FAQ


オ−ロラに関して

Q1:オーロラはなぜ出来るのですか?大気の状態とどの様な関係があるのですか
  (ぺんぺんさん,社本さん,他)

 1) 太陽風
 2) 電離層
 3) オ−ロラはなぜ発光するか
 4) なぜ"北極光"と呼ばれるか

Q2:どのような色のオーロラが見られるのですか?

Q3:どのような形のオーロラが出るのでしょうか?

Q4:オーロラが見える国は何カ国あるのですか?(若林さん,他)

Q5:日本や南極でも観測できますか?(社本さん,他)

Q6:太陽活動が活発な時期ほど出現率が高いのはなぜですか?(社本さん)

Q7:近々オーロラが見えなくなるという話を聞いたのですが?(川畑さん)

Q8:オーロラは頻繁に見れるものですか?(shuheiさん)


写真関係

C1:フィルム、撮影データ等を各写真毎に掲載して頂けないでしょうか?(田島さん)

C2:フィルムの現像は日本に帰ってからでしょうか?

C3:どういったカメラなら上手にオ−ロラ写真がとれますか?(shuheiさん)

 1) カメラ
 2) レンズ
 3) 電池


回答

Q1:オーロラはなぜ出来るのですか?
A1:一言で説明しますと「地球の超高層大気で発生している放電現象」です


  オ−ロラの発生は大気の状態よりも太陽の活動が大きな要因となっています.

1.太陽風

  国立極地研究所のHPで詳しく述べられていますのでこちらから引用します.
  「太陽風と磁気圏」 http://jare.nipr.ac.jp/nan53100.html

  太陽からは、電気を帯びた陽子や電子などの荷電粒子がたえず流れ出して
  います。この荷電粒子を「プラズマ」、その流れを「プラズマ流」と呼び、オーロラを
  発生させるもとになります。プラズマ流は秒速300〜500キロメートルの高速で、
  密度は1立方センチメートルあたり5個の粒子がある程度で、「太陽風」と呼ばれて
  います。
2. 電離層

  地球は地磁気で覆われているため,この高エネルギ−の粒子「太陽風」が
  地球の電離層まで直接入ってくる事は出来ません.地球の夜側へ一旦
  回り込んで,そこから南北両極の電離層に入ってきます.

3. オーロラが緑やピンクに発色するのはなぜか

  色の違いは,発光している大気原子や分子,更に分子イオンの種類,
  それとオ−ロラを光らせる電子のエネルギ−の違いによります.

  高エネルギ−粒子は地球大気の主成分である窒素や酸素等の原子・分子と
  衝突してエネルギ−を失ってしまいます.一方でエネルギ−を受け取った原子・
  分子が元の安定名状態に戻る時に赤や緑などの光を放ちます.

 1) 高いエネルギ−の電子
  分子が比較的多く存在する,低い高度まで進入する事が出来るので様々な色の
  オ−ロラを光らせる事が出来ます.
  
 2) 低いエネルギ−の電子
  酸素原子が主成分の高い高度で止まってしまうため,オ−ロラの
  代表的な色である緑色のオ−ロラが見られます.

  3年前,38次隊で観測されたオ−ロラも殆どが緑色でした.

4.オーロラがなぜ北極光と呼ばれるのか

  発生が南北磁極を中心に緯度64-72度付近と言われていますので
  南の方では観測できる場所がなかったためと思います.北半球では
  古くはギリシャ・ロ−マ時代,古代中国にも記録が残っています.


Q2:どのような色のオ−ロラが見られるのですか?
A2:地上百キロメートルから上限五百キロメートルの電離層で発生するオーロラ

    は緑と赤の色で特徴づけられます (回答:竹ちゃん)


  タイプA:上へ向かって暗赤色になる緑白色のオーロラ.暗赤色はよく見えない.
  タイプB:下端が赤くなる緑白色のオーロラ.
  タイプC:一般的によく見られる緑白色のオーロラ.

  タイプD:全て暗赤色になるオーロラで,大規模なオーロラ嵐の時に
        低緯度でよく見られる.
  タイプE:タイプBと同じであるが活発的なオーロラ.
  タイプF:青や紫がかったオーロラで,太陽光や明るい月光に照らされた時に
        よく見られる.


Q3:どのような形のオ−ロラが出るのでしょうか?
A3:次の5つの形態に分類されています
 (回答:38次竹ちゃん)

  アーク :発生の初期によく見られる円弧型オーロラ.
  バンド :円弧型が曲がったりよじれたりしたオーロラ.
  レイ  :地磁気に沿った縞模様が見えるオーロラ.
 
  パッチ :幾つかの固まりに分裂したオーロラ.
  ベール:一様に広がったオーロラ.

(各タイプ・形態の写真は をご覧下さい)


Q4:オーロラが見える国は何カ国あるのですか?
A4:条件によっては何カ国でも見られます


  ロシア,USA(アラスカ),カナダ,グリ−ンランド(デンマ−ク),アイスランド,
  ノルウェ−,フィンランド,スウェ−デン,日本,オ−ストラリア...
  は目撃情報,及び書物で記憶にあります.

  オ−ロラは南北磁極を中心に発生します.単純に緯度でお答えは出来ません.


Q5:日本や南極でも観測できますか?
A5:今年は北海道でも期待が持てます


1) 南極

  HP上で公開している写真は全て昭和基地付近で撮影したものですが,
  昭和基地はオ−ロラ帯(発生の盛んな場所)の真下に位置しています.
  1968年から気球,ロケット,衛星受信により地上及び上空から観測を
  続けています.

2) 日本

  古くは「日本書紀」等に「紅気」や「赤気」という表現で記されており,
  比較的低緯度で見られる暗赤色のオ−ロラと思われ,全世界的な
  規模でオ−ロラ嵐が起こった時の記録だそうです.

  何十年か一度に赤いオ−ロラの観測記録がありますが,今年は太陽
  活動の極大期ですので北海道でも期待が持てるでしょう.


Q6:太陽の活動が活発な時期ほど出現率が高いのはなぜですか?
A6:詳細はA1,太陽風を参照ください.

  太陽の活動が活発な時期はフレア−(爆発現象)等により,太陽コロナの
  大規模な放出現象が生じ,数日後に大きなオ−ロラ嵐が発生する事が
  あります.

  太陽活動は11年周期で活発となりますが,実は今年がその頂点に
  あたります.現在メキシコにいますので,オ−ロラを見られないのが残念です.


Q7:記憶は定かではないのですが、近々オーロラが見えなくなるという話を聞いた
  事があるのです。本当にみえなくなるのか? と、その理由を教えて頂きたい。

A7:???

  結論から書きますと,見えなくなるという話は聞いたことがありません.
  オ−ロラは大気中の電子,窒素,酸素などとぶつかって見えるもの,
  と言われておりますので(100%は解明されていません)...


Q8:南極に行こうと思うのですが、オーロラは頻繁に見れるものですか?
A8:”運”次第ですが夏は難しいです.

  11月から2月にかけては太陽が24時間出ますのでこの期間は非常に観にくく
  なります.旅行者が出掛けられるのは氷の薄いこの時期になりますので...

  オ−ロラが目的でしたらアラスカ,北欧の冬が良いと思います.この冬(2000年)は
  11年周期である太陽活動のピークですので,きっと良いオ−ロラが観測出来ると
  思います.


C1. フィルム、撮影データの公示に関して

  了解しました.次回改版時に反映いたします.メ−カ−のエコヒイキになるかと
  思い伏せていましたが,よく考えたら,これをきっかけに更に良い製品を作って
  もらえればいいことですね(笑).

  撮影デ−タの公開は非常に難しいです.メモを残していた仲間が何人いたことか...


C2.フィルムの現像について
  
  自分達で現像していました.最初はフィルムに傷をつけたり,水洗いが十分で
  なかったりと貴重な写真を潰してしまいましたが3回目くらいからは鑑賞に堪えうる
  結果が出ました.


C3:どういったカメラなら上手にオ−ロラ写真がとれますか?

 1) カメラ
  ・開放(BULB)機能が必要です.動きの鈍いオ−ロラでは30秒等の撮影も
   行います.レリ−ズもお忘れなく.当然ですが三脚も.
  ・寒さに強いもの,機械式シャッタ−がお勧め.電子式は動かなくなります..
  ・カメラカバ−と”懐”の併用で電子式でも短時間は問題無し,です.
  ・一応,極夜時(−30度程度)の私の経験と周囲情報から...

Manuf. Type 動作 シャッタ− 注記
Nikon F-3 × 電子式
Nikon F-10 電子式
Nikon FM-2 機械式
Nikon F 機械式 製造中止?
Nikon Nikomat FTN 機械式 製造中止,愛機です
Canon EOS-1N 電子式

 2) レンズ
  ・明るさ,f値の小さいもの
  ・広角レンズ(オ−ロラは広範囲に出ますので),28mmが欲しいところ.

 3) 電池
  ・前述の通り,寒さで電池の消耗が激しくなります.カメラ自体で電池の
   消費量が少ないことも望まれますが,予備を忘れずに.