記事タイトル:クラレンスの右手(ピック+指) 


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お名前: カーキ色   
リュウさんこんにちは。染村さん毎度お騒がせしております。

そうですね。クラレンスは基本的には非常に滑らかなオルタネイト・ピッキ
ングで、今の人でいうとデヴィッド・グリアのピッキングが最も近いかもし
れません。(デヴィッド・グリアの方がクラレンスよりも更に滑らかで柔ら
かい感じがしますけど…)速弾きの時は卵型に手を握って、手首を軽くブリッ
ジに乗せているように見える所が似ているなぁっと…。

何しろ、父親(ラマー・グリア/Banjo)がクラレンスの演奏仲間で、子供
の時からしょっちゅう家でジャムっていたのを見てたというのですから、
もう凄いというか、似ていて当然というか…。

ちなみに12歳のデヴィッド・グリアとクラレンスが一緒に写っている写真
を見た事がありますが、まだ髪がふさふさで眼鏡もかけてないので、当人とは
全然分かりませんでしたなー。(当たり前か…)

お名前: 染村 哲也   
カーキ色さん、荒川さん、ハルさん、リュウさん、こんにちは。

クラレンスは、早い曲は基本的には規則正しい往復ピッキングだと思いますが、あまり早くな
い曲では低音弦をダウンの連続で弾いたり(この点はトニー・ライスも似ています)、曲によ
ってフィンガー・ピッキングをしたりしていたのだと思います。

お名前: リュウ   
クラレンス使用のピック、以前雑誌で見たことがあります。ギブソンの黒い三角形(厚さはヘビーだったと思います)の角を削って、そう、グリスマンピックと同じシェイプでした。ただ、どの時期に使用したものかは書いていませんでした。
ところで、クラレンスの影響を受けたギタリストと言えばトニーライスとデビッドグリアがいますが、この2人のピックの使い方は大きく異なります。デビッドグリアが規則正しい往復ピッキングなのに対し、トニーライスは無駄な動きのないスイープピッキングっぽいことをしています。当のクラレンスはどちらだったのでしょう?どなたかお教えいただけると幸いです。

お名前: ハル   
デユポン(セルマーのコピー)を買ったときにコンパウンドの弦が張ってあった
のだけど、やはりそれが一番良い音してましたね。
でも、特注だとかでとっても高価だった。
最近は、コンパウンドはマーティンぐらしか見つからなくって・・・・。

お名前: カーキ色   
ジャンゴのピックですか?でしょうね〜。右手の写真見ると、ほとんど
手首に青筋立ってますもんねぇ(笑)。よっぽど力入ってるんだろうな。

いわゆるジプシースイング派の中で、最近評判の高いローゼンバーグ・
トリオのストシェロ・ローゼンバーグ(この人メチャウマ!)なんかも、
「プラスティックの塊から自分で削り出したピックを使ってる」なんて
インタビューで言ってました。

ちなみにあのジャンルの人達ってみんな、例のセルマータイプのギター
に、"シルク&スティール" のコンパウンド弦を張ってるんですよね。
で、分厚いピックでドゥインドゥインゆわすという…。

私も今、オヴェイション(76年製のグレンキャンベル)にはこの手
の弦を張って使ってみているんですけど、なかなか慣れないと違和感
があるもんですねぇ…。

お名前: ハル   
>技を編み出しましてね(笑)。
わゎ、そいつはスゴイ!!
経過報告お待ちしております。

ところでジャンゴって「恐ろしく硬い分厚いピック」を使っていたという事が
何かに書いてありました。指を併用していたかは不明です。

お名前: カーキ色   
荒川さん、どうもありがとうございます。

「3フィンガー的な発想からではない」というご意見にはは全く同感です。でも、
「指弾きならではの音色を求めた…」といのはちょっと私の感想とは異なりますね。
「えっ!これ指だったの?」というのが私の率直な感想だったもんで…。まぁ、
クラレンスはピックの代わりに50セント硬貨で弾いても同じ音がしたっていう
話があるくらいで、音的にはあんまり条件に左右されない人のような気がします。

一番のポイントはやっぱりリズム的な面ではないかと…。例えば3本の弦で "ドミソ"
と弾くときに、クロスピッキングでやるのと「ピック+中指・薬指」でやるのとでは
微妙にノリが変わってきますよね。そういう所にすっごくこだわったんではないかなぁ
と。あの異常なまでのシンコペーションへのこだわりを思うと、何かそんな感じが
するのですけれども…。

ハルさん、毎度毎度ありがとうございます。

う〜ん、そうかなぁ…。やっぱり「モッキンバード」は最初っからああやって弾い
てたんじゃないのかなぁ(笑)

ところで、マジで最近トライしているのですよ実は…。フラットピックと音量、音質
の均一化を図るため、中指と薬指にフィンガーピックを付けるという技を編み出しま
してね(笑)。フィンガーピックは普通、指の腹に付けますが、フラットと一緒に使
う時は横向きに付けるのがポイントなんですよね。これを発見したらけっこうイケる
んだなぁこれが…。
まぁ、いずれ経過報告させていただきます(笑)

お名前: ハル   
>そもそも、カーネルズの活動が縮小して、エレキを持ってスタジオ・セッションを始めた頃から
>この奏法をやり出したっていう説はいかにもウソっぽくて、もっとずーっと以前からやってた筈
>だと思うのですね。
私のも当然私見なのだけど
やっぱり「エレキを持ってスタジオ・セッションを始めた頃から」じゃないのですかね〜。
なぜならギターの音を聞くとエレキ前とエレキ後が大幅に異なるからです。
あ、もちろんただ使ってたギターが違うから、かもしれませんが。
まあ、この問題はどこまで行っても私見なのだろうけど・・・・・・。

>また実際にトライしようとしても・・・・・
私は、見た瞬間に諦めました(笑)

お名前: 荒川   
私見ですが、CWの右手は基本的にはフラットピック奏法そのものだと思います。かなり早く理想的なフォームで余裕をもって入っていると感じます。なぜ指なのか?音の余韻、柔らかさ、フラットで弾く以上の変化。(なんだかんだ言ってもドレミファソラシドですから)
それとハイポジションでのキンキンした音は好まなかったのでは、それではということで指かなと?あの感じはスリーフィンガーからとは到底思われません。

お名前: カーキ色   
毎度ワンパターンの話題で恐縮ですが…。

クラレンス・ホワイトの貴重な映像の幾つかが、手軽に市販のソフト
で入手できるようになったおかげで、これまで「驚異のクロスピッキ
ング!」と思われていたかなりの部分が「フラットピック+中指・薬指」
奏法によるものだったのが明らかになったのは最近の快挙でありました。
もちろん以前から、知識として "クラレンスがそういう奏法を用いた"
という事は知っていましたが、正直、代表曲の中であれほど頻繁に使っ
ていた事に、改めてびっくりした人は多かったのではないでしょうか?

ところでこの奏法ですが、俗に「クラレンス直系」を言われる何人か
の人達(Russ Burrenberg, David Grier, etc…) を除くと、現在
でもあまり一般的には普及していないという気がします。
 
一つには、アコースティックギターの場合、一般的にある程度フィン
ガーピッキングとフラットピッキングの両方のスタイルを学習する人
がほとんどなので、わざわざ折衷的な方法を用いる必要がない、と
いう事はあるかもしれません。
例えばドク・ワトソンの様に「どっちも達人」の領域にある人は、フィ
ンガーはフィンガー、ピックはピックと、それぞれの特色に応じた使
い分けをきちんとして、両方の面白さをアピールしているのでしょう。

また、ダン・クレアリーやトニー・ライスのような人達は、ある意味
"純粋にフラットピッキングで出来る事をとことん追求する" みたいな
姿勢があって、あえて他の奏法に手を出さないのではないのかと思い
ます。(※「自分とクラレンスは違う」という主張もあるかもしれません)


さて、クラレンスの「ピック+指」奏法についてはこれまでジェイムズ
・バートンの影響というのが定説でしたが、確かにこの奏法自体は、
元来カントリー/ロカビリーのエレクトリックギターの奏法として発展
・確立されてきたもののようです。

 "チキンピッキング" の名で知られるこの奏法は、開発者のバートン
によれば、元々フラットピックを使っていた彼がチェット・アトキンス風
の弾き方を模して生まれた産物だそうですが、結果としてそれがマール・
トラヴィス〜チェット・アトキンス流のギャロッピング奏法とはかなり
異なったニュアンスの、新しい奏法に発展していったわけです。

現在のカントリー界、特にテレキャスター使いの中には本家のバートン
を凌ぐほどのチキンピッキング名人が山の様にいて、例えば…

  ・Albert Lee      「Advanced Country Guitar」
  ・Danny Gatton    「Telemaster!」
  ・Jerry Donahue   「Country thch」
  ・Ray Flack       「Country Telecaster Virtuosity」

といった人達の映像ソフトで、その技の "極致" というべき凄さが確
認できます。しかし、アップテンポの曲の中で攻撃的なフレーズ・パ
ターンとしてチキンピッキングをふんだんに入れる彼等のやり方は、
クラレンス的な奏法とはずいぶん違った印象のものであるような気が
するのです。

また、ジャンルはちょっと違いますが、イエスのスティーヴ・ハウが
この「ピック+指」奏法が非常に得意で、「Unplugged Live」という、
アコースティックソロのライブビデオを全曲これで通していて実に見事
なのですが、彼の弾き方は、チキンピッキングと言うよりは本来のチェ
ット・アトキンス流のギャロッピングに最も近いもので、これまたクラ
レンス的な奏法とは全く違った感じを受けるのであります。

クラレンスの場合、エレキでは「いかにもチキンピッキング」的なリッ
クスが顔を出す事もままありますが、アコースティックを手にした時に
この技を出すのは、基本的にミディアム以下のテンポで、タイミングを
ずらしたり、アクセントを加えたりといった使い方がほとんどで、これ
がもう実に絶妙のニュアンスになるのが天才の所以というべきか…、
とにかく非常に独特の奏法である、という感じがするのですね。

…というわけで、突然まったくの私見になりますが、クラレンス的「ピッ
ク+指」奏法というのは、実は一般的に信じられているようなジェイムズ・
バートンの影響というよりは、むしろジャンゴ・ラインハルトの影響の
方がずっと大きいのではないか、と思うのです。
(そもそも、カーネルズの活動が縮小して、エレキを持ってスタジオ・
セッションを始めた頃からこの奏法をやり出したっていう説はいかにも
ウソっぽくて、もっとずーっと以前からやってた筈だと思うのですね。)

初期の頃から、ジャンゴの影響の大きさというのは指摘される所です
けど、ジャンゴという人も奏法的には謎の部分が多いのですが、特に
バラードにおいては確かに「ピック+指」を使っているのは間違いなく、
何より "陰影・ニュアンスの鬼" である所に、相通ずるものがある
ような気がしてならないのですが…。

長々と書いてきましたが、クラレンス・ホワイトの比類ない個性、と
いうか「何だか分からないけど妙に惹き付けられる…」 という部分に
おいて、この右手の使い方はけっこう大きなファクターになっている
のではないかという気がしていて、しかしその割にはあんまり語られ
ない部分であるように思うのです。

私自身はまだこの問題については何となく考え始めた…、というところ
で、また実際にトライしようとしても全く上手くいかないのですが、ど
なたかこの技を実際に極めていらっしゃる方、また何かご意見のある方
がいらっしゃいましたら、何でもよいのでご教示いただきたく。

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