はじめての確定申告

これから事業をはじめる方へ、申告までの流れをまとめました。
2005/11/01 掲載 :
 ◎まずは届出書

 個人事業を開業するにはお住まいの地域を管轄している税務署へ「個人事業者の開業届書」 を提出します。

 その際、「青色申告の承認申請書」 も一緒に提出し、青色申告者となることを忘れないで下さい。簡易簿記(現金出納帳と経費帳)で記帳しておけば10万円の青色申告特別控除を受けることができますし、1年目というのは設備投資や開業準備などでなにかと出費がかさみ、赤字(所得がマイナス)になることが多いようです。青色申告を受けることで、この赤字部分を3年間繰越ができ、その間の黒字と相殺することができます。(期限内申告をした場合)
提出しなければ、白色申告となり青色申告特別控除の適用がなく税額が多くなります。

 開業してから2ヶ月以内(開業日によって期限が変わりますのでご確認ください)に提出しなければその年の青色申告者になることはできません。

 個人事業の開業届出書 必ず必要
 青色申告承認申請書 必要
 給与支払事務所 従業員が居れば必要
 専従者給与の届出 家族従業員が居れば必要
 納期の特例の特例 年2回の源泉税支払措置

当ホームページの「届出書」に必要書類ががありますのでご利用ください

 今まで経理を経験した方は別として帳簿、決算、申告など、言葉は聞いたことあるけども実際には何するの?という方が多いと思います。ここでは簡単ですが一連の流れを説明します。 


 ◎記帳

 事業を始めたけど、何を帳簿に付けたらいいかわからない!という方が多いと思います。でも、大体こんな感じでつければいいのかな?ということはぼんやりとは判っているかと思います。おそらくその感じは当たっていますので、具体的に形にしてみましょう。

記帳にあたっての注意点は
  事業に関する部分と家計(個人的支出)に関する部分をきちんと区分けすることです

 事業を行っていて、入り(入金)と出(出金)を日付順にきちんと記帳します。
 またその結果累計額がいくらになったかを書き込みます。記帳の必要要件が入っていさえすれば大学ノートにつけてもOKですし、表計算などで作っていただいても結構です。

 ここでは青色申告者の簡易簿記での記帳について説明します。青色申告の承認申請書を提出し、以下の帳簿を付けると、青色申告の特別控除10万円を受けることができます。

 ◎収入について


 商売の基本です。これを漏らすと大変です。

 注意していただきたいのは通帳取引をされている方は、入金額が売上高なのではなく、請求書を提出したときの総額(消費税込み)が売上高になるという点です。
     例 請求金額と振込金額が違う場合(振り込み手数料)等を差し引かれて振込)
         請求金額額が売上高になり、差引不足額は支払手数料(経費)で処理します
         

 また、飲食店を営む方は仕入れたものをご自身で食べたり、飲んだりすることをなさっていると思います。仕入れたものを飲食することは特にだめということは決してありませんが、必ずその消費分を売上げとして帳簿につけてください。これを「家事消費」といいます。

 仕入れた時に経費に先に計上しているものを個人的に消費しているので、個人的に消費した分に関しては事業での支出とならないので家事消費で収益を立てることによって仕入れ分を相殺する。ということです。 

 ◎費用について

 経費科目毎に1年分の集計ができるようにまとめて下さい。該当する科目がない場合○○費というようにタイトルをつけていただき、それを必要な経費科目分作成します。

 気をつけていただきたいのはご自身の生活費など事業の出費ではない支出を計上してしまわないようにすることです。あくまでも経費となるのは売上に対応している支払です。

 では、友人とご飯を食べた時に支払った金額が接待交際費となるでしょうか?

 答えは、交友をあたためるだけであれば×。ご飯代を出すことによって売上につながるならば接待交際費となります。ともすれば個人的な支出に見えてしまうようなものに関してはできるだけ詳細にメモなどを残すようにしてください

主な経費科目

租税公課 事業税、固定資産税、自動車税、登録免許税、印紙税などの税金や商工会議所、青色申告会、商工会、協同組合、同業者組合、商店会などの会費、組合費、賦課金など
荷造運賃 荷物の送料、包装材料費
水道光熱費 水道代、電気代、ガス代
旅費交通費 電車賃、タクシー代、バス代、宿泊費
通信費 電話代、携帯代、切手代、インターネット料など
広告宣伝費 名刺代、ポスターなど
接待交際費 取引を目的とした交際に費やした額
損害保険料 火災保険料、自動車の損害保険料(事業用に限る)
修繕費 事業用資産の修理代
消耗品費 10万円未満の事業用に購入した物
福利厚生費 従業員への慰安等 事業主が負担する健康保険、厚生年金、雇用保険の保険料や掛金
給料賃金 従業員への給料、退職金
利子割引料 借入金の利息代など
地代家賃 店舗、事務所代、駐車場代など
支払手数料 振込手数料や引出手数料など
外注工賃 報酬払いをしている人件費など
新聞図書費 新聞代、書籍代、ソフト代など
車両関係費 ガソリン代、時間駐車場、高速道路代など
専従者給与 

専従者への給与 

雑費   分類されない費用


 ◎現金出納帳

商売はやはり現金が基本になります。

 手元にある現金がいくらかを付けていただきます。昔おこづかい帳など付けた事のある人は良く分かると思います。家計簿も現金出納帳に似ていますね。

 注意したいのは現金と預金をしっかりと分けることです。例えば現金を預け入れた時、帳簿の上では「現金が減って預金が増えた」となりますので、現金出納帳には預け入れが原因で現金が減ったと記帳します。

大原則として現金出納帳は残高は絶対にマイナスになりません。注意しましょう!

 個人事業の方ですとどうしても生活費(事業と関係のない支出)を事業用の現金から支払う場合が多々出てくると思います。その場合は「事業主貸」という勘定を使い記帳してください。

 逆に事業用の現金残が足りなくなり、個人の現金から補充することがあると思います。その場合は「事業主借」という勘定を使い記帳してください。

まとめると
事業から個人への現金の流れは「事業主貸」

○代表的な事業主貸

個人から事業への現金の流れは「事業主借」

○代表的な事業主借

となります。

 ◎集計

 その年の12月31日を迎えると、1年分の決算額を出すことができるようになります。年が明けて1月1日から3月15日までの間で決算書、申告書を作成して税務署へ提出することとなります。

 その第1ステップとしてまずは集計を行います。何も難しいことはありません。つけていただいた帳簿を各勘定ごとに毎月整理し、1年間の数字を集計するだけです。合計数字に間違いがないように、必ず検算してください。 

 ◎決算整理

 1年分の各科目の集計を行っていただいた後は決算整理を行います。決算整理とは下記の整理項目をピックアップして、その内容が当期の収入・経費なのかを検討し、当期の経営成績や財政状態を正しくするために修正することです。年末の日付で行います。売掛金、買掛金、未払金など、契約は成立しているが現金・預金などでの受取、支払が年明けのものなどに関して金額を正しくします。

  1. 棚卸表の作成
  2. 自家消費の計算
  3. 減価償却費の計算
  4. 家事関連費の整理
  5. 未払経費・前払経費などの整理
  6. 未収金と前受金の整理
  7. 貸倒金・貸倒引当金などの整理
  8. 修繕費(資本的支出との区分)の内容検討
  9. 事業外収支の内容検討

 よく耳にする減価償却も代表的な決算整理事項です。定義は難しいですが、簡単にいうならば10万円以上のもので1年以上の使用期間のある物は全て経費ではなく資産として記帳し、年末に資産の減価分を経費とすることです。ものにより法定耐用年数が細かく決まっており、取得価額をその法定年数等々を乗除してその年の経費(減価償却費)とします。


 ◎決算書作成

 事業、不動産についての売上、経費等(損益計算書)を記入します。簡易簿記を選択する場合はこのうちの、収入、仕入、経費についての金額を科目ごとまとめて頂くことになります。注意点として個人として払っている保険料や医療費などは決算書には反映させません。あくまで事業上での数字のみを合計します。売上に対応している支払いが経費となり、経費に対応している収入が売上となります。

よくある間違い:所得税、住民税、自宅の固定資産税、生命保険料、自宅の損害保険料、生活費、取引先で引かれる源泉税等は経費になりません!

 ◎申告書作成

決算書で算出された事業売上、不動産収入に加え、株の売買や土地建物、車などの売却、満期保険金の受取や年金の受取など、他の所得を記入します。

 また、所得控除といって扶養家族の人数や、保険料の支払状況などにより所得から引くことのできる数字も申告書で計算します。住宅等を購入されたときに適用できる住宅借入金控除も税額控除といって、申告書で計算します。

まとめると

決算書・・・事業、不動産においての金額を記入し所得金額算出

申告書・・・個人としての儲けを記入・諸控除を差引後税額が決まる

となります。

 

 ◎申告にあったて

自書申告は提出前のチェックが重要!

 平成10年分の確定申告より自書申告制度がスタートしました。自分で集計・計算し、申告をするわけですが、極論をいうならば自書申告というのは数字を自分で記入する分にはいくらを書いてもよいのです。そして、どんなでたらめな数字であっても税務署は受け取ります。税務署は受け取った後におかしい物に関しては修正をして下さいといって来るのです。

 もちろん、修正申告する場合は延滞税が掛ります。また、税務署からの指摘を受けて修正する場合は加算税もついてきます。例えば3年前の数字が違うので修正ということになった場合、3年間分の延滞税、加算税を加えた金額を納付するようになります。

 よく「税務署へ提出したら何もいわずに受け取ってくれたから大丈夫でしょ」といったことを耳にしますが、そうではないことを覚えておいて下さい。

 やはり、詳しい方に見てもらいたいということになると思います。その最大の理由として税制は毎年変わることが挙げられます。昨年完璧に作成できたからといってそのままの知識で翌年分を作成すると数字を間違える可能性が高いのです。税理士先生へお願いされる方は問題ないのですが、その他の方はご自身で勉強していく必要があります。そこで第3の選択肢として青色申告会があります。

 自分で集計して申告書もできた。ただ、それがホントに正しいですか? と問われるとどうでしょう? 当会はそんな不安を無くすことのできるところなのです。

 営利団体ではありませんので年額5,000円という低コストで様々なサービスを提供しております。もちろん会費は経費計上可能ですのでご一考の価値は十分あると確信しております



 ◎領収書などについて

 帳簿を付けたからといって領収書を捨てないで下さい!証憑といって帳簿の正確性を量るために必要な物になります。青色申告者は帳簿や書類を保存する必要があります。

●書類 保存期間

  1. 帳簿 ・ 決算関係書  7年
  2. 現金預金取引関 係 7年※
  3. その他の書類       5年

※(前々年分の所得が300万円以下の人は5年) 


 ※複式簿記で記帳をすることで青色申告特別控除65万円を受けることができますが、正しい記帳方法の習得には時間が掛かり、
また、一般的な説明よりも個別での説明が望ましいので65万円控除をご希望の方は是非ご入会して指導を受けて下さい。

これから事業をはじめる方へ