読売の野球はアメリカの戦争と同じ!?



 掲示板を見るに「野球の話題は意外と食いつきがいい」ということが判明した

ので(笑)、引き続き野球でいかせていただく。

 

 私は言うまでもなくアンチ巨人なわけだが、なにが嫌っつって、「アンチ巨人

というのは、結局巨人軍の存在の大きさを認めてるがゆえのものでなんたら」と

かいう物の言い方ね。それは70年代までのアンチ巨人でしょう。本当にジャイ

アンツが強かった時代の。今のアンチ巨人っていうのは、江川事件を頂点とする

「まだ盟主とか言い張ってなりふり構わない読売体質」に対するツッコミだと思

うのである。まずはその辺から整理しとかないと。野球経営上の反読売っていう

のはあっても、ベースボール文脈での巨人に対する対抗意識っていうのはもう無

いと思うんだけどね。実際ジャイアンツ、別に常勝じゃないし。個々の選手はとも

かく、戦い方として参考にすべき点もないし。

 

 それはさておき、私は最近のジャイアンツの「とにかく取ってこい」的な野球

には魅力を感じない。96年に日本シリーズで対戦した時に(私が対戦したわけ

じゃないっすね。オリックスが対戦した時)痛感したのだが、巨人の野球には美

学がないのだ。パラメータの高い選手を集めりゃなんとかなるだろうという、ま

るでファミスタのような発想。ナベツネの表現ではそれが「経営努力」というこ

とになるようだが、経営の努力はしていても、野球上の努力は皆無なのではない

だろうか。

 

 なまじ資金が潤沢にあるからそういう事態になるわけだが、言ってみれば「ア

メリカの戦争」のようなものだと思うのである。物量勝負、大量殺戮どかーんと

カマせばなんとかなるだろうっちゅうやり方。それは例えば古来からの兵法論と

は対極にあるもので、おそらく戦争マニア(←というジャンルがあるかどうかは

よく知らないが)には無粋な戦い方として人気がないはずだ。野球でもコアなマ

ニア(例えばベースボールマガジンの読者欄とか)にはアンチ巨人が多いわけだ

が、それはやはり無粋な物量野球に対して空しさを覚えるからだろう。

 そういえば、アメリカと巨人軍の間には他にも共通点があるな。時代錯誤な

「俺が主役だ」的世界観を持ってるところとか、自己の利益を公共の利益とすり

替えるところとか。合法でありさえすれば人の道に背いても構わないという姿勢

も(笑)。人望で人を寄せ付けるタイプというよりは力で屈服させるタイプ、と

括るのもわかりやすい。そうやって例えていくと江川事件ってのは枯葉剤か(笑)。

 

 ま、アメリカの喧嘩の強さや、読売の資金力に酔いたいタイプのファンがいる

ことは、それはそれで理解できる。しかし、そういう戦い方って、勝ってやっと

トントンっすよ。負けたら目もあてられない。

 そのことは、30億円補強のあげく昨年どうだったかを想起してもらえれば分

かるだろう。あと、ダイエーね。ダイエーはプチ巨人になろうとして、あげくの

果てに親会社が経営難という最悪のシナリオ。ま、巨人とダイエーを全く同じに

論じるのは正確な論議ではないのだが(読売はメディアを持っているという決定

的な悪質さがある)、思想の無い野球の行く果てがどんなものか、という意味に

おいては巨人ファンにも参考にしてもらいたいところである。

 

 ちょっと果てしなく長くなりそうなので、とりあえず今回はここまで。続きは

また次回。

 

<追記>

 アンチ巨人ネタばかりを書いていると「反巨人のための反巨人」と思われそう

だが、私は野球をする(我々の側としては、見る)上でみっともないものは全て

嫌いである。

 例をあげると、ひと昔前のロッテの負け犬根性(笑)。インチキ首位打者問題

(これは松永が絡んでるだけに俺はうるさいよ)とか、目前での胴上げを阻止す

るための抗議引き伸ばし事件とか。今の千葉ロッテは当時に比べると良くなった

と思うが、ああいう「自分さえよければ」的なやり方は、要するにナベツネと同

次元だろう。金を持ってないナベツネ。最悪(笑)。ま、インチキタイトルは他

球団にも例があるけどね。

 あと、弱いことが恒例化した阪神&阪神ファンってのもいかがなものか。なん

だかんだ言ってもホントは本気で優勝目指してる、というのでなくては球団とし

て存在する意味が無いと思うんだけど。ネタとして消化するにもほどがあるでし

ょ。


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