![]() 桜庭の優勝に驚愕(12月21日、UFCジャパン) |
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高田が負けた時、このコーナーに覚めた文章を書いた。Uインターはプロレス なんだから仕方ないというようなことも書いた。しかし、それからさして時間も たたないうちにこの「事件」である。 とりあえず、自分の心境を整理したい。 嬉しいかといえば、そりゃ嬉しい。Uインターもキングダムもあれだけ見てき た自分だ。Uインター崩壊の後楽園ホールでは、冷静なつもりでいたのに、ボー ウィーチョーワイクンが日本語で「さびしいですね」と挨拶した瞬間、不覚にも 泣きそうになった。キングダムの客入りが悪いのも見てきた。北尾をぶち倒した ハイキックの興奮は過去の思い出にすぎないのかとしみじみしてきた。しかし、 やっとここにきてプラス方向のニュース(それも大物)を目にすることができた のだから感慨無量だ。夜中の2時に(昼は府中のイベントがあったのでテレビ観 戦)別冊宝島のTさん家に電話しちゃったよ。相手も起きて見てたけど。 続いて、キングダムという団体がどういう団体なのかを再整理しておかなきゃ ならないような気がする。高田が負けた時、リアルファイトの人じゃないんだか ら仕方ないというようなことを書いた。その考えは変わらない。でも、団体丸ご と純然たるプロレスだと思っていた私の認識は間違っていたようだ。高田や安生 (安生の方がU風味ではあるが)、昔の宮戸といった「大人」はプロレス寄りで、 「若者」はU方向を指向しているんだろう(高山はバリバリにプロレスだが)。 桜庭はもともとアマレスの人だし。でも彼はいわゆるプロレスもやってるわけで、 そういう意味では「プロレスラーは本当は強いんです」という言葉もあながち嘘 ではない。 桜庭がリング上でインタビューに答えている時、下で高田と安生が安堵と苦笑 の入り交じったような笑みを浮かべているシーンがあった。あれが「若者」の成 長を認識せざるをえなかった「大人」の状況じゃないのかな。キングダム内の格 は、高田欠場のまま崩壊したといっていいだろう。 次に。この勝利はあくまで桜庭の手柄であり、譲ってもキングダムの手柄まで だ。高田にプロレス地盤低下の責任をなすりつけた連中がいたように(ホントは 強弱じゃなく、面白さの問題だというのは以前書いた通り)、この勝利にタダ乗 りしようというレスラー・団体が必ずあるはずだが、それははっきり言って嘘つ きである。インディー連中が言い出す前に釘を差しとく。言い張るなら対柔術と は言わない、桜庭とガチンコでやれ。 えー、だいぶ混乱してきたが、試合そのものの感想を。まず、言うまでもなく 裁定・運営がぐちゃぐちゃ(笑)。で、コナンと2回やって優勝っつうのはどう かという格闘技寄りの人もいると思うのだが、「なんだかんだ言っても勝っとい て損はなし」という優勝だと思う。ホイスやコールマンと並列な位置に立ったわ けだからね。とりあえず「名」を得たと。「実」はこれからじっくり注入してい けばいいんじゃないだろうか。 そりゃ、技術的レベルのことを言ったらホイスあたりとは比較にならんよ。っ ていうか、コナンけっこう弱かったし(笑)。でも、いいじゃないの。勝者とし て名を連ねることに意義があった大会なんだ。安生よりは内容的にもよかったし ね。解説の高橋が安生を語る時と桜庭を語る時でだいぶトーンが違うのが印象的 だった。 それにしても、会場に流れたキングダムのテーマ(豆知識:作曲はパッパラー 河合)にはちょっとぐっときたね。もしあれがUインターのテーマだったら、ぐ っとくるどころか泣いてたよ。
桜庭ミニ情報:彼は普通のプロレスやってもけっこう順応性がある。武道館でや った対大谷晋二郎戦は隠れた名勝負。ビデオになってるかどうか分からないけど、 なってたらおすすめだ。
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