旧京都電気鉄道 旧中立売橋梁

 所在地:京都市
 竣 工:明治33〜年
 設 計:


 明治28年2月1日、京都電気鉄道によって日本初の電気鉄道が営業開始され、同年9月24日に堀川下立売から、ここ堀川中立売を終点とする堀川線が開通しました(当時の写真には終点付近で2線に分岐しているが、主線は堀川から離れた方→下図の右の線路側であった。また、終点での方向転換の為に開通当時から転車台があったという情報もあり、下図の転車台周りの線路はあくまで推測である)。
 奥に見える円アーチ石橋は堀川第一橋(中立売橋)で、明治6年に造られ大正2年に拡幅の為の改修をしています(左下の石アーチの水路は明治35年頃の写真にも写っていて、その上に積まれた煉瓦橋台よりも古いことが判っています)。

    A点写真→

 明治33年5月7日、堀川中立売−下ノ森間の北野線が開通しました。この時に堀川に橋梁が架けられました(左図赤線部分、当時の写真では木橋か鉄橋か不明。煉瓦の橋台は現在も残っているが、水路と思われるコンクリートアーチ橋が架けられている)。

 転車台に進入した車両が勢い余って、先の民家に何度か突っ込んだという話もあるそうです(この転車台を写真で見ると直径3m程度で、前輪と後輪がギリギリ載っている大きさ)。
←B点写真


 当初、単線運転で列車交換がずさんだったため、上り下り車両が鉢合わせになり、運転士どうしが譲らず、客を巻き込む喧嘩になっていたと言われています。

 後に複線化されたときに、橋梁も架け替えられました(上図青線部分)。
      C点写真→


 残念ながら堀川・北野線が複線化された年が判りませんでしたが、北野線全線開通した明治45年ではないかと推測しています。

 鉄橋桁が架かっていた段には新しく石垣が積まれ、緑帯になっています。
 ←D点写真


 明治45年6月11日に京都市電が開業し、大正7年7月1日に京都電気鉄道は京都市に買収されました。
 いくつかの路線は廃止、いくつかの路線は広軌化されましたが、北野線のみ狭軌のまま存続し、昭和36年7月31日に北野線は惜しまれつつ廃線となりました。京都市電全廃の17年も前のことでした。


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