マーティンD−28のルーツを探る
マーティン1−28 1800年代後半製
1−28について
サイズ「1」は、1852年からマーティン社で製造されているモデルで、
マーティン社の最も古いサイズの1つです。ボディー下の一番広い部分の
幅が12 3/4インチと、Dサイズ(15 5/8インチ)と比較する
とかなり狭いですが、当時としては最も大きいサイズでした。サイズ「1」
は、1934年に1−17が5本製造されたのを最後に姿を消しました。
奇しくも14フレットネックジョイントのD−28の製造初年度です。
新時代のスタンダードとなるべき14フレットDサイズに今後を託して使
命を終えた格好です。
スタイル「28」は、1870年代から始まった仕様で、スプルース表板、
ブラジリアン・ローズウッド側板・裏板、5−9−5グループパターン・
サウンドホール・リング、アイヴォリィ表板バインディング、アイヴォリィ
で縁取られた3重の裏板バインディング、ヘリンボーン表板トリム、ジグザ
グ・バックストリップというものでした。
ダイアモンド指板インレイは1901年から、アイヴォロイド・バインディ
ングは1919年から、スティール弦対応のブレーシング変更は1925年
に行われました。
1−28は1870年代から1923年まで製造されました。D−28のル
ーツとも言えるギターだと思います。
|
レッド(アディロンダック)・スプルース表板 ブラジリアン・ローズウッド側板・裏板 指板インレイ無し ピックガード無し スロッテッド・ペグヘッド |
|
|
|
ペグヘッド裏にブランドスタンプ (消えかかっています) ダイアモンド・ヴォルート |
|
|
|
ヘリンボーン・トリム 現在の物より小さいパターンです。 アイヴォリィ・バインディング |
|
|
|
サウンドホール・リング 現在と線の太さが違います。 真ん中の太い白線のみプラスティックで、 他の白部分は木が使われています。 |
|
|
|
ピラミッド・ブリッジ |
|
|
|
エンドピース アイヴォリィのまわりを2重に木で囲んで います。現在の物と違い、バインディング とエンドピースの白い部分が接していませ ん。1968年の復刻版D−45のインレ イと似たイメージです。 |
|
|
|
ジグザグ・バックストリップ アイヴォリィ・ネックヒールキャップ アイヴォリィ・バインディング バインディングの内側の白い線は木です。 |
|
|
|
かまぼこ型バック・ブレース |
|
|
|
D−28では1939年に初めて取り付けら れた、トップ・プレート・ブレースがありま した。 |
|
|
|
側板補強材 D−28では1986年から採用している、 ローズウッド片側2本ずつのみの補強です (布テープはありません)。 |
|
|
|
ブランドスタンプ NEW YORKの表記は1897年迄で す。 |
|
|
|
ネック・ブロック シリアルナンバーが刻印されたのは1898 年から、モデル名が刻印されたのは1930 年からです。 |