名前のとおりギブソンファンなんですが、マーティンのギターの音にたいする
こだわりは半端じゃなく凄いな!とマーティンギターを調べれば調べるほど強く
思います。
特に0サイズのギターはホントによく考えられてるな!と思います。
7年ぐらい前に、アメリカから到着したばかりの0サイズと00サイズのマーティン
ギターを仲間と引き比べていたときに、耳のいい友人が「0サイズのギターは音がまわ
る!」(友人独特の言い回しですが、残響音が長く残る!という意味です)
と言いだしました。
0と00を聞き比べると、やっぱり0サイズのほうが長くリバーブをかかったような
音が響きます。
なぜだろう?とみんなで考えていたら、そいつがいきなり立ち上がって0−18と
00−18のサイドを合わせながら「あっ!0サイズのボディが00サイズより深胴
になっている!」と言いだしました。
たしかに比べてみると少しサイドが長く深胴になっていますし、その場で開いたマー
ティンブックにも、000サイズと00サイズよりも0サイズのほうがボディが大きい
ことが確認できます。
(深胴にするとなぜ残響音が長くなるのか?と言いますと、弦を引くとまずトップが鳴
ります。つぎにトップの音圧がバックを鳴らします。バックの音圧がまたトップに跳ね
返ります。この音のトップとバックで行われる音のピンポンが反響であり、トップとバ
ックの距離が長ければ長いほど残響時間は長くなります。山びこを考えてもらえば
わかりやすいです)
なぜ?わざわざサイドの幅をかえてまで手間をかけるのか?というところにマーティ
ンの音にたいするこだわりがあると思います。
1930年発行のマーティンカタログに「マーティン社はすべての演奏家の望む音に
たいして様々な種類を用意してます。0サイズは一般のご家庭で使われる場合の音量に
最適です。00サイズは公民館での使用に最適です。000サイズはより音量を求めら
れるオーケストラホールに使われるのが最適です」と書かれています。
私は0サイズが深胴にして残響を多くしているのは、上記に一文に書かれているよう
に家庭で使われる0サイズは、コンサートホールのような空間の響きが利用できないぶ
んをギター側が補うための「仕掛け」だと考えます。
逆にいうと0サイズを響きのいいホールで弾くとリバーブがかかりすぎて気持ちが
悪い!と友人は申しておりますが...
とにかくマーティンは音、音、音ですね!
あとマーティンがギブソンのように、各種類のギターの基本デザインを変えない理由
は、演奏家が本来の自分の目的の音色や音量のギターを適切に選んでもらうためだと考
えております。
(靴の考えかたに似ていると思います。靴が各サイズごとに色や形が変わると、例えば
本来27センチの靴のサイズなのに赤色が好きだ!という理由で25センチの靴をはく
やつがでてくるかもしれないので...て、んなワケないか!)
ほんとにデザイン優先のギブソンとは大違いです。...ってそこが好きなんですが。
[2005/07/13 22:12:31]