蹴上浄水場

 所在地:京都市山科区厨子奥花鳥町
 竣 工:明治45年
 設 計:日比忠彦、田辺朔郎

 明治維新後の京都を衰退から救った事業に、明治23年に完成した琵琶湖疎水事業が挙げられます。しかし、それでも水不足は解消せず、まさに明治が終わろうかという45年に完成した第二疎水、蹴上浄水場、蹴上第二発電所によって一連の事業の完成を見たように思えます。
 日本で初めてのジューエル式急速濾過法を採用した濾過場は現在も稼働しており、当時の浄水技術を知る上で貴重な存在ですので、昭和60年に近代水道百選に選ばれました。
 これらの創設当時の建物はほとんど残っていて、斜面の補強に植えられたツツジがきれいな5月上旬の公開日に見ることが出来ます。

 写真は、上から「第一濾過場 上屋」「旧ポンプ室、配水井分配弁室」「第一高区配水池」です。公開日には、ごついカメラを三脚に構えたりする人をたくさん見ましたが、みなさんは京阪京津線の方にレンズを向けていました(^^;)。このアングルで撮れる最後の京津線ですから、鉄道マニアの方々の気合いの入りようはタダものではありませんでした。

 拡張工事の関係で、いくつかの古い施設は壊されたそうです。この写真の建物も残っているか不安です(第一高区配水池は既に無いとの情報あり)。


 浄水場の住所は京都市東山区粟田口華頂町3番地ですが、敷地のほとんどは山科区ですので上記の所在地は山科区にしています(地図を見て頂ければ判りますが、この辺りの東山区の境は複雑です)。

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