記事タイトル:縮み杢の強度および音響的特性について 


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お名前 Name: rabio   
こんにちは、Tsugeさん、ラビオです。来週は1週間いなくなるので、今日の内に補足説
明を・・・。

まず、トラの硬いところと柔らかいところの見分けは軽く絞った雑巾で拭きます。水を
吸い込んだところが柔らかい部分です。サンダーや超仕上げをかけたあとで微妙に膨張
する(これがでこぼこの原因になる)ところが柔らかい部分です。

実は、この部分のでこぼこは木材全体が充分乾燥したあとでも割と長期間あとをひく傾
向があるみたいです。裏・側板のような薄板の部分はわりと出ないようですが、ネック
のようなあるていど厚さが必要になる部分には微妙なでこぼこが出ることがあるようで
す。ギブソンのオールド物のトラネックでそういうものを見かけたことがあります。
しかし、それがネック全体の狂いに影響しているわけではないし、指でなぞったとき、
なにげに感じる程度です。
アテに関しては杢とはまるっきり別のもので見た目はぜんぜん美しくないです。
だいたい、アテは造作材をとるときにあらかじめ切り回しでカットして薪にしてしまう
たぐいのものなので、まあ、節みたいなもんです。
あえていえば質の落ちるスプルースの板にプレーナーをかけたとき部分的にテカテカし
ているアレです。
黒柿の指板についてですが、未知の材料なので私だったら収縮率のチェックをするか
なー。1cm・1cm・5cm位のサンプルを電子レンジで加熱して、特に長さ方向の
収縮をみます。(木材の中には意外と長さ収縮の大きいものがある。例えばアガチス)
どちらにしても、フタバカキ科の樹種なら極端な収縮はないと思いますが・・・。

ところで、やりましたねブックマッチ。すごいなー。やはりTsugeさんはただものじゃな
いな。
[2002/07/21 11:00:25]

お名前 Name: Tsuge   
ラビオさま、こんにちは。
とても丁寧な解説を有り難うございます。
縮みの発生原因=風が原因説は僕もモノの本で読んだ事があります。
自然のいたずらで縮みになったり、素杢になったり。面白いものですね。

>当然縮まない硬い部分と縮みやすい柔らかい部分が交互になっているのだと思います。
実感として感じていた事が正解で、なんだか嬉しいです。
ちなみに手元にある乾燥が不十分なトラメイプル材は、杢にそって妙にデコボコしてます。
自動カンナでキレイに仕上げてもらったのですが、暫くするとこうなりました。
やっぱりそういうことなんでしょうね。
縮み杢が音響的にどうなのかは、さらに勉強しつつ考えてみます。
たしかにメイプルもシカモアも良質な縮みはその名も“バイオリン杢”なんですよね。

ギブソンのネックの件ですが、やはり狂い防止なんですね。とてもわかりやすい話です。
私が先日工作した長尺モノは、板目マホガニーをセンターで2つに割り、
切削面を中心に180度回転させブックマッチとして、
真ん中にエボニーをはさんで接着しました。その時点では想像でやった作業ですが、
狂い防止の点であながち間違っていなかったのだと納得しています。

また「アテ」に関しては初耳でした。ぜひそのスジのお店で調べてみます。
バンドソーでも厳しいのなら、相当な難物ですね。杢は面白いのかしら?

最近、黒柿を削っています。良質の黒柿ならローズに負けない指板がとれるのではないかと
密かに感じ入っています。この冬に作るウクレレにどうかと検討中です。
[2002/07/21 04:58:48]

お名前 Name: rabio   
Tsugeさん、こんにちは。ラビオです、ごぶさたしてます。

杢の件ですが、私が教えられた杢が出来るメカニズムは立木の状態で風などを受けて木
がゆれる場合その揺れを木全体の重量とともに受ける部分に杢が出ると教わりました。
ですのでよく杢のことを根杢というのは揺れの影響を一番うけやすい根元に杢が出やす
いためそのように言われるのだと思います。

ある意味、木にとってはしわの様なものだと思います。ですので、トラに関してはジャ
バラ状のしわのようなものと見ることが出来ると思います。ということは、当然縮まな
い硬い部分と縮みやすい柔らかい部分が交互になっているのだと思います。

もちろん、木材の常識からいって狂いやすい特性はもっているはずです。
そのことを物語っているのがギブソンのネックの木取りです。ギブソンはマホガニーの
ネックに関してははり合わせなしで作るケースが多いですがメイプルの場合はかならず
3枚から5枚の板をはりあわせた状態からネックを削りだします。
このやりかたの利点は20ミリから30ミリ位の薄い板を材料にできるため、積層前に
充分狂いを出しやすいと言うことだと思います。その上ではりあわせをして、それぞれ
の木の狂いを中和しているものだと思います。(貼りで木の狂いを殺す手は昔からあり
ます)

縮み杢のような硬度にムラがあるものの狂いにかんしては、似たようなものとしてスプ
ルースや米栂等の針葉樹によくある「アテ」というものがあります。(材木屋さんで見
せてもらって下さい)これはタチが悪いです。製材をしていて帯び鋸の刃はにげるは、
乾燥するとアテの部分からジャンプ台のようにひんまがるは、どうしようもないしろも
のです。これは帯のように硬いスジがはいっている状態なのですけどね。
メイプル等の杢に関しては細かいスジが全体的に入っている状態なので「アテ」のよう
な極端な狂いが出ないものと思われます。

音に関しては理論的な善し悪しはわかりませんが、歴史を振り返って仮に杢が音響的に
良くないとしたらストラディバリウスは杢のメイプルを裏・側板につかわんかっただ
ろーなーということで勘弁して下さい。    
                    「トラフェチ2号」のラビオ
[2002/07/19 19:19:51]

お名前 Name: Tsuge   
D-28と関係ない話で申し訳ありません。
縮み杢(=カーリー○○orタイガー○○)についての質問です。
小生の僅かな木工経験では、
【仮説】
「縮み杢の木はの堅い部分と柔らかい部分の組合せで構成されているのでは?」
と感じています。
最近、所謂バリトラのカーリーメイプル(2mm厚)を曲げているのですが、
失敗するといつも決まって、縮みの杢理に沿って割れるのです。
また、栃やコアでも、切削時に同様の現象が発生したことがあります。
そこで上記【仮説】に基づいての質問なのですが

(1)縮み杢の材をネックに使用した場合
例えばマホガニーなどの柔らかい材でも、ロッドのアシストで弦のテンションに耐えうる
ことを思えば、堅いメイプルなら、とりあえずどおってことないのかも知れない。
でも堅さにムラのあるカーリーメイプルの場合、柔らかい箇所に負荷が集中するのでは?
そのため長期的には反りというより、歪みの原因になるのでは?

(2)音響的特性について
縮みが「木の堅い部分と柔らかい部分の組合せ」という仮説が正しかった場合、
その材は密度が一定ではなると思われ。
すると音の反響や伝達速度が、早い箇所と遅い箇所が発生するのでは?と。
それが体感できるレベルにあるものかどうか、また、音響的にプラスなのかマイナスなのか?
また質量的に均一と思われる柾目のマホやローズとの差は?
(これは普通のスプルースとベアクロウスプルースの比較の方がいいかも)

小生「トラフェチ」を自認するものであり、縮み杢に対する認識をさらに深めたく思い
日々の作業の中から感じている事を書いてみました。
経験によるものとは言え専門家ではないため、間違った認識かも知れません。
ご興味をもたれたら、ぜひレスを頂戴したく思います。よろしくお願いします。
[2002/07/19 17:29:31]

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