積丹半島

積丹(シャコタン)とは、アイヌ語の「シヤク」と「コタン」の二語をあわせたもので、「シヤク」は夏、「コタン」は村のこと。
「シヤクコタン」で「夏の村」という意味からきています。

積丹半島は北海道西部にある半島で、日本海に向かって突き出ており、半島部の全長は約30q、
地形は平野部が少なく急峻で、中心では積丹岳や余別岳が脊梁をなし、沿岸は複雑な海岸線が連続する。
そのため、風光明媚な景観に富み、海岸線一帯はニセコ積丹小樽海岸国定公園に指定されている。

国道229号が半島を海岸沿いに巡っているが、神神恵内村〜積丹町間が完成し全線開通したのは 1996年です。
道路は狭隘な海岸を縫うように走るため、岩盤をくりぬいたトンネルが無数にある。
崩落事故で路線バスが飲み込まれ、20人の犠牲者を出す惨事もあった((豊浜トンネル岩盤崩落事故)。

東側は「シリパ・セタカムイライン」と呼ばれ、西積丹のシーサイドウエイは「カブトライン」と呼ばれている。
途中道も狭くカーブが多いが、海沿いの道路はシャコタンブルーと呼ばれる青く澄んだ海、岬へのハイキング、奇岩巡りなど見所が多い。

「 シリパ・セタカムイライン 」

シリパはアイヌ語で海中につき出ている山の頭=岬を意味する。

羽田を出るときは曇りだったが、千歳空港では大雨、小樽を過ぎるころから小止みになったが視界は良くない。
残念ながらシャコタンブルーの景色は期待できそうもない。

余市を過ぎたあたりにで海の真ん中にニョキットでている一本の岩がある。これがローソク岩です。

ローソク岩

那須火山帯が生みだした自然の芸術、沖にそびえ立つ高さ46mの奇岩。
ニシン漁が盛んだった 4〜500年前、一人の若い漁師が海の怪物を退治するために
海の女神からもらった兜と剣が岩になったものといわれています。

セタカムイ岩

ローソク岩を過ぎ古平市街の手前の断崖先にセタカムイ岩があります。
セタカムイとはアイヌ語で犬神。漁に出て帰らぬ主人を心配して浜で待ち続けた犬が岩に化身したという伝説があります。
忠犬ハチ公の積丹版です。

ローソク岩

セタカムイ岩

「 神 威 岬 」

夕日の岬は写真愛好家にとって絶好のポイントです。

神威(カムイ)とはアイヌ語で「神」を意味する。古くは御冠岬・オカムイ岬とも呼ばれた。

この付近は古くから海上交通の難所として知られており、神罰を恐れて安政3年(1856年)までは女人禁制の地であった。
蝦夷地に逃れた源義経とアイヌメノコの悲恋の伝説が残っており、娘の恨みによって、女を乗せた舟が通ると転覆したといわれている。



〔源義経に関する伝説〕

奥州平泉から密かに逃れた源義経は、日高の首長のもとに身を寄せ、首長の娘チャレンカは義経を強く慕うようになった。
しかし、義経は北に向かって旅立ち、後を追ってチャレンカも神威岬までたどり着きます。
ところが、義経一行はすでに出帆してしまい、チャレンカが大声で叫んでも折からの強風にかき消され届きません。
悲しみに暮れたチャレンカは「和人の船、婦女を乗せてここを過ぐればすなわち覆沈せん」という恨みの言葉を残して海に身を投げてしまいました。
その姿がやがて岩と化したと言い伝えられているのが神威岩です。
以来、女性を乗せた船がこの沖を過ぎようとすると必ず転覆したため、神威岬はかって女人禁制の地となっていました。

女人禁制の門

(今は女性でも勿論OKです)

岬の付け根にある駐車場から先端部までは尾根沿いに整備された約3.5q、所要約1時間の自然遊歩道(強風時は立入禁止)がある。

海岸線には、内部がカギの手に曲がった素堀の「念仏トンネル」(念仏を唱えながら歩けば安全との謂われがある)を通る道もあるが、
トンネルから先は危険な部分もあり通行禁止。

岬から海に突き出た神威岩、メノコ岩、棒状の奇岩・水無しの立岩がある。
周囲300度の丸みを帯びた水平線の見晴らしは、まさに地の果てといった感じがする。

駐車場とレストハウス

トイレ

遊歩道から余別岳方面

自然遊歩道(強風時立ち入り禁止)

ものすごい風

岬の絶壁

「 カブトライン 」

西積丹のシーサイドウエイにも弁天岩・カブト岩・オブカル岩・窓岩・西の河原などたくさんの見所がある。

タコ岩
高さ30mの岩。 タコの頭に似ていることから、タコの愛称がつけられています。

窓岩
見る方向によって窓が見えます。

マウンテンゴリラの岩
山の中腹に突き出た露頭岩。かつて天狗岩と呼ばれ親しまれていたが、新たにネーミングを変更し、観光の名所に。
頭や目の上が突き出た形など、まさにゴリラそっくりです。

タコ岩

窓岩

マウンテンゴリラの岩

「 北海道電力 泊原子力発電所 」

泊(トマリ)とは、アイヌ語の「へモイトマリ」、マスの寄せる海に由来するといわれています。

北海道唯一の原子力発電所で、運転中の1号機と2号機を合わせて115万8千kW、北海道の電力の約30%を供給している。
低濃縮二酸化ウランを燃料とした加圧水型軽水炉(PWR)型式の原子力発電所です。

91万2千kWの出力を持つ3号機は、平成20年に完成予定で工事中です。