらの解説ではcarved-topとなっており、31年から現れ、32年にFホールに変更、41年に終了とのことです。
ギブソン大仏様がご指摘のアーチバックとは別物だと思うのですが、年譜的に似ているので混乱しました。

それからアーチトップを削り出しで作る時の板厚10cmはちょっと大袈裟過ぎますよ。
Dの側板と同じぐらいの厚みの板になってしまいます。そんな馬鹿な。(笑)
あの程度の形状の凹凸を作る場合の板厚はせいぜい3〜4cmあれば十分でしょう。

ギブソン大仏様、お疲れ様でした。嵐のようですね。(笑)
[2005/07/18 08:45:51]

お名前 Name: ギブソン大仏   
いつ君さんお返事ありがとうございます。
 
 これでとりあえず皆さんとの約束は果たせたかな!と思っております。
 まだまだ書きたいことありますが、仕事に専念しなくちゃならないのでまた逃亡生活
にはいります。またなんかありましたらよろしくお願いします。

 では書き捨て御免!
[2005/07/16 11:13:21]

お名前 Name: いつ君   
ギブソン大仏様
目からウロコ。大変おもしろいお話、勉強になりました!
このレスは印刷いたします。
[2005/07/15 18:18:03]

お名前 Name: ギブソン大仏   
 前にこのネタ書く約束したので三日間かけて書き上げたのですが、書きあげて
読み返しているときにどこをどう押し間違えたかしれませんが消えてしまいまし
た...それですっかりやる気がなくなって3年の逃亡生活に入りました。んなもんで軽く書きます。

  下のスレッド「0サイズのギター」で 
「マーティン社はすべての演奏家の望む音にたいして様々な種類を用意してます。0サ
イズは一般のご家庭で使われる場合の音量に最適です。00サイズは公民館での使用に
最適です。000サイズはより音量を求められるオーケストラホールに使われるのが最
適です」

 これからわかることはマーティン社は「音量」を細分化して演奏家の目的に合うギターを用意していたことがわかります。
(小さい音量の人は0サイズ、でかい音量が必要な人は000サイズ...)


 これから考えますと、「音質」も客の好みに応じて細分化していたようで...

「17」はあたたい音色が好みな人に、「18」は標準的な音色が好みな人に、
「28」は高音が好みな人に...とこう細分化されると考えます。

 どうして音色がそうなるかを説明しますと、トップは「実音」、バックは「響音」
を担当してます。ギターを弾くとトップの「実音」とバックの「響音」のミックスされ
た音が耳にはいります。
(音のバランスは全体を100とするなら「実音」70「響音」30ぐらい)

 「17」はマホガニートップのマホガニーバックですので、

マホガニートップ「あたたかい音色の実音」+マホガニーバック「あたたかい音色の響
音」でてくる音は「やさしくあたたかい音」

 「18」はスプルーストップのマホガニーバックですので、
スプルーストップ「高音の実音」+マホガニーバック「あたたかい音色の響音」
でてくる音は標準的な音色

 「28」はスプルーストップのハカランダバックですので、
スプルーストップ「高音の実音」+ハカランダバック「高音の響音」
でてくる音は高音域が強調された音色


 つまり、お客が「普通の音色で家で気軽にひけるギター」を要求するときは「0−1
8」をおすすめし、「コンサートホールで弾くために、より高音の音色のギター」を
要求する客には「000−28」おすすめする!ということです。
 
 でこれから考えますと30年代のマーティンの職人達は「45」を「超高音のでる
ギター」と考えてたのだはないかと思います。

 どうやって超高音をだすのか?といいますと板に「アーチ」をかけるのです。

 板を軽く曲げますと分子密度が上がって音が「早く」「高く」伝わります。
ハカランダに強力にアーチをかけることにより、

 スプルーストップ「高音の実音」+アーチハカランダバック「超高音の響音」
でてくる音は超高の音色となります。

 (もしかするとスプールーストップにも逆アーチをかけていた可能性があります。
トップにアーチをかけて反応をよくすることは、1920年代からギブソンが実行
していますし(カタログにも書いてある)、それにオリジナルD45を修理した人
の話だとブレースをはずすと「トップが凹む!」らしいです)

 マーティン社のアーチバックハカランダは「D45」がはじめてではないです。

マーティン社が1930年代はじめから売り出したアーチドトップギターですでに
「アーチドマホガニーバック」、「アーチドハカランダバック」を売り出してます。
(カタログにも明記されてます)

 ここでひとつ説明しますが「マーティンのアーチドトップ」と「ギブソンのアーチ
ドトップ」には根本的な構造上の違いがあいます。

 ギブソンは正式には「カーブド」と言って10センチぐらいの厚い板から削りだして
アーチ型を作ります。(板にストレスはかからない)

 マーティンは3ミリ厚の板を曲げてアーチを作ります(板にストレスがかかる)

 1930年代からマーティンは頑張ってハカランダのアーチドバックを作っていたの
ですが、40年代にはいると奇妙なことがおこります。

 そのことについてグルーン氏が著書の「ビンテージギター」にかいてあります。

「1940年のマーティンのアーチドギターのバックはなぜかアーチがかかっておら
ず、なんとフラットバツクになっている!」

 つまり1940年にはいるとマーティンはハカランダにアーチをかけるのをやめたん
です。

 なぜかと言いますとハカランダがアーチに耐え切れずに割れるんです。それも「割れ
る」というより「裂ける!」みたいに...

 1941年を持ってハカランダのアーチドバックの全機種をリストからはずします。
(1942年にはギブソンと同じようにメイプルのアーチドバツクを発売。メイプル
はねばりがあるのでアーチにかけても割れにくい)


 ここで年表

 1932年マホガニーバックアーチを売り出す。

 1934年柾目のハカランダバックアーチを売り出す。

 1937年柾目のハカランダにアーチをかけると割れるので板目に変更
(D45が板目なのはこのためです)

 1940年ハカランダにアーチをかけるのはやっぱり無理!と判断したマーティン
はすべてのアーチドバックをフラットに変更
(アーチバックだけではなくこの頃はトップの強度をはかるためブレイシングの位置変
更などいろいろな部分の強度を見直してます)

 1941年アーチのかかってないアーチを売り出すのが「恥ずかしい!」と思った
のか知らないがすべてのアーチバックの生産を中止!

 1942年コソッとギブソンのマネをしてメイプルバックのアーチを発売
(情けない...)

 
 昔はアーチを目に平行にかけて失敗したのですが、いまはサウンドホールの下から
目にたいして直角に曲げているので大丈夫です。


 話をもとに戻しますがマーティンのアーチドバックはほとんど裂けているか、バック
裂けて取り替えられているものが多いですが、残っているものもあります。どこかで
見かけることがあればそのアーチの凄さに驚かれるのではないかと思います。

 私はD45は幻のギターだと思っています。マーティン社が出したかった「超高音
のきらきらした音のギター」...

 この話で言いますとアーチがかかる1939年までのD45がホントの意味でオリジ
ナルだと思います。(たぶんバックオーダーぶんを1941年まで作り続けたと思いま
す)

 当時に生産をストップした理由はD28に装飾をつけただけのギターを売りたくな
い!という当時の音にこだわり続けたマーティン職人の意地ではないかと考えてます。

 



 
[2005/07/15 11:22:05]

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