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お名前: TANN
ギブソン大仏さん、またまた詳しいご説明ありがとうございます。
最初の投稿の理由がよくわかりました。
Black Diamond は懐かしいですねー。
Gパンのポケットのデザイン柄のパッケージのころの物を結構愛用していました。
当時、無理してミディアムを張っていましたね。
弾いているうちに結構なれてきて、意外にちゃんと押さえていましたね。
慣れとはえらいもんです。
このご説明を聞いていると、Martinの標準弦としてミディアムというのが浮かんできますね。
確かにミディアムがデフォルトと考えていいのでしょうね。
発売当初のゲージの太さが013-056であるのかは資料には書いてないのですね。残念。
カーターファミリーのギターが半音下げで弾かれていたという解説がナターシャセブンのLPに
かかれていたという記憶がありまして、当時のチューニングが今で言うレギュラーであったかどうかは
わからないのですが、それであれば、昔のギターの構造でも対応出来たのではないかと思っています。
当時の音源をちゃんと聞いてみればわかるのでしょうね。
現在私は、ライトゲージよりも細いカスタムライト(011-050)を使うことが多いのですが、全盛期の中学校の
ころは、指先も堅くミディアムを弾いていましたね。ただそのころは、フラットピッキングが主体でしたので
それでも良かったのでした。 今ではほぼ100%指弾きですので、それに合うようなギターで弾いています。
フィンガー系でミディアムを使用される方というのは、弦高をぎりぎりまで下げているので、ライトでは
ペシャペシャの音になりがちになるところ、ミディアムを張って少しでも芯のある音色になるようにという
ことで張っておられるのだと思います。 変則チューニングで低音弦、高音弦を下げていくと、よけいに
その傾向が顕著に出てきますので、6弦だけ、または、1弦2弦だけミディアムにするといった使い方を
するかたも結構おられますね。
要は自分のギターの演奏方法により、そのギターの仕様を把握しつつ使用していくゲージを選んで行けば
良いのだと思います。
各弦の出音のバランスもギターによって違いますので、1−6弦の太さを自由に選択できるということが
出来れば一番良いのだと思いますね。
楽器屋さんによっては、自分の好きなゲージを組み合わせて1セットにして売ってくれるところもあるので
自分のギターに最適な組み合わせを探すということも出来るようにされているところもあります。
[2002/05/01 11:13:53]
お名前: 山下
URL
>ライトゲージが無かった時代に作られたギターは特にミディアムが合う作りになって
>いるって事になるのかも、、、。
問題はそこなんです。そもそも鉄弦を張り始めたのは大きな音が欲しいからだったのですが、
それまでガット弦を張っていたギターが鉄弦のテンションに堪えられるわけがなく、
トップの割れが相当起こっていたようなのです。今のように、ネックが少し反ったとか、トップ
が膨らんだなどというのは、トラブルでも何でもないというのが、当時の感覚だったと思われ
ます。
それと、ギブソン大仏さんに調べて欲しいのですが、鉄弦が出始めた当時、果たしてギター用の
弦を張っていたのでしょうか?もしかすると、他の楽器用に作った弦をギターに張って使うのが
あたりまえで、当時のギター強度を考えると、その弦はライト弦相当の太さだったように思えて
なりません。その上で、もっと大きな音を欲しがるプレイヤーのために、ミディアム相当の弦を
作ったということは考えられませんか?
ぜひ、よろしくお願いいたします。
[2002/05/01 06:40:59]
お名前: kazoo
凄い知識ですねぇ。
「マーティン大仏さん」ってお呼びしたいぐらいです。
って事は、「好みで選ぶのが一番だけれど、元々のギターの基準の弦はミディアム」
となるのでしょうか??
ライトゲージが無かった時代に作られたギターは特にミディアムが合う作りになって
いるって事になるのかも、、、。
すみませんねぇ、へりくつばっかりで。(笑)
[2002/04/30 23:01:03]
お名前: ギブソン大仏
> もっとも、ミディアムという呼び名が当時からついていたのかはわかりません が・・。
ウ〜ン、…じつは、TANNさんのおっしゃるとおりなんです。
1934年以前の、弦がまだ一種類しかないときは"medium"とは言わず、ただ
"guitar strings"とだけしか書かれていないんです。
ただこれを私が“ミディアム”と言ったのには理由があります。
1931年の martin strings retail catalogに表示されている、弦が一種類しかなか
ったときの "guitar strings"の型番を見ますと…。
"guitar strings"
1弦 No 101
2弦 No 102
3弦 No 103
4弦 No 104
5弦 No 105
6弦 No 106
…となっております。
つぎに1934年になり、弦が2種類に増えて、それぞれ"medium"と"heavy"と名付け
られたときの弦の型番を、1934年の martin strings retail catalogから書きだし
ますと…。
"medium" "heavy"
1弦 No 101 No 111
2弦 No 102 No 112
3弦 No 103 No 113
4弦 No 104 No 114
5弦 No 105 No 115
6弦 No 106 No 116
つまり "guitar strings"と "medium"は同じ弦であり、時代によって、ただ名前が変
わっただけなので、1934年以前を“ミディアム”と言わせていただきました。
なお上記の弦の型番は1969年まで使われます。1970年にマーティン社が、弦
の製造会社のダルコ社を傘下におさめてからはすべて新しい型番に変わります。
マーティンがなぜダルコを買収したかといいますと、じつはマーティン社では自社で
弦の製造をそれまでしておらず、他社(おそらくブラック ダイアモンド社)に委託し
ていたためです。
(正確には1900年〜1918年までマーティン社では、手作りによる弦の製造をし
ていたのですが、手作りによる人件費の高騰、かといって高価な機械を導入するかどう
か迷っていたところに、第一次世界大戦による原材料の値上がりによりコストが合わな
くなり、1918年自社による弦の製造を中止します)
では!
[2002/04/29 19:34:26]
お名前: kazoo
私もライトゲージ・ユーザーです。
ただ、ミディアムゲージを殆ど使った事が無いライトゲージ・ユーザーなのです。
何故ライトゲージを選んだのかを考えてもみた事がないのです。
で、ギブソン大仏さんが書いたスレッドを読んで「何故ライトゲージを使っている
のか」を初めて疑問に思ってしまっただけなのです。
今ライトゲージを使っている人達のどれぐらいの割合で、ミディアムゲージを試して
からライトゲージを選んだのかなぁって思います。
山下さん。
>マーチンギターの中の表示は「ミディアムかライトを使ってください」ではなく、
>「ミディアムもしくは、よりライトな弦」ということを書いていると思いますので、
>一度ご確認ください。
そうだったのですね。
ただ、こう書かれたら余計にライトを使わざるをえないですよね。
私のギターもブリッジ下の盛り上がりが出てきて、ライトでないと怖いです。
[2002/04/27 21:54:24]
お名前: 山下
山口さん、ご指摘ありがとうございます。
ミディアムのテンションを考えると、どうしても音がタイトなるという
先入観を持っての発言だったかも知れません。
やはり、もっと自由になって発想することが音楽の基本なのでしょうね!
昨日はイサトさんのギタープレイを見てきたのですが、ドイツ帰りということで、
何となくお疲れという感じでした。
[2002/04/27 11:43:50]
お名前: 山口
山下さんのご意見に反論するわけではないのですが、
また新たな先入観を生む可能性があると思いましたので、一言。
> あの頃の歌のように優しさを表現する場合には、ミディアムよりもライト
> のほうが合うという判断から使ったのだと思っています。実際に、
> この掲示板をご覧になっている皆さんで、ブルーグラスや、低音を利かせる
> ストロークでの演奏を好む方の多くは、ミディアムを張っていると思います。
> 特に、最近の歌は愛だの恋だのと軟弱なものが多いですから、ライトが合うと
> 思いますよ。
静かなフィンガーピッキングにもミディアムはあうと思いますよ。
中川イサトさんはミディアムの音の良さを見直したとおっしゃっていましたし、
打田十紀夫さんも曲によってミディアムを張って、かわりに半音低く調弦
したり工夫されているようです。彼らはフィンガーピッキング専門で、情緒的な
音楽を演奏されています。
ミディアムゲージが、「ブルーグラスでがんがんやる」とか「低音をがんがん
ならす」という文脈ででてくることが多いので、ひとこと言ってみました。
反論しているわけではございません。
[2002/04/27 10:19:56]
お名前: TANN
ギブソン大仏さん、詳しいご説明ありがとうございます。
Martin限定というお話だったのですね。2-17からというのは、またおもしろいですね。
ショートスケールなので、少しの変更で大丈夫と踏んだのかな?
当時はマンドリンが全盛期だったと思いますので、鉄弦も各種作られていたのでしょうね。きっと。
その中で、当時一番Martin社が最適と判断したゲージがミディアムということだったのでしょう。
もっとも、ミディアムという呼び名が当時からついていたのかはわかりませんが・・。
[2002/04/27 09:47:22]
お名前: ギブソン大仏
Kazooさん、TANNさん、、山下さんコンニチハ!
特にKazooさん、本来ならあのスレッドにつける話を、新たにスレッドをたてたことを
許してください。(…だってあそこに書いてももう誰も見てないんじゃないかと…スイマセン)
まずTANNさんのご質問の件ですが…。
私が書いたゲージの歴史は“マーティンのゲージの歴史”でありまして、もちろん
ギブソン社も戦前はミディアムゲージだけで1934年からヘヴィゲージと全く同じな
んですが、スティール弦の始まりはTANNさんのおっしゃるとおりギブソン、ラーソン
のほうが早いです。(資料を持ってますので機会があればアップします。…といいつ
つココはマーティンの部屋でしたね、わかっております)
マーティンが初めてスティール弦を採用したのは1914年の00ー21H(ハワイア
ン)からです。
しかしこれはハワイアン仕様という特注品のようなものなので、本当にマーティンが
スティール弦を採用したといえるのは、1922年にスタンダードシリーズの2ー17
にsteel strings onlyとなったのが最初だと思います。
ちなみにその年のスタンダードシリーズのその他の機種(18、21、28、42、45)はGut onlyであります。
1923年になりますと、17だけでなく18までがスティールが標準となり(ただ
し18は注文によりガットに変更可の文字)、だんだんと年を追うごとに17、18、
21、42、45とスタンダードシリーズのスティール弦の標準化が進んでいきます。
1924年のカタログに“各機種のガット弦からスティール弦の変更はマーティンフ
ァクトリーで無償でさせていただきますが、一度変更されますと二度と戻せません”
の文字がありますのでかなりの補強がボディにされたようです。
それから戦前のミディアムゲージは今のミディアムゲージと同じなのか?ですが、
幸いヘビイゲージなら昔のヤツを新品(2弦と3弦だけ)で持ってますので今度調べ
てみます。
山下さん、こんなこと言ったら皆さんに怒られるかもしれませんが白状します。
じつは私もライトゲージ派なんです…アアっ!とうとう言ってしまった!
(指が痛いのだから仕方ない…)
Kazooさんいつも質問が鋭いです!
気合いをいれて答えますので、ちょっくら待ってください。
それでは!
[2002/04/26 22:53:35]
お名前: 山下
ギブソン大仏さんの検証はともかく、私は、先入観でライトゲージを使っているとも思えない
のです。ライトゲージが流行したのはギブソンさんが言っておられるように1960年代のフォー
クブームの頃でして、あの頃の歌のように優しさを表現する場合には、ミディアムよりもライト
のほうが合うという判断から使ったのだと思っています。実際に、この掲示板をご覧になって
いる皆さんで、ブルーグラスや、低音を利かせるストロークでの演奏を好む方の多くは、ミディアムを張っていると思います。
特に、最近の歌は愛だの恋だのと軟弱なものが多いですから、ライトが合うと思いますよ。
私自身は、最近は曲によってギターを変えますので、D−28にはミディアムを張ります。
あと、マーチンギターの中の表示は「ミディアムかライトを使ってください」ではなく、
「ミディアムもしくは、よりライトな弦」ということを書いていると思いますので、
一度ご確認ください。
[2002/04/26 16:51:46]
お名前: kazoo
過去の「ミディアムゲージ」と現在の「ミディアムゲージ」の太さが違っていても、
鉄弦の存在が無かったとしても、いいと思うのです。
要は、マーティンの弦がネーミングとして「ミディアム」(=「中間」=「標準」)
と使っているのならもっと「ミディアム」を使っている人が多くいてもいいと思うの
ですよね。
もっとも以前に「鉄弦の太さは各社全て同じ」と教えていただいたように、マーティン
社は「013-056」を「ミディアムゲージ」と名付けざるをえなかったというのなら別
なのですが、、、。
ギブソン大仏さんの「何かの先入観によって、みんながライトを選択をしている」
という意見(かなり要約してますね・笑)に「私も先入観を持っている」っていう
感じになったのですよね。
[2002/04/26 14:34:09]
お名前: TANN
ギブソン大仏さんの弦についての考察、参考になりますね。
いろいろな資料をお持ちのことだと思います。
ところで、当時のミディアムゲージの弦の太さは今の時代の 013-056 のサイズになっていたのでしょうか?
また、チューニングは現在のレギュラーチューニングではなくて、少し低かったのでしょうか?
1910年代当時のナトーネックのギターに現状のチューニングで、現在の弦の太さで対応していたとは
とうてい思えないのですが・・・その辺の資料はお持ちでないでしょうか?
また、10年代はMartinはガット弦であったと思うのですが、鉄弦仕様もあったのかしら?
Larsonなんかは、補強のためか?ボディ内部に鉄芯が透った物がありますね。
鉄弦の採用はMartinよりも早かったと記憶していますが、10年代はこの辺のギターの
事を書いてあるのかな?
[2002/04/26 13:15:31]
お名前: kazoo
こんにちはギブソン大仏さん
やっぱりミディアムが一番最初に作られたのですね。
「ライト」って表現はやはりあくまでも何かを基準にしての「ライト」なので
初めから「ライト」っていうわけではないはずですね。
それと私は思うのですが、マーティンのギターの中に「ミディアムゲージかライト
ゲージのみを使って下さい」っていう表記がそもそもの問題なのでは?
こう書かれると「ヘビーゲージはテンションが強すぎてネックが反ったり、ボディー
に影響が出てくる」って思っても仕方ない。
となると「ヘビーゲージに近いミディアムゲージを使うよりも、ライトゲージを使っ
た方がより安全」っていうイメージがついてしまいますよね。
だったら「ヘビーゲージとコンパウンドゲージを使うのは止めてください」って書い
ていたら、もっとミディアムに対してのイメージが変わってくるのでは無いでしょうか?
もっともテンションがかかりすぎないのがギターにどれ程の影響を与えるのかは分か
りませんが、、、、。
ちなみに私は未だにライトゲージを張っているので、ただ単に言葉のニュアンスから
の意見だけです(笑)。
それと質問なのですが、普段からライトを張っているギターに調整もせずにミディアム
を張っていいものなのでしょうか?
[2002/04/26 10:43:18]
お名前: ギブソン大仏
みなさん、ひさしぶりに帰ってまいりました。しばらく見ないうちにいろんな話題が
いっぱいで読むのに苦労しました。もちろん楽しんでマス!
で、古い話題で申し訳ないんですが、以前「ミディアムゲージ」のKazooさんのご質問
「ゲージの歴史」について少しお話させていただきます。
ヴィンテージの楽器屋さんに行くと、そこの親父が「戦前はライトゲージしかなくて
、ヘビーゲージが出てきたためにマーティンはスッキャロップをやめた」という話をよ
く聞きますが、実際は少し違います。
ヘビィ、ミディアム、ライト、コンパウンドのなかで一番最初に作られたゲージのサ
イズは実は「ミディアム」であります。
じゃこのなかで一番新しく作られたゲージのサイズは驚くなかれ「ライトゲージ」でありまして1965年のことです。
1910年代〜ミディアムゲージ
1934年 〜ヘビィゲージ
1964年 〜コンパウンドゲージ
1965年 〜ライトゲージ
と、こうなっております。(コンパウンドのほうが古い!)
ここでおもしろいのは1961年に0ー16NYが発売されるんですが、その推奨
ゲージのコンパウンドゲージはその頃まだ発売されておらず、カタログ上ではコンパウ
ンドはカスタムゲージ(特別注文)扱いであったということです。1964年にコンパ
ウンドがレギュラーのゲージに昇格した理由は、その年から発売された12弦ギターのためだと思われます。
ちなみに30年代から60年代前半までのミディアムゲージに書かれているキャッチフレーズは“フィンガースタイルのあなたには最適のゲージ!”などという、握力のない私から見れば指の痛くなりそうなことが書かれております。
では!
[2002/04/25 21:28:12]
このテーマについての発言をどうぞ。
※半角カナは使用しないようにしてください。文字化けします。
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