Re: 木というもの ( No.1 ) |
- 日時: 2010/06/25 18:51
- 名前: ダン
- とらさん、はじめまして。
たぶんですけど、みなさんがここで「木が乾く」という表現で話す場合、含水率ではなく、樹脂の固形化・結晶化の事を話していらっしゃると思います。 同じ樹種の乾燥材でも、新しい乾燥材と古く年月を経た乾燥材(古材)ではカンナをかけた時の当たりが全然違いますよね。 年月を経た材料は同じ樹種でも明らかに硬い。 皆さんも「木が乾く」という表現は、これをさしてらっしゃるじゃないかな。 違ってたらごめんなさい。
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Re: 木というもの ( No.2 ) |
- 日時: 2010/06/25 19:26
- 名前: 古都
- 氷もそうですが時間をかけじっくり冷やして出来たものと
急速に冷やして出来たものでは全く異なるように 木材も蒸気圧縮などの強制乾燥では初期の脂の出方や細胞の状態も全く異なり 単なる含水率では語れ無い部分も多いですね 耐久性、つまり建築部材などの強度の関する記述では 伐採後、天然乾燥のものと強制乾燥のものとでは変わります。 天然乾燥のものは徐々に強度を増していき、後者は初期値と変わらないか 若干の低下を示します。 もっとも最近ではspfの集成材をメインに使いますので 強度の均一化という意味では一利あります。
要は全く性質の異なる材になると言うことです。 つまり 木が乾いていくというよりも事実は音が乾いていく、と言った感じでしょうか? 細胞自身の結束化等の変化のことだと思います。
ps そうそう! 古いギターは軽いってよく言いますよね 実際軽いですね。 では環境による含水率が変わらないのに何が減ったか? 単純に木の密度が変わったのです、目に見える現象として 夏目の痩せですね。 いろんな方向に接着されていますので束縛されてはいますが トップなどのテンションも変わってきているでしょうね ひどい場合、クラックになりますが・・・。
オヤジの与太話でした。
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Re: 木というもの ( No.3 ) |
- 日時: 2010/06/25 21:16
- 名前: rasta
- とら 様
>家具もギターも同じく、加工、製作段階では通常環境よりやや多めに乾いた木材(含水率10%前後)を加工し、ゆっくり自然環境で均衡させて戻どす(平衡含水率12〜15%)のが一般的な方法思います。
ギター材は、5%から8%くらいまで乾燥せさてから大気に戻しているのではないでしょうか。
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Re: 木というもの ( No.4 ) |
- 日時: 2010/06/25 22:58
- 名前: とら
- 皆様、こんばんは。
ギター自体のことではなく材料なんて退屈なテーマにかくも食い付いて頂けるなんて感激です。
もちろん、過去のレスからこちらの常連先輩諸氏はその辺の事をよくご存知と分かっていましたので素晴らしいレスポンスでございます。
でもやはり木の「乾き」という意味を違った方向に解釈されているのでは?と思うレスを良く見かけましたし、ヤフオクなどで「乾いて激鳴り!」などと技術的根拠なき表現を乱発しているのを見るにつけ、あらら・・と思うことしばしば。
人工乾燥技術が確立されていなかった昔は別として今は人工+天然乾燥の双方を上手く組み合わせた乾燥方法も良い手段と思います。時間をかければかけるほど材料をベストなコンディションに調えるのに有効な事は間違いありません。でも経済観念を介してどっかで妥協したモノ造りになっているのは仕方ないと思います。
rasta様: >>ギター材は、5%から8%くらいまで乾燥せさてから大気に戻しているのではないでしょうか。
せいぜい8%までと思います。5%は技術的に困難ですし、そこまで極限に乾燥させますと木材組織に内部応力が溜まり、戻す過程で割れや狂いが生じやすいし、何より乾燥炉内部の桟積みした位置や木材の部位によっては炭化してしまい、歩留まりが悪くなったり・・何より危険を伴います。
本当は丸太の製材や木取りについても議論したいところですが、こちら板の趣旨ではなさそうだし、何より皆さんが退屈されると思いますのでこの辺で留めておきたいと思います。
ギター論議は楽しいですね、参考にさせて頂きます。
私の場合、高校時に買ったモーリスのW−25から始まり、暫くはずっと電気ギター路線(ロッケンロー)ばっかりでした。アコギに改心したのはごく最近で、タカミネの古いのと(こちらで酷評されている)1997年製のDMを愛用しています。いつの日かD−28をと思いつつこちらにたどり着いた次第、よろしくお願いします。
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Re: 木というもの ( No.5 ) |
- 日時: 2010/06/26 09:57
- 名前: HD-308◆P.m8ZPU7x5E
- とら様、みなさま、おはようございます。
別視点の為になるお話ありがとうございます。 専門的なお話にあまり突っ込めませんが私の考えも一言述べさせて下さい。
>ですから古いギターほど乾いているというのは、誤解を招きます。 >もっと言えば量産ギターの出来立てのものが一番良く乾いているはずです。
この部分が私の考えとは少し違うので…。(間違っていたらすみません) 木というのは確かに何千年経っても水分を吸ったり吐いたりする性質を 失わないですよね。とら様の仰る通りだと思います。しかし、いずれ時がたつにつれ 人間と同じように木にも老化現象が始まります。良く言われる結晶(セルロースや バインダーの役割をしてるリグニン層)の崩壊です。 ダン様が仰る新しい乾燥材と古く年月を経た乾燥材(古材)のお話しがそうですが 約150〜250年くらいの間まではジワジワと強度(曲げ、圧縮、硬さ)が増大しますが しかし、その後は徐々に強度は低下し、約千年くらいの時間をかけて新材の時と 同じ強さに戻ると教わりました。つまり、経年変化による強度上昇は木の吸湿量と 大きく関係するんです。強度が上がるということは結晶領域が増えるということです。 結晶領域が増えるということは非結晶領域が減少するということで、木の吸湿量は 減るということですよね。水蒸気は結晶領域までは入れないからです。 ですから乾くという表現は少なからず間違ってはいないと思うのですが…。
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Re: 木というもの ( No.6 ) |
- 日時: 2010/06/26 11:40
- 名前: とら
- 皆様:こんにちは。
こんな退屈なテーマはいつでも留める用意はできていますが、議論が続いている間はスレ主としてフェードアウトまでは〜〜・・・♪
HD-308様、古都様: おっしゃる事、一理あると思います。でも我々人間と「木」との「時間軸」は別ものとして考えるべきだと思うんです。
木は何百年、何千年と育ち続けます。人間は持ってせいぜい百年です。伐採されて一旦命を終えたかに見える木材が加工されて次は製品としてあと何年行き続けるかって議論です。環境さえ良ければ永遠に生きていけるでしょうし、悪ければ燃えるゴミとして速攻煙になって消えて行くでしょう。
少なくとも我々人間の時間軸より遥かにゆっくり進むはずで、材料としての劣化も超スロースピードで進み、その「老い」を定量化することは容易ではないでしょう。「枯れたいい音になってきた」と愛おしく思うことは良いことですが、ギター本人?は「いやいやまだまだ老けてはおらん」と言っているかも知れません。
その時間軸でとらえると木材の劣化なんて心配要らないと思いますね。問題は接着剤や塗料、バインディング・・などの「化成材料」ですね。木材より遥かに早くお迎えが来ます。(木材が仮に割れたとしてもそれは”お迎え”ではありません。必ず治るので) それにしてもバラして組み直し、新たに性能の良い接着剤を用いて整え、塗装もし直せばギターとして再生は可能です。※本業の家具の修理、リフォーム経験もギターに通じるものを感じます。
話は変って、乾燥についてですが、食品にも見られる「天日干し」信仰みたいなものが、ギター材料としての木材にもあるように見受けられます。昔は単にそれしか方法がなかったのです。
例えば板に割られた木材を桟積みして天然乾燥します。地面から50cm、天井から50cm、小口側50cm、桟積み側面10cm・・は常に厳しい環境にさらされ、犠牲になります。山の積み替え、ローテーションも行われますが労力と費用との相談です。 期間中、割れや虫喰い、カビや腐食によるブルーステイン・・・と劣化が進み、天然乾燥だけですと貴重な材料は歩留まり7割以下に減少するでしょう。
一方、すべて人工乾燥させると歩留まりは9割以上に上りますし、板割りしたあと、初期段階で人工乾燥して、天然乾燥-->人工再乾燥-->シーズニング、コンディショニング(養生)という工程を踏めば材料の安定性も歩留まりも格段向上します。これは限られた資源を有効に使う(保護)意味では大変意義あることです。
天日干しは一種の信仰ですよ。ギターメーカーだって、(以前ヤイリさんの丁寧なギター造りのテレビドキュメンタリー番組を観たことがありますが)そのへんの技術を併用しながら上手にコストも下げて利益を出していますって。でなければ会社として存続できません。
マーチンだって何百万円もする皆さんご自慢のギターはすでにマーチン社の手を離れたもので、どう取引されようが知った事ではないはずで、これから会社として如何にに利益を出して存続するかがテーマのわけです。昔と違ったモノ造りについてとやかく言われる筋合いはなく、それがユーザーに支持されなければ製品が売れず、自動的に経済活動を終えるだけです。株主でさえない我々が言えることはなにもありませんが、真面目なモノ造りをしてほしいと思うのは当然で、ましてやご自慢の愛機をお持ちのお方にとってはヒトゴトではないことは理解できます。
・・なにやらテーマから脱線しつつありますのでこのへんで失礼します。
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Re: 木というもの ( No.7 ) |
- 日時: 2010/06/26 15:08
- 名前: maho
- トラ様、皆様 こんちは
今日は夜8時38分を最大に部分月食が見ら れます。 ← 冒頭からスレ外しですみません。
トラ様の素晴らしいスレに皆様の素晴らしいレス に感動しています。
自分はこのスレにレスする知識は持ち合わせて おりませんので大変勉強させて頂きました。 ありがとうございました。感謝いたします。
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Re: 木というもの ( No.8 ) |
- 日時: 2010/06/26 16:10
- 名前: 泰明
- とらさま
私も大変勉強させて頂いてます ありがとうございます。
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Re: 木というもの ( No.9 ) |
- 日時: 2010/06/26 17:51
- 名前: 古都
- 客観的に見て
皆さんの書いていることは概ね見解は同じ方向のような気がします。
私の追記としての「木が乾燥する」に関しては 経年変化で含水率は大差ないが木の密度が変わるので 結果的にギター全体としての含水量は変わる。 そんなイメージかな?
このことは、新品時の環境に敏感なものに対し 古いギター(20年以上)の場合は 安定と言う言葉はいささか語弊あるものの それほど急激な湿度の影響は少ないものと考えます
これは細胞のセルロース化にも起因するとも考えられます。
想像の域は出ませんが、建築材のように大断面のものと 薄く既にシーズニングされた材では劣化(強度、密度変化)は早いようにも感じます。
余談ですが「弾き込み」と言う作業も各拘束された場所へ影響し 音の変化として重要な役割があるようなイメージも持っています。
なので、接着剤も(特にボディー)膠が楽器に対し優れていると言われる要素のひとつだと考えています。 (修理が容易と言うのが一番の理由かもしれませんが)
その意味からも敏感に温度管理されすぎたギターも私的には鳴りが今一だろうという想像もします 風雪を耐えという表現は巨人の星を想像しますが 私は、その考えです。
話は飛躍しましたが、 木材の乾燥に関し天然、人工とはっきり分け優劣をつけることは おっしゃるとおりメーカーにとっては営利の絡むことで我々では域は出ません。
上手く組み合わせるのが理想でしょう。 ただ、願いとしては初期段階から細胞が破壊されるような 乾燥の方法は避けていただきたいと望みます。
おまけに、 同じ木材加工でも建築材用・家具材用・楽器材用では プロセス(木割りや乾燥方法)が異なり 過去にも論議がありましたが、 私としては家具材用のブラジリアンを楽器用に転用する マーチン社の考えは同意できませし コンバージョンも全く論外だと感じます。 板目がどうのと言う問題ではなく基本の経年変化の プロセスを知っていながら 売れるものを作る商売思考になっている証だと感じます。
またまた追記 なので私もヤフオクなんかの売り文句に踊らされている人を 嘲笑しています。 でも、購入者は更に大げさに吹聴することに賢明でしょう。 自分が持っているものこそ最高だと信じているのですから・・・。 それは、それで購入者は満足なのだから 墓場まで持っていって欲しいものです
それは逆に本物を掴める安心感のような嫌な心があります。
と言うか? 知らずにすむなら、これ又、幸せ、と言うものです。 知ったが故に、迷宮入りすること必須ですから・・・。
そうえらそうに論じてる私の知識も実は他愛のないものであることは 知っている、見る人が見れば大爆笑の世界だろう。
でも・・・。 俺って性格悪いからね。
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Re: 木というもの ( No.10 ) |
- 日時: 2010/06/27 08:09
- 名前: HD-308◆P.m8ZPU7x5E
- とら様、みなさま、おはようございます。
とら様。 >こんな退屈なテーマは… とんでもありませんよ。 日頃から常に木に接してる方の貴重なご意見、作っている物こそ違いますがとても参考になります。 丁寧な説明を頂きありがとうございます。 ただ、「枯れた音」とか「こなれた音」という表現で余計愛おしく感じてしまうんですよね。 これからもご教授宜しくお願いします。 (とら様の愛器、タカミネの音色…聴きたいですね)
古都様。 仰るとおりですね。 私は住宅業界の話題には疎いのですが、以前に強制乾燥による木材(構造材)の内部割れが 大きな問題になったみたいですね。
maho様。 せっかく教えて頂いた情報なのにすっかり忘れてしまいました。 今朝、新聞の部分月食の記事を見て”あっ、失敗!” 自然の摂理にゆっくりとふれる心の余裕も無いなんて…、 お恥ずかしいです…。
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Re: 木というもの ( No.11 ) |
- 日時: 2010/06/27 13:42
- 名前: maho
- HD-308◆P.m8ZPU7x5E様 こんちは!
>せっかく教えて頂いた情報なのにすっかり >忘れてしまいました。
今回の部分月食は太陽を中心に惑星がクロスして 一直線に並ぶグランドクロスと重なってパワー の強い日だったようです。
次回は今年12月21日に皆既月食が見られる 予定ですので楽しみに待っておいて下さい。
皆様 スレ外しですみませんでした。
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Re: 木というもの ( No.12 ) |
- 日時: 2010/06/27 18:07
- 名前: zazah
- スレ外しになるかもしれませんが
70年代のD-18とD-28のハードケースに90年代のD-18Vを入れようとしたところ何故か入りませんでした。 無理やり入れようとしてもキュウキュウと音がするので止めにしましたが、BODYの大きさって70年代と90年代では違うのでしょうか?ちなみに70年代の純正ケースは70年代のマーチンを入れても少し余裕があります。 実際に寸法を測ったことはございませんが、もしかしたら経年で木が痩せて小さくなったのかな? とも思ったりもします。どうなんでしょうね?、
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Re: 木というもの ( No.13 ) |
- 日時: 2010/06/27 18:18
- 名前: 古都
- そうそう!
経年変化での縮小ですね。 素晴らしい経年変化のギターをお持ちだと思います あと1000年したらパーラーギターになること請け合いです。
しかも、ブルー?ブラック?ケースまで経年変化するとはうらやましい。 素晴らしい機種をお持ちですね。
ひょっとして、18vが水分を吸いすぎて膨張している可能性はありますね 海綿体状態です。 梅雨時は仕方ありませんね。
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Re: 木というもの ( No.22 ) |
- 日時: 2010/06/28 11:08
- 名前: とら
- まぁ、まぁ・・・ホットテンパーは体に悪いですよ。
ここはスレ主の責任?でマジレスすることで場がシラけて怒りも収まるでしょう。
木材には樹種によって収縮率というものが学術的に解明され、データも開示されています。 アコギのトップに使われる針葉樹は、ネックやバック用の広葉樹にくらべて収縮率は少し高いながらも取り立てて述べるほどの違いはありません。
家具の研究として、広葉樹(ブナやナラ)の20mm厚の集成材(幅1,000mmX長さ1,500mm::ムクの板を横ハギしたもの)を日本の湿度環境より厳しい条件:15%〜90%の条件を与えて3ヶ月かけて収縮実験を行い、幅方向1,0000mmに対し、最大+/-1.8mmの寸法変化を確認し、それを家具製作用の技術データとして採用した経験があります。これは私がメーカーで技術員だった頃、広島県立工業試験場において行った試験です。
さて、単板パーツで構成されているグレードが高いアコギの場合、トップはスプルースなどの針葉樹、サイドとバックはマホ、あるいはローズ、高級品に至ってはハカなど・・堅い”唐木”が使われています。
最も延びるのはトップのスプですが、それにしても厚みはせいぜい3〜4mmで裏はフレーム(骨木)で押さえられていますし、何より周囲をサイドフレームでがっちり囲われて固められています。 なので、マジのマジレスですが、寸法は痩せたり動いたりしません。してはいけないのですし、しない構造で出来てきます。 仮に管理が悪く、劣悪な環境に置かれたとして、1mmでも寸法が変ればギターとしては使い物にならないでしょう。
木の伸び縮みのマメ知識としては、例えば・・ 幅10cmx厚10cmx長100cmの角材を製材し、製品化できるレベルまで乾燥させます。 そこから水分により収縮する寸法は 仮に幅方向は柾目で:A 厚み方向は板目(一方が柾目なら90度側面は自動的に板目になる):B 長さ方向:C
ざっくり角材の各方向の収縮率 A:B:C=1:2:20分の1
つまり、柾目板より板目板は2倍ほど収縮率が高く、長さ方向の収縮率は無視できるレベルです。
貴愛機のトップやバックの木目を観察してみてください。板目は木取りが上手ければ素晴らしい「タケノコ」木目が出て美しいですし、柾目は整然としていて、あとはオーナー各位の好みに委ねられますが、綺麗な板目は特に水分管理して大事にしなければ割れたり膨らんだりします。
最後にzazahさんのギターがケースに入らない問題は、 マーチンギター(ここではトレッドノート型)自体が年代で寸法誤差が多少あるかどうかは私はわかりませんが(多分ないと予想:::製作モールド(型)を替えるなんでことはしないでしょう・・)、ギターが大きくなったりちいさくなったりは”常識的感覚の範囲内では”ないので、私の推測は
@ケースの内張りクッション材料(ウレタンフォームなど)の経時変化や材質的硬化(経年劣化(硬化)して当初の弾力が無くなった)、或いはAシェル全体がねじれたり、して変形してきている・・を想像します。
ちなみに、だいたいのハードケースは合板でできていますので寸法は収縮しません。(合板は突板(薄くスライスした板)を縦・横・縦・横・・と90度づつクロスさせて張り合わせることで変形や収縮しないように出来ています:::ですから廉価ギターの合板ボディは響きは別として材質的には大変安定しています)
ということで、zazahさんの問題はギターではなく、ケースのコンディションを疑ってチェックされるが吉と思いますよ。
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Re: 木というもの ( No.23 ) |
- 日時: 2010/06/28 13:30
- 名前: とら
- 連投すみません。ここで一旦、総括させて頂き、あとは楽しくROMりたいと思います。
私が、古い(ビンテージと呼ぶが良いかは?)ギターは「乾いて」いい音がするというより、「安定して」「馴染んで」いい音になっているという表現に違和感を感じた方々に本意を伝えたいと思いまして・・
ギターは各パーツを集めて組む(接着工程)工程でやや無理矢理、高い圧力で強制的にクランプ(圧着)して1体のギターに組み上げます。その時点で各パーツの接着箇所や材料そのものにはかなりテンションが掛かっていて、またそれはギター1本1本、違っているに違いありません。木材が均一材料ではない上、組み上げ工程の操作も個々のクラフトマンの手に委ねられているからです。 組み上げの後にさらに塗装工程でその状態を「被せて」しまいます。
家具もそうですが、ギターもバインディング部に隙間や、ネックなどのジョイント部分に塗膜上からクラックや、クラックにまで及んでいないスジが出たりするのは製造後1年以内の初期段階が多いのはそのためで、一旦クラックなどにより内部応力(テンション)を放出すれば安定します。
アコースティック・エミッション(AE::振動工学)技術は多分にギター製作に応用されています。(AEはは例えばスイカを弾いて熟れ具合を聞き観たり、非破壊検査で材料を叩いて内部のワレを検知したりする技術)
ヤイリさんは出荷前に3ヶ月(?だったか期間は自信ありません)くらい、完成したギターに音を聴かせると聞いたことがあります。
効果を疑問視する声もあるそうですが、私は素晴らしい方法だと思います。組み上げた後(例えば3ヶ月)一定期間、テンションを放出する養生期間に同時に音楽を流してボディを共鳴させ続けてゆっくり「馴染ませる」ことはギターを安定させるのに大変有効だと思いますし、何より初期段階で出やすい割れなどの不良を見つけて流通させない事は経営的にも良い方法と思いますから。
そこでここの諸先輩方がおっしゃる「弾き込み」ということにも説明が付きます。ボディーを(弾くことで)各部を共鳴させ、(※ハガネを叩いて鍛えるような効果)じっくり時間をかけてギターの木材組織が安定してくるはずです。 これが組織的に安定したボディから出る皆さんが好きな「乾いたサウンド」、つまり弾き込んだビンテージギターの奏でる音でしょう。
こんな唯一の正解がない、曖昧なニュアンス(感覚)のテーマに対し、言葉の表現の端々で、あげあしをとるのはナンセンスで、それより愛機を弾き込んでより「乾いた」音に育ててあげるのが良いですね。
ところで最後に、私のタカミネ2本は、音叉を叩いてAを拾う時、ボディに当てるとまーちんDMより2倍ほど長い時間共鳴続けます。音叉を当てるトップの部位をあちこち変えても傾向は変りません。何故かは分かりません。ギターそのものの違いは分かりますが、理由は説明できません。※尚、私本人は分からなくても構わないと思っています。 実際に弾いてみますとDMもいい音しますし、音はデカいし、好きですよ。でも気が付けばタカミネばっかし弾いているんですよ。不思議ですね〜
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Re: 木というもの ( No.24 ) |
- 日時: 2010/06/28 13:51
- 名前: ????◆72kcc3vQg.E
- 皆さん、こんにちは。
読ませていただいたのですが、私なりに疑問が浮かんだので参加させていただければと思います。 まず古いギターは軽いというお話ですが、自宅に30年前に購入したギターと新品のギターがあるのですが新品の方が軽いのです^^; そんな例もあって私としては古いギターはもともと軽いのでないかと考えています。 そこで不思議に思うのは同じ大きさの黒檀やスプルース等々でも重さが違うという点です。 そしてどのぐらいの重さの木がギターに適しているのか?できれば適した木の見分けかたなどもあれば今後のギター選びに役立つなどと思います。 お暇なときでけっこうですので、とらさんや皆さんのご意見を聞かせていただければと思います。
追記
>ここで一旦、総括させて頂き、あとは楽しくROMりたいと思います
ごめんなさい、No22までを読んで記入しました。 とらさんが一旦終了させるという主旨のようですので、私の質問は無しということでよろしくお願い致します。
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Re: 木というもの ( No.25 ) |
- 日時: 2010/06/28 15:11
- 名前: 太郎八
- スレ主さん、みなさん、興味深い書き込み、ありがとうございます。
zazah さんの件について、シロートの勝手な想像から書かせてもらいます。
マーチンでも、材の型取り用のテンプレートや、ボディ製作用のモールド(型枠)は、 傷んだり消耗したりで幾度と無く新しいものに置き換えられていると思います。 ファクトリーツアーのビデオを見ると、モールドも今はダイキャストの金型っぽく見えるけど、 以前は木製だったかと、、。 こうしたモールド等の代替わりなどで、ボディのサイズやサイドの曲率も、僅かながら変遷して いったってことはないでしょうかね。結果、お訊ねのようなことが起きたんじゃないかと。
zazah さん 出来れば件の新旧のドレッド、サイズを実測してここで公表していただけませんかね。 気になっている人も多いと思うのですが、、。
現行 D-18 や D-28 などのボディサイズは、マーチンのサイトでも現在は D-14 Fret としか表記が無く、 詳細は不明ですね(サイトのどこかにクレジットされてるのかもしれませんが・・)。
ちなみに、手もとにある1997年のカタログを見ると、D-18 や D-28 は、 Total Length 40 1/4" (1022.4mm) Body Length 20" (508mm) Body Width 15 5/8" (396.9mm) Body Depth 4 7/8" (123.8mm) となっていますが、手もとの D-28 とは僅かながら違ったりします。
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Re: 木というもの ( No.26 ) |
- 日時: 2010/06/28 16:41
- 名前: ビンゴ
- 皆さん、こんにちは。
またまた久しぶりの書き込みです。
ドレッドノートのボデーシェイプは、90年代の中頃か、そのあたりで変わっていますね。 古いモールドのケースに新しいギターが入らない・・・ということも確かにありました。 そして、それはギターが縮んだり伸びたりしたのでもなく、ケースが縮んだり伸びたりしたの でもなく、ある時期にサイズが変わったということだと思います(つまり、太朗八さんの おっしゃる内容と同じです)。ところで、私がシルエット変わったな・・・?と思ったのは 少しですが「撫で肩」になった(?)と感じたからです。 ではまた・・・。
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Re: 木というもの ( No.27 ) |
- 日時: 2010/06/28 19:15
- 名前: ダン
- 今までに語り尽くされた話題かと早合点していました。
スレ主さんや書き込みされた皆さんには手間をかけて知識を公開いただき感謝です。
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Re: 木というもの ( No.28 ) |
- 日時: 2010/06/29 01:09
- 名前: MDF
- >こんな唯一の正解がない、曖昧なニュアンス
>(感覚)のテーマに対し、言葉の表現の端々で、 > あげあしをとるのはナンセンス
うふふ、まったく仰せの通りですね。
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Re: 木というもの ( No.29 ) |
- 日時: 2010/06/29 16:51
- 名前: rasta
- ピアノの材料について検索してみました。以下は参考になると思います。
http://www.maki-piano.jp/otto10-1.html
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