k−TAKATAさん、はじめまして。
音質についての影響としては、弦の振動をTOPに伝達する範囲が
少し変化するので、多少 音のニュアンスが違うのかもしれませんが、
音響的にはそれほど顕著な影響は無いように思います。
単にロングサドルは水平に溝を端から端まで水平に「切る」というこで、
当時は作業も幾分か楽だったからなんでしょうね。
一方ショートサドルは、溝を底辺の水平を保ちながら溝を「掘る」わけで
工作機械が発達したことにより、ブリッジの強度の面の優位性からも
ショートサドルに移行したんではないかと思われます。
ロングサドルの場合、あまりサドルがフィットしていないものだと
溝の上面が開いてきてしまい、サドルが真っ直ぐ入らなかったり、
割れたりすることもあるようなので、必然的な変更だったのでしょう。
でも、ルックスはロングサドルのほうが私も好みです。
ちなみにMartin社でも、工作過程における「時間」の合理化は
いろんな部分で積極的になされているようですね。
たとえば、木材のシーズニングの時短もそうですし、
ナットの底面の角度をヘッド角に平行だったものを、指板面に
平行(つまり直角)にしたり、インレイをレーザーカッターで自動的に
カットしたりetc,
年間何万本も生産する「企業」には、「安定した工業製品」を作るうえで
こういう合理化は必然的な選択なのかもしれません。
そういう意味で、ロングサドルが標準だった頃の「手工」的な要素が多い
時代のギターに人気が高まるのも、ある意味で肯ける気がします。
[2001/08/29 10:13:15]