Re: 木が乾く・・・・!? ( No.1 ) |
- 日時: 2009/11/17 20:37
- 名前: G坊
- こんにちは、たけぞうさん(ってバガボンドのファンですか?)
多分たけぞうさんの質問には、均衡含水率だったかな、が鍵に なりそうな。 思うに、含水率が均衡点にまで下がるには長い時間 がかかるが、ここまで下がったら一時的に水がかかったとて一気に 含水率が急上昇することはない、あるいは一時的に上がっても また抜けが早いのだと想像しています。
2のポイントも同じですね。つまり、板にして平積みで天然乾燥させると、均衡点にまで落ちるのに数年あるいはもっとかかる。 なので結論からいって特に近年物のギターの問題の1つに乾燥が 甘いあるいはおこなっていてもボイラーで熱したりして、人工乾燥しているので、品質が劣化するという問題があると思います。
そしてビンテージのよさの1つはここにある、、つまり60年代くらいまでは、まだ生産台数が今より全然少なかったので、じっくり乾燥させた材を仕えた点が近年物との決定的の違いだと思います。
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Re: 木が乾く・・・・!? ( No.2 ) |
- 日時: 2009/11/17 21:01
- 名前: たけぞう
- G坊さん
ありがとうございます!とても簡潔でわかりやすかったです!
含水率・・それは初めて聞きました。なるほど、と、もの凄く感心させられました!!
ちなみにバガボンドファンです!!
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Re: 木が乾く・・・・!? ( No.3 ) |
- 日時: 2009/11/18 06:37
- 名前: ばか者!
- 単に含水率を言うのではない
木の細胞のセルロース化(結晶化)を俗に言う「乾く」という。
一度セルロース化された材はそうでない材と水分の含みも変わるやたらと水分は含まなくなる。
人工乾燥の場合、含水率は一気に下がるが 細胞が破壊され楽器には好ましく無いとも言う。
セルロース化の進んだいわゆるビンテージの天板などは 破壊すると粉々にガラスが砕けたようになる 乾燥はしていても俗に言う木の割れ方とは違う。
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Re: 木が乾く・・・・!? ( No.4 ) |
- 日時: 2009/11/18 12:27
- 名前: ダン
- たけぞうさん、こんにちは。
私もG坊さん、ばか者さんとほぼ同じ考えです。 人工乾燥させた木の破壊された組織を目の当たりにしたことがありますが、悲惨なものです。 常温で時間をかけて自然乾燥させた木は、表面も内部も均一に収縮していくので無理なく体積が減少し組織は壊れません。 しかし、高温で急激に乾燥させる人工乾燥の場合は違います。 まず木の表面から急激に乾燥が進みます。 表面の乾燥が進むと、硬化して収縮する間もなく固まります。 その状態で内部が時間差で収縮する。 表面体積と内部体積に差異が生じると、表面には見えない状態で内部破壊が進みます。 また、高温自体も組織を劣化させます。 パッと見では解らないので尚の事罪深い・・。 木には水分の他に樹脂も含まれています。 これが時間を経て結晶化すると木が硬化して強度を増す。
じっくり時をかけて成長し、またじっくり時をかけて劣化していく。 これが自然な状態での木の特性です。
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Re: 木が乾く・・・・!? ( No.5 ) |
- 日時: 2009/11/18 22:37
- 名前: たけぞう
- なんだか難しいんですね。でも、とても参考になりました!木のこともギターのことも熟知していませんが、がんばって色々覚えていこうと思います!!
ありがとうございました!!
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Re: 木が乾く・・・・!? ( No.6 ) |
- 日時: 2009/11/19 00:45
- 名前: aho
- それで強制乾燥と自然乾燥の音の違いはわかりますか???
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Re: 木が乾く・・・・!? ( No.8 ) |
- 日時: 2009/11/19 12:37
- 名前: ダン
- 乾燥工程の違いの問題点は音の問題もあるのでしょうね。
しかし、ここで一番危惧するべきはそこでは無いと思います。 楽器の性能を問ういくつかの条項がある中の、最も優先して考えるべき「耐久性」に強い疑問が生じる事が問題と考えます。
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Re: 木が乾く・・・・!? ( No.9 ) |
- 日時: 2009/11/20 10:41
- 名前: G坊
- たけぞうさん、いい音を鳴らせるいい木材とはなんぞや、という問題は結構深いですよね。あたりまえのようだけど。
多分、乾燥していることはいい音を出す必要条件だけれど、十分条件ではないくらいの理解が適切なのではないかと思っています。 乾いていることは、必要だけれども、、むやみやたらに乾かせばいいというわけでもない、、、みたいな。
木を板にして使っていると含水率が均衡点に 近づく形で落ちてくる、、、これは物理的な法則だと思います。別にギターじゃなくても、家の柱なんかでもそうですよね。ここで次に問題になるのが、 どう使われているか、すなわち音を浴びて振動しているかとか、、あるいは、塗装はどうだとかいろいろ。
多分、今のギターはここらへんを最大限研究して、 少ないコストでいい音を出そうとしているのに対し、60年代くらいまでのヴィンテージでは製作家の 個人的ノウハウに頼るところが大きかったんでしょうね。
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Re: 木が乾く・・・・!? ( No.10 ) |
- 日時: 2009/11/20 23:32
- 名前: シェルターハット
- この話題には興味があるので久しぶりに書き込ませていただきます。
よく乾燥に伴い木が結晶化すると言う表現を聞きますが、私はこれが不思議でたまりません。 と言うのは、今までにビンテージを含めかなりギターの残骸を見てきましたが、 結晶化してガラスの様になったトップなど一度も見たことがないからです。 これは50年物のピックギターも同じで、メキメキと言いながら木目に沿って割れました。 決してガラスのようではなく、木の板を割っている感じそのものでした。
個人的に件の説は、バイオリン製作家・佐々木朗氏の解説の焼き直しではないかと考えています。 「木材が乾燥して」と言えば良いのに、「セルロースが結晶化して」と表現してしまったばかりに、 何の疑問も持たない純粋な読者を介して世の中に定着してしまったのではないでしょうか。 木材が時間を経て結晶化するのなら、古民家の天井や壁板はガラス化しているはずですが、 実際にはそんな事はありません。(違う意味で脆くボロボロになることはありますが。)
そもそもセルロースと言うのは元から結晶状態であり、途中から結晶化するという物ではないようです。 単に乾燥が進み硬度が上がった事で良く響くようになっただけではないのでしょうか。 それはそれで理に適っているので自分としては納得がいくのですが。 それとも実際にガラスの様に割れるトップをご覧になった方はいらっしゃいますか? 見たことがある方、ぜひその経験をご披露ください。お願い致します。
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Re: 木が乾く・・・・!? ( No.11 ) |
- 日時: 2009/11/20 23:49
- 名前: たけぞう
- 皆様、貴重なご意見、ありがとうございます!
私には難しすぎることばかりですが、大変勉強になりました。
ギターにおいて「木が乾く」という表現の本当の意味はとても奥が深く、またとても興味深いものであることがわかりました。
私はというと、ギターの知識には乏しく、ここの掲示板でよく勉強させて頂いております。ときには喧嘩まじりの見るに耐えないものもありますが、こうして熱心に答えてくださる方々もいらっしゃり、大変感謝いたしております!!
ちなみに私がD−28を購入したのも、ここで色んな方々のご意見を拝見させて頂けたからです。
散々弾き比べて買ったD−28は、やはり所有しているギターの中でも特別な存在です。今後も上手に付き合っていけるよう、腕はもちろん、色んな知識も付けていけたら、、と思っております!!
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Re: 木が乾く・・・・!? ( No.12 ) |
- 日時: 2009/11/21 13:10
- 名前: ダン
- シェルターハットさん、こんにちは。
私も木がガラスのようになるというのは否定します。 一般に木が乾くというのは、前にも書きましたが水分というよりも樹脂の事と認識しています。(乾燥は大前提として) 樹脂は生木の状態では液体ですが、長い時間をかけて硬化します。(極端な話ですが、さらに長い時間を経るとコハクになりますね。) 木の組織の中に樹脂という液体(緩衝剤)が含まれた状態と樹脂という個体が含まれている状態。 つまりこういうことと考えます。
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Re: 木が乾く・・・・!? ( No.13 ) |
- 日時: 2009/11/21 23:24
- 名前: aya-yu <aya-yu@mxc.mesh.ne.jp>
- 参照: http://www5a.biglobe.ne.jp/~aya-yu/index1.htm
- 以前、関連の投稿をしたことがあるのでRe.させてください。
セルロースの結晶化について研究されているのは、中学校の国語の教科書にも掲載された「法隆寺を支えた木」の著者である千葉大学名誉教授の小原二郎氏と思います。彼は実際に年代ごとの寺の柱等を資料分析して、その強度を割り出しています。顕微鏡写真等も分析し、木材の経年変化におけるメカニズムについてはかなり明らかになっていると思います。 セルロースの結晶化と崩壊は、木が伐採された時点で起こり始めること。結晶化が進むと強度が増し、崩壊(セルロースが切れていくこと)が進むと強度が減少すること。新材より1400年経った法隆寺の木材のほうが強度があること。(強度と言っても曲げ強度や圧縮強度など様々ありますが全て調べているようです。)概ねヒノキのような針葉樹は200〜300年後が強度のピーク、広葉樹はその約5倍の速さで強度のピークを迎えて、それ以後緩やかに崩壊の影響が結晶化の影響を上回り強度が落ちていくこと。始めの50年間くらいが弾性係数等、 最も伸びていく時期であること。セルロースは糸状の分子で、それが何百本も集まり糸となり、さらにそれがリグニンと言う接着剤のおかげで積層状になって袋を作っていること。分子同士が結びついた結晶領域と水分を吸収できる非結晶領域があり、木材の老化に伴い結晶領域が増えていくこと(セルロース自体は親水性があり、非結晶領域のセルロースが完全に乾燥することはありません。けれど水分は結晶領域には入れません。)等が挙げられます。また、広葉樹の強度変化が早いのは、接着剤役のリグニンの量が少ない為であるといいます。 結晶化と崩壊には、温度が深く関わってもおり、某メーカーの「ビンテージの音」を人工的に作り出す技術は、これを応用したものと考えられます。 私もガラスのように割れた木材は残念ながら見たことはありません。ただ、強固な木目方向の強度と横方向の強度が全く同じになるとは考えにくいものの、ある程度近付くとは思います。 ちなみに下記は、かなり以前にやった私のささやかな馬鹿げた実験です。ダンさんの琥珀の話に通じるかもしれません。何年も続けるつもりでしたが、途中でかみさんに捨てられてしまいました。(笑) http://www5a.biglobe.ne.jp/~aya-yu/zakkan6.htm#no94
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Re: 木が乾く・・・・!? ( No.14 ) |
- 日時: 2009/11/22 08:48
- 名前: 家具屋
- aya-yu様
農学博士の小原二郎氏の研究の事、私も以前投稿しております。 概要、その通りと思いますが、試験体は国産のヒノキです。 スプルース等で同じ研究をされた方がおられるのでしょうか? 試験体が違うのに研究結果をそのまま流用するのは甚だ危険かと。。。
氏の研究はヒノキの建築材としての優秀性を証明しましたが、 ギターの音の経年変化を説明したものではありません。 氏は人工老化材を用いたヴァイオリンの実験もされておりますが、 これとて試験体はスプルースではなくヒノキです。 無論、経年変化に係る一要素としての可能性は否定しませんが、 数百年〜千年単位で徐々に進行するセルロースの変化を 僅か数十年しかギターと付き合えない我々が実感出来るかは少し疑問です。
もし、大雑把に針葉樹、広葉樹で分けるのであれば、 老化速度がヒノキに比べて約5倍のケヤキにもっと注目しても良いと思いますよ。 ギターは表板以外は殆どが広葉樹ですし、材積、質量とも占める割合は圧倒的かと。
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Re: 木が乾く・・・・!? ( No.15 ) |
- 日時: 2009/11/22 10:09
- 名前: aya-yu <aya-yu@mxc.mesh.ne.jp>
- 参照: http://www5a.biglobe.ne.jp/~aya-yu/index1.htm
- 家具屋さん
Re.有難うございます。いつも木材に関する深い見識に感心させられ楽しく読ませて頂いています。 おっしゃる通り、小原氏の研究は寺院や仏像の木材研究が中心であり(と言うか、それ以外で千年前の試験体は得られないでしょう。針葉樹ではヒノキ以外にマツ・スギ等が資料とされたようですが、トウヒ族のエゾマツが入っていたかどうかは不明です。)、ギターの経年変化自体のものでないことは十分認識しておく必要はありますね。私の投稿だと語弊があるとも思います。 ただ、氏の比較的新しい著書である「木の文化をさぐる」の中には、奈良女子大の疋田洋子氏による 築後30〜247年の9棟の建物の7種類の材の強度試験についても触れています。 小原氏の古材のデータと新材のデータを結ぶもの、 或いは他の材にも広がりを持たせるデータとして意味があるとしていますが、 結果はどの材も見事に新材よりも高い値がついたそうです。 それらを基に氏は、経年変化についてヒノキに限らず同様の変化が起こるものであり、主に温度と細胞内のリグニンの量によって結晶化と崩壊の速度が決まってくると言う結論の裏づけの一つとしているようです。
ヤマハなどでは、かなり研究されていると思うのですが、残念ながら公式にデータの公表はしていないようですね。楽器になった材を使っての実験は、事実上難しい面が多いと思います。 また、楽器になったギターについては、振動伝達や塗装の影響も言われており、振動を与え続けられた木材は硬くなると言う研究結果もあるそうですが、これについては材の個体差も大きく、まだ分からない事も多いようですね。(ヤマハのホームページでは、「振動によって細胞の向きが揃う」という説明がされている文章があるのですが、これも資料・データが示されていないのでブラックボックスの中です。) 結晶化自体は、伐採された直後から、どの木材についても起こっているのは、間違いがないと思いますし、氏の研究通りなら最初の50年間が最も変化が大きいのも事実と思います。ただし、その影響がどの程度であるかについては未知の部分が確かにあるかと思います。そのことを認識しておく必要はありますね。 それと、針葉樹と広葉樹のどちらに着目するかについてですが、これはスパンの長い針葉樹のデータでさえも最初の50年の変化が大きいと言う事であり、広葉樹だともっと速く変化するということで、敢えて説明を加えずにいました。そのために分かりにくくなっているかもしれませんね。トップ面こそ音への影響が最も大きいだろうという個人の認識が働いた面もあります。 結果的に語弊を補って頂いたように感じています。有難うございます。
余談ですが、手元にあるギターについて、最も古いものは80年ほど前のものですが、そのトップ板を塗装されていない裏側から押した質感は同じ材の、新しいギターに比べて、かなり硬くなっています。 その理由は複合的な要素が考えられますが、かなり硬くなるのは間違いないように感じています。乾燥みかんを水で戻しても、元のみかんには戻らないのでしょうね。
今後とも、宜しくお願いします。
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Re: 木が乾く・・・・!? ( No.16 ) |
- 日時: 2009/11/22 13:25
- 名前: 家具屋
- aya-yu様
ご丁寧な反応、恐れ入ります。 疋田洋子氏の研究もなかなか興味深いものですね。 しかしこれらも国産材ですし、そもそも新材時との比較でない以上、参考程度と考えるべきかと。 同一試験体で新材時、5年、10年、30年、50年、と、強度変化を測定しなければ厳密とは言えません。 特にギターの場合、数年どころか数ヶ月で音が変ったと実感される方もございます。 aya-yu様の傘寿を迎えられたギター、誕生時の表板の硬さをご存知でしょうか?(笑)
ただ、ごく素朴に古材のほうが硬くなっていると感じる事は多いです。 以前の実家のトイレの戸板が120年程前のスギの古材で手元にあります。 一畳程の見事な一枚板ですが、スギとは思えない硬さです。 しかし全ての古材がそうかとなると、少し疑わしい。 中にはボロボロに脆くなっているものもありますので。 (使用環境にかなり左右されますので。)
さて、本題から外れましたが、ごく単純に考えて、 もし、ギターになってからも水気がガンガン抜けるとすれば、縮む、反る、曲がる、割れる、etc、、、 不良品と呼ぶべきかと。(笑)基本的に乾燥済みでないと困りますよ。 ただ、木と水はとても仲良しですから砂漠のようにカラカラということはありません。 もし、全く水分を含んでいない木材があれば、それはもはや木材と呼べない代物です。
寸法変化が無いに等しい微量な水分の移動を「木が乾く」と言うのかなぁ???
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Re: 木が乾く・・・・!? ( No.17 ) |
- 日時: 2009/11/22 19:38
- 名前: G坊
- なるほど、確かに木の成分は結晶状の構造でできているんでしょうが、しかし、セルロースの結晶化というのはちょっと無邪気な
誇張のような木がしますね。
ところで家具屋さん、ギターの生産台数は50、60年代から比べると飛躍的に増えていると思うのですが、おっしゃる通り当然 乾燥していないとだめですよね。でも、じっくり天然乾燥で まかなえる台数ではもはやないような気がするんですが、 実際のところどうなんですか?
やはり Kiln Dry のような人工乾燥しているんですかね?
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Re: 木が乾く・・・・!? ( No.18 ) |
- 日時: 2009/11/22 22:34
- 名前: aya-yu <aya-yu@mxc.mesh.ne.jp>
- 参照: http://www5a.biglobe.ne.jp/~aya-yu/index1.htm
- 家具屋さん
>同一試験体で新材時、5年、10年、30年、50年、と、強度変化を測定しなければ厳密とは言えません。 なるほど。確かに小原氏の研究も疋田氏の研究も、同一試験体での測定ではないですから、厳密なものとは言えないかもしれませんね。 私自身、幾つかの小原氏の著書を読んで、その理論に「説得されてしまった」面があるのかもしれません。(笑)
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Re: 木が乾く・・・・!? ( No.19 ) |
- 日時: 2009/11/22 22:53
- 名前: シェルターハット
- 皆さん、こんにちは。
なるほど・・・頭の中が少し整理されてきました。
ダンさんの説は、 結晶化するのは樹液である。 (樹脂より樹液と言い換えた方が分かり易いと思います。) 水分が抜けた上に樹液が結晶化する事で結果として硬くなるのである。 こんな感じでしょうか。 樹液を緩衝材として捉える点は、直感的に理解し易い気がします。
aya-yuさんが紹介された説は、 セルロースは元々結晶領域と非結晶領域から成り立っている。 伐採を機に結晶領域が増え、保水性のある非結晶領域は減る。 (乾燥が進む事で水分量が減り、相対的に結晶領域が増える?) この状態変化を一般的にセルロースの結晶化と呼ぶ。 こんな感じでしょうか。
いずれも参考になりました。 私自身「硬くなる」事については経験的にも異論はないのですが、 ガラス化については疑いを抱いております。 セルロースの結晶化についても、まだまだ議論の余地がありそうですね。
たけぞうさん、面白い話題をありがとうございます。 何年も前、この掲示板には博識な方や経験豊富な方が大勢いらっしゃって、 その知識を惜しげもなく分け与えてくれたものです。
皆さんのおかげで久しぶりに思い出しました。
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Re: 木が乾く・・・・!? ( No.20 ) |
- 日時: 2009/11/23 00:20
- 名前: dick
- 横から失礼します。
夢の無い話かも知れませんが、完全な自然乾燥の材などは存在するのでしょうか?
現実的に流通する事はほぼ無いと思いますが・・・
有るとすれば、長い歴史が有るメーカーの倉庫に奇跡的に眠り続けたデッドストックくらいしか無いのでは?
また人工乾燥の第一の目的は、縮みや割れなど寸法の狂いを防いで材を安定をさせる事です。
まだ蒸気乾燥が一般的かもしれませんが、圧力をコントロールしたりして技術の進んだ乾燥方法も有ります。
なので人工乾燥は、表面だけ乾かして内側は生乾きをしている印象を持ちかねないですが、ギター製作同様にその業界も長年技術を磨いています。 一概に「自然乾燥が良い」とは思えません。
最低でも品質管理の面では優秀だと思います。
セルロースの話はロマンが有って嫌いでは無いのですが、もう昔から良材の枯渇は解かっていましたので数十年前から植林や促成栽培され今ではそんな材が出回っています。
その様な無理矢理大きく育てられたモノの材質の方が、含水率よりも余程音には影響が出ると思ったりします。
長年ギターを弾いていて音がこなれていく感じはしますが、木が乾いていく感じって私は非常に曖昧に思います。
古くて良いギターは「枯れた」からでは無く、弾き込みと単に良材を使っているからでは?とも感じます。
この「弾き込み」って表現も曖昧ですけど(笑)
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Re: 木が乾く・・・・!? ( No.21 ) |
- 日時: 2009/11/23 07:45
- 名前: 家具屋
- 皆様、おはようございます。
G坊様
私はギター屋さんではないのでよく知りません。 黒檀、ローズは乾き難いので人工乾燥していても不思議ではないですね。 スプルースやマホガニーは水気が抜けるのが早いですから天然乾燥かもしれません。 私もdick様と同じで人工乾燥に悪い印象を持っていません。 例えばスプルースの場合、どのぐらいの乾燥期間が必要と考えておられますか?
aya-yu様
小原氏、疋田氏の研究を否定している訳ではありませんよ。 概ねそのような傾向があることは理解しているのですが、 分野違いの他人様の研究結果をそのまま引用しても所詮想像の域を出ていないでしょう。 (そのような想像が一番楽しかったりしますけどね。) ギターの場合、素材の単純な強度変化を証明してもさほど意味がなく、それと音との関係ですから、 実際にギターで検証しない限り、どれだけ信頼性の高い研究結果も全て参考程度ですよ。
dick様
ギターに使われているかは知りませんが、完全な自然乾燥の材は存在しますよ。 銘木屋さんに行けば10年どころか30〜40年ぐらいの材がゴロゴロしています。 天然生=良材、、、少し単純過ぎるのではないでしょうか? 人工乾燥=劣化、どちらも図式としては同じように感じます。 そもそもギターにとっての良材とはどのようなものなのですか? 植栽されたものでは絶対実現出来ないものなのですか?
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Re: 木が乾く・・・・!? ( No.22 ) |
- 日時: 2009/11/23 08:28
- 名前: aya-yu <aya-yu@mxc.mesh.ne.jp>
- 参照: http://www5a.biglobe.ne.jp/~aya-yu/index1.htm
- シェルターハットさん
>何年も前、この掲示板には博識な方や経験豊富な方が大勢いらっしゃって、その知識を惜しげもなく分け与えてくれたものです。 私もよく覚えています。私自身、とても参考になるお話が多くありました。でも、きっと今もこのページをご覧になっているような気がするのですが・・。
私の書き込んだ内容についての要約は、ほぼ、おっしゃる通りです。1点だけ >乾燥が進む事で水分量が減り、相対的に結晶領域が増える? これについては、「乾燥が進む」と言うより「木材の老化が進む」という事のようです。 「国産ヒノキ」に限り、「小原氏のデータが正確なものであれば」、振動伝達に関わりが深いであろう「曲げ弾性」の弾性係数は、最初の50年間で17〜18%増加することになります。その後、150年かけてさらに約5%ほど増加するようです。水分に関わって「乾燥する」というよりは結晶領域が増えて「硬性が高まる」ということのような気がします。 (「乾燥」の過程については、乾燥みかんの経験から、個人的にダンさんの説を支持させて頂きます。[笑])
また、宜しくお願いします。
家具屋さん おっしゃる通りと思います。私の書き込みの文章上の表現の問題が大きいのかなと思っています。
ギターの音の変化については「弾きこみのプロセス」と呼ばれるものもありますが、残念ながらこれこそ多くのプレーヤーが認めつつもそのメカニズムの解明は非常に難しいようですね。貴重な楽器を試験体にはできないですから。
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Re: 木が乾く・・・・!? ( No.23 ) |
- 日時: 2009/11/23 09:21
- 名前: rasta
- たけぞう様、皆様
ギター材は自然乾燥で15%前後にして人工乾燥で5%から8%にし、更に大気湿度50%程度になじませてから使われているのではと考えていますが、どうでしょうか。もしそうなら自然環境で材の乾燥が進むのには相当の年月がかかるのではないでしょうか。
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Re: 木が乾く・・・・!? ( No.24 ) |
- 日時: 2009/11/23 14:32
- 名前: dick
- 家具屋 さま
>銘木屋さんに行けば10年どころか30〜40年ぐらいの材がゴロゴロしています。
そうですねそこが有りました。盲点でした。 ただ、ギターに関して量産ベースと考えた場合は難しいと思います。 使用してもワンオフや限定になると思います。
私は以前促成栽培(ギターに関して)の材の存在をよく知らない時にやたら重いマホガニー材が手に入りました。 それまでマホガニーって比較的柔らかくて軽い材と認識していたので非常に驚きました。
分けてもらった相手に訳を聞くと「コレは当り材だね。けど、昔はこんな材も多かったんだけどね」と言われました。 ついでに「ひょっとしたら促成モノじゃないのかな?」と言われました。 よく考えるとマホガニーは高級なテーブルやイスにされてる材なので柔らかかったり弱かったりする筈有りません。 その疑問からそ色々と後に学びました。
そこで色々「材」を見ていると、明らかに木目が悪い物が有りますよね? コレは見た目の美しさも有りますが、スプルースを例にとったら、余りにも木目の幅が揃ってないモノとかはトップ板に使うのは躊躇います。
昔の材は良いと私が感じるのは、単に古いからでは有りません。 レトロ趣味や環境問題などの大きなテーマでも無いです。
ギター全体の生産本数も少なく森がまだ多かった時代は「いい部分を贅沢に選べた」と私は考えています。
言い換えると今は贅沢には選べないので、昔なら使う事の無かった部分も使うようになったと思います。
結果的に今は良材の比率が低いと思います。
促成栽培の材を全面否定するつもりは無いのですが、やはり木目が粗い印象を持ちます。
それは強度や耐久性にはやはり不利なモノが有ると思いますし、反りやネジレが出れば結果的にロスになります。
音が良ければ・・・とも考えられますが、「耐久性に不安は有るかもしれないけど、音はイイかも?」メーカーがそんなギャンブルの様なつくりを目指すとは考え難いです。 コストや利益計算の結果的な産物がまず有りきかも知れません。
落第せず及第点を必ず取れる作り方を目指せる材をいつの時代も使っているのではないでしょうか? その平均点が昔の方が高かったと思ってます。
その良材かどうかの判断は、きっと家具材や建築材などでも基本の基本は同じだと思います。
それ以上の「目利きの業」は個人工房や熟練された職人の世界だと思うので、量産ベースのモノでは生かし切れないと思います。
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Re: 木が乾く・・・・!? ( No.25 ) |
- 日時: 2009/11/24 19:41
- 名前: HD-308◆P.m8ZPU7x5E
- たけぞう様、みなさま、こんばんは。
横レスすみません。
いやぁ〜、懐かしいです。「法隆寺を支えた木」って西岡常一氏(宮大工)との共作本ですよね? 学生時代に読みました。(一応、建築工学科出身です) 小原二郎氏の名前を聞いても初めはピンときませんでしたが、題名が何となく聞いたことがあるなぁ〜と 思っていました。 当時(学生時代)の私は、小原教授や木の強度という話題にはまったく感心が無く、宮大工の西岡氏と 法隆寺との関わりや、構造の歴史に興味があって読んでいたのだと思います。今ではその内容など まったく思い出せませんが…。 この本で得たのは、今では有名な宮大工である小川三夫氏が西岡氏のたった一人の内弟子、後継者だった ということぐらいでしょうか…。お恥ずかしいです。 懐かしかったものですから、チョッと昔を思い出して書き込んでしまいました。 たけぞう様、トンチンカンなレス申し訳ありません。
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Re: 木が乾く・・・・!? ( No.26 ) |
- 日時: 2009/11/24 22:28
- 名前: 家具屋
- dick様
私とは少し視点が異なると感じますが、書かれている意味はよく解ります。 その上で敢えて申し上げますが、、、(笑)
現在出回っているギターで目粗な表板を使っているものがあるのですか? 概ね年輪幅1〜2mm前後の極上柾板が殆どと思うのですが? 確かに昔に比べて大径老大木は少なくなっておりますが、 天然生なんて夢のまた夢の建築材等に比べれば贅沢していると思いますよ。
促成栽培とは植林されたものですね。 適地を選んで植えるのですからスクスク育って当たり前です。 そもそもギター材の為に植林しているわけではないのですから、 品質等に関して、文句?(愚痴)を言ってもつまらないですよ。
年輪幅5mm程になればギターを見慣れた方からすればかなり目粗に見えますね。 そのような材を使って作られたギターはまるで使えない代物ですか? 或いは表板を3枚接ぎにしたようなものはどうでしょう? まぁ、頭ごなしに否定しないで一度作って弾いてみましょう。 論より証拠です。(笑)
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Re: 木が乾く・・・・!? ( No.27 ) |
- 日時: 2009/11/25 04:55
- 名前: dick
- 家具屋 さま
仰る通り私の書き込みは楽しい考え方では無いですね(笑)
天然モノは確かに夢です。 そもそもギターって贅沢極まり無い木の使い方ですので、その上重箱の隅をつつく様な事を言ってると何かのバチが当りそうですね。
>促成栽培とは植林されたものですね。
ここは私が言葉足らずです。 私が思い描いていたのは単なる植林で育てたれた物ではなく、成長促進剤を使った物の事です。
この辺りは実際に見てくる訳にいかず、色々な話があって確かな事では無いのですが、薬を使うタイミングが色々と有るらしいのです。 例えば、ある程度の大きさになるまではさほど使用せず、大きくなってから沢山の薬を使う。 すると外側の年輪がより広い幅になる。 こんな感じです。
単なる私の感覚では、例えば1年で1cm太く成長する物を無理矢理1年で2cm太くすれば、質が良くなるとは思えません。
>年輪幅5mm程になればギターを見慣れた方からすればかなり目粗に見えますね。 そのような材を使って作られたギターはまるで使えない代物ですか?
トップ板は確かに5mm幅有れば目粗に見えます。 それが均等でない場合、どうしても強い所と弱い所が出ると思います。 なので出回っているそんな物は必ず、力のかかる中心部分が目の詰ったブックマッチで両端は目が粗い物が多いです。。
目の詰り方によって、鉋をかけたりする時に固さが違うので「今は大丈夫だけど、数十年単位で考えたらどうなのか?」と思ったりはします。
何せ一般的な鉄弦ギターは今の形や構造になって100年も経っていません。 (非常に大雑把な言い方ですみません) 存在する古いギターは比較的贅沢に材を使用しているので、現在そんなに贅沢が出来ない材で作られたギターが果たして「心配し過ぎ」なのかどうなのか・・私には正直解かりません。 ただ、「良い事」とは考えていないのも確かです。
家具屋さまの仰る3枚接ぎは「後々ギターはそんな方向になって行くのかも知れない」と考えた事が有ります。 私の直感のみでは、やはり継ぎ目の強度に不安が有ります。 やるなら内部の構造も考えなければならないので単純な話では無いのですが・・・
そう言えば以前にタカミネ(だったかな?)が竹で出来たギターを作ってました。
それはトップ板が3枚接ぎどころか10枚接ぎは有ったでしょうか?
1度だけ触りましたが、大変面白いギターで個性的な音がしました。
はじめ見た時に「これからは1枚板のギターなんて超高級機種だけになってしまうのかも?」と思いましたが竹ギターは消えてしまいました。
多分返ってコスト高なのか、市場に需要が無かったのかだと思います。
もし多く支持されていたのなら、色々な考え方のギターが増えてたのかも知れませんね。
エコに便乗して、マーチンが本気で「バンブーシリーズ」作って、クラプトン辺りが使ったら・・・
無いですね。。そんな話は(笑)
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Re: 木が乾く・・・・!? ( No.28 ) |
- 日時: 2009/11/25 20:11
- 名前: ダン
- aya-yuさんの実験、拝見させていただきました。
私が目撃した強制乾燥材とほぼ同じ状態でしたので、aya-yuさんの推測は程度の違いこそあれ当たりであると私は思います。
木の経年変化による硬度の推移については、実際に若い木と古木を削りくらべてみるとその差がよく解ります。 古木の削りにくいことったら・・。
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Re: 木が乾く・・・・!? ( No.29 ) |
- 日時: 2009/11/26 16:45
- 名前: G坊
- いや本当に贅沢な製作だと思います、ギターというのは。木の特性として建築は家具みたいに、過重に耐えるという役割ではなく、音を響かせるとう側面を最大限発揮させるのですからね。
個人的に木フェチのわたしとして興味があるのは、 樹種ですね。まあ、ここにたむろする皆さんが ある程度樹種フェチであることは共通でしょうが、笑っ、ハカランダの木目なんかほとんどおいしそう と感じてしまいます。
トップのスプルスなどはそうか、針葉樹だからまだ 生育がはやくて枯渇が比較的問題にならないのですかね?
サイドバックであれほどまでにハカランダがよい(とされている)はどうしてなんでしょうか? ギブソンでは当初SJ-200にハカランダが使われていましたが、ワシントン入する20年も前にメイプルへと変更されたその理由は?
同様に高級家具材とされるチーク、オーク、チェリーなどはサイドバック材としたらどうか?
いろいろ興味はつきません。。。
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Re: 木が乾く・・・・!? ( No.30 ) |
- 日時: 2009/11/26 20:41
- 名前: 気になりました
- G坊さま
チークやオークは知りませんがサイド・バックがチェリーのギターは触った事が有ります。
確かカナダ製のサイモン&パトリックと言うギターだったと思います。
私の印象ではレスポンスが早い感じでした。 かすかに甘い感じも有りました。
シダートップだったので、そちらの影響も多々有ると思いますが、フィンガーピッカー向けの音に感じました。
その時に私が求めていた音とは違ったので買いませんでしたけど悪く無かったですよ。
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Re: 木が乾く・・・・!? ( No.31 ) |
- 日時: 2009/11/28 00:53
- 名前: aya-yu <aya-yu@mxc.mesh.ne.jp>
- 参照: http://www5a.biglobe.ne.jp/~aya-yu/index1.htm
- HD-308さん
>。「法隆寺を支えた木」って西岡常一氏(宮大工)との共作本ですよね? おっしゃる通りです。西岡氏もとても有名な方ですよね。「法隆寺を支えた木」は西岡氏の話に小原氏が補足する構成をとった本ですから、小原氏の研究が印象に残らないこともあるのではと思います。 日本加工技術協会の「木材の基礎科学」という本の「3章木材の劣化」の中の「木材の非生物的劣化」には、生物に関わらない木材の劣化について、風化・老化・燃焼の3つが挙げられており、その中の「老化」の中で小原氏の研究が紹介されていました。 「日光、風雨、連続加重などの外的因子をできるだけ排除し、通常の大気内に置かれた木材にもゆるやかな変化が起こり、これを老化と称している。老化は基本的には木材成分の緩慢な熱分解である。木材の老化については、古建築物保存の見地から行われた小原らの研究が、ヒノキの強さの証明としてよく引用され、いわゆる『枯らし』の効果が楽器製造面で検討されている。」としてセルロースの結晶化等研究結果が紹介されています。私の場合は、それが小原氏の研究との出会いでした。
ダンさん つまらない実験を読んで頂いて有難うございます。 私は「木が乾く」ことと、木材成分の緩慢な熱分解である老化の「セルロースの結晶化と崩壊」は、別物であると思っています。木材の乾燥は、もう少し短いスパンの話のような気がしています。特にトップ板のシーズニングは、それほど長い期間はされてないものが多いようですね。できたてやそれに近い状態から手元にあるギターは6本ほどですが、それらのほとんどのギターが手に入れてすぐは1弦の音が濁っていたり、6弦が妙な響き方をしたり、あるいは逆に響かなかったりしていました。後ろ指を差されるほどのギターたちと接してきた経験からは(笑)、「湿っぽい音だったな」という印象を受けています。古いギブソンの資料には、数年間の音の変化に対して塗装の影響を指摘しているものもあり、ラミレスが木目と垂直方向への振動伝達に対して、塗装の影響の大きさを述べていることや「弾きこみのプロセス」も考えると、これも複合的な要素はあるのかもしれませんが、製作されて5年くらいまでの音の変化には、水分の影響を感覚的に感じています。ただし、これこそ飽く迄感覚的なものであり、出典もなければ、はっきりとした根拠も無い「想像」ですが。
dickさん 竹でギターを作ったメーカーは、ヤマハです。一時期、とても欲しかったので、よく覚えています。個人製作で竹にこだわっておられる方もいらっしゃいますが。 タカミネも以前、「木曽クライン」等、面白いギターを作っていましたね。改革精神が似ているかもしれませんね。
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Re: 木が乾く・・・・!? ( No.32 ) |
- 日時: 2009/11/28 06:09
- 名前: 家具屋
- 皆様、おはようございます。
ギター材の場合、乾燥期間が10年以上というのも珍しくないようなのですが、、、
乾燥期間は主に樹種や材の厚みによって変わってきます。 昔から”1寸1年”と、よく申しまして、建築材等、スギやヒノキの乾燥期間の目安です。 8寸厚のカヤの碁盤を作る場合の乾燥期間は概ね10〜15年程と聞いております。
ギターの表板の場合、粗取り寸法をよく知りませんが、製作者の方に見せてもらったものの厚みは、 フラットトップで概ね5〜6mm、アーチトップで概ね25〜30mm程でした。 この厚みの差ですと単純計算でアーチトップ用の材は乾燥期間が5倍要りますね。 仮にフラットトップが5年ならアーチトップは25年です、が、何やら怪しくないですか?(笑) スプルースは乾燥が速いと聞いていたのですが、随分と乾きの悪い材です。 この基準なら尺物の柱は300年、1m級の柱なら1000年!? 乾燥する前に建物が朽ちてしまいそうです。(笑)
材を長期間寝かすのは乾燥以外に別の理由があると考えるほうが自然ですね。
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Re: 木が乾く・・・・!? ( No.33 ) |
- 日時: 2009/11/28 07:25
- 名前: aya-yu <aya-yu@mxc.mesh.ne.jp>
- 参照: http://www5a.biglobe.ne.jp/~aya-yu/index1.htm
- 家具屋さん
>材を長期間寝かすのは乾燥以外に別の理由があると考えるほうが自然ですね。 おっしゃる通りかもしれませんね。このこと自体については、既に書いた通り私の書き込みには特に根拠がないです。
ただ、できてから2年くらいの間は、「名工の作品」でも、くるいが出やすく調整が必要になるギターはとても多いです。それと、ポツリポツリと5年程度でネックのリセットをする必要のあるギターも結構あったりします。これらの原因を水分以外に求めるとすれば、どんなことが考えられるでしょうか? それから、水分に関しては木材の形を保つ事(寸法の安定化)と振動伝達と同じ土俵で考えてしまっても特に支障はないと考えていいのですよね?結合水との関わりも気になるところです。 トップに貼られるブレイシングのシーズニングの状態にも興味があります。
水分の問題も私にとって結構長い間考えつつも答えの出ていない疑問の一つであったりします。とにかく楽器になってしまったギターには個体差もあり、分かっている事よりも分からない事のほうが多いなと感じます。それを面白がってもいるのですが。
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Re: 木が乾く・・・・!? ( No.34 ) |
- 日時: 2009/11/28 08:21
- 名前: HD-308◆P.m8ZPU7x5E
- たけぞう様、みなさま、おはようございます。
家具屋様、aya-yu 様、皆さま。 内容の濃いお話ありがとうございます。 勉強になります。
aya-yu 様。 >日本加工技術協会の「木材の基礎科学」という本の「3章木材の劣化」の中の >「木材の非生物的劣化」には…
aya-yu様らしいなぁ〜。ギターへの探究心も半端じゃないですからね。 ご自身のギターも内部の隅々まで把握してますよねぇ。本当にギターがお好きなんですね。 いつか機会がありましたらOOO-18’36の枯れた音色と素晴らしい演奏聴かせて下さいね。 宜しくお願い致します。
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Re: 木が乾く・・・・!? ( No.35 ) |
- 日時: 2009/11/28 08:55
- 名前: aya-yu <aya-yu@mxc.mesh.ne.jp>
- 参照: http://www5a.biglobe.ne.jp/~aya-yu/index1.htm
- 続けての書き込みをお許しください。
ちょっと検索してみたら、シェルターハットさんが紹介されたヴァイオリン製作家の佐々木さんの論を下記に見つけました。先にも書きました通り、私は結晶化と水分の問題は、関連はあっても基本的には別物と考えている点で氏と考え方が異なりますが、細胞内の結合水が環境に順化するのに3〜4年かかるのが事実ならば、製品化された楽器の音が落ち着くのに5年程度かかるというのも、「ちょっぴりだけ」根拠があるような気がしてきました。(笑) http://www.sasakivn.com/werkstatt/report/holzchemi.htm
HD-308さん >いつか機会がありましたらOOO-18’36の枯れた音色と素晴らしい演奏聴かせて下さいね。 たいした腕ではないですが有難うございます。 ここのページは、本当に面白いので、てんこもりの仕事を抱えたまま、つい夜中から朝にかけて書き込んでいるうつけ者ですが、また、宜しくお願いしますね。
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Re: 木が乾く・・・・!? ( No.36 ) |
- 日時: 2009/11/28 20:18
- 名前: 家具屋
- aya-yu様
私のようなギターのことを何も知らない者にお付き合い下さり感謝します。
申し訳ありません。実際のギターのことになると原因を特定するのは本職の領分かと。 まぁ、考えられるのは木の癖でしょうか?
ギターの胴部分なら部材同士を組み合わせて狂いを相殺することも可能でしょうが、 棹周りは他に支える部分もありませんし、鉄芯と指板が補強となっていると思いますが、 胴との接合部分はかなりの負荷がかかるでしょう。 今まで何の負荷もかかっていなかったところにスティール弦の張力が襲ってくるのですから、 ある意味、不具合が出ても当然のように思います。 また、名工ともなれば耐え得る強度ギリギリに作ってあったりするのではないですか? 相手は天然素材ですから全てが完璧とはいかないでしょう。 これが量産メーカーなら必要以上に頑丈に作っていたり。。。
私が過去にオーダーしたギターで、メイプルやマホガニーより強度が高く、 乾燥期間30年超の材で棹を作ってもらったのですが1年で見事に捩れましたよ。(笑) その後、指板を修正してもらい今は落ち着いて全くビクともしません。 割ったり削ったりすると今まで安定していたものが割れたり曲がったりというのはよくあることです。
>水分に関しては木材の形を保つ事(寸法の安定化)と振動伝達と同じ土俵で考えてしまっても特に支障はないと考えていいのですよね?
申し訳ありません。上記の意味がちょっと解らないのですが、、、
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Re: 木が乾く・・・・!? ( No.37 ) |
- 日時: 2009/11/28 23:54
- 名前: aya-yu <aya-yu@mxc.mesh.ne.jp>
- 参照: http://www5a.biglobe.ne.jp/~aya-yu/index1.htm
- 家具屋さん
こちらこそ丁寧に答えてくださって有難うございます。 >私のようなギターのことを何も知らない者にお付き合い下さり感謝します。 家具屋さんの始めのお話は、そのお立場から「ギターの経年変化に、単純に材料の理論をそのままあてはめると答えは違ってるかもしれないよ」と教えて下ったのだと理解しています。私自身、読んでくださる方に語弊を与える事が最も心配するところなのでとても有難かったです。 それと私にとって「結晶化が木を乾す主な原因」とされる方たちのご意見よりも、もともと考え方はそう遠くないように感じていますし、なるほどな、と思うところが多いです。 こちらこそ宜しくお願いします。「材のくせ」というのは確かにあるのでしょうね。
>水分に関しては木材の形を保つ事(寸法の安定化)と振動伝達と同じ土俵で考えてしまっても特に支障はないと考えていいのですよね? 木材の含水率が若干高くなっても、材の伸縮等がたいして起こらない範囲であれば、ギターの振動伝達自体に支障は起こらないものでしょうか、と言う質問でした。(と言いつつ、この文が解り易いかも自信はないです。) 変形がほとんど起こらない微妙な量でも含水量が増えた場合に、素人考えには、トップ板の質量が少し重くなったり、木が多少なり緩んで柔らかくなって弦振動が伝わりにくくなって音に変化があったりはしないものかという素朴な疑問です。
ギターの場合、ネックジョイントについてはほぼ全てのギターが最大限、強度を高めています。でもトップ板については(音作りのねらいによりますが)ぎりぎりまで薄く作りこんでいるものも多くあります。最近のソモジギターなど、確かに懐中電灯の光を通します。 ただ、これも内部の力木の配置を工夫する事で、事実上、ブリッジにかかる張力をほぼ全て力木で支え、トップ面ではほとんど支えていない構造になっています。手元のソモジ’05MDなど新品から張りっ放しでも全く調整の必要がない例もあります。仮にふにょふにょで柔らかいトップ材でもギターとしての形は保っているような気がします。 一方、一般的に新しいギター(特に2年以内のものあたり)は、過湿に気を使うことが多いです。それなりのシーズニングはされているはずなのですが、同じ条件の場所に置いてケースの内部が湿りやすいのも新しいギターだったりします。 これらを素朴に考えると「含んでいる水のせい?」と思えて、「本当は、ギターの特にトップ板は、もっとシーズニングを長くしっかりやらないといけないんじゃないの?」という印象を持ちたくなります。「ギターメーカーの中に壊れない程度に水気を含んだトップのギターを出荷しているところない?」という疑問だったりします。 けれど、最近のシーズニングの状況が、どの程度進歩して効果的な方法をとっているのかは、よくわかっていません。ダンさんがご覧になった例のように人工乾燥の結果が今でも厳しい状況であるのかも興味のあるところです。また、ベクトルは分散するものの70kgほども力が加わり弦振動を伝える薄いギターのトップに本来どれだけの時間のシーズニングが必要なのかな、とも思うのです。
ちょっとおまけを書かせてください。 個人的に、最近のソモジギターのトップは、意図的に木目の粗い材を使っているような気がします。単なる予想ですが張り巡らされたラティスブレイシングとの相性の問題のような気もしています。作り方によっては、私も嫌いな「促成栽培」の木材も「使える」時代もくるのかもしれないのかな、と思う今日この頃です。
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Re: 木が乾く・・・・!? ( No.38 ) |
- 日時: 2009/11/29 07:47
- 名前: 家具屋
- aya-yu様
かなり突っ込んだ事柄ですので専門的な知識の無い私には何ともお答え出来ません。 私はもっと素朴且つ単純な疑問を持っております。
例えば結晶化によって強度が上がり音に良い影響を及ぼすとすれば、 もっと強度の高い(具体的には硬く脆い)材を使えばどうなるのかなぁ???とか、 棹部分かなり早い時期から補強を入れているようですから、 マホガニーでは強度不足なのは明らかなのに、何故そこまで拘るのか?とか、 (比重にすると十数倍の鋼鉄を仕込んだ棹はマホガニーとかけ離れていますよ。)
木材に含まれる水分と音との関係、、、なかなか難しいですね。 ただ、木材中の水分が増減するには外気の影響が当然あるはずです。 単純に考えて先ず、湿度が変化し、その後に水分量が変化するという過程ですが、 我々の耳に聞こえる音は空気を伝わってくるものですよね。 ギター本体の音が変化しなくとも湿度が変われば違って聞こえるかも?とは思います。 答えになっていなくて申し訳ありません。
2年内外の不具合についてもなかなか難しい。。。 それならば、後2〜3年程材を寝かせれば不具合は起こらない、とも言えそうですが、、、 さて、どうなんでしょう? 塗料にしろ、接着剤にしろ、多少の水分を含んでおりますし、 強度的には問題なくとも完全に硬化するには数年を要する場合もございます。 また輸入もののギターならガラリと環境が変わるのですから、 それらの要素も含め、原因を一つに特定するのは難しいかと思います。 ただ、木製品は完成して数年程は落ち着かないものと思っております。 もしかするとケースに使われている木材が乾燥不足だったりしませんか?(笑)
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Re: 木が乾く・・・・!? ( No.39 ) |
- 日時: 2009/11/29 09:46
- 名前: aya-yu <aya-yu@mxc.mesh.ne.jp>
- 参照: http://www5a.biglobe.ne.jp/~aya-yu/index1.htm
- 家具屋さん
>塗料にしろ、接着剤にしろ、多少の水分を含んでおりますし、 強度的には問題なくとも完全に硬化するには数年を要する場合もございます。 これは可能性の一つとして、私にはとてもストンと落ちた感じがします。トム・ウィーラーという方の書いた「ザ・ギターブック」という本の中に「ギブソンが付け加えるには、ギターに使われるラッカーは、ギターがつくられてから最初の数年間に消えてしまう溶剤を含んでいる。そのラッカーは、木材の振動に影響を与えるので、このようにギターをねかせたりひいたりして熟成させることによって、音をやわらかく豊かにできるのである。」とあります。また、かなり以前に一度だけ、ソモジ氏と(私のせいで頓珍漢になった)電話のやりとりをした中で、リペアの難しさを理解しつつも当時エポキシ系の接着剤を一部使っていた事について「木材の中に接着剤の水分と反応してしまうととても困る部分があり、そうしたところにエポキシを使っている」という答えをもらったのも思い出しました。一般で考えているよりも、塗装や接着剤の水分の影響は大きいのかもしれませんね。
マホガニーについてもギターブックには、ギターに使われるようになった経緯について書かれた文章があります。「・・ギルドのF20やマーチンD18のように、大手がマホガニーギターの製作を開始して以来、アコースティックとエレクトリックどちらのネックにもひんぱんに使われるようになった(たとえばギブソン)。明暗さまざまな茶褐色のこのウッドは安定性、堅牢性、耐久性の面で優れており・・、また、伸縮性が低いので接着等の作業がしやすく塗装も美しくしあがる。・・」といった具合です。要は「はやり」があって定番になった感が強いです。ギターの歴史関連の文献からは、例えばマーチンがアディロンダックスプルースを使い始めたように「手に入りやすい材」を使う傾向があります。そして使われ始めると「ピン1本で音が変わる」と言われるほど「音色」が微妙なものであるためにギターメーカーが「変化に対して保守的にならざるを得ない面」も持っているのだと思います。マーチンのハカランダ信仰はとてもいい例ですし、ソモジ氏がご自分のギターについて、サイドについてはタイベック(樹脂)のみで作る事も可能としながら、わざわざラミネートしているのも「自分のカスタマーはそれを許してくれないだろう」という趣旨の文面を書かれた事があります。これも断定はできませんが、相手が音であるだけに、ちょっとした材の変更でも実際に変化する事があり、それに対してプレーヤーはナーバスになる面があります。新しい材でネックを作ることが受け入れられて定着するには結構な時間と実績が必要なのだろうと思います。
今後とも宜しくお願いします。
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Re: 木が乾く・・・・!? ( No.40 ) |
- 日時: 2010/02/05 18:25
- 名前: 気になりました
- 先日ライブ会場で出演者の方達とギター談義をしたのですが、とある方が「このギター重くてねぇ・・もう少し乾いて軽くなったら良い音鳴りそうなんだけど・・」と言ってました。
よくよく聞くと、「古いギターは「乾き」が進行して体重が軽くなる」と言う持論の方でした。 (勿論その理論では乾くと良い音になるそうです)
その方が仰るにはギターの重さは乾燥後と「全然違う」らしいです。
なのでその方は近頃は実際に体重計でギターの重さを計ってると仰ってました。
私的には気持ちは解らないでもないかな?って程度の話で殆んど眉唾だと感じました。
ただ、私はそんなデータは当然持ち合わせてなく否定も出来ずに「うーん・・そうかなぁ・・・?」ってなりました。
確かに乾燥が進行して軽くなるのは納得いきますが、実感出来るほどの重さの変化って起こるのでしょうかね?
仮に乾燥によって100g軽くなっても、長期間に渡り満遍なく変化するので、重さに対しての実感がそれほど感じられるとも思えないのです。
しかも到底完成後のギターが100gも水分が抜けるとは思えません。 数g〜数十gの違いが解るとも思えませんし・・・
「軽くて鳴る様になったって、、元々だったんじゃないの?」って思ってしまいます。
長期に渡りギターの体重変化のデータを持ってる方(もしいらっしゃったら)や、率直な意見などを聞かせて頂けたらと思っています。
スレ主さま 同系統の話題なので、新規スレ立てをするまでも無いと思い書かせて頂きました。 ご了承下さい。
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Re: 木が乾く・・・・!? ( No.41 ) |
- 日時: 2010/02/07 07:43
- 名前: aya-yu <aya-yu@mxc.mesh.ne.jp>
- 参照: http://www5a.biglobe.ne.jp/~aya-yu/index1.htm
- 長期に渡るギターの体重変化のデータはありませんが、このスレッドで楽しませて頂いたので意見だけ書かせてください。
一言で言えば、実感するのは難しいかなと思います。 理由は、@同じ湿度の中での新材と古材の含水率の差は、先の小原氏のデータに寄れば、1〜2%しかなく、水の比重が1であることから、ペグ等含めた2kg程度のギターが新材・古材で作られた場合の違いは40g以下であること。(ちなみに木材の細胞壁の比重は、一般的に1.5程度だそうです。伐採直後の芯材の含水率は、もともと40%と言われています。数年で気象に順化し結合水が奪われると日本では15%程度の含水率になるそうです。それ以降は、気候への順化はあっても、「含水率がどんどん減っていく」というものではないようです。) A日々の湿度変化による含水率の変化のほうが大きく、極端な例として仮に大気湿度が30%から90%に変化した環境に長く置くと、順化による含水率は10%以上変化し、理屈上単純に考えるなら200g近い変化が起こる可能性があり、経年変化を実感することを難しくしている事。 B主に音に直接影響するのはトップ板であり、それは全体でも数百グラム単位の世界。(接着剤や塗装については数g単位の話になるかと思います。)ソモジギターなど、もともとトップが明かりを通すほど非常に薄く軽くできているが、サイドバックは重く、全体では他のギターより重め。こうしたギターの個性の違いを考えると、もともとギター全体の重さで鳴りを語るのは難しいと感じること。 ヨーロピアンやイングルマン等、できたてのギターの白っぽいトップは、日に当てなくても数年でけっこう焼けて茶色くなります。薄い塗装のギターは、かなり「目やせ」も起こってきます。それらの変化は音に大きな変化をもたらしているものと感じていますが、木材の老化、数十年・数百年単位の緩慢な熱分解であるセルロースの結晶化の話とは、今のところ関連はあっても別物と私自身は考えています。 ただ、短期的には、一度乾燥した木材は、毛細管が非常に少なくなり、乾燥中の材に比べ同じ湿度環境でも低い含水率で環境と平衡するそうです。(善本氏の「木のはなし」によれば、乾いた木材の細胞は、水分を含んでいる細胞に対して毛細管の減少により内部表面積が1000分の1にもなるとのことです。)同じ湿度60%程度に置かれたとき、5%程度違いがでるようですから、一旦乾ききったギターと、シーズニングをしていない乾燥途中の木材で作った同じ2kgのギターでは、100g程度の違いがでる可能性はあるのかもしれません。 直接のデータがあるのではなく、飽く迄得られたデータの組み合わせでの仮説ですのでよろしくお願いします。
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Re: 木が乾く・・・・!? ( No.42 ) |
- 日時: 2010/02/07 20:09
- 名前: 気になりました
- aya-yu さま
有難う御座います。具体的な数字のデータ興味深いです。
>同じ湿度の中での新材と古材の含水率の差は、先の小原氏のデータに寄れば、1〜2%しかなく
やはりそうなんですね。コレは感覚的に納得出来ます。
>日々の湿度変化による含水率の変化のほうが大きく
これも合わせて考えても「体重の違い」は実感し難いですよね。。
湿度による含水率の違いも、多分無塗装の材木の話と思います。 大雑把ですが、ボディーの半分は塗装されていますので、湿気を吸い込む量も少なくなると思います。 そうなると益々重さの変化は少ない事になります。
私の書き方が悪かったのですが、実は私は乾いて体重が変わる事自体よりも「軽くなると音が良くなる」と言う考え方に疑問と興味が有るのです。
確かに重量が変われば音の変化は避けられません。
先ほど話した方は、「乾燥過程」に注目して、その目安を重さで計っている様でした。 しかも乾燥に比例して右肩上がりに音も良くなると言う考え方。
>薄い塗装のギターは、かなり「目やせ」も起こってきます。それらの変化は音に大きな変化をもたらしているものと感じていますが、
しかし私はこの意見に近く、もっと単純に「ギター全体が落ち着く」や「馴染みが良くなる」ってニュアンスで感じています。 質が変わっていく様な感じ方です。
そして「このギターは軽くなったなあ」と感じた事が有りません。と言うより気にした事が有りません。
「ギターは年月が経つと音が変化していく」って話は常識の様に語られていますが、諸説色々有ってどれも決め手にかけるのも事実です。 多分1つのファクターで語ること自体がナンセンスだと思いますしね。
その私の「馴染み」って言葉もあやふやな主観ですので説得力が薄いですよね。 そう考えると、体重変化と共に起きる音の変化の継続データの方が説得力が有る気もします。
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Re: 木が乾く・・・・!? ( No.43 ) |
- 日時: 2010/02/09 00:28
- 名前: 家具屋
- 気になりました様
はじめまして、家具屋と申します。
>「このギター重くてねぇ・・もう少し乾いて軽くなったら良い音鳴りそうなんだけど・・」
そもそも、このように仰ることがよく解りません。 何故、重くて乾いていなくて良い音の鳴らないギターを選んで入手なさるのですか?(笑)
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Re: 木が乾く・・・・!? ( No.44 ) |
- 日時: 2010/02/09 03:28
- 名前: 気になりました
- 家具屋さま
そう言われればそうですね(笑) ハッキリ言葉にした訳では有りませんでしたが、その時仰ってた方のニュアンスでは「このギターはまだ新しいのでコレから軽く(良く)なる」って感じでしたね。
ライブ用にそのギターを使ってる感じで、その方は古いギター至上主義に感じました。
その方は持論を確信的に言っていたので、私的に面食らいまして深く突っ込め無かったですね。
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Re: 木が乾く・・・・!? ( No.45 ) |
- 日時: 2010/02/10 01:16
- 名前: 家具屋
- 気になりました様
重さや音を犠牲にしてライブ用に使い勝手の良いものを選んだということでしょうね。
いずれにせよ、100gでも水分が抜けて軽くなれば、その分木は縮みます。請合いますよ。(笑) 音が良くなる以前にどこかに不具合がでなければ良いですね。 含水率の低いものが欲しいのであれば、人乾材を使っているものを選べば良いでしょう。 ギター本体の重さにどれだけ影響するかは判りませんが、、、(笑)
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Re: 木が乾く・・・・!? ( No.46 ) |
- 日時: 2010/02/10 05:00
- 名前: 古都
- 荒らすつもりは毛頭ありません
先ず購入時から鳴るものを選びましょう。 次に乾燥に関する重量のことですが家具屋さんの意見に賛成です。 毎日使うギターで軽くなったと感じるのは、そうであっても疑問です。 ただ、ネックとボディーの重量差のありギターの場合 (例えばGUILD55)のようなヘッドの重い機種 そう感じるかもしれません。 体重は同じでも寝た子供は重いですから・・・。 それと、人間の感覚って結構敏感だと思いますよ コンマ数ミリの弦高でも違和感感じますし・・・。
結論は、よく分からない ならば、最初から鳴るものを選ぶ、というところでしょうか。
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Re: 木が乾く・・・・!? ( No.47 ) |
- 日時: 2010/02/10 12:58
- 名前: ダン
- 私は年のせいか、年々ギターが重く感じるようになってきてます・・。
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Re: 木が乾く・・・・!? ( No.48 ) |
- 日時: 2010/02/11 18:39
- 名前: 笑った
- ダンさん、うまい! 座布団10枚!
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Re: 木が乾く・・・・!? ( No.49 ) |
- 日時: 2010/02/14 00:38
- 名前: aya-yu <aya-yu@mxc.mesh.ne.jp>
- 参照: http://www5a.biglobe.ne.jp/~aya-yu/index1.htm
- 古都さん
>それと、人間の感覚って結構敏感だと思いますよ >コンマ数ミリの弦高でも違和感感じますし・・・。 おっしゃる通りと思います。 実は、家具屋さんの書き込みを読んで、思い出したことがありました。西岡常一氏の再建された薬師寺西塔は、百年後に東塔と同じ高さになるように若干高く造られているということです。「千年の釘にいどむ」という小学校の国語の教科書にもでてくる土佐派鍛冶職人の白鷹幸伯氏に関する文献に掲載された有名な話です。少なくとも故西岡常一棟梁は年月の経過による微妙な変化を見過ごさなかったと言えます。 http://www.frkw.com/index010.html 「法隆寺を支えた木」のなかで小原氏は、「ふつうの大気中では、木は自分の目方の15%程度の水分を含んでいる。ただし、周囲が乾燥してくると水分は減るし、湿ってくると増える。実際に建物に使われている木はふつう12〜20%の範囲を往復していると考えればよかろう。木は水を吸うと膨れるし、水分を吐き出すと縮む。・・それを比率で示すと、縦方向を1とすれば、横の柾目方向は10、板目方向は20である。つまり縦方向の寸法はほとんど変わらないが、横方向には大きく伸び縮みするということである。この方向の違いによって製品の形がひずむことを狂いという。だから木を組むときには、そのくせを読み、くるいをうまく逃がしてやるように考えなければならない。」と書かれています。デリケートな楽器は、だからこそ湿度に気を使って、室内をなるべく50%に安定させるようにと言われるのだと思います。 概ね適切な湿度に保管され続けたギターの微妙な重さの変化を長い年月触れている中で気がつく方がいらっしゃる可能性を完全に否定はできないかもしれません。 一方、表面の塗装をされていても内部は無塗装のものが多いギターは、過湿な劣悪な環境に置かれれば「重たく」なり、変形し、壊れるのだと思います。(2kgの木材が12%〜20%に変化すれば160g程度の質量変化が起こる事になります。これは、持てば気がつく人も多いと思います。) 年月による重さの変化を実感するのは難しいかなと思いつつ、私も断定はできないです。
ダンさん 実は、私もです。特にDはきつくなってきてます。(笑)
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Re: 木が乾く・・・・!? ( No.50 ) |
- 日時: 2010/02/14 10:39
- 名前: rasta
- aya-yu 様
>実際に建物に使われている木はふつう12〜20%の範囲 これは、平衡含水率のことをいっているのではないでしょうか? >2kgの木材が12%〜20%に変化すれば160g程度の質量変化 12%〜20%が平衡含水率なら計算結果はかわってくると思います。
ギターが壊れる要因としては、急激な乾燥による収縮があげられるでしょう。指板が縮んでフレットサイドが飛び出たのは、吸湿しても元には戻りません。
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Re: 木が乾く・・・・!? ( No.51 ) |
- 日時: 2010/02/14 12:44
- 名前: GT3RS
- 私のよく弾く
D−28の50年代、 ギブソンのLーOOの30年代など ヴィンテージギターの音は、 今現在の最高の科学技術を駆使しても、 つくり出せないすばらしいサウンドだと思います。 もしできたとしても、費用が掛かりすぎるのかもしれません。
ここで話されている、木が乾くというころに関連して、YAMAHAのギターで試されている温度、気圧、圧力などの変化を気に加えて、 人工的に、ヴィンテージの音を再現しようとするARE処理は、なかなか面白い試みだとは、思います。 程度よい古いヴィンテージギターの音が、新品のギターと比較して、音がよいのは、私は、当たり前のことだと思っておりますが、一般的には、まだまだ、認識されていないことだとも思っております。
企業の中にも、科学的に見えないものを解析して、よりよい音を追求する姿勢は、見習いたいと思うと同時に、着実に少しずつ、 進歩していることを実感します。 ヤマハのARE技術の広告サイトも面白いので、興味ある方は、一度見てみてください。 http://www.yamaha.co.jp/product/guitar/acg/l-are/index.html
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Re: 木が乾く・・・・!? ( No.52 ) |
- 日時: 2010/02/14 12:50
- 名前: 家具屋
- aya-yu様
>ふつう12〜20%の範囲を往復していると考えればよかろう。
屋内使用のギターと建築物とでは少し事情が変わってくるでしょうね。 実際、昨今の密閉されエアコンの効いた住宅事情では少し低い値になるでしょうし、 天乾材と人乾材でも違ってきます。
仮に重さ2kgのギターで金属等の部材の重さが500gとしますと、木材の重さは1.5kgですね。 木材の含水率が12%であれば含まれている水分は概ね160g、20%なら概ね250gになります。 最大で重さが90g程増減することになります。
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Re: 木が乾く・・・・!? ( No.53 ) |
- 日時: 2010/02/14 13:56
- 名前: rasta
- 木材の含水率は、まったく水分を含まない状態の重量を基準に計算するはずです。細かい話ですが、20%で250gの水分量なら、水分を含まない重量は1250gになります。これを基準にして12%の場合の水分量を計算すると150gとなります。
(参考) http://www.pref.tottori.lg.jp/dd.aspx?itemid=105594
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Re: 木が乾く・・・・!? ( No.54 ) |
- 日時: 2010/02/14 19:35
- 名前: aya-yu <aya-yu@mxc.mesh.ne.jp>
- 参照: http://www5a.biglobe.ne.jp/~aya-yu/index1.htm
- rastaさん、家具屋さん
書き込み有難うございます。 家具屋さんには、語弊を修正して頂くことが多くて恐縮しつつも助かります。
rastaさん 平衡含水率の計算のこと、教えて頂いて有難うございます。 >木は自分の目方の15%程度の水分を含んでいる。 全体量の含有率であると単純に捉えていました。家具屋さんにもご指摘頂いた、ギターを2kgと捉えることを含めて、とても大雑把な書き込みで語弊があったと思っています。 もっと言ってしまえば、可能性の範囲を示唆したものであるものの、基本として15%程度に順化しているものであれば、12%に減少しても3%、20%に増加しても5%程度の変化と捉えるべきであるかとも思います。そして、ご指摘のとおり、実際に過湿よりは過乾燥のほうがギターは決定的なダメージを与えられることが多いですね。トップ板は季節により伸び縮みするものの、確かに一度出っ張ったフレットは、もとには戻りません。 また、お気づきのことがありましたら、教えて頂けると有難いです。
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Re: 木が乾く・・・・!? ( No.55 ) |
- 日時: 2010/02/14 22:19
- 名前: うさタンぴ
- ちょっと外れることかもしれないんですけど。。。
aya-yuさまのご発言で引用されている小原氏の文章に思う事がありました。
>縦方向を1とすれば、横の柾目方向は10、板目方向は20である。 >つまり縦方向の寸法はほとんど変わらないが、横方向には大きく伸び縮みするということである。 >この方向の違いによって製品の形がひずむことを狂いという。 >だから木を組むときには、そのくせを読み、くるいをうまく逃がしてやるように考えなければならない。
さらに >デリケートな楽器は、だからこそ湿度に気を使って、 >室内をなるべく50%に安定させるようにと言われるのだと思います。 というaya-yuさまのご意見にも大変、興味深いものがあると思います。
マーチンギターは大量生産の工業製品ですよね? それは40年代からそういう感じだったと思います。
制作者はオーダーされれば、その時に、『こういう環境で使う』だとか、 クライアントからじかに情報収集できるわけですよね?
大量生産品はそうはいきません。 砂漠で使おうが海辺で使おうが、壊れればクレームにつながります。 そんななか、マーチンギターはおしなべて頑丈だといわれてきたことと思います。 うさタン自身、80年代までは実際にそうだったと思います。
つまり、何が言いたいかと言いますと、 マーチン社は、丈夫な(=aya-yuさまの言うデリケートでない、狂いの少ない)楽器を作る半面、 ある程度音質を犠牲にしている(狂いや環境変化によるリスクを承知で、音質を追求はしない) という事なんじゃないかということです。
そのバランスが絶妙で、伝説的な楽器になったんじゃないかなあ、なんて。
楽器は使うものですから、『音は最高だけど、弾いたら壊れる』んじゃ意味ないですし、 もし、乾燥しまくっていい音になっても、その分頑丈でななっていく。なんていうんじゃ、 ダメですしね。。。
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Re: 木が乾く・・・・!? ( No.56 ) |
- 日時: 2010/02/14 23:38
- 名前: 古都
- 工業製品=世界照準ではないと思うけどな。
でもアメリカ自体南北に長いし カナダやメキシコあたりは圏内としていたはすだね。 だとすれば意識しなくとも世界照準的になっていたのかもね。 でも塗装に混和材を混ぜ高温多湿な日本対応にしたのは 確か'80代初頭からだから、本格的には今の社長になってからだと思うよ。 なんたって大雑把な国民のすることだからね。 でも、訴訟大国でも有るけど・・・。
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Re: 木が乾く・・・・!? ( No.57 ) |
- 日時: 2010/02/15 02:13
- 名前: うさタンぴ
- 古都さま
言葉足らずで申し訳ございません。
大雑把な神経で楽器を扱うアメリカ人は、大雑把なのに、世界中あちこち行きます。 挙句の果てに月まで行くぐらいです。 マーチン社と言うのはそういう大雑把な客層相手の商売を考えて楽器を作ったことでしょうから、 『温度湿度管理のいきとどいた場所で保管・演奏し、常にフェザータッチで扱う事を請け合います!』 というクライアントのために作る楽器とは、そもそも頑丈さに対する心構えが違うでしょうし、 その頑丈さを維持しながらの音質追求と、『頑丈さをある程度犠牲にしてもいいよ』という 制限が緩和された条件下での音質追求は、その音質の追い求めるもの自体が違うかもしれませんよね?
という意味です。
セゴビアさんのためにラミレス3世さんが作った楽器と、 どんな人が買うかも分からない、楽器屋に並ぶ量産の画一的な仕様の楽器(たとえばマーチン)は 根本的にというか、存在目的からして違いますよね? ってことです。
それはともかく、最近の古都さまは何を顕示したくて書いてるのか発言の意味が不明です。 ひょっとしてニセモノでしょうか?
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Re: 木が乾く・・・・!? ( No.58 ) |
- 日時: 2010/02/17 22:16
- 名前: 古都
- うさタンさん
本物の書き込みです。 マーチンは量産h品だけど 取説には結構シビアな温度、湿度管理を要求しています。 それを守らないと保障外といわんばかりです。
例えばビルダーものはもっと厳密な要求があるのでしょうか?
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Re: 木が乾く・・・・!? ( No.59 ) |
- 日時: 2010/02/18 12:59
- 名前: ダン
- 古都さんはおわかりの上で書かれていると思いますが。
あの笑えるほど事細かな取説って、結局訴訟対策が98%を占めてますよね。 そのうち食用不可って項目も追記されるんじゃないかな?
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Re: 木が乾く・・・・!? ( No.60 ) |
- 日時: 2010/02/18 14:34
- 名前: 通りすがり
- 皆さんのご説明を拝見して、「なるほど…」と合点しているのですが、
個人的な印象について、お教えいただければと思い、書かせていただきます。
私自身、ローズウッドのD-28については、40年代〜50年代のものを弾いても、 新しいギターと比べて軽いと感じたことはないのですが、 マホガニーのD-18や0-18の場合、40年代のものを弾いたときに、 思わず「軽い!」と感じてしまいました。 その印象は、マホガニーのウクレレの場合も同様です。
マホガニーの場合、ローズウッドと比べて元々比重が軽いために、少し軽くなっただけでも、 感覚的に「軽い!」と感じてしまっているだけなのかも知れないのですが、 皆さんはそんな感覚を持ったことはありませんでしょうか。 それとも、40年代に使っていたマホガニーは最近のものと比べて、 最初から比重の軽い材料を使っていたのでしょうか。
的外れな質問なのかも知れませんが、 ご意見をお聞かせいただければ幸いです。
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Re: 木が乾く・・・・!? ( No.61 ) |
- 日時: 2010/02/19 23:51
- 名前: 気になりました
- 通りすがり さま
大抵の古いギターって見た目だけで「これは・・・凄そうだ」って思ってしまいますよね。
私の場合は、その意味の中に期待や不安が入り混じります。 何だかんだ言っても「乾いていて軽そう」ってイメージも有りますので、手にして軽く感じた場合は材に関らず「やっぱりね・・・」と思い「いや、待てよ元々かも?」更に「新品時の重さなんて確かめ様が無いからどうでもいいや」ってなります(笑) 思い込みが先行してる場合が多い気がしますしね。
そんないい加減な感覚で言うと、合板の古いギターが軽く感じる事が多いです。 (きっと思い込み全開です)
ところで、みなさんはマホに関しては軽い方が良質だと思うのですかね?
ギブソンがレスポールにあえて大きい穴を開けて体重を落としてる事例も有るようですし・・・
私は音を気に入れば、重さ自体ってそんなに気にならないのですが、逆に軽過ぎると「スカスカで強度的に大丈夫かな?」って心配にもなります。 軽くて丈夫なら良いのですが、無理(?)なダイエットは危険なニオイがします。
所詮は木材なので、ある程度の個体差は出る事ですから仕方が無いでしょうしね。
軽かったら持ち運びが楽ですけど、それが良質な材って認識は無いのです。。
脱線し過ぎですね。申し訳無いです。
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Re: 木が乾く・・・・!? ( No.62 ) |
- 日時: 2010/02/23 12:16
- 名前: YAMAGUCHI
- 参照: http://www.jazz-musician.jp/yamaguchi/
- 軽いといえば、
うちのマホのウクレレ 1920年代のスタイル1は軽いですよ。実測237gですから。 現代のマーチンのstyle3マホは較べると特にネック側がやけに重く感じます。 古い楽器が新品時から軽いのかは調べようもありませんが...
ギターでもマホバックの古い楽器ではずいぶん軽く感じるのが多いですね。ただしうちの000-18GEもかなり軽く感じるので古いからとは一概に言えないかもしれません
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Re: 木が乾く・・・・!? ( No.63 ) |
- 日時: 2010/02/27 09:40
- 名前: aya-yu <aya-yu@mxc.mesh.ne.jp>
- 参照: http://www5a.biglobe.ne.jp/~aya-yu/index1.htm
- うさタンぴさん
おっしゃっりたいこと、とてもよくわかります。(以下の内容は「脱線もいいところ」と思いますが、スレ主様、ご容赦ください。) もともと、ギターの成り立ち自体が、二面性を持っていた楽器ですよね。 「ギター」という語源のできた「創成期」とも考えられる14世紀頃、ギターラは「アルフォンソXI世の詩」の中で「ギターラ・セラニスタ(民衆のギター)」と呼ばれるように「庶民の楽器」でした。一方で、ギター属に属する「ビウェラ・デ・マノ」等は、ギターラより一回り大きく、音域も広かったと予想されており、装飾も多く貴族や金持ちの楽器だったようです。 アメリカの鉄弦の歴史の中でも、一方で1800年代のアメリカ黒人奴隷達が、タバコ箱に棒をつけて、ワイヤーを張ってリズムをとった、所謂「タバコ箱ギター」が鉄弦ギターの一つの原型であるとも考えられます。また、1900年頃、マンドリンの弦を利用して大音量化を図ったラーソンブラザーズのギターは、様々な工夫を凝らした個人製作物であったと思います。 ギターが手軽な楽器として大衆に広まった歴史と、その音や作りの粋を極めようとする製作者のこだわりの歴史という二面性を持っている事は否定できないと思います。 ただ、マーチンの立ち位置をどのように見るかについては、その見る立場や角度により、様々なご意見があるとも思います。(こちらにはマーチンの歴史について、私などより遙かに詳しい方が多くいらっしゃると思いますが)マーチン自体、当初の個人工房から大きく変化してきているわけですし、様々なモデルチェンジもプロからの依頼で作られたものも多くありますね。一方で、もともと万博のハワイアンブームに乗って鉄弦化を進めてきた「商売上手」な面も持つメーカーですから、その後のヘビーゲージへの対応も含め「耐久性」は設計上の重要な要素であったのだと思います。ただ、ネックに鉄の棒を入れてもクレームは存在し、古都さんのおっしゃる通り、オーナーズ・マニュアルの厳格な湿度調整等のクレーム対策を立てる必要もあったのだと推察しています。私は、マーチンは先のギターの二面性のどちらもを兼ね備えたメーカーなのではないかと考えています。ラミレスもマーチンに似ていて、プロにもギターを提供しますが、量産もしていますよね。
マホガニーの重さのことですが、無責任な(?)答え方のような気もしますが、私の意見は「わからない」です。 例えば“Manual of Guitar Technology”のマテリアルに様々なマホガニーの比重が載っていますが、その値は0.45〜0.70と大きく異なります。(家具屋さんのほうがずっと詳しいと思いますが)同じ種類のマホでも、軽いものや重いものの個体差が大きいと聞いています。実際、トップ板に使われるマホとサイドバック、ネックに使われるマホでは、材の選び方が異なるはずです。(手元の‘42J45のマホトップは1枚板目で非常に軽いものです。)音色もカラッと明るい音のものと、優しくふくよかなものがあると感じます。また、先にも書いた「ヘビーゲージ対応」でブレイシングの重さや板厚にも設計上の時代の変化があるかと思います。 もしかすると、微妙な変化を人間が感じ取るという面もあるかとも思いつつ、もともとの比重等が大きく異なるものについて、やはりデータをとるのはとても難しいことだと感じています。
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