◎紫外線
お肌の大敵紫外線、基本的には生物全般に有害です。
しかし、太陽光に含まれ、ある意味では必要です。特に爬虫類飼育に
おいては重要な役割を果たし、紫外線を出すライトが必要で普通、
専用の蛍光燈を設置します。
リクガメの場合はカルシウム吸収に必要なビタミンD3が、野生では
食べ物から摂れず、その体内生成のため、中波紫外線(以下UVB)を
甲羅や皮膚に浴びる必要があります。また長波紫外線(以下UVA)も
脱皮促進や食欲に関連するといわれます。
問題はどれだけ必要なのか、どれだけ浴びるべきかという事で、
正解はないと言われてます。
単純に考えれば「太陽光に含まれるだけ」が正解となりそうですが、
まず太陽光と同じ強さ、スペクトルの光を照明器具で作るのは
甚だ困難です。人間の目は自動調整しちゃうので分かり難いですが、
晴れた日に外から帰り、陽の入らない部屋に入ると、蛍光燈つけても
結構暗いですよね。
20Wの蛍光燈の明るさは晴天時の日光の1/270みたいです。
一方、紫外線は太陽光の中にわずかしか含まれないので、
紫外線のみ強くする事は比較的簡単で、レプチサンUVB5.0(20W 高さ30cm)
新品ではUVBが日光の1/20程度になってます。
# ちなみにトルーライトは1/200程度です。
ただ、紫外線は目に見えないので、カメはそれが分からず、
暗い(日光の1/270)と思って瞳を開いて開いているところへ、不自然に
強い紫外線(日光の1/20)が来て、目の網膜が焼けて失明する可能性があると
いう人もいます。もちろん、レプチサンの発売元Zoo-Med社は問題ないと
言っています。まぁ、1/20ですから、個人的には絶対値としては
弱いような気もします。
1/20が弱過ぎるのか?分りません。
エロンガータリクガメなど陽が当たらない森に住むといわれる
リクガメもいるので、ギンギンに太陽の下に出る必要がある訳でも
なさそうです。ただし、これらの種は虫など動物食をするなど別に理由が
あるのかも知れませんが。
先ほどの失明の危険を重視すれば、太陽光と同じ比率に
する必要があり、それでは圧倒的に弱くなります。
それでも、ビタミンD3をビタミン剤で与える事で弱さを
補う事ができるというのが通説です。しかし、ビタミンD3は
不足はもちろん、過剰に与えてもいけない上、紫外線同様、
適量は不明で、その上吸収率もよくわかっていないので、
要は、実践が難しいのです。
UVBの必要性はビタミンD3生成で説明されますが、UVAはどうなのでしょう?
個人的にはリクガメの脱皮は全身一遍に行われる訳でもないので
UVAはトカゲほど要らない気がします。ただし、食欲に関係する可能性の
方は否定できません。UVAはどうも甲羅や手足の色が濃くなります。
まぁ、とにかく、日光浴は喜びます。
たぶん、明るい上に暖かいからだと思います。蛍光燈はどうしても
暖かい光を出すのが苦手ですし、明るさも足りないので。
開放感もあるのかも知れませんが、本当に喜びますね。
大概、餌を食べたり、排出したりします。
しかし、温まれば日陰に入るので、何時間も日向に出っ放しという
事はないですね。
太陽光にあたるのは温度調整が主のようで、紫外線を適切になるように
調整しているようには見えません。
つまり、紫外線が欲しくて日光浴するのでは無い様な気がしてます。
「ビタミンD3不足なので、暑くても我慢しよう。」という浜辺で
肌を焼く女の子のような事はないと思います。
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